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映画『流されて…』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『流されて…』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『流されて…』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『流されて…』の結末までのストーリー
  • 『流されて…』を見た感想・レビュー
  • 『流されて…』を見た人におすすめの映画5選

映画『流されて…』の作品情報

流されて…

製作年:1974年
上映時間:116分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、コメディ
監督:リナ・ウェルトミューラー
キャスト:ジャンカルロ・ジャンニーニ、マリアンジェラ・メラート、エロス・パーニ、リカルド・サルヴィーノ etc

映画『流されて…』の登場人物(キャスト)

ラファエラ・パヴォーネ・ランツェッティ(マリアンジェラ・メラート)
ブルジョア夫人。何でも自分の思い通りにならないと気が済まないわがままな女で、常に悪態をついている。ジェナリーノと無人島に漂流し、従順な女に調教される。
ジェナリーノ・カルンキオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)
ラファエラたちブルジョア階級の一行が貸し切ったヨットの船員。使用人なので、ヨットではラファエラのわがままを我慢していたが、無人島では暴君と化す。

映画『流されて…』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『流されて…』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『流されて…』のあらすじ【起】

1970年頃のイタリアの地中海。ラファエラたちブルジョア階級の一行は、大型ヨットを貸し切り、美しい地中海でのバカンスを楽しんでいた。ラファエラの夫はかなりの資産家で、妻にも贅沢三昧のわがままを許している。もともと気の強いラファエラは、怖いものなしの暴君となり、誰に対しても高飛車な態度を取る。

ヨットの船員をしている労働者のジェナリーノは、ラファエラのわがままに振り回され、散々こき使われる。できることなら一発ぶん殴ってやりたいと思っていたが、使用人の身分なのでじっと我慢し、彼女の悪態に耐えていた。

ある晩、カード賭博をしていて夜更かししたラファエラは、翌日の夕方頃起きてきて、海水浴へ行きたいと言い出す。ジェナリーノは、風も強いし、すぐに日がくれるのでやめたほうがいいと忠告するが、ラファエラは聞く耳を持たない。ジェナリーノは仕方なく、小型のゴムボートで、彼女と海へ出る。

ところが、海の真ん中でエンジンが故障してしまい、ボートはどんどん流されてしまう。必死でエンジンを修理するジェナリーノに、ラファエラは相変わらず悪態ばかりついていた。その日はエンジンが直らず、2人はボートの上で一夜を明かす。

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映画『流されて…』のあらすじ【承】

翌朝、ジェナリーノは再びエンジンと格闘する。ラファエラはそのうち助けが来るとこの状況を楽観視していたが、助けは一向に現れない。ようやくエンジンがかかったが、進むべき方向が全くわからず、最後にはガソリンが尽きてしまう。

3日目。2人は陸地を発見し、そこへ上陸する。しかし上陸の際にゴムボートはダメになってしまった。ジェナリーノは岩場に登り、島全体をくまなく見て、ここが無人島であることを確認する。しかしラファエラはそれを信じず、ジェナリーノのことを“役立たずのウスノロバカだ”と罵る。ついにジェナリーノの怒りは爆発し、ラファエラを放って、どこかへ行ってしまう。

ジェナリーノはひとりで島を歩き、小さな漁師小屋を見つける。そこにあった道具を使い、食料や水を調達し、火を起こして食事を始める。空腹のラファエラは、金を払うから食料を売ってくれと申し出るが、ジェナリーノは彼女を突き放す。“食べ物が欲しければ働け”と言われ、ラファエラは嫌々ながら、ジェナリーノに従う。

ジェナリーノは今までの仕返しに、ラファエラをいたぶり始める。金などなんの役にも立たない無人島では、2人の立場が完全に逆転する。ジェナリーノは完全に暴君と化し、暴力でラファエラを支配していく。

