映画『白雪姫と鏡の女王』の概要：グリム童話『白雪姫』を題材とした、新たな白雪姫、ここに誕生。継母役を演じるのは、大女優であるジュリア・ロバーツ。コメディ要素も多く、家族で楽しめる作品となっている。
映画『白雪姫と鏡の女王』の作品情報
上映時間：106分
ジャンル：ファンタジー、アドベンチャー
監督：ターセム・シン・ダンドワール
キャスト：ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマー、ネイサン・レイン etc
映画『白雪姫と鏡の女王』の登場人物（キャスト）
- 白雪姫（リリー・コリンズ）
- 長年城に幽閉されていたお姫様。美しい外見に加え、勇敢な性格をしている。暴虐の限りを尽くす継母を止めようと考える。
- 継母（ジュリア・ロバーツ）
- 国を牛耳る女王。白雪姫を疎ましく思っており、長年彼女を幽閉していた。王子の妻になることで、金持ちになることを狙っている。
- 王子（アーミー・ハマー）
- 白雪姫に命を助けられた他国の王子。しかし、その権力と富故に、女王に狙われることとなる。
映画『白雪姫と鏡の女王』のネタバレあらすじ（ストーリー解説）
映画『白雪姫と鏡の女王』のあらすじ【起】
白雪姫は、本来であれば一国の姫と由緒正しい身分でありながら、長年城に幽閉されるという不自由な毎日を送っていた。その原因は、彼女の父親が再婚した相手にあった。継母となった彼女は、白雪姫を疎ましく思っていた。そして、王が死に彼女が女王の座に君臨してからというもの、白雪姫を閉じ込めてしまったのである。
そして、成長した白雪姫は、なんとか城から逃げ出し、初めて城の外に足を踏み出すことになる。そこで、白雪姫は不思議な出会いを果たす。なんと、二人の男が巨人に襲われ木に吊り下げられていたのだった。白雪姫は、その男らを助けてやる。そして、かつて幼い頃に行った村に足を向けるのだった。
その村は、活気の溢れる楽しい場所だった。しかし、何年振りかに訪れたその土地はすっかり変わり果てていた。そして、それも全て女王のせいだった。女王はワガママで、大層浪費家な人物だった。彼女の浪費のせいで、国民は貧しい生活を強いられていたのである。
映画『白雪姫と鏡の女王』のあらすじ【承】
そして、ある日、城に他国の王子がやってきた。そのことに一番喜んだのは、他でもない女王だった。彼女は、その王子と結婚すれば、今まで以上に贅沢な生活をおくれると考えたのである。
一方、村に出向きこの国の実情を知った白雪姫は、女王を止めなければいけないと考えていた。しかし、彼女だけの力ではどうしようもない。そこで、王子に助けを求めようと考えたのである。女王の目を盗み、王子にコンタクトを取った白雪姫は驚くことになる。なんと、その王子こそ先日彼女が助けた男のうち一人だったのである。
白雪姫は彼に助けを求めようとするが、女王に見つかってしまう。女王は、白雪姫もまた王子を狙っているのだと勘違いする。自分の男を取られそうになったことに怒る女王は、手下のブライトンに、彼女を殺すように命じるのだった。しかし、ブライトンは女王とは違い心の優しい人物だった。彼はどうしても白雪姫を殺すことができず、彼女を森へと逃し、女王には白雪姫が死んだと報告するのだった。
映画『白雪姫と鏡の女王』のあらすじ【転】
ブライトンに救われた白雪姫だったが、森の中で気を失ってしまう。そして、目覚めた白雪姫は、気がつくと何者かに囲まれていた。そこは見覚えのない、オンボロな小屋だった。彼女の周りを取り囲んでいたのは、7人の小人達だった。彼らは、昨夜森の中で倒れている白雪姫を見つけると、自宅へと連れ帰り彼女を介抱してくれたのだ。
