映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の概要:ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン生誕100周年を記念し制作された劇場版長編ストーリー。全編手描きの優しいアニメーションで楽しむ、ムーミン一家の個性豊かで気ままなバカンス。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の作品情報
上映時間:77分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、アドベンチャー、アニメ
監督:グザヴィエ・ピカール
キャスト:高山みなみ、かないみか、大塚明夫、谷育子 etc
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の登場人物(キャスト)
- ムーミン(高山みなみ)
- 優しく、素朴で思いやりのある少年。勇気もあるが、優柔不断で断るのが苦手という欠点も。機転もきき、一家のピンチを救うアイディアを思いつく事もしばしば。
- フローレン(かないみか)
- ムーミンの彼女。夢見がちで、すぐに自分の世界に浸ってしまう。自分に自信があり、セレブの暮らしに憧れを持っている。賭け事に強い。
- ムーミンパパ(大塚明夫)
- ムーミン一家の大黒柱。家族想いだが、見栄っ張りでおだてに弱い。ムーミン谷では芋を育てる質素な生活だが、セレブの社交界にもすぐ馴染む。ムーミン族についてや、過去の冒険話を語らせると長い。
- ムーミンママ(谷育子)
- ムーミン一家の良心。心が広く、前向きで現実的。庭づくりが趣味で、どこにでも森や庭園を作り出す才能がある。
- モンガガ伯爵(三村マサカズ)
- リヴィエラに住む大富豪。柔軟な思考の持ち主で、ボヘミアンの生活に憧れている。彫刻を密かな趣味とし、象の像を彫り続けている。
- クラーク(大竹一樹)
- ムーミン一家と同じホテルに滞在しているセレブの若者。女好きのお調子者だが、セレブ界では人気者。フローレンにちょっかいを出す。
- ミイ(佐久間レイ)
- 面白い事が大好きで、ムーミン一家のバカンスに同行する小さな女の子。鋭く口は悪いが、いつも物事の本質を見抜いている。
- ピンプル(木村カエラ)
- リヴィエラに住むセレブの飼い犬。ムーミンママに懐く。犬なのに猫しか好きになれないという悩みを持っている。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』のあらすじ【起】
ムーミン谷のムーミン一家は、ムーミンパパが開くパーティーが大好きだ。今晩も、谷の仲間を集めて楽しくたき火を囲む。しかし、深い霧の中、その炎の明かりを灯台と勘違いした船がいた。海賊船だ。ミムラとミイの姉妹を捕虜にしている。灯台目指して近づいてきた海賊船は、あと一歩というところで座礁してしまった。捕虜を置いて、海賊達は逃げ出した。
翌朝、そうとは知らず、いつも通りの平和な一日を始めるムーミン一家。すると、沖合で溺れている人がいる。船を自力で抜け出したミムラだ。助けに行くムーミン。彼女から海賊船の話を聞き、一家は海賊船へ宝探しに出かけて行った。
ムーミンパパは花火を、ムーミンママは南国の花の種を見つけて大喜びだ。再び船が傾きだし、他のお宝と一緒に慌てて船を後にする一家。しかし、パパが打ち上げてしまった花火によって、海賊達に気づかれてしまう。ムーミン家に、海賊が押し寄せる。奪った宝は没収されてしまうが、少しの花火と、花の種は譲ってもらう。
再び平穏に戻る一家。しかし、ムーミンパパには冒険への憧れが残っていたようで、フローレンが雑誌で見たリヴィエラでのバカンスの記事の話題を出すと、リヴィエラまで船を出そうと言い出した。夜の嵐に乗って、ムーミン一家は旅に出る。
結局、一家を乗せた小舟は大波にのまれ、何も無い小島に漂着してしまった。しかも、荷物の中にミイが潜んでいたではないか。好奇心旺盛な彼女は、おもしろそうな気配を感じ、荷物に潜り込んだのだ。島では、汚い言葉ばかりを吐き続ける奇妙な虫を捕まえた。さて次はどうしようかと思っていると、何のことは無い、島から見える水平線に、リヴィエラの明かりが広がっているではないか。こうして、一家は無事に、リヴィエラに上陸する。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』のあらすじ【承】
リヴィエラでは、素朴なムーミン谷とは何もかもが違っていた。豪華な建物や店が立ち並び、セレブが海岸を水着で闊歩している。街をぶらつき、お屋敷の番犬ピンプルを手なずけたムーミンママ。ピンプルは、そのまま一家についてくる。
「ようこそ」と書かれた看板を目にし、自分達が歓迎されていると思って高級ホテルにチェックインするムーミン一家。パパは自らをド・ムーミンと名乗り、貴族気取りだ。一家はロイヤルスイートに通される。豪華な部屋をパパとフローレンは楽しむが、ママは落ち着かず、結局ベッドの上だけで生活する事とする。