映画『流されて…』のあらすじ【転】

生きていくために服従していたラファエラも、体を求められた時は激しく抵抗する。しかし結局ジェナリーノに無理矢理犯され、2人は男女の関係となる。ジェナリーノは、ラファエラの全てを支配したいと思うようになっていた。

最初こそ嫌がっていたラファエラだったが、すぐにジェナリーノの野生的なたくましさの虜となり、本気で彼を愛するようになっていく。ジェナリーノも、そんなラファエラが可愛くて仕方なくなり、2人は熱烈に愛し合うようになる。

そんなある日、砂浜を歩いていたラファエラは、沖に船を発見する。しかし彼女は助けを呼ばずに身を隠し、ジェナリーノのもとへ走る。彼女は今の幸せを終わらせたくないと本気で思っていた。ジェナリーノは、彼女への愛が深くなればなるほど、この愛が本物だという証拠が欲しくなる。

再び沖に船がやって来た時、ジェナリーノは砂浜で火を炊き、助けを求める。ラファエラは帰りたくないとごねていたが、ジェナリーノは、彼女が何もかも捨てて自分のところへ戻ってくると信じていた。2人はその船に救出され、港へ帰る。ラファエラの夫は、ヘリコプターをチャーターして、船へ駆けつける。ラファエラの夫は、妻を守ってくれたジェナリーノに感謝していた。

映画『流されて…』の結末・ラスト(ネタバレ)

港には、夫の帰りを待ちわびていたジェナリーノの妻も来る。ラファエラは、ジェナリーノに抱きついて歓喜している妻の姿を、寂しそうに見つめていた。

ラファエラの夫は、謝礼として100万リラという大金をジェナリーノの妻に渡していた。ジェナリーノは、勝手に金を受け取った妻を叱責し、その金で高価な指輪を買う。

港の高級ホテルにいたラファエラは、ジェナリーノから電話をもらう。ジェナリーノは、30分後に出航する船で、あの島まで運んでもらえることになったから、船まで来て欲しいとラファエラに伝える。

電話を切ったラファエラに、見知らぬ子供がバラの花と指輪を届けにくる。それはジェナリーノからのプロポーズだった。ラファエラは苦悩の表情を浮かべ、涙を流していた。

船の前でラファエラを待っていたジェナリーノに、さっきの子供がラファエラからの手紙を渡しにくる。それを読んだジェナリーノは、急いで埠頭の先まで走る。そこには、夫とともにヘリコプターに乗ったラファエラの姿があった。無人島を離れたラファエラは、ブルジョア夫人に戻る決意をしたのだった。

ジェナリーノは絶望し、自殺まで考えるが、結局は自分も妻と子供のいる家へ帰ることにする。

映画『流されて…』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

上流階級のラファエラと船員ガエターノが無人島に流れ着き、立場が逆転していく展開は衝撃的でした。最初はラファエラの横暴さに嫌悪感すら覚えますが、過酷な環境でガエターノに依存していく姿は、人間が環境ひとつで変わってしまう怖さを感じさせます。恋に落ちるまでの過程は極端ですが、互いの弱さをさらけ出した結果だと思うと妙に納得してしまいました。最後、文明社会に戻った途端に二人の関係が崩れていくのは残酷で、島での愛がいかに儚いものだったのかを痛感しました。(20代 男性)


ラファエラとガエターノの関係が、島では情熱的に燃え上がりながらも、社会に戻った瞬間に壊れてしまう流れが切なかったです。ラファエラは強気な女性として描かれていますが、島での暮らしが続くほど彼女の素直さや弱さが露わになり、観ていてどんどん感情移入していきました。一方で、ガエターノの“誇り”と“劣等感”の揺れ動きが後半の悲劇を生むのもリアル。船に戻った後、彼女の愛を信じ切れず姿を消してしまうガエターノの判断には胸が締めつけられました。(30代 女性)


