12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『胸騒ぎの恋人』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『胸騒ぎの恋人』の概要:同性愛者の男性フランシスと異性愛者の女性マリーは友人同士だが、ニコラという同じ男性を好きになってしまう。三人は一緒に遊ぶようになるが、フランシスとマリーはお互いに嫉妬したり気まずい思いをしたりする。

映画『胸騒ぎの恋人』の作品情報

胸騒ぎの恋人

製作年:2010年
上映時間:102分
ジャンル:ラブストーリー、青春
監督:グザヴィエ・ドラン
キャスト:グザヴィエ・ドラン、モニア・ショクリ、ニールス・シュナイダー、アンヌ・ドルヴァル etc

映画『胸騒ぎの恋人』の登場人物(キャスト)

フランシス(グザヴィエ・ドラン)
ゲイの若者。ニコラのことが好きだが、マリーに遠慮している。
マリー(モニア・ショクリ)
ストレートの女性。フランシスとは仲が良く、彼女もニコラのことが好き。嫉妬しやすい。
ニコラ(ニールス・シュナイダー)
美しく明るい若者。社交的で交友関係が広い。
ニコラの母(アンヌ・ドルヴァル)
派手な女性。昔はダンサーで、よくニコラをステージの傍まで連れて行っていた。

映画『胸騒ぎの恋人』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『胸騒ぎの恋人』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『胸騒ぎの恋人』のあらすじ【起】

同性愛者の若者フランシスと異性愛者の女性マリーは仲のいい友人同士である。ある日、パーティーに来ていた客の中に美しく若い男性、ニコラを見つけた。フランシスが約束をとりつけ、二人はニコラに会うことにする。カフェでニコラは二人に自分のやりたいことや趣味の話をする。

フランシスとマリーはお互いにニコラのことをどう思っているのか聞く。二人ともニコラのことが気になってはいるが、彼に興味がないふりをする。

ある日、フランシスとマリーはニコラからカードを受け取る。お茶の誘いを受けた二人はそれぞれ、フランシスはお気に入りの香水をつけ、マリーはとっておきの紫のワンピースを着てニコラの元へ出かける。カフェでニコラは二人を笑顔で迎え、山の中でかくれんぼをしないかと提案する。

かくれんぼの最中、隠れていたフランシスは見つけたウサギに夢中になり、鬼だったニコラに捕まる。ニコラに押し倒されたフランシスは、家でウサギを飼っていたが逃げられた話をする。ニコラは立ち上がり、マリーを探しに行った。

映画『胸騒ぎの恋人』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『胸騒ぎの恋人』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『胸騒ぎの恋人』のあらすじ【承】

かくれんぼの後、マリーはフランシスに、ニコラから彼の父親の友人が書いた芝居に誘われたと報告する。その晩、フランシスは自分の部屋に二人を泊まらせ、ニコラを真ん中に挟んで三人はひとつのベッドで眠る。翌朝、フランシスもニコラから芝居に誘われるが、他に約束があると言って断る。

オードリー・ヘップバーンが好みだと言うニコラのためにフランシスはポスターを買う。カフェの前でニコラと偶然会ったフランシスは、購入したポスターを渡す。ニコラは喜んだが、女友達と約束があると言ってフランシスの頬にキスし、すぐに去る。

マリーはセックスフレンドに、行為の最中に好きな俳優を思い浮かべるかどうか聞かれ、考えたことがないと答える。好きな人がいるのかと尋ねられ、黙るマリー。

芝居を見に行ったマリーとニコラは、その後、芝居にがっかりしながらベトナム料理店に行くが、そこで友人たちと食事をしているフランシスを見つける。友人たちを紹介されたニコラはその中にいた女性に冗談を言うが、マリーにはそれが面白くない。

フランシスはセックスフレンドに理想のタイプを聞かれ、ニコラの容姿を描写する。

ニコラの誕生日プレゼントにマリーはカンカン帽を、フランシスはタンジェリン色のセーターを用意する。マリーは赤い花柄のドレスを、フランシスは青いスーツを着てニコラの誕生日パーティーへ向かう。パーティー会場で二人はニコラへのプレゼントを見せ合い、お互いを褒める。

映画『胸騒ぎの恋人』のあらすじ【転】

マリーとフランシスはニコラの誕生日パーティーで初めてニコラの母の姿を見る。マリーはニコラから紹介された時、彼女からけなされたと言って怒るが、フランシスもマリーのドレスが古臭いと指摘する。

パーティーの翌日、三人はニコラのベッドで目覚める。マリーとフランシスのプレゼントを身に着けたニコラはベッドで朝食を摂りながら、旅行で留守にしているおばの別荘に週末三人で行かないかと二人に提案する。マリーは仕事があると言うが、ニコラは仮病を使って休むことを勧める。

