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映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』の概要:大学を辞めたオマールは、生きる気力を失くし、日々淡々と過ごしていた。息子を心配した父は、弟に頼みオマールに仕事を紹介した。オマールは幼馴染のジョニーと共に、コインランドリーを運営していくことになった。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』の作品情報

マイ・ビューティフル・ランドレット

製作年:1985年
上映時間:98分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:スティーヴン・フリアーズ
キャスト:ダニエル・デイ=ルイス、ゴードン・ウォーネック、サイード・ジャフリー、シャーリー・アン・フィールド etc

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』の登場人物(キャスト)

オマール(ゴードン・ウォーネック)
パキスタン人。移民2世。大学を中退している。ジョニーのことが好きだが、ジョニーが過去に行った移民者を差別した言動を忘れられず、複雑な気持ちを持て余す。移民者として、イギリス人に負けたくないという気持ちが強い。
ジョニー(ダニエル・デイ=ルイス)
イギリス人。下級層の息子。5歳の頃からオマール家族と仲が良かったが、大きくなるにつれ右翼に傾倒し、移民者を差別するようになった。現在は過去の差別行動を悔いており、オマールに全てを捧げる気持ちでいる。
ナセル(サイード・ジャーフリー)
パキスタン人。オマールの叔父。イギリスに移民してくる。実業家として成功しており、金持ち。イギリス人の愛人がいる。
オマールの父(ロシャン・セス)
パキスタン人。元新聞記者。ナセルの兄。イギリスに移民してくる。妻が自殺したことにショックを受け、酒に溺れる。オマールの将来を心配しており、大学で勉強して欲しいと願っている。
タニア(リタ・ウルフ)
パキスタン人。ナセルの娘。最初はオマールのことが好きだったが、段々と気持ちが離れていく。利発的な女の子。
サリーム(デリック・ブランシュ)
パキスタン人。オマールのいとこ。結婚している。麻薬の売買など、裏で危ない商売を行っている。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のあらすじ【起】

オマールは酒飲みの父と一緒に生活しており、母が亡くなっていたため家事の全てを担っていた。オマールの父は毎日虚ろな目で家にいる息子を心配し、弟のナセルを頼ることを決める。父は大学を辞めてしまった息子の将来を心配していた。

オマールはナセルの元で、車を洗車する仕事を始める。しばらくすると、帳簿付けの仕事に昇格した。ナセルは息子のようにオマールを大切にした。オマールは失業手当から解放され、充実した日々を送っていた。だが、オマールの父は仕事よりも大学に行くことを願っており、ナセルに傾倒する息子を心配していた。

オマールはナセルから車を譲り受け、家に招待された。ナセルの娘であるタニアから、父は商売においては情け容赦ない人だから気をつけろと忠告を受ける。だが、オマールは仕事でもっと上を目指しており、やる気に満ちていた。

その夜、オマールがいとこのサリーム家族を車で送っていると、右翼派の移民差別をしている少年達に車を襲われる。その少年達の近くに、オマールの幼馴染であるジョニーの姿があった。オマールは車から降りると、嬉しそうにジョニーに近づいた。お互い近況を報告することになり、ジョニーは実家を出たことを話した。オマールは悲壮感もなく、昨年母親が電車に飛び込んで死んだことを伝えた。ジョニーが少年達を止めている間に、オマールは車に乗って帰っていった。

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映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のあらすじ【承】

オマールはコインランドリーでの仕事を任されるが、そこは浮浪者やチンピラの溜まり場となっていた。建物も汚れてボロボロの状態だった。ナセルは掃除だけをさせる気でいたが、オマールの熱意を受け店の経営を任せることにした。

オマールはコインランドリーの帳簿を確認するが、手に負えない状態だった。そんな時、サリームから荷物を運んで欲しいと仕事を頼まれる。サリームは麻薬の存在を隠していたが、オマールは荷物の中に麻薬が入っていることに気づいていた。オマールは麻薬が入った荷物をジョニーに渡すと、どこかで売ってお金にして欲しいと頼んだ。ジョニーは犯罪から足を洗ったと嫌がるが、オマールには真っ当に生きるためだと必死に説得した。ジョニーは了承して、荷物から麻薬の小包を少しだけ抜き取った。

オマールはナセルの家に行き、コインランドリーの経営がもうすぐ黒字になることを宣言した。麻薬を売ったお金を元手に、ジョニーと一緒に改装工事を行っているのだ。その時、外でジョニーを待たせていることがナセルにバレる。ナセルが会いたいと言い出したため、オマールはタニアと共に玄関に行きジョニーを招き入れた。タニアはオマールとジョニーを見て友情以上の関係があることに気づき、密かにジョニーを睨んだ。タニアはオマールのことが好きだった。ナセルはジョニーを気に入るが、雇うことを受け入れる代わりにマンションに居座っている人物を追い出して欲しいと頼んだ。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』のあらすじ【転】

オマールとジョニーは恋人同士のようにキスをする仲になっていた。ある夜、ジョニーの仲間の少年達が現れて、コインランドリーの店の前で暴れ出した。ジョニーがそれに気づいて止めたため、事なきを得た。少年達はイギリス人が移民者に雇われていることに納得ができず、ジョニーに戻ってくるよう説得した。だが、ジョニーはオマールの元を離れなかった。