女王に狙われている白雪姫を、7人は追い出そうとする。そんな7人に頼み込み、なんとか白雪姫はもう一晩だけその場所に泊めてもらうことになるのだった。元々白雪姫は心の優しい女性である。小人達もそんな白雪姫の心根に触れ、少しずつ彼女に心を開いていくのだった。
翌日、小人達が大金を持って家へと帰ってきた。驚いた白雪姫が話を聞くと、その金は城に運ばれるはずのものだったという。女王が贅沢をするために、民から巻き上げた金だった。白雪姫はこの金を持つと、村へと返しに向かうのだった。その際、白雪姫はこの金を取り返したのは、7人の小人達の功績であることを話した。
映画『白雪姫と鏡の女王』の結末・ラスト（ネタバレ）
一方、白雪姫を殺したと思い込んでいる女王は、本格的に王子を我が物にしようと動き出していた。彼女は、魔法の鏡にどんな男でも虜にする惚れ薬を作るように命令する。そして、王子にそれを飲ませることに成功したのである。
しかし、ここで女王の耳に白雪姫が生きているというニュースが飛び込んできた。王子を奪われるわけにはいかない女王は、自ら彼女に手を下す決意をする。そして、白雪姫のいる小人達の家を、強力な魔法を用い攻撃したのである。なんとか生き延びた白雪姫達は、女王の野望を阻止するべく、彼女と王子の結婚式を妨害しようと考える。
彼らは危険を顧みず、城へと乗り込んだ。白雪姫は、魔法の力ですっかり変わってしまった王子と再会する。しかし、彼女が王子に口づけを交わすと、王子を縛っていた魔法が解けたのである。しかし、それを許す女王ではない。彼女は手下の怪物を白雪姫に仕向ける。戦いの最中、白雪姫は怪物がつけていたネックレズ破壊する。すると、なんと怪物が白雪姫の父親の姿へと変わった。父親は殺されたのではなく、女王の力によって怪物に変えられていたのである。白雪姫の活躍によって、無事に女王は倒され、国には平穏が取り戻されたのだった。
映画『白雪姫と鏡の女王』の感想・評価・レビュー
小さい頃から見ていた白雪姫のイメージではなく、新たな白雪姫がみられた。とてもリアルに描かれており、白雪姫の真っ直ぐで強い気持ちと、何もかも魔力で思い通りにしてきた女王との対立が激しく、また小人達のキャラクターも愛しかった。王子との出会い方や、白雪姫と小人達ならではの戦いのやり方など、見所がたくさんあり、面白かった。白雪姫を演じたリリー・コリンズと、女王を演じたジュリア・ロバーツとの、豪華キャストの共演にも目が離せなく、素晴らしい演技力が魅力的であった。（女性 20代）
往年の白雪姫とはまた一味違う、勇敢なプリンセスの描写が楽しめる作品。最近の流れは、プリンセスといった高位の女性をアクティブに演出するという作品が多くなってきており、そういう面では現代よりの内容だといえるだろう。ジュリアロバーツに並び、主役のリリーコリンズがしっかりと演じている為、新しい白雪姫のイメージとしては抜群である。余談だがリリーコリンズの父親は、ディズニー作品では何度も主題歌を担当しているあのフィルコリンズである。本作の主題歌はフィルコリンズではないが、何とも面白い繋がりである。（男性 30代）
グリム童話『白雪姫』とは細かなところで違う部分もある。でも、その違いも楽しめた作品だった。所々で笑える部分があり、白雪姫と王子様との関係でトキメク部分もあり、継母の恐ろしい部分もあり、色んな要素がてんこ盛りの物語だった。白雪姫や継母が着ている衣装が全てオシャレで、とても可愛かった。まさか白雪姫の父親が怪物に変えられているとは思わなかった。白雪姫の父親は継母のどこに惹かれたのか、疑問である。（女性 30代）
