映画『ミスター・ベースボール』の概要:「ミスター・ベースボール」(原題:Mr. Baseball)は、1992年のアメリカ映画。監督は「愛しのロクサーヌ」、「ロシア・ハウス」のフレッド・スケピシ。主演は「スリーメン&ベビー」、「スリーメン&リトルレディ」のトム・セレック。「メジャー・リーグ」、「ネイビー・シールズ」のデニス・ヘイスバート。「居酒屋兆治」、 「ブラック・レイン」の高倉健。他の出演者に高梨亜矢、塩屋俊、穂積隆信、藤田朋子、浜村純など。
映画『ミスター・ベースボール』 作品情報
- 製作年:1992年
- 上映時間:110分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:フレッド・スケピシ
- キャスト:トム・セレック、高倉健、高梨亜矢、デニス・ヘイスバート etc
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映画『ミスター・ベースボール』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ミスター・ベースボール』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ミスター・ベースボール』のあらすじを紹介します。
ニューヨーク・ヤンキースのスタープレイヤーであるジャック・エリオット(トム・セレック)は、不審に喘ぐ中でルーキー選手との競争に破れ、日本の中日ドラゴンズへとトレードされてしまう。ドラゴンズの監督は往年の名選手だった内山(高倉健)だ。ジャックはチームメイトのマックス(デニス・ヘイズバート)に、日本でプレーする際のアドバイスを受けるが、聞く耳を持とうとしなかった。練習初日、内山監督からスイングの欠陥を指摘されたジャック。しかしマイペースで試合に臨むジャックは、弱点を知られていないこともあり活躍を続ける。記者会見で、通訳の西村(塩屋俊)が、ジャックの発言を優等生的な言葉で通訳したこともあり、”ミスター・ベースボール”というニックネームで人気者になった。球場で知り合ったデザイナーのヒロ子(高梨亜矢)にCM出演の依頼を受けた事を機に、何かと気遣ってくれる彼女とジャックは男女の関係にまでなってしまったが、馴れない日本での生活を続ける中、スランプから脱出できずに日々を悶々と過ごしてゆく。そして内山監督との間に生じた溝は深まるばかりで、ある試合で乱闘騒ぎを起こしてしまったジャックは出場停止になってしまう。そんな様子を見ていたヒロ子は、翌日ジャックを実家に招き、祖父と祖母、そして父親に紹介するが、そこでジャックの目の前に現れたヒロ子の父親というのは内山監督だった。内山家の中に入り、監督の人間性と熱意を知ったジャックは発憤して猛特訓を行い、スランプを脱出したジャックの前向きな態度に一丸となったチームも快進撃を続け、優勝を争う運命の巨人戦がやってきた。ジャイアンツとの戦いは激しいシーソーゲームとなり最終回を迎え、一打サヨナラの場面で内山の持つホームラン記録に挑むジャックが打席に立つ。監督は自分の記録など考えず、思い切り打つ指示を出した。しかし追い込まれたカウントからジャックはまさかのバントを決め、チームは見事にリーグ優勝を果たして勝利の美酒に酔った。
映画『ミスター・ベースボール』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ミスター・ベースボール』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
外国人監督が撮った日本野球の世界
本作の三年前にチャーリー・シーン主演の「メジャーリーグ」がヒットしたが、本作はその日本版といった内容である。しかしハリウッド作品ながら、ヤンキースから飛ばされたスター選手のトレード先チームが中日ドラゴンズというのが興味深い。当時の日本プロ野球は現在と同じように海外からやってきたスター選手が多く、プレーの緻密さやチーム野球が本場メジャーリーグにも取り入れられ、日本の野球も海外から注目され始めた時代だったのだろう。本作が公開されたのは1992年でドラゴンズは星野監督から高木監督へ変わったばかりであり、チーム成績は最下位だった。しかし健さん演ずる内山監督は紛れもなく前年まで監督を務めていた星野監督のイメージである。いっそ星野さん本人の出演でも良かったのではないかというくらい、健さんの演技は星野監督のイメージを見事に演じている。応援のスタイルや球場の雰囲気など日本のプロ野球らしさがよく演出できており、トム・セレックのデカイ図体もいかにも助っ人外人選手という風貌で好感が持てる。しかしながら身長180cmの健さんがあれほど小さく見えるのだから、トム・セレックのデカさは相当なものだ。
日本の野球ファンには興味深い
ドラゴンズの対戦相手が大洋ホエールズだったりして、一昔前のプロ野球が目の前に現れる。当時の名古屋球場も今となれば懐かしい。水島新司さんの息子が巨人の投手役で出演したり、野球ファンには嬉しいシーンが多く登場する。できれば本物の現役選手が登場してくれたら良かったのだろうが、元阪急ブルーウェーブにいたアニマルやロッテのレオン・リーが「ガイジン」仲間で登場するのも見所である。本来舞台はオリックスをチームとして設定する予定だったらしいが、オリックスが「バファローズ」から「ブルーウェーブ」に変更するなどの事情で中日へ変更されたという話があるが、もしそのまま神戸が舞台になっていればシナリオも全く変わっていただろう。セ・リーグがパ・リーグに変わるというだけでも随分話は違ってきた気はするのだが、セ・リーグ相手に打倒ジャイアンツというシナリオに恵まれたところも、ドラゴンズで良かったといったところだろう。
映画『ミスター・ベースボール』 まとめ
本作が日本人監督による日本映画なら高倉健が出演していたかという部分が少し怪しくなってくる。野球を国技とするアメリカならではの視点が日本の野球をアメリカ的に捉え、ハリウッドの力が健さんの出演を導いたというところで逆輸入的なユニークな演出となったが、日本プロ野球界の協力もあり、名古屋では10万人を超えるエキストラの出演など、日米協力の下で出来上がった野球映画として「メジャーリーグ」とはひと味違う演出でユニークな作品となった。しかしながら日本人的な観点からすれば健さんが出演しているので申し分はないが、トム・セレック以外の海外の俳優が今となれば少し物足りない感じがあり、優勝の盛り上がり方にしてもちょっと感動が薄く、胴上げやビール掛けなんかの日本野球独特なシーンが導入されてもよかったのではないかと感じた。
みんなの感想・レビュー
ご指摘ありがとうございます。
誤字の方、訂正致しました。
当時、オリックスの球団名変更は『ブレーブス→ブルーウェーブ』で、後に近鉄との球団合併で『バファローズ』になります。
もっと言うと、『バッファローズ』ではなく『バファローズ』です。