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映画『MUSA 武士』あらすじネタバレ結末と感想

映画『MUSA 武士』の概要:2001年制作の韓国・中国合作映画。実際に起きた高麗使節団の行方不明事件を基にした、歴史アクション作品で、ヒロインは中国の人気女優チャン・ツィーが演じたことでも有名。

映画『MUSA 武士』 作品情報

MUSA 武士

  • 製作年:2001年
  • 上映時間:133分
  • ジャンル:歴史、アクション
  • 監督:キム・ソンス
  • キャスト:チョン・ウソン、チュ・ジンモ、アン・ソンギ、チャン・ツィイー etc

映画『MUSA 武士』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

映画『MUSA 武士』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『MUSA 武士』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『MUSA 武士』 あらすじ【起・承】

1375年の中国は元と明が争っていた。
明は戦いに勝利し、元を片隅に追いやることに成功。
新しい時代を迎えた明王朝に友好関係を結ぼうと、高麗の国は使節団を派遣した。
この使節団は外交官、武士達、奴隷のヨソル(チョン・ウソン)がいる。
しかし明にスパイ容疑をかけられた一行は捕まってしまい、砂漠に置き去りにされてしまう。

そんな時、敵対していた元が砂漠で明の軍に襲いかかってきた。
巻き添えをくった使節団だったが混乱に乗じて逃走。
生き残った者はわずかであったが、軍を立て直し高麗国へ帰国することになる。
新軍隊の長はジョン将軍になった。
だが唯一従わなかったのが奴隷のヨソルだった。

使節団の生き残りとヨソルは別行動をしていたが、とある村で再会。
その村には元によって拉致された明の姫がいることに気がつく。
ジョン将軍はこの姫を救出し、明に連れて帰れば自分たちの信用が上がるかもしれないと思いつき救出することにする。
しかしここで仲間割れが始まった。
先の利益を見る将軍に対し、軍曹は「今は自分たちの命を守るだけで精一杯であり高麗国に帰ることが先決である」と主張した。

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映画『MUSA 武士』 結末・ラスト(ネタバレ)

将軍は敢行した。
姫を救出しようと試み始めたのである。
何とか姫を救い出したのは良いが、それに気がついた元は執拗に追ってくる。
そして姫を返さないなら皆殺しにすると宣告された。
使節団の生き残りはわずか、どんなに強い将軍がいたとしても人数の違いには勝てるわけが無い。
男達は行く末を何度も話し合うが、将軍にの心は変わらない。
それもそのはず。
将軍は姫に一目惚れしてしまっていたのだ。
また将軍に反発している軍曹も姫に惹かれていく。

姫を守っていた男はもう一人いた。
奴隷だったヨソルだ。
かれは優しくしてくれた姫に惹かれ、姫もまた愛してくれる男達の間で悩んでいく。
しかし時間が無い。
次々と姫を守るために元にやられていく中、姫を渡すかどうかの最終議論が始まる。
しかし将軍はこう言うのだ。
「戦って死ぬのが夢だった」と。
男のプライドを懸け、全員が元の軍に向かっていった。

最後は将軍とヨソルが協力し戦う。
しかし相手の総攻撃に勝てるはずも無い。
姫は自分の自由になりたいなどと言うくだらない欲求のために招いてしまった悲劇を反省しただ泣くのだった。

映画『MUSA 武士』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『MUSA 武士』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

惜しい!詰めの甘さが勿体ない作品

この作品は日本では制作できない歴史がモチーフとなっており、高麗国で起きたとされる使節団の行方不明事件である。
中国の明と友好関係を築こうと考えた高麗が出した使節団が、スパイ容疑をかけられ捕まり、砂漠で巻き起こるまさかの事件。

灼熱地獄の砂漠で出会う明の姫。
この姫に、よりによって高麗国の男3人が恋してしまうのだ。
この姫は自由になりたいなどという自分勝手な理由で捕まったのに、高麗に救出される。
さらに追ってくる元から男達が助けてくれるのだが、最後は壊滅状態に陥る。
自分の行動で1つの国の使節団を殺してしまったのである。

その割には守られっぱなしで、自分を引き渡せば命を助けると言っている元に自分から行くことはしない。
受動ばっかりのとんだお嬢様である。
そして頼れるSPが死んでしまうのに、自分はこれからどうする気なのかという疑問も残る。

物語の構成やアイデアは良く、演技力もあるため面白いし迫力もある。
それだけに詰めの甘さがもったいないという印象の作品である。

チャン・ツィーだから良い合作映画

中国と韓国の合作は中々手強い。
物語も作りにくいし、何より政治的印象が強い。
しかしヒロインにチャン・ツィーと言う世界的に人気の女優をキャスティングしたことで、幅広い人種や世代が見やすい作品にしている。

色白で勝ち気、それなのに守ってあげたくなるようなか弱さを表現できるのは彼女の演技力の為せる技だろう。

映画『MUSA 武士』 まとめ

合作映画は面白い。
どちらの俳優も撮影技法も楽しめるからだ。
歴史上、行方不明になった使節団をモチーフにしたところにもセンスを感じさせる一本である。

またキャスティングも魅力的だ。
中国側からのヒロインは世界的な女優チャン・ツィー、韓国側からはチョン・ウソンなど日本でも人気のある韓流スターである。
これで日本からの観客も動員できることは間違い無し。
そこまで考えたかどうかはさておき、見事な合作映画であると言える。

ただ最後のあやふやな先を突っ込みたくなるようなシーンは頂けない。
悲劇にしても解決して欲しいところであった。

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