リリー・コリンズが初主演を務めた、『白雪姫』原作のファンタジーコメディ。
原作とは違って、女性たちは自立していて強く美しく現代的に描かれていた。
女王が鳥の糞や幼虫たちにトリートメントしてもらうシーンが余りにも貪欲で笑ってしまった。
ラストは、白雪姫が自身ではなく魔女に毒リンゴを食べるよう仕向けるところが爽快感のある好みの終わり方だった。
そして、石岡瑛子さんの手掛けた衣装は、ヴィジュアル的にインパクトが強く、その芸術性の高さも見どころとなっている。（女性 20代）
白雪姫の中でも特にお気に入りの実写版映画だ。白雪姫役のリリーコリンズの可愛らしさ、白雪姫らしさと言ったら群を抜いている。
白雪姫が盗賊となり小人たちとともに戦う姿は従来の白雪姫の概念を覆す。可愛いだけじゃ王子さまは助けに来てくれないし、生き残れないということだろう。小人たちに盗賊に仕上げられていく過程も面白い。
王子がどことなく頼りなくて、継母がマヌケなところはファンタジーコメディらしくて楽しめる。（女性 20代）
本来知っている白雪姫とは違ったストーリーがおもしろかった。童話がダークファンタジーとして作品になることは多かったけれど、コメディ寄りにつくられたのを観るのは初めてで、とても新鮮だった。
わかりやすいストーリーで、豪華なキャストも魅力的。世界観もかわいくて、品を損なうことなく現代にフィットするアレンジが非常に良いと思う。
エンディングで突然インド映画っぽくなるのもおもしろかった。
ひと味違った白雪姫を観たい人にはおすすめの作品だ。（女性 20代）
この映画が出てきて割とすぐに見たのだが、当時の中1だった私はリリーコリンズの眉毛のインパクトに驚き、見ていくうちになんて可愛い人なんだろう、と感じた記憶がある。ストーリーも好みであっという間に夢中になり、DVDも持っていたくらいだ。
とにかく華やかで可愛らしいのはもちろん、これまでの童話、白雪姫と大きく異なり、強い女性となっている。もう一つ、同時期に出てきた白雪姫の映画もあるが、こちらはダーク要素が強く、このコメディ要素のある明るい感じとは対照的だろう。
白雪姫がドワーフたちに鍛えられるシーンはカッコよく、何度見てもワクワクする。キャストもかなり豪華で、ジュリアロバーツや今では有名になったリリーコリンズはもちろん。父親である王様もちょこっとしか出ていないにも関わらず、ショーン・ビーンであることを忘れてはならない。
またラストのリンゴをもらうシーンのリリーはすごく綺麗でカッコよく、当時中学生だった私は「キャーキャー」言っていたシーンだ。エンディングも独特で大好きだ。（女性 20代）
新しい解釈の現代版白雪姫です。絵本やアニメの実写化を想像していた見事に裏切られます。ジュリア・ロバーツが継母役ということで、どうなるのか楽しみでしたが、ファンタジーに登場する悪役で、しかも好きな女優さんということもあり憎めない魔女でした。物語には「赤リンゴ」も「7人の小人」も「王子とのキス」も描かれていますが、こんな風になるのかと変化を楽しむことができました。
気軽に観て楽しめる作品でしたが、子どもの夢でもある憧れのプリンセス像とは少し違うかもしれません。（女性 40代）
キャストが最高すぎる今作。白雪姫はリリー・コリンズで王子がアーミー・ハマーなんて最高の組み合わせ。リリー・コリンズのしっかりとした眉と陶器のような白い肌は白雪姫のイメージにピッタリです。派手な印象があまりないので、優しさと勇気に溢れた新しい白雪姫をすんなりと受け入れられました。
