映画『NARC ナーク』の概要:デトロイト警察・潜入麻薬捜査官のニックは、犯人と共に事件に関係のない胎児を死なせてしまう。18か月後、ニックは上からの指示で、マイク刑事殺害事件の調査を行うことになる。相棒となったのは、何かと問題の多いヘンリー警部補だった。
映画『NARC ナーク』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ジョー・カーナハン
キャスト:ジェイソン・パトリック、レイ・リオッタ、ダン・リーズ、ロイド・アダムズ etc
映画『NARC ナーク』の登場人物(キャスト)
- ニック・テリス(ジェイソン・パトリック)
- デトロイト警察・元潜入麻薬捜査官。優秀な人物だが、射撃の腕前はあまり良くない。ある事件で、犯人と共に胎児を殺してしまう。結婚しており、子供もいる。
- ヘンリー・オーク(レイ・リオッタ)
- デトロイト警察・殺人課の刑事(警部補)。無骨な人物。仕事熱心だが、何かと問題が多い。射撃が得意。
映画『NARC ナーク』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『NARC ナーク』のあらすじ【起】
デトロイト警察のニック・テリス刑事は潜入麻薬捜査官として活躍しており、逃走した犯人・ダウドを追っていた。ダウドが子供を人質に取ったため銃を撃った。ダウドは銃弾に倒れ、近くにいた妊婦にも弾が当たってしまう。ダウドは死亡し、母体の出血によって胎児は失血死した。18ヶ月後。ニックは胎児を犠牲にしてしまったことを悔やんでいた。
ニックはマイク・カルベス刑事の殺害事件を調べるため、殺人課の刑事としての復職を命じられる。傷心中のニックは、断った。妻からは刑事以外の仕事を勧められる。だが、刑事以外やることが思い浮かばなかったため、ニックはマイクの事件の資料を確認してみた。資料箱の中には、マイクの家族写真が入っていた。
カルベスの事件資料にはヘンリー・オーク警部補の名前が書かれていた。ヘンリーはマイクと親しかったのと遺体の第一発見者だったことから、上の指示で捜査から外れていた。ヘンリーは仕事熱心だが、何かと問題の多い人物だった。ニックはヘンリーを現場に戻すことをチーヴァース警部に提案した。すると、条件を突きつけられる。それは、ヘンリーの相棒になることだった。
映画『NARC ナーク』のあらすじ【承】
ニックはヘンリーと共に聞き込み調査を行い、マイクに情報提供をしていたオクタビオという男に辿り着く。オクタビオは浮気した彼女の顔にスプレーで火を点け、逮捕されていた。オクタビオの話により、麻薬課に追われているチンピラのレオ・リーとマイクが喧嘩していたことが分かった。
ニック達はレオを捕まえに行くが、自宅のバスタブで亡くなっていた。ヘンリーの友人で検視官のハーランが遺体を確認した。それにより、2~3週間前にレオが亡くなっていたことが分かった。遺体の傍には、特別機動隊の戦術銃器・モスバーグSG6があった。ニックは現場の状況から、麻薬でハイになっていたレオが銃でマリファナを吸おうとして暴発して亡くなったのだろうと推察した。亡くなった原因は分かったが、銃をどこで購入したのかが気にかかった。ヘンリーは地下組織で購入したのだろうと意見を述べるが、ニックは知り合いの警官から手に入れたのではないかと考えた。
レオのところにあった銃は、警察のものだった。銃からはレオの他に、チンピラのスティーズの指紋が出た。スティーズは麻薬絡みで30日間刑務所に入っており、1週間前に出所していた。ニック達はスティーズの家を見張った。その時、ヘンリーは麻薬の売人を逮捕したときのことを話した。その売人は10歳の義理の娘に売春をさせていた。ヘンリーは怒り、売人を殴りつけた。そこから、ヘンリーは法のことなど気にしないようになったのだった。
映画『NARC ナーク』のあらすじ【転】
ニックは遺品を持ってマイクの家を訪ねた。妻のキャスリンから話を聞くが、たいした情報は得られなかった。そこに、ヘンリーがやってくる。ヘンリーは勝手にキャスリンに話を聞きに来たニックに激怒し、二度と来ないよう忠告した。署に戻ったニックはキャスリンの情報を調べるが、非開示・アクセス不可になっていて見ることができなかった。
