映画『モンガに散る』の概要:2010年製作の台湾映画(原題MONGA)。台北一の繁華街モンガを舞台に極道の息子とその仲間の5人組の青春を裏切りや抗争、真の友情を通して描いた衝撃的な作品。
映画『モンガに散る』 作品情報
- 製作年:2010年
- 上映時間:141分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:ニウ・チェンザー
- キャスト:イーサン・ルアン、マーク・チャオ、マー・ルーロン、リディアン・ヴォーン etc
映画『モンガに散る』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
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映画『モンガに散る』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『モンガに散る』のあらすじを紹介します。
1986年のある日、台北のモンガに1人の高校生が引っ越してきた。
彼の名はモスキート。
慣れない土地で始まった突然の不良グループからの嫌がらせに、持ち前の賢さでなんとかうまく切り抜けるモスキートだった。
そのやり取りを見ていたドラゴンがその勇気ある行動に一目おく。
モンガで勢力を誇る裏組織のゲタ親分の息子であるドラゴンは、その親友モンクと共に4人の不良グループで行動していた。
ドラゴンはモスキートに仲間にならないかと尋ねる。
友達のいなかったモスキートにとって、それは非常に魅力的だった。
こうして彼らは5人組となり、モンガで喧嘩や遊びに明け暮れる青春を謳歌することになる。
絆は深く、義兄弟の契りを交わすほどだった。
しかしそれも大人の都合で一転。
大陸からきた利益重視の裏組織が、ゲタ親分たちに手を組まないかと申し出る。
しかし昔ながらの親分たちは断固として拒否をする。
その後ゲタ親分は殺害されてしまう。
犯人はドラゴンの親友のモンクだった。
モンクが裏切ったことも知らずに、親のように慕っていたゲタ親分を殺害され怒りに狂うモスキート。
しかしその事実に気がついた彼は、モンクに詰め寄り確信にせまる。
そして2人は殺し合いをはじめ、青春を共に過ごした仲間にしては悲しすぎる結末を迎えるのだった。
映画『モンガに散る』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『モンガに散る』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
描写の激しさを感じさせない
極道映画には目を覆いたくなるような描写があることが多い。
それが醍醐味であり、リアルさを追求するには仕方のないことである。
しかし、本作に関してはそうではない。
あくまで内容を引き立てるためだけの描写に感じさせ、流して見ることができる。
そのため女性でも見やすいドラマに仕上がっており、男臭い中にもきちんとした映画としての楽しさがある。
台湾の裏社会を垣間見ることができる
香港ノワールや中国マフィア映画などは多く存在するため目にすることもあるが、台湾の裏社会の映画は中々見ることが無い。
しかも、B級映画ではなく話題作として人気の映画の中では非常に珍しい。
また極道の仁義のようなものをきちんと描いていることで、1本筋が通っていることが読み取れ後味こそ悪いラストではあるがドラマ自体は面白い。
ラストシーンの美的センスの良さ
本作品のラストシーンがこの映画の見所であると言っても過言ではない。
モスキートがモンクに刺されるシーンで、血渋きが桜の花びらのようになるのである。
このシーンは予告編でも注目されたシーンであり、最後の切なく蘇る青春の映像が何とも言えない寂しい気持ちにさせられる。
効果抜群の映像であった。
また日本を思う過去の話題もでてきて、モスキートが日本に言ってみたいと言うシーンもあるためすべてが繋がっていて綺麗に解決する感じがドラマティカルである。
映画『モンガに散る』 まとめ
台湾映画は現代の作品であってもどこかノスタルジックさがつきまとう。
台北が舞台になっていてもだ。
都会で高層ビルが多い中で、懐かしい雰囲気を醸し出せる映画は台湾映画の魅力であるといえる。
また俳優の演技のうまさも大したもので、アイドルであろうとぐっとくる演技をする。
見た目が日本人とちかいこともあり、親しみやすい上映画の中でも日本語が使われるなど見ていて嬉しい描写も多い。
日本と台湾は非常に近い場所にあり、文化や歴史も共感できることも多々ある。
このように映画界の中でも良い作品が往き来すればよいと思う。
極道ものは香港映画というイメージもついてまわるが、実際には他国でも多く製作されているのでチェックして欲しい。
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