映画『昼下がり、ローマの恋』の概要:「青年の恋」「中年の恋」「熟年の恋」の3つの恋が描かれたオムニバス映画。ヴィットリオ・エマヌエーレ演じる恋のキューピットが物語を進行している。ロバート・デ・ニーロやカルロ・ヴェルドーネなど、有名俳優達が多数出演している。
映画『昼下がり、ローマの恋』の作品情報
上映時間:126分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:ジョヴァンニ・ヴェロネージ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、モニカ・ベルッチ、リッカルド・スカマルチョ、カルロ・ヴェルドーネ etc
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映画『昼下がり、ローマの恋』の登場人物(キャスト)
- ロベルト・デ・トマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)
- 「青年の恋」に登場する。弁護士。恋人のサラと結婚したいと思っている。居座っている夫婦の立ち退きの件を担当する。
- ミコル(ラウラ・キアッティ)
- 「青年の恋」に登場する。トスカーナ州の小さな町に暮らしている。既婚者。浮気を繰り返し浪費癖も激しいなど、奔放な性格。
- ファビオ・レンズーロ(カルロ・ヴェルドーネ)
- 「中年の恋」の登場人物。ジャーナリストで、ニュースキャスターとしても活躍している。カツラをしている。既婚者で、娘がいる。
- エリアナ・ラメ(ガイア・アルペア)
- 「中年の恋」の登場人物。本名はガイア・アルペア。自称精神科医。本当は統合失調症を患っており、12年間治療を続けている。エリアナは担当の精神科医の名前。
- エイドリアン(ロバート・デ・ニーロ)
- 「熟年の恋」の登場人物。ボストン大学の教授を定年退職する。その後、ローマに引っ越す。心臓の移植手術を受けており、興奮しないよう日々の生活に気を付けている。
- ビオラ(モニカ・ベルッチ)
- 「熟年の恋」の登場人物。40歳。パリで暮らしていた。父には高級ブランド店で働いていると嘘を吐いていたが、実はストリッパーだった。
映画『昼下がり、ローマの恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『昼下がり、ローマの恋』のあらすじ【起】
「青年の恋」
ロベルト・デ・トマーゾには夢が2つあった。それは一流の弁護士になって、恋人のサラと結婚することだった。ロベルトは真摯にサラに思いを伝えていたが、サラは結婚する踏ん切りがつかない様子だった。
居座っている夫婦を立ち退かせるため、ロベルトが対処することになった。夫婦がいる場所はゴルフ場のクラブハウスが建設される予定で、借地契約は3年残っていた。夫婦は生まれた土地で死にたいと言っており、契約終了後も居座ることが予想された。上司は賠償金の額は上限で3万ユーロまでならOKだとロベルトに伝えた。ロベルトは出世のチャンスが来たと喜び、情けを捨てて有利に交渉を進めることにした。
ロベルトは夫婦がいるトスカーナ州のミケラッチ農場を訪れた。夫婦は障害者の甥・ガガと一緒に暮らしていた。ロベルトは15000ユーロの賠償金で交渉を進めるが、夫婦は立ち退きを拒否して頷かなかった。ロベルトは一旦説得を諦め、帰ることにした。ホテルに戻り、ネット通話でサラと話して愚痴を零した。
ロベルトがレストランを訪れたとき、美しい女性・ミコルがやってきた。ロベルトはミコルに目を奪われる。ミコルは男性達と車の競争をしようとしていた。ミコルが車で海岸線を走り、男は500メートルを走るというものだった。男達が走るのを嫌がっていたため、ロベルトは自分が走ると声をかけた。レースの結果、ロベルトが勝利した。ロベルトは我武者羅に走ったことで、子供の頃を思い出した。
妻はお金を貰えるならと、立ち退きに前向きな姿勢を示した。夫は15000ユーロでは不服とし、3万ユーロならと譲歩した。ロベルトは夫婦の様子を観察して、2万ユーロまで値切れると判断した。最善を尽くすと嘘を吐き、帰ることにした。