オマールはジョニーを家まで送っていた。ジョニーはオマールにキスをすると、オマールの父が心配するから早く帰れと急かした。ジョニーは学生の頃にオマールの父に世話になっており、旧知の間柄だった。だがそれを聞いたオマールは、恩を仇で返したとジョニーを非難してしまう。ジョニーが右翼派として移民者差別の活動していたことが、オマールの中でしこりとなって残っていた。ジョニーはそのことを後悔しており、寂しそうな顔で帰っていった。オマールはジョニーに対しての複雑な気持ちを持て余し、大声を上げながら家のベランダからお酒の瓶を投げ飛ばした。

サリームは改装中のコインランドリーを見て、どこから金を手に入れたのか疑問を抱く。しかも、オマールとジョニーの近い距離を見て、友情以上の仲を疑うようになった。サリームはナセルに忠告をするが、ナセルは気にした様子もなく笑い飛ばした。そして、ジョニーを連れてマンションに向かった。ジョニーはナセルに指示され、家賃を払わない移民者を追い払った。ジョニーはナセルも移民者なのに差別をしていると皮肉るが、ナセルは経営者として甘えを許さなかった。ナセルはジョニーの手腕を気に入り、そのままマンションの管理を任せた。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』の結末・ラスト(ネタバレ)

コインランドリーの工事が終わり、開店当日は外には大勢の客が待っていた。だが、オマールは父に最初に見てもらいたいため、ドアを開けずに待っていた。ジョニーは痺れを切らし、オープンを急かした。オリームはジョニーの態度に苛立ち、過去のジョニーの行いを非難してしまう。ジョニーが移民差別のデモを行っているのを、オマールの父が見ていたのだ。オマールの父は己の非力を嘆き、母に当たるようになった。そして、母が自殺してしまったのだ、ジョニーは何も言えなくなってしまう。

コインランドリーにナセルが愛人を伴って現れる。オープンを急かされたので、オマール達は店のドアを開けた。だが、やはりオマールの父は来なかった。そこに、オマールに呼ばれ、タニアがお祝いに駆けつける。タニアはナセルの愛人に挨拶すると、寄生虫のように父に取り入っていると非難した。侮辱された愛人は怒って帰ってしまう。

オマールは酔った勢いでタニアに求婚する。サリームはそのことをジョニーに告げ口をした。ジョニーは顔を強張らせた。サリームはオマールを店の前に連れ出すと、盗んだ麻薬のお金を返せと脅した。

オマールはサリームにお金を返済するため、ジョニーと盗みを行った。そのお金をサリームに渡すが、サリームは受け取ろうとはしなかった。サリームは家族としてお金が必要なら相談して欲しかったとオマールに告げた。オマールはその言葉に感動する。だが、ジョニーはオマールがサリームに傾倒するのが許せず、嫉妬の炎を燃やした。その夜、サリームはオマール達を車に乗せて帰宅した。道路で右翼派の少年達がいたので、冷やかしに車を当て逃げしてしまう。

タニアは家を離れることを決意し、ジョニーを誘った。だが、ジョニーはオマールの元を離れる気はなかった。ジョニーはタニアに、オマールと寝たのか問い掛けた。タニアは怒ったような顔をして、何も言わずに立ち去った。その頃、ナセルは愛人に別れを告げられていた。

サリームは右翼派の少年達の報復に遭い、ボコボコに殴られた。それを見たジョニーが止めに入り、サリームに逃げるよう声を上げて怒鳴った。その右翼派の少年達はかつてのジョニーの仲間だった。少年は悲しそうな顔をすると、ジョニーに殴りかかった。オマールはそれを見て、すぐにジョニーを助けに走った。少年達はコインランドリーの窓を壊して去っていった。ジョニーはオマールの元を去ろうとするが、ぐちゃぐちゃになった店を見て思い留まった。

映画『マイ・ビューティフル・ランドレット』の感想・評価・レビュー

1980年代でイギリスに起こっていた移民差別や貧困の問題などが取り上げられていて、歴史の教科書や授業だけでは学ぶことが出来ない状況を訴えかけられてるような映画だった。ストーリー展開も飽きることなく観れるものだったので、最後までしっかり集中して観ることが出来て良かった。

BGMとしてずっと流れている音楽がとても印象的だった。主人公がコインランドリーを経営していたからなのか、ずっと水の中や泡の中にいるような音が流れていて面白かった。(女性 20代)


テーマは「移民」ということでなかなかヘビーな題材ではあるけれど、この映画の傑出したところは、さらにそこに移民とイギリス人のロマンスを普遍的に描いたところだ。ナーサルとレイチェル、そしてオマールとジョニーというどちらもいわゆる「許されない関係」に踏み切りつつ、それが物語に自然に組み込まれているのが凄い。

と言いつつも、移民によって仕事が奪われるイギリス人と人種差別を受ける移民のどうすることも出来ない衝突も細やかに描かれていて、今のイギリスもなかなか移民問題は超えられないんだなとこの映画を観て余計に感じた。(女性 20代)

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