島での生活を通してラファエラがどんどん変わっていく姿が印象的でした。初めこそわがままな言動が目立ちますが、ガエターノに助けられ、彼に惹かれ始めてからは彼女の本来の優しさが顔を出し始めます。二人の関係が深まり、互いを必要とし合う姿には美しさすら感じました。しかし、文明社会に戻った瞬間、彼女は元の立場や生活に戻らざるを得ず、ガエターノもまた彼女の本当の気持ちを信じられない。あのラストの置き手紙が、二人の愛の限界を象徴しているようで切なかったです。(40代 男性)


女性の視点から見ると、ラファエラの感情の揺れがとてもリアルでした。最初は強気で自信家だった彼女が、無人島では本音をさらけ出し、ガエターノに依存してしまう姿に、環境によって変化する人間の本質を強く感じました。愛に落ちてからの彼女はとても素直で可愛らしく、その分ラストで二人が離れ離れになる展開が余計に胸に刺さります。文明社会に戻ったことで、彼女は本当の気持ちより“立場”を選ばざるを得なかったのだと感じ、深い余韻が残りました。(20代 女性)


無人島という極限状況下でこそ生まれた愛であり、社会に戻れば成立しないという残酷な現実が非常に印象に残りました。特にガエターノの複雑な感情はよく描かれており、彼が“上流階級に対する怨恨”と“ラファエラへの想い”の間で揺れる姿はとても人間的でした。彼女が本当に愛しているのか、それとも島での環境が錯覚を生んだだけなのか…その答えが曖昧なまま終わる演出が秀逸。手紙を破るラストは胸に重く残るものでした。(50代 男性)


“立場が逆転した途端に生まれる愛”というテーマがとても興味深く、観ていて常に複雑な感情が揺れ動く作品でした。ラファエラのわがままさが次第に消え、ガエターノに心を開いていく過程は妙にリアル。二人の距離が近づくたび、島での暮らしがもたらす“自由”と“孤独の共有”が大きく影響していることが伝わってきます。しかし、文明社会に戻ることで一気に崩れてしまう関係はあまりに残酷で、二人の幸福が島にしか存在しなかったことが切なかったです。(30代 男性)


『流されて…』は、恋愛映画としてよりも“人間の本質を暴き出す作品”として心に残りました。ラファエラがガエターノに支配され、次第に彼を必要とするようになる描写は非常に強烈で、観る者に多くの解釈を与えます。二人の愛は純粋なものなのか、それとも環境によって生じた依存なのか…その曖昧さが魅力でもあり不気味でもあります。社会に戻った途端、二人の溝が再び表面化するラストは、人間関係の脆さと残酷な現実を突きつけられました。(40代 女性)


女性目線で観ると、ラファエラの変化は“恋をした女性そのもの”で、とても愛おしく感じました。彼女の気の強さは実は弱さの裏返しであり、ガエターノとの島での日々はその弱さを優しく受け止めてもらえる時間だったのだと思います。しかし、島という特異な環境がつくり出した恋は、現実世界では成立しないという構造がとても残酷。ガエターノが最後に彼女の気持ちを信じられなかったのも、彼の抱える劣等感ゆえで、切ない余韻を残しました。(50代 女性)


二人が島に漂着してからの“原始的な生活”が、文明社会では隠されていた本音や本性を浮かび上がらせていく過程が面白かったです。ラファエラが次第に柔らかくなっていくのに対し、ガエターノは逆に“弱さを見せたくない男の意地”が強まっていくように見えました。愛し合っていながらも、社会という“壁”の前ではどうにもならない。ラストで彼が涙するシーンは、二人の愛の限界を静かに示しているようで胸が詰まりました。(60代 男性)


自然の中で二人だけの世界が作られていく様子はロマンチックですが、同時に“環境が人を変える”という冷徹なメッセージも感じました。ラファエラは傲慢な女性から一転して献身的な恋人へと変わり、ガエターノはそんな彼女を深く愛していきます。しかし、元の世界に戻った瞬間、二人の関係は脆く崩れ、現実の残酷さが突きつけられます。置き手紙のシーンは涙を誘い、島での愛が本物だったのか、観客にも問い続ける余韻を残しました。(20代 女性)

映画『流されて…』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『流されて…』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

『青い珊瑚礁(The Blue Lagoon)』

この映画を一言で表すと?