映画『昼下がり、ローマの恋』のあらすじ【承】
ロベルトが帰ろうとしていると、警官がやって来て呼び出される。立ち退くことが嫌なガガが、飛び降り自殺をしようとして騒ぎを起こしていた。ガガは飛び降りるが、段差が低い場所だったので大丈夫だった。警官を含めた町の人が、ロベルトをからかっただけだった。ロベルトは町民に誘われ、歌を聞きに行った。歌い手はミコルだった。ミコルは夜会おうとロベルトを誘った。ロベルトは波止場でミコルと会うが、軽くあしらわれて帰られてしまう。
ロベルトは滞在期間を延ばすことにした。サラはロベルトの様子がいつもと違うように感じ、不安を抱く。ロベルトはミコルや町の人達と楽しい時間を過ごした。そして、ミコルと関係を持ってしまう。ロベルトは浮気をバレないようにするため、平然とした態度でサラと話した。すると、サラから離れていて寂しいと思いを伝えられる。
ロベルトはミコルと話すため家を訪ねた。そこに、ミコルの夫が帰ってきた。ロベルトはこっそり帰ろうとするが、ミコルの義母に姿を見られてしまう。咄嗟に義母を殴って気絶させてしまったため、ベッドへと運んだ。ミコルの夫はベッドで倒れている母を見て、病院へと連れていくことにした。その間に、ロベルトはミコルと話した。ミコルは夫と3年前に結婚していた。子作りを拒否して浮気をして金遣いが荒いのに心から愛してくれる人だと、夫への思いを吐露した。ロベルトはミコルを連れ去ることはできないと確信し、別れを選んだ。
ロベルトは帰ることを決めた。すると、サラが一緒に帰ると言い出した。サラはロベルトに会うため、ホテルに来ていた。ロベルトは愛を囁き、サラとキスをした。ロベルトは最後のバカな行為として、老夫婦に会いに行って5万ユーロの賠償金が貰えると伝えた。そして、誰にも追い出す権利などないから居座って欲しいと思いを伝えた。夫はロベルトの言葉を受け、居座ることにした。
映画『昼下がり、ローマの恋』のあらすじ【転】
「中年の恋」
ジャーナリストのファビオ・レンズーロは、ニュースキャスターとしても活躍していた。ある日、ファビオは娘とパーティーに参加した。だが、娘が別れた恋人に会いに行くと言って、ファビオの車に乗って帰ってしまう。ファビオは寂しい気持ちを感じながらも、知り合いと談笑した。その時、ハイヒールが折れてしまった女性・エリアナに体を押され、プールに落ちてしまう。ファビオが帰る車がなくて困っていることを知り、エリアナはお詫びに送ることにした。
ファビオはエリアナと連絡先を交換し、カフェで会った。エリアナは既婚者で精神科医として働いていた。エリアナには理想の恋愛があった。それは一度だけ関係を持ち、二度と会わないというものだった。ファビオはエリアナに誘われるまま家を訪ね、関係を持った。その時、エリオナにカツラを毟り取られ、ありのままでいることを勧められる。
ファビオはカツラを外してテレビに出演しようとするが、印象が悪くなると上司から注意を受ける。それならクビにすればいいと強気な態度を取った。一度きりの関係のはずが、エリアナが再び会いに来た。ファビオはエリアナに誘われるまま、車の中で体を求め合ってしまう。その時、車が勝手に動き出し、パトカーにぶつかった。
ファビオ達は警察署に連行された。ファビオは警察官からエリアナの本名がガイア・アルペアで、ストーカー行為で2度も連行されている女性であることを教えられる。エリアナとはガイアを担当している精神科医の名前だった。警察官は別れなければ家族が巻き込まれる事態になるとファビオに警告した。ファビオは強気な態度で、ガイアに別れを伝えた。
ガイアが再び会いに来た。しかも、ファビオとの情事を録画しており、愛さないと妻や上司に送りつけると脅してきた。ファビオは自分だけでは対処できないと判断し、本物のエリアナに助けを求めた。ガイアは統合失調症を患っており、12年間も治療していた。エリアナはガイアに逆らえば、危ない人になる可能性があると忠告した。
ファビオは台本を言い間違え、眩暈を起こしてしまう。家で休んでいると、ガイアが訪ねてきて子供が欲しいと言われる。ファビオは怒り、金目当てだろうと貶した。怒ったガイアは、家にあった壺などを叩き割った。ファビオは泥棒が入られたと嘘を吐いた。しかし、ショックを受けている家族に黙っていることができず、浮気したことを含めて女性の仕業であると明かした。ファビオは謝罪するが、妻と娘は許さず家を出て行った。
