映画『REX 恐竜物語』の概要:1993年公開の日本映画。角川春樹が監督をしたファンタジー作品で、密林の洞窟の中に眠っていたティラノサウルスの卵を孵化させ、少女が母親代わりをするという物語である。
映画『REX 恐竜物語』 作品情報
- 製作年:1993年
- 上映時間:106分
- ジャンル:ファンタジー
- 監督:角川春樹
- キャスト:安達祐実、渡瀬恒彦、大竹しのぶ、伊武雅刀 etc
映画『REX 恐竜物語』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★☆☆☆
映画『REX 恐竜物語』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『REX 恐竜物語』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『REX 恐竜物語』 あらすじ【起・承】
舞台は北海道の十勝。
この自然豊かな田舎で研究者の両親を持った千絵(安達祐実)は、父親(渡瀬恒彦)と祖母と暮らしている。
千絵の母親(大竹しのぶ)は優秀だった。
母親という立場を捨て、アメリカで働かないかという誘いを受けたのである。
千絵は母親がいないこの生活を寂しいと思いながらも、自分を置いていった母を憎くも思っている。
そんな時、父が化石化していない恐竜の殻を発見。
生きた恐竜に会うことが出来るかもしれないと、親子とクルーは密林の中に入っていく。
そしてその土地一帯を守っているアイヌの信田を案内役に、奥へと進むのだった。
千絵は洞窟の中で自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
しばらく進むと、光る大きな卵がピラミッド上の壁に保護され眠っているのを見つける。
卵を持ち帰ろうとした一行。
しかし卵を取った瞬間、洞窟の天井が崩れ始めた。
彼らは急いで逃げたので助かった。
持ち帰った卵を何としても孵化させたい研究者たち。
その方法を考えるべく、千絵の母親をアメリカから呼び戻した。
帰国の日、千絵は今か今かと自宅の外で待っていた。
車が到着し、母と久しぶりの再会。
しかし母はそんな千絵の気持ちを気がついていないのか、まるで気にしていないように冷たく振る舞うのだった。
映画『REX 恐竜物語』 結末・ラスト(ネタバレ)
実験が行われていた研究室では、ついに恐竜の赤ちゃんが生まれる。
千絵はREXと名付けた。
館内には適度な温室と緑が多いジャングルを再現されていた。
そこで千絵はREXに食事の仕方や水の飲み方を教える。
REXも千絵と親と思っているのか良く懐いていた。
その後、研究に莫大な費用がかかるため、スポンサー契約をとり観察することになった。
千絵はREXの面倒を見ながら、マスコミ対応にも追われていた。
ある日、REXにCMの話が持ち上がる。
撮影を了承した千絵だったが、その後もマスコミが殺到。
次々と入る仕事にREXが疲れている様子がわかったため、TV局を断ることにした。
REXはひょんなことから恐竜の母親がいないことを寂しく思う。
博物館に展示してある胸中を母親だと思って動かないのだ。
自分も同じ気持ちのため、千絵はREXを元いた場所に返した方が良いのでは無いかと考え始める。
しかしREXを金ずると思っている悪い連中がREXを狙っていた。
そのことを知っていた千絵は行動に出る。
トラックの荷台に変装させたREXを乗せて出発したのである。
途中、悪い連中に狙われるも千絵の機転で何とか回避。
REXと共に気球に乗り逃げることにした。
到着するとそこには心配して探していた両親の姿が。
千絵は母親に初めて抱きしめてもらえた。
母もまた母性が生まれたのだ。
REXは案内してくれたアイヌの信田に引き渡され、去って行くのであった。
映画『REX 恐竜物語』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『REX 恐竜物語』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ET風な作品を作りたかったのか?
この作品のメインタイトルになっているREXは、ティラノサウルスの赤ちゃんである。
このREXは今見るとその不自然な動きに昭和の特撮映画を思わせる箇所がたくさんあるが、子供向き作品としてはこれで良いと思う。
しかし肝心なのが内容である。
どう見てもETにしか見えない。
特にラストシーンで一緒に逃げるシーンなどはそのものである。
ETに感銘を受けて思わず長年の夢として作り上げたという雰囲気が伝わってくるのは気のせいだろうか?
何よりの証拠がREX制作者である。
何とETを制作したスタッフに頼んでいるのだ。
やりたいことはわかるのだが、二番煎じのような印象が強い作品である。
安達祐実のPV映画
当時子役として人気を博してしいたのが安達祐実である。
今でこそ子役から演技派女優として成功し、あらゆる番組にマルチ俳優として出演している彼女であるが当時は可愛らしいビジュアルと個性的な声で国民的な子役であった。
本作品は彼女のプロモーション用のビデオと言っても過言ではない作りである。
最初から最後まで安達祐実の可愛らしさを前面に押し出し、恐竜と共演させてさらに萌えポイントを作り上げた。
これはこれで楽しめるので良しとするが、今から観るのにはかなり覚悟がいるアイドル映画である。
コント並のびっくりするきっかけ
北海道でまさかの恐竜の卵が眠っているという、あまりに突拍子の無い設定に苦笑いするしかない。
洞窟の中に保存されている卵は何故かピラミッド型のガラスケースに入れられている。
日曜の朝に放送されている特撮のにおいがする作品であり、もはやコントである。
映画『REX 恐竜物語』 まとめ
昭和の時代の作品は今観ても面白いものが多い。
それは純粋に内容が良いという意味もあるが、何より技術や俳優、設定に置いて古めかしく違和感満載なのだ。
それを楽しみとして観るということももちろんあるあるが、懐かしくもあり大人として楽しめる。
しかし恐竜作品で漫画やハリウッドのCG映画以外の者はあまり作られていないので、小さい子供は今見せても喜ぶに違いない。
動き方の不自然さはさておき、可愛さや親近感という意味では年代関係なく楽しめるものである。
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