“文明から切り離された島で芽生える“純粋で原始的な愛”を描いた物語。”

どんな話?

遭難した少年と少女が無人島で成長し、文明を知らないまま互いへの想いに気づいていく物語。自然に囲まれた美しい島での生活は穏やかだが、外の世界を知らないゆえの不安もある。時間がゆっくり流れる中、二人の関係は友情から愛へと変わり、やがて運命的な選択を迫られる。

ここがおすすめ!

『流されて…』が持つ“孤立した環境で育つ愛”のテーマに非常に近く、無人島というシチュエーションが情緒的に響く。自然の美しさ、二人の純粋な感情、外の世界とのギャップがドラマを深くし、切ない余韻を残す作品。

『ビーチ(The Beach)』

この映画を一言で表すと?

“楽園の裏側に潜む“理想と崩壊”を描いたサバイバル・ヒューマンドラマ。”

どんな話?

理想郷を求めてタイに旅した青年が、“誰も知らない秘境のビーチ”で共同生活を始めるが、そこには美しい表面とは裏腹に狂気とルールが潜んでいたことを知る物語。楽園と思われた場所は、時間とともに人の本性を暴き、共同体は徐々に崩壊していく。

ここがおすすめ!

“楽園=幸福ではない”という視点が『流されて…』と重なり、極限環境下でむき出しになる人間の本音が強烈に描かれる。美しい自然と、その裏側の狂気が対照的で、強いインパクトを残す一本。

『恋に落ちたシェイクスピア(Shakespeare in Love)』

この映画を一言で表すと?

“叶わぬ恋の切なさと美しさを華やかに描いたロマンス。”

どんな話?

創作に苦しむ若きシェイクスピアが、身分を隠して舞台に立とうとする女性・ヴァイオラと恋に落ちる物語。二人の情熱的な愛は互いを高め合うが、社会的な制約の中で決して一緒にはなれない運命を背負っている。愛と創作が絡まり合う美しい作品。

ここがおすすめ!

“環境や身分が二人を引き裂く恋”という点で『流されて…』と深く響き合う。情熱的だけれど、結ばれない恋の切なさが非常に美しく、観終わったあとに長く余韻が残る名作。

『冷たい熱帯魚』

この映画を一言で表すと?

“平凡な日常の裏側に潜む、人間の暗い本性を暴き出す衝撃作。”

どんな話?

温厚な熱帯魚店主が、親切そうに見える男と関わったことで、恐ろしい裏社会に引きずり込まれていく物語。日常に潜む狂気が徐々に膨れ上がり、倫理観が崩れていく展開が強烈で、逃れられない恐怖と緊張感が続く。

ここがおすすめ!

“極限状況が人を変える”という『流されて…』のテーマをよりダークに描いた作品。人間が持つ弱さ・支配・依存などの心理が暴かれ、観る者に深い衝撃を残す。

『ある愛の詩(Love Story)』

この映画を一言で表すと?

“身分差を越えた愛と“別れ”を美しく描いた永遠の名作。”

どんな話?

裕福な家の青年オリバーと、庶民的な家庭に育ったジェニーが恋に落ちるが、家の反対や人生の壁を乗り越えながら愛を育んでいく物語。幸せを掴んだ矢先、ジェニーが病に倒れ、二人の未来は思いもよらぬ方向に向かっていく。

ここがおすすめ!

『流されて…』のように、愛情は深くても“現実”が二人を引き裂くという切なさが魅力。シンプルでありながら圧倒的に美しいラブストーリーで、涙なしでは観られない不朽の名作。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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