マイクが殺された現場には、混合ドラッグがあった。ニック達は混合ドラッグの売り手を見つけるため、10カ月前に麻薬のやり過ぎでERに運ばれて逮捕されたユージン・シェップスの家を訪ねた。ユージンはダーネルという男の名を口にした。その時、ニックはユージンの部屋に隠されていた警察バッジを見つける。ユージンが発砲してきたため、ヘンリーも銃で反撃した。ユージンは倒れ、ニックも首に被弾した。
ユージンの家にあった警察バッジは、3年前に刺殺されたテカルヴィ刑事のものだった。警察の上層部はユージンの犯行で事件の調査を終わらそうとしていた。しかし、ニックもヘンリーもユージンが犯人だとは思っておらず、納得していなかった。元々警察の復帰に反対していた妻は、もうやめて欲しいとニックに懇願した。しかし、ニックは犯人を逮捕していないと、聞く耳を持たなかった。妻はニックを支えきれず、家を出ることにした。
ダーネル・ベリーは麻薬の密売人だった。ダーネル、ユージン、スティーズは、半年前に閉鎖されたタイタンズ自動車に勤めていた。ニック達はダーネルとスティーズを捕まえに行った。そして、車に隠されていた大量の拳銃を見つける。そこには警察の押収物の拳銃もあった。ヘンリーは拳銃を確認し、マイクの拳銃を見つける。しかし、ダーネル達は殺しをやっておらず、マイクの拳銃など知らないと述べた。
映画『NARC ナーク』の結末・ラスト(ネタバレ)
ダーネル達はマイクが麻薬中毒だったことを話した。ダーネル達が持っていた警察の銃は、マイクがくすねてきて売った物だった。話を聞いて激昂したヘンリーは、ダーネル達を殴りつけた。ニックはやり過ぎだとヘンリーを止めた。ニックはヘンリーを見て不信感を抱く。
ニックはヘンリーを言葉巧みに外に追いやり、ダーネル達に話を聞いた。それにより、マイクがニックの正体をダウドに明かしていたことが分かった。さらに、ダーネル達はマイクの死の真相を知っていた。マイクは麻薬に嵌り、捜査のことを売人達に話していた。そして、お金が無くなれば、拳銃やバッジなどあらゆる物を売り捌いていた。事件の日、マイクはダーネル達から麻薬を購入しようとしていた。しかし、金が無くて購入することができなかった。マイクが拳銃を抜いたため、ダーネル達は殴って止めた。そこにヘンリーが現れた。ダーネル達はヘンリーに発砲されながら逃走した。ヘンリーは腐敗したマイクに激高し、射殺した。ニックはダーネル達の供述を録音した。
ニックはヘンリーを問い詰めた。実は、ニックは以前からヘンリーのことを疑っていた。キャスリンはヘンリーが話していた、義父に売春させられていた女の子だった。キャスリンは麻薬絡みで何度も逮捕されていたが、ヘンリーが握りつぶしていた。更生施設から出る手助けもしており、ハーランが協力していた。ハーランはマイクの検視も行っており、麻薬中毒だったことを握りつぶしていた。
ヘンリーはニックを殴りつけ、ダーネル達にマイク殺害の犯行を自供させて録音しようとした。ヘンリーに銃を向けられ、ダーネルは自分が殺したと叫んでしまう。ニックはヘンリーを止めるため引き金を引いた。ヘンリーは死の間際、事件の真相を明かした。逃げ去るダーネル達を撃ったのは、ヘンリーではなくマイクだった。ヘンリーはマイクを止め、医者の元へ連れていこうとした。しかし、マイクは拒み、自殺したのだった。真実を聞いたニックは、呆然と録音機を見た。
映画『NARC ナーク』の感想・評価・レビュー
何とも後味が悪い物語だった。麻薬捜査官として必死に頑張っていたニックだったが、犯人と共に胎児を殺してしまった。そいて、刑事殺しの犯人を捕まえるつもりが、相棒が亡くなって自殺だと分かっただけだった。しかも、妻に出て行かれ1人になってしまう。こんなにも救いがない作品も珍しいと思う。物語の後、ニックがどういう行動を取ったのかも気になった。あまり万人にお勧めできる作品ではないが、役者達の演技がとにかく素晴らしかったので一度見るのも良いかもしれない。(MIHOシネマ編集部)
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