ファビオは特派員として中央アフリカに派遣されることになった。マラリアやコレラが蔓延している場所なので嫌だとごねるが、決定は覆らなかった。ファビオはエリアナに連絡をもらい、ガイアに会いに行った。ガイアは騒ぎを起こしたことを謝罪し、家の鍵を渡した。情事を録画したDVDを回収させるためだった。ファビオはDVDを回収し、橋から投げ捨てた。それが運悪く船の上に乗ってしまう。ファビオはタクシーに戻り、船を追った。
映画『昼下がり、ローマの恋』の結末・ラスト(ネタバレ)
「熟年の恋」
歴史学者のエイドリアンは、アパートの管理人であるアウグストと仲良くしていた。アウグストは性に奔放な男性だったが、エイドリアンは6年間も禁欲生活を送っていた。エイドリアンがテレビを見ていると、特派員のファビオがソマリ族の暴徒に拘束され殴られている映像が流れた。
アウグストの娘のビオラが2年ぶりにパリから戻ってきた。エイドリアンは初めて会うため、ビオラに挨拶をした。夜、アウグストは娘との会食の席にエイドリアンを誘った。2年前まで、エイドリアンはボストン大学の教授だった。定年を迎え、ローマに移住してきたのだ。始め、アウグストはエイドリアンのことを偉そうな男だと思い気に入らなかったが、心臓の移植手術を受けたと知ってから考えを改めていた。エイドリアンは死の恐怖を経験しており、心臓のことを気にして感情的にならないようにしていた。
3人で食事中に、ビオラの知り合いの男性が現れ絡まれた。エイドリアンは男を止めようとして思わず殴ってしまう。アウグストはエイドリアンを止めようとして、男に殴られてしまう。ビオラはエイドリアンに感謝し、頬にキスをした。
ビオラは父と口論になり、家を飛び出した。行くところがなかったため、エイドリアンに助けを求めた。エイドリアンは何があったのか訳を聞かず、ビオラを部屋に泊めた。次の日、アウグストが訪ねてきた。ビオラは隠れ、父に見つからないようにした。アウグストはビオラからパリのブランド店で働いていると聞かされていたが、本当はストリッパーだったと知って怒っていた。しかも、ビオラは借金を抱えていた。エイドリアンはアウグストを宥め、部屋から追い出した。
ビオラは子供もおらず仕事もストリッパーで、自分は負け組だと泣いていた。エイドリアンは仲良かった妻と移植手術をしてから上手くいかなくなったことを打ち明け、ビオラを慰めた。次の日、エイドリアンはビオラと聖母マリアの祭り(祝日)を祝った。アウグストが一緒にお酒を飲もうと言って訪ねて来るが、息を殺して不在を装った。
エイドリアンはビオラと関係を持った。次の日の朝、アウグストが訪ねてきた。エイドリアン達は居留守を装い、ベッドの上で幸せな時間を過ごした。アウグストはエイドリアンが倒れていると誤解し、助けを呼んだ。アウグストは救助隊と共に部屋に入り、エイドリアンとビオラがベッドの上にいる姿を目撃してしまう。アウグストは激高し、倒れた。
アウグストは無事だったが、ビオラと口を利こうとはしなかった。ビオラは父の元を去ることにした。エイドリアンはビオラを呼び止めて愛していることを伝え、一緒に行くことを告げた。2人はキスをして抱き締め合った。
エイドリアンはビオラに内緒で借金返済のお金をアウグストに送った。ビオラはエイドリアンの子供を出産した。
映画『昼下がり、ローマの恋』の感想・評価・レビュー
3タイプの男性の恋愛が描かれていておもしろかった。「青年の恋」は主人公が浮気をしていたのにバレなかったため、何だかモヤモヤした気持ちになった。「中年の恋」で浮気をしていた主人公が悲惨な目に遭ったが、悲惨すぎて少し可哀想になった。「熟年の恋」はロバート・デ・ニーロがあまりにもカッコよくて、熟年という感じがしなかった。定年を迎えた男性と40歳の女性の恋だったが、あまり年齢差を感じなくて普通に素敵な恋だと思った。(MIHOシネマ編集部)
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