友達に車を借りに行ったニコラと、タバコを買いに行ったマリーに取り残されたフランシスは、ニコラの部屋でニコラの衣類の匂いを嗅いで自慰をする。玄関のドアをノックする音にフランシスが慌てて衣服を身に着け、出迎えるとそこにいたのはニコラの母だった。彼女はフランシスにニコラが子供の頃の話をする。

三人は予定通り週末をニコラのおばの別荘で過ごす。オードリー・ヘップバーンの話で盛り上がるマリーとニコラを置いてフランシスは席を立つ。その間にニコラはマリーに愛していると言うが、そういう冗談を本気にしてしまうからフランシスには言わないようにとマリーは返す。

自然の中にいるとすべて忘れられると話すニコラ。フランシスは、はしゃぐマリーとニコラから距離を置く。その晩、ニコラはフランシスに焼きマシュマロの食べ方を教える。それを見て今度はマリーが席を立つ。

翌朝、マリーが目覚めると、フランシスとニコラは二人きりで遊んでいた。怒ったマリーは先にバスで帰ると言い出す。フランシスとニコラは、帰ろうとするマリーを追いかける。マリーがフランシスを平手打ちし、二人は取っ組み合いの喧嘩をする。最初はタバコを吸いながら黙って見ていたニコラだったが、自然に飽きたから帰ると言う。それを聞いて二人は喧嘩をやめる。

映画『胸騒ぎの恋人』の結末・ラスト(ネタバレ)

マリーは吸うタバコの量が増えたことをセックスフレンドに指摘され、タバコは嫌なことを消してくれると答える。何かあったのかと聞かれたマリーは、、両手でハートを形作って彼に見せる。

フランシスとマリーはニコラに謝ろうとそれぞれ彼に電話するが、ニコラは出ない。フランシスはマシュマロを買って食べ、ニコラのことを思い浮かべる。マリーはニコラに手紙を送る。

フランシスは、ニコラに直接会って好きだと告白し、フラれた回数だけ家の壁に印をつけている話をする。自分はゲイじゃないと言ってニコラはその告白を断る。

マリーはカフェにいたところ、通りを歩くニコラを見かけ追いかける。マリーがニコラに送った手紙はミロンの詩だった。文学のレビューを送りたかったが、誕生日の友達に送る詩を間違えて送ったと言って、マリーはニコラに愛の詩を送ったことをごまかそうとする。ニコラは彼女に、その友達は恋人かと聞く。マリーが否定すると、ニコラは気まずそうに帰ろうとする。マリーが再び彼を追いかけて、もし詩がニコラ宛てだったらどうしたのかを尋ねるとニコラはその質問には答えずに帰ってしまう。

フランシスはセックスフレンドと一緒にいる時に、ニコラを思い出して泣く。

マリーはニコラが運命の人だったと美容室で話し、フランシスは家の壁の印をひとつ増やす。ある日、マリーはフランシスをお茶に誘い、ニコラに会ったか尋ねる。ニコラは8か月のアジア旅行へ行ったとフランシスは話す。その後、雨の中を二人はひとつの傘に入り歩く。

一年後、同じオレンジ系統の服を着て、パーティーで友達と談笑するフランシスとマリー。二人は、パーティーでニコラに群がる女性たちを眺め、そのうちの一人をけなす。ニコラが二人の方へ向かってきて挨拶しようとすると、フランシスが突然叫びだしそれを遮る。そのパーティーでフランシスとマリーはまた同じ男性に一目惚れをするのだった。

映画『胸騒ぎの恋人』の感想・評価・レビュー

親友同士の男女が一人の美青年を取り合う三角関係を、アートな世界観とこだわったサウンドトラックで描いている。

親友同士の嫉妬や駆け引きも観ていて凄くムズムズしたが、マリーがゲイであるフランシスをそれだけライバル意識している点がこのストーリーで一番大事な部分だと思う。そうすることで、恋愛という一つの括りは性別なく機能するんだということも伝えたかったんだろう。これを当時二十歳くらいのグザヴィエ・ドランが撮ったと思うと彼の天才ぶりが見て分かる。(女性 20代)


本作は、同じ男性を好きになってしまった親友の男フランシスと女性のマリーの切なくて不思議なグザヴィエ・ドラン監督によるラブストーリー作品。
台詞が少ないけれど、登場人物たちの辛さや痛み、そういった感情がひしひしと伝わってきた。
2人のアピールの仕方が対極的で真っ直ぐで面白かった。
色彩豊かな映像の綺麗さ、傘や煙草といった小道具の効果的な演出やファッションなど細部までこだわり抜かれていてどのシーンも美しかった。
若き監督の作品、他作品も制覇したい。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー