映画『必殺!主水死す』の概要:必殺シリーズの映画版第6作。中村主水役を藤田まことが演じ、TVシリーズと同じく仕事人に三田村邦彦、中条きよし。最終章の共演は津川雅彦、名取裕子。貞永方久監督、1996年日本映画。
映画『必殺!主水死す』 作品情報
- 製作年:1996年
- 上映時間:100分
- ジャンル:時代劇、アクション、ヒューマンドラマ
- 監督:貞永方久
- キャスト:藤田まこと、三田村邦彦、菅井きん、白木万理 etc
映画『必殺!主水死す』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『必殺!主水死す』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『必殺!主水死す』のあらすじを紹介します。
天保年間。江戸城、大奥。徳川家定(細川ふみえ)には、双子の弟がいたが行方知れずになっていた。大奥では、お美津の方(松居一代)と姉小路の2流勢力が台頭し、家定の後目争いが勃発。時を同じくして、絵師・葛飾北斎(鈴木清順)や彼の絵に関わった者が相次いで変死。
南町奉行の中村主水(藤田まこと)は、葛飾北斎の娘お栄(美保純)に絵を描くのを辞めるよう言うが、お栄は権の四郎(津川雅彦)らに殺され、死体は籠の中に入れられてしまう。
江戸の町で、中村主水は三味線とキツネ踊りをする芸人2人に出会う。三味線弾きはかつてのお千代(名取裕子)だった。しかし記憶を失っており、今はお夢と名乗っていた。キツネ踊りをするのは捨蔵(細川ふみえ)とよばれる娘だった。
2人は過去にも襲われたことがあるという。家定の双子の弟に似ているということで、お夢と捨蔵は大奥に呼ばれることに。キツネ踊りを披露していた途中、キツネのお面を取ると姉小路(柏木由紀子)は捨蔵を見て動揺するそぶりを見せるのだった。
中村主水は、姉小路と水野忠邦(宝田明)を殺し、おけい(東ちずる)の力を借りて、捨蔵らを城から逃がす。しかし、まだ終わっていなかった。中村主水は、お千代と共に権の四郎の館へ向かう。その後を飾り職人・秀(三田村邦彦)、三味線屋・勇次(中条きよし)が追う。
20年前の主水と権の四郎、お夢(お千代)を巡る争いの決着を着ける刻が訪れようとしていた。
映画『必殺!主水死す』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『必殺!主水死す』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
仕事人・中村主水の生き様を見よ!
「必殺」シリーズの映画版第6作です。TVシリーズからのファンにとって、主水がどうなるかは気になる展開だが、無理に殺さなくてもいいのにというのが正直な気持ちです。無敵なまま、終わってもいいじゃないか。
中村主水をはじめ、飾り職人の秀や三味線屋の勇次、おけい等おなじみのメンバーが活躍してくれるからこそ面白い。本作は、シリーズ最後だというのに仕事人達の活躍がいつもより少なめです。だからといってつまらないわけではありません。
徳川家定の跡目争いに巻き込まれる形で、主水は権の四郎とお千代を絡めた因縁の対決へ。誰が父親でも丈夫に子が育ったらいいじゃないと思うが、男はこだわるんですね。
このように脚本には、若干不満がありますが、主水達は随所でいい仕事していますよ。
おけいから、双子の弟を殺すという依頼を誘われるが、”個人の深い恨みを晴らす”という趣旨とは違うから受けられないというシーン。そして、上司の愛人工作をする代わりに奉行所の仕事をさぼるシーンなど主水らしくていい。
実は、ゆとり世代の人にこそ、「必殺」シリーズを観てもらいたい。本業をサボってばかりじゃダメだけど、大人の余裕が必要なんです。
悪役・権の四郎の魅力
権の四郎を演じる、津川雅彦は悪人面がよく似合う。見どころは2つあって、1つは”北斎の娘・お栄を殺すシーン”。蚊帳の中でどうやって殺したのだろう。殺す前に何か花を手折る瞬間が挿入されていた。殺しを予想させるけど、肝心の殺人シーンを見せない。
そして、お栄の死体は籠のなかで見つかるのだ。2つめは、”主水と対決する囲炉裏のシーン”。農機具やら火ばさみなど凶器になりそうな物ばかり手元にあります。火ばさみを持った瞬間、主水が緊張する息遣いまで聞こえるような演出だった。
映画だから、明るく見えるけど、”囲炉裏のシーン”では暗いはずだ。主水は剣も持たずに対決しないといけないから、心細くないだろうか。再び、この2人の対決が観たいなぁ。
映画『必殺!主水死す』 まとめ
中村主水という男は不死身だと思っています。数年前に藤田まことが亡くなられたのを知って、もう主水に会えないんだと淋しく感じました。「必殺」シリーズの魅力は、人物・殺し・音楽が三位一体となって響いてくるところです。
一撃必殺で、殺しの瞬間の音が聞こえると緊張感が増します。そして、観ている私達の日常の恨みつらみさえも消えてゆく、カタルシスがあります。これがクセになるので、ぜひTV版「必殺」シリーズからご覧下さい。映画版と同じ、貞永方久監督です。
本作には、葛飾北斎役で鈴木清順が出演しています。彼は、「チゴイネルワイゼン」を撮った映画監督です。時代劇には、意外な人が出演していることも多く、見つける楽しみもあります。
みんなの感想・レビュー
すみません、名前の表記を間違えておりました!
捨蔵に修正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
捨吉じゃなくて、捨蔵ですよ(*^。^*)