チップを払う習慣も、レストランでの食事方法も知らないムーミン一家。その変わった様子は周囲の目を引き、一家はモンガガ侯爵や金持ちのクラーク、女優のオードリー・グラマーと知り合いになる。フローレンはオードリーに憧れており、初めに彼女に話しかけた時は物乞いと間違われコインを施されるが、そうとは思わず浮かれていた。さらに、ナンパなクラークに誘われ、衣装をそろえる為にコインを元手にカジノで大勝ちだ。晴れて水着やドレスを買い、セレブ達の仲間入りをするフローレン。
しかし、ムーミンはその生活に馴染めずにいた。何より、恋人のフローレンをクラークに取られた気がして面白くないのだ。ムーミンママも同様で、猫しか好きになれないピンプルの為に友達を用意してあげたり、花を摘んだりと楽しみを見つけようと努めるが、とうとう二人はホテルを出て海岸のボートの下で生活することに決めた。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』のあらすじ【転】
冒険談が得意なムーミンパパは、モンガガ侯爵からすっかり尊敬されていた。侯爵は、密かな趣味の彫刻作品を披露する。パパもすっかり芸術家気分になり、夜の町で、知事の像を川へ捨てて侯爵の象の像に置き換えてしまった。そしてお祝いの花火を上げ、酔いつぶれるまで酒を飲むのだった。
ムーミンママとムーミンは、パパやフローレンが元の生活に戻れるのかを心配していた。すると、ムーミンパパの冒険話に感銘を受けたモンガガ侯爵が、ボート下での生活に参加するというではないか。ムーミンママは南の花を育て、ムーミンは侯爵から彫刻を習う。ムーミンパパが貴族ではない事も知られてしまうが、侯爵は、本物のボヘミアンに会ったと大喜びだ。すっかり一家に打ち解けた侯爵は、自分の祖先が女性を巡って決闘をした話をムーミンに聞かせた。
ボート下での生活を続けるうち、ママの作った花壇は立派な芸術作品となっていた。侯爵は芸術の為の貧乏暮らしに満足し、元の貴族社会へと戻っていく。そして、フローレンは未だに偽りのセレブ生活を続けていた。ムーミンは、彼女がクラークと海岸でデートをしているところに出くわし、クラークに決闘を申し込む。その状況にフローレンは酔い、ママやミイが決闘のバカバカしさを伝えても、聞く耳は持たなかった。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の結末・ラスト(ネタバレ)
眠れぬ一夜を過ごしたムーミン。決闘は、朝の6時だ。慣れない剣での戦いに苦戦するが、どうにか勝利を収める。しかし、好青年のクラークはセレブ達の間で評判が良く、彼を倒したことでムーミン家の評判は下がってしまった。悪目立ちばかりするムーミン家は、ついにホテルからも退去命令が出てしまう。さらに、あまりに高額な請求書を突きつけられた。
モンガガ侯爵から貰った象の像で支払おうとするも、数が多すぎて価値が無いと言われてしまうムーミンパパ。すると、フローレンがカジノで勝った現金がまだ残っているという。隠し場所を忘れてしまうが、ピンプル達の活躍で無事に見つけ、多額のおつりと象の像をホテルに寄付し、ムーミン一家は厳かにチェックアウトを果たすのであった。
ムーミンとフローレンは仲直りし、ムーミンが密かに彫っていたフローレンの人魚像を見てご機嫌のフローレン。ママの庭園も、見物客がやって来るまでになった。そろそろ潮時だ。リヴィエラを去る為、侯爵の像の残りを市に寄付しようと考えたムーミンパパ。しかし、知事の像を川に投げ捨てた犯人だと知られ、警察に追われる身となってしまう。急いで海岸に戻り、出港準備万端のボートに飛び乗った。追手はすぐそこまで迫っている。そこで、ムーミンがある事を思いついた。無人島で捕まえた、悪い言葉ばかり吐く虫をまき散らすのだ。風呂敷いっぱいの虫達はあっという間にリヴィエラ中に広がり、警察も、セレブ達もホテルマンも、皆お互いにいがみ合ったり虫の悪口に悩まされたりする始末。
ムーミン一家を乗せたボートも無事に出航するが、またしても嵐に巻き込まれてしまった。仕方なく、フローレン像やムーミンママの鉢植えのいくつかを海に投げ捨てる。嵐が止んだ時にはオールも既に流され、ムーミン一家は漂流する事になった。
船はゆっくりと進み、ムーミンママの鉢植えが大きく育ち、船が森のようになったところでようやくムーミン谷に辿り着いた一家。ミムラや谷の仲間に迎えられ、ムーミンママは家が一番だと言い懐かしそうに我が家を見つめる。冒険は終わり、ムーミン一家は素朴で自由な毎日へと戻っていくのだった。
映画『ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の感想・評価・レビュー
ムーミン一家が海辺のリゾート地へバカンスをしに行く内容なのですが、作中では登場人物それぞれの性格が色濃く出ています。ムーミンパパは貴族になりきって豪遊生活を満喫し、フローレンはショッピングやロマンスに夢中になります。一方、ムーミンママは元の質素な生活が恋しくなり、ムーミンはフローレンが他の男性に夢中になっていることにやきもきします。そんな中、ミイはいつもと同じで、好奇心のまま自由に動き回っています。たくさんの出会いや経験の中でムーミン達が得たことは、やはり家が一番ということでした。見ていてとても教訓になる映画です。(女性 20代)
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