鏡の女王を演じるのはジュリア・ロバーツ。悪役での出演ですが、さすがラブコメの常連ということもありコメディもお手の物でしたね。彼女がいることで作品全体が引き締まり、終始飽きずに見られたと思います。（女性 30代）
みんなの感想・レビュー
女優のリリー・コリンズを始めて見たのがこの作品だった。アニメの白雪姫がそのまま現実の世界に登場したかのようで、可愛さと利発さを兼ね備えた人物だと思う。作品に登場する衣装が、どれもオシャレで可愛いのが良かった。ファッションが好きな人にもおすすめの作品。目の保養になる。エンドロールで皆が歌って踊るのだが、楽しい気持ちのまま見終わることができるので思いのほか良かった。ぜひ最後までチェックして欲しい。
①ファンタジーコメディという新しい白雪姫
原作では守られる立場の白雪姫が、使用人から「ひきこもり」と言われたり、幽閉というよりは「火事のとき以外は部屋から出ないように」と注意されるだけの閉じ込め具合など、ツッコミどころ満載なのだがコメディと考えてしまえば面白い設定。
王子様が驚くほど頼りなく、白雪姫に出会うシーンでは半裸で助けを求めたり、7人の盗賊小人が出てきて白雪姫まで盗賊になるなど、原作からはかけ離れてはいるが独特の雰囲気があって楽しめる。
白雪姫がいきなりたくましくなるのではなく、トレーニングシーンを笑いを交えつつ加えることで、重要な部分のストーリー展開に矛盾を持たせなくしている。
白雪姫からのキスで王子様の魔法が解けたり、7人の小人と王子様と白雪姫で敵を倒そうとするなど、強い女性像を描いた作品にもなっている。
だが、魔術を使いすぎて老婆になった女王が毒りんごを白雪姫に渡す際に女王をやりこめるラストでは、まるで悪役のような表情と雰囲気で、本作の白雪姫にマッチしない印象を与えている。
ファンタジーにするにはコメディ要素が強すぎて、コメディとするには中途半端な部分が多いという、どっちつかずの作品でもある。
②石岡瑛子の遺作に白鳥ドレス
ジュリア・ロバーツの初めての悪役は、若さと財力と見た目で選んだ王子に強引にアプローチするなど、少々抜けている設定が可愛らしさを浮かび上がらせてしまっている。
だが白雪姫に嫉妬するシーンなどでは、悪役の表情をしていて演技力の高さを見せ付けている。
ミュージシャンのフィル・コリンズを父に持つリリー・コリンズの白雪姫は、眉毛の太さと黒髪が、最初こそ違和感たっぷりなのだが、徐々に可愛らしく見えてくるという不思議な魅力がある。
遺作となってしまった石岡瑛子の、原色を惜しげなく使った派手なドレスや、白雪姫の白鳥を頭に乗せたギャグのようなドレスなど、印象に残るものが多い。
小人のバネつき竹馬の巨人も、強烈な印象を残す。しかし、女王のパックのシーンでは、気持ち悪い虫がうじゃうじゃ出てきたりするなど、目を背けたくなる場面はどんな作品でも気分を害してしまうだろう。
同じ2012年に公開された、戦う白雪姫をテーマにしたダーク・ファンタジー「スノー・ホワイト」と同じく、戦う”盗賊”の白雪姫をモチーフにしたファンタジー・コメディ映画。
大人になってからグリム童話を読むと「こんなに簡単に毒りんごにひっかからないだろう」と考えるが、そういった部分にナレーションでツッコミを入れるという、一歩間違えれば夢を壊しかねない世界観をぎりぎりで表現している。
リリー・コリンズの太い眉毛に黒髪の白雪姫は、どことなくオードリー・ヘップバーンを連想させるような雰囲気があり、最初こそ違和感があるが、徐々に独特の可愛らしさがあふれる表情を見せてくれる。
ターセム・シン監督のデビュー作「ザ・セル」から衣装に関わってきた石岡瑛子の遺作という事で、エンディングスクロールには彼女へのメッセージが付け加えられている。