映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』の概要:週刊少年ジャンプに連載されている「NARUTO」の映画化作品。アニメ第2期の映画化作品としては3作目。むらた雅彦が監督を務めた。
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:95分
- ジャンル:アニメ、アクション
- 監督:むらた雅彦
- キャスト:竹内順子、井上和彦、勝生真沙子、根本圭子 etc
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 あらすじ【起・承】
各忍の国々で、血継限界(遺伝的な特徴として特殊な忍術を継承しているもの)を持つ忍が謎の失踪を遂げるという事件が連続で起きていた。その首謀者は、ヒルコと呼ばれるかつての木ノ葉の忍である。彼は他の忍たちの力を吸収することで強くなる禁術を開発したせいで、里から追放されたという過去をもつ忍だった。
ヒルコは四人の血継限界の忍を吸収しており、強大な力を得ていたが、あと一人を探していた。それは、写輪眼を持つカカシである。全世界に向けて、第四次忍界対戦を宣言したヒルコは元木ノ葉の忍であるため、他の里からいらぬ疑いをかけられてしまう木ノ葉の里だったが、その強大な力の前に火影の綱手も成すすべがない。このままではヒルコの思う通り、各国が戦争状態に突入してしまうだろう。
そして突然、カカシが里から姿を消してしまう。不審がるナルトは、カカシがヒルコに吸収されると見せかけ、その時に秘術を使用することで自ら犠牲になると同時にヒルコを倒そうとしていることを知った。
激怒したナルトは、周りの制止を振り切って、カカシを追う。
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 結末・ラスト(ネタバレ)
カカシ一人が犠牲になることで、世界が守られる。カカシ自身もそれをよくわかっているから、自ら里を去ったのだ。そう周囲は必死にナルトを止めるが、ナルトは全く聞き入れない。一度は捕われるナルトだが、サクラの助けを借りて里を脱出。その後サイもナルトに賛同してカカシを追うが、それを止めるためにシカマルたちもまた里を発った。
ナルトは、こんなやり方は俺の好きな木ノ葉ではない、と主張した。仮にカカシが死ぬことによって、世界が、里が助かったとしても、それは胸を張って後世に語り継げることではないと。だからカカシを助けるのだと。そんな里は嫌だと考えたのだ。
カカシはヒルコとともに自爆しようと試みるが、うまく行かずに吸収されそうになってしまう。しかし間一髪、ナルトたちが到着した。カカシを助けることに成功したナルトは、カカシや仲間たちと力を合わせることで、見事にヒルコを撃退する。緊張状態に陥っていた各国も、ヒルコが倒れたとわかり戦争に発展することは無かったのだった。
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アニメの劇場版ならでは
アニメ作品の劇場版のメリットと言えば、やはり大迫力で見ることができるという点だろう。ただ、それに関して言えば今回の劇場版の戦闘シーンはそれほど作りこまれているという感じが見受けられなかった。砂漠や広大で険しい岩場といった「場」として広いところが選ばれていたのは奥行きを感じる画もいくつかあったが、キャラクターの戦闘としてはアニメとさほど変わりなかったように感じる。要因としてはもちろん監督や作画の意向もあるだろうけれど、やはりそろそろ強さが飽和しつつある点が多大に影響しているようにも思った。主人公が強くなりすぎていて生半可な敵じゃあ通用しない、という少年漫画によくあるパターンである。
ナルトは主人公だが未熟で、カカシはその師匠にあたる。そんなことは全く考慮されていないくらいナルトのほうが圧倒的に強く描かれている。属性を持つことにより、戦闘タイプの相性があるので一概に強い弱いと言えないのが忍者設定のいいところだとは思うが、映画に関してはとにかく攻撃の規模が大きくなるばかりで、そういった利点は行かされていなかった。
ナルトの言葉にぐっとくる
一人の犠牲によって世界が助かる、という命題はアニメに関わらずよく使われるモチーフだ。正義の裏側の犠牲というのは世界で問われているといってもいい。そんなテーマに対する答えとしては不十分なのかもしれないがナルトのセリフには非常に心打たれた。「こんな里は嫌いだ」というただそれだけなのだが、胸を張れない里は嫌だ、というシンプルさが逆にナルトらしい正義で温かく感じた。現実ではそうもいかない場面ばかりだろうが、アニメの中でこれが貫かれるのはとても素敵なことだと思った。
映画『NARUTO ナルト 疾風伝 火の意志を継ぐ者』 まとめ
戦闘モノの漫画、アニメらしく、強さの飽和が起きており(もちろんこの映画だけに限った話ではない)、その結果、とにかく大きな攻撃を当てたもん勝ちみたいになっていた。個々人の細かい戦闘を描くというよりは、エネルギーのぶつかり合いといった風なので、かえって映画らしい雑さのほうが際立ったのは残念。ただ、カカシを追うナルトの思いはまっすぐで、正義に貫かれた言葉たちに胸を打たれた。木ノ葉のメンバーがまんべんなく活躍するので、その点もファンにとっては嬉しい点である。
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