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映画『ぼくの名前はズッキーニ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ぼくの名前はズッキーニ』の概要:児童施設で暮らすことになった少年・ズッキーニは、親のいない子供たちと生活していくこととなった。ある時、施設にカミーユという少女がやってくる。ズッキーニは一目惚れするが、カミーユの叔母は彼女を引き取ることを考えていた。

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映画『ぼくの名前はズッキーニ』の作品情報

ぼくの名前はズッキーニ

製作年:2016年
上映時間:66分
ジャンル:コメディ
監督:クロード・バラス
キャスト:ガスパール・シュラッター、シクスティーヌ・ミューラ、ポラン・ジャクー、ミシェル・ヴュイエルモーズ etc

映画『ぼくの名前はズッキーニ』の登場人物(キャスト)

ズッキーニ / イカール(ガスパール・シュラター)
母親からズッキーニという愛称で呼ばれる少年。父親の絵を描いた凧と、酒浸りの母の思い出としてビールの空き缶を持って施設にやってくる。
カミーユ(シクスティーヌ・ミュラ)
施設に連れてこられた少女。両親が亡くなり、叔母のところで暮らしていたが、虐待を受けていた。彼女は叔母のことを魔女と表現する。
シモン(ポーラン・ジャクー)
児童施設の年長者でリーダー格。両親は服役中。態度は悪いが、面倒見の良い兄貴分。

映画『ぼくの名前はズッキーニ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ぼくの名前はズッキーニ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ぼくの名前はズッキーニ』のあらすじ【起】

9歳のイカールは、母親からズッキーニという愛称で呼ばれていた。父親は若い女を作って家を出ていったきり、戻っていなかった。そのことで母親は酒浸りとなり、時折、ズッキーニに暴力を振るっていた。

ある時、母親の機嫌を損ねたズッキーニは、殴られることを恐れて、思わず母親を突き飛ばしてしまう。打ち所が悪かったのか、そのせいで母親は亡くなってしまった。警察でレイモンという刑事に事情聴取をされたズッキーニは、親のいない子供たちが住まうフォンテーヌ園と呼ばれる児童施設で生活していくこととなった。

施設などにいたくないズッキーニは憂鬱だった。リーダー格のシモンから、ここに来た理由を聞かれるが無視する。ある朝、ズッキーニが大切に持ってきた凧を、シモンが勝手に持ち出して遊んでいた。怒ったズッキーニは飛びかかり、取っ組み合いのケンカが始まる。しかし、ケンカしたことで二人はお互いを認めて仲良くなっていった。

シモンは、ここにいる子供たちは、皆、誰にも愛されていないのだと言う。自分の親は薬物中毒で服役中だと言い、他の子供の親も、強制送還や精神障害、強盗や性的虐待を犯した親ばかりなのだそうだ。

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映画『ぼくの名前はズッキーニ』のあらすじ【承】

レイモンがズッキーニを訪ねてきてくれた。嬉しかったが、いつか自分のことを忘れて、いなくなってしまうのだろうと考えたズッキーニは顔を曇らせる。そんな彼にレイモンは、君が好きだから来ているのだと言った。

カミーユという少女が施設に連れてこられた。彼女を見たズッキーニは、一目で彼女を好きになる。彼女が施設に来た理由を知りたくなったズッキーニは、シモンと共にこっそりとカミーユの資料を盗み見た。母親が浮気し、嫉妬に狂った父親が刺殺。その後、父親も自殺したのが理由だった。

施設の行事で雪山にやってきた子供たちは、雪遊びに夢中になる。しかし、ふと母親に愛される子供の姿を見かけ、自分たちの境遇を思い知らされてしまう。

夜、ズッキーニとカミーユはこっそり宿舎を抜け出した。日にちはとうに過ぎていたが、誕生日プレゼントとして船の折り紙を渡すズッキーニ。カミーユは両親の死後、叔母の家で暮らしていたが虐待されていた。カミーユは、ここに来て良かった、あなたに会えて良かったと嬉しそうにズッキーニに告げた。

映画『ぼくの名前はズッキーニ』のあらすじ【転】

シモンに親からの手紙が届くが、中身は音楽プレーヤーだけだった。少し残念に思うシモン。そんな時、カミーユの叔母が施設にやってきて、彼女を引き取りたいと言いだす。絶対に帰りたくないとカミーユは訴え、彼女のために何かできないかとズッキーニは考えを巡らせる。

遊びに来てくれたレイモンの車にカミーユを忍び込ませたズッキーニ。だが、早々に発見されてしまう。事情を聴かされたレイモンは施設に連絡を入れ、同行を許可してくれた。三人は遊園地で大はしゃぎした後、レイモンの家へ。レイモンには子供がいたが、今は一人暮らしだった。子供に捨てられる親もいるんだよ、とレイモンは説明した。

カミーユのことを知った叔母は怒り、連れ戻しに向かった。その時、シモンはカミーユに渡してほしいと言って、船の折り紙を渡した。叔母はレイモンの家に辿り着くと、カミーユを自宅へと強引に連れて行った。

叔母の家で憂鬱な日々を過ごしていたカミーユは、船の折り紙の中からシモンの音楽プレーヤーを発見する。それはシモンが考えついた秘策だった。叔母がカミーユを引き取るための話し合いが行われた。叔母は外面を作って良い印象を与えようとしたが、音楽プレーヤーに録音された暴言の数々で正体がバレてしまう。それが決定打となり、判事は許可を与えず、カミーユは施設で暮らせるようになった。

映画『ぼくの名前はズッキーニ』の結末・ラスト(ネタバレ)

施設のハロウィンパーティにやってきたレイモンは、ズッキーニとカミーユを引き取りたいと告げる。それを聞いたズッキーニは喜ぶが、二人の会話を聞いてしまったシモンは複雑な気持ちだった。また、みんなで仲良く暮らせると思っていたからだ。そのせいで、シモンは冷たい態度を取ってしまう。彼の気持ちを察したズッキーニは、ずっとここにいるからと言いだす。その言葉にシモンは、俺たちのためにも養子になってくれ、と言って背中を押してくれた。

ズッキーニとカミーユはレイモンの子供となった。それぞれに部屋が用意され、それを見たカミーユは思わず涙をこぼした。ズッキーニはシモンに手紙を書いた。誰にも愛されていないなんてことはない、ぼくは君を忘れない。手紙にはそう書かれていた。

施設の先生に子供が生まれた。赤ちゃんを覗き込むシモン達は、この子を絶対に見捨てない?と先生に問いかける。先生は、もちろんだと答えた。だが、子供たちは繰り返し言い続けた。どんな子だったとしても見捨てないか、と。それはまるで自分たちの親に言っているようにも、全ての親に言っているようにも聞こえた。

映画『ぼくの名前はズッキーニ』の感想・評価・レビュー

ストップモーションアニメという可愛らしい表現方法で作られているが、メッセージは非常に強い。児童向けだと思い、子供と一緒に見ようものなら、大人のほうがグサリとやられてしまう。この巧妙さが恐ろしくもあり、見事でもある。特筆すべきは、やはりストップモーション。人形ならではの分かりやすさと無表情さが作用し、内面を想像させる深みを生み出している。親と子、家族の理想形と現実、命について描かれた内容もとても良い。(MIHOシネマ編集部)

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