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映画『なっちゃんはまだ新宿』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『なっちゃんはまだ新宿』の概要:学生時代、ヒロインは同級生に片思いしていた。同級生には他校に付き合っている彼女、なっちゃんがいて、玉砕は目に見えている。ところがある日、ヒロインの前に突然、なっちゃんが姿を現す。ヒロインは次第に想像上のなっちゃんと仲良くなるが…。

映画『なっちゃんはまだ新宿』の作品情報

なっちゃんはまだ新宿

製作年:2017年
上映時間:93分
ジャンル:青春
監督:首藤凜
キャスト:池田夏海、菅本裕子、河西裕介、POLTA etc

映画『なっちゃんはまだ新宿』の登場人物(キャスト)

秋乃(池田夏海)
違うクラスの同級生、岡田に片思いしている女の子。岡田に聞かされる彼女へと嫉妬し、想像上のなっちゃんという存在を作り上げ、寂しさを埋めている。学生時代から仲間のバンドをマネージャーとして支え、社会人になって本格的にマネージャーとなり活躍している。
なっちゃん(菅本裕子)
岡田の付き合っている彼女。秋乃の前に不意に現れては消える。可愛らしく魅力がたっぷりで、秋乃の理想を体現している。社会に出てからは被写体モデルとして働いている。
岡田(河西裕介)
秋乃の片思いの相手。なっちゃんと別れた後、秋乃と10年以上、付き合って結婚を決める。明るくて優しく包容力のある人物。学生時代に付き合っていたなっちゃんのことを完全に忘れている。

映画『なっちゃんはまだ新宿』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『なっちゃんはまだ新宿』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『なっちゃんはまだ新宿』のあらすじ【起】

高校生の秋乃はクラスが違う同級生、岡田に恋をしている。友達は皆、彼女の恋を応援してくれるし、週2回の委員会では岡田に会えるので委員会の日がもっと増えればいいと思っていた。だが、岡田には別の学校になっちゃんという彼女がいて、いつも会話の話題はなっちゃんのことばかりだった。

そんな夏のある日、授業中に校庭を歩く少女を目にする秋乃。その日の夜、クローゼットを開けるとそこには、秋乃が想像する岡田の彼女、なっちゃんがいるのであった。彼女はとにかくおしゃべりで可愛らしい。そして、秋乃の想像上の人物であるため、姿を現したり消えたりするのである。

秋乃は軽音同好会に所属していて、夏休みにライブをしようと計画していた。彼女は岡田にもライブに来て欲しいと誘ったが、予定している日が夏祭りと同じ日であるため、変更した方が良いとアドバイスされる。岡田はなっちゃんと夏祭りへ行く予定らしい。ライブハウスへ日にちの変更を相談したが、難しいと言われたため、仲間にもそのことを話した。

その日の夜、浴衣を着たなっちゃんが姿を現す。岡田がなっちゃんの浴衣姿を楽しみにしていたからだった。なっちゃんの出現頻度は日を置く毎に増えていく。ライブのチラシが出来上がったその帰り、なっちゃんはどの地域が好きかと聞くと、彼女は何となく新宿がいいと話す。

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映画『なっちゃんはまだ新宿』のあらすじ【承】

妄想の人物とは言え、次第になっちゃんを人として認め始める秋乃。いつの間にか彼女は、自然となっちゃんと自分の分の食べ物を購入するようになる。
ライブの日に雨が降るよう逆さテルテル坊主をいくつも作った。するとライブ当日、本当に雨が降ってきて、なっちゃんが夏祭りに来ないと言ったため、岡田がライブを見に来てくれた。ライブは大成功を収め、仲間達と喜び合った。

夏休みが明け、岡田が夏祭りの出来事がきっかけでなっちゃんと別れたという噂が流れる。もしかしたら、秋乃にもチャンスが巡ってくるかもしれないという期待が過った。
委員会の日、岡田と再会。帰り道、秋乃は彼に告白し付き合うことになる。すると、なっちゃんは鳴りを潜め、姿を現さなくなった。

以降、岡田と放課後デートを繰り返し、彼と気持ちを通わせる秋乃。軽音同好会の仲間が東京の音楽プロダクションから注目を集め始めた。大学受験も終わり高校を卒業した秋乃。東京の大学へ行くことになり、岡田と共に電車を乗り継ぎ新宿へと到着。秋乃はそれっきり、なっちゃんの存在を忘れた。

映画『なっちゃんはまだ新宿』のあらすじ【転】

大学を卒業し就職先に音楽プロダクションを選んだ秋乃は、高校の頃と同じように仲間のバンドマネージャーをしていた。彼女はバンド以外にも知名度の低いアイドルと芸人のマネージャーを兼任しており、気付いたら28歳。秋乃は岡田とも付き合い続け、同棲までしているが、不意に何かを忘れているような気がして不安に駆られるのであった。

そんなある夏、番組の企画に参加するアイドルのマネージャーとして同行した秋乃は、企画に参加する被写体モデルに既視感を覚える。モデルの名前はナツカと言うらしく、出身地も同じだった。聞けば秋乃の学校の人と過去に付き合っていたことがあると言う。その人物は岡田と言うらしい。

帰宅後、冷凍庫を開けるとソフトクリームのアイスが沢山、転がり落ちて来る。秋乃は不意に自分が想像した岡田のかつての彼女、なっちゃんの存在を思い出すのだった。
それ以来、ぼうっとする時間が増え岡田ともいつも通りに過ごせない。あの頃、秋乃は想像とは言え、なっちゃんといつも一緒にいた。岡田との結婚を控えている秋乃だったが、ある朝に岡田へとなっちゃんのことを聞いてみる。すると、彼はなっちゃんのことをすっかり忘れているのだった。

秋乃にとって、岡田に片思いしていた当時の記憶は鮮烈で、なっちゃんという存在にいつも思い悩んできた。それなのに、当の岡田はすっかりなっちゃんのことを忘れている。秋乃は憤慨し、急に思い立ってATMを梯子して大枚を用意。マネージャーの仕事をそっちのけにして、モデルとして仕事中のなっちゃん本人を連れ出してしまう。

映画『なっちゃんはまだ新宿』の結末・ラスト(ネタバレ)

当然、なっちゃんは秋乃のことを知るはずもなく。ついこの間、知り合ったばかりという印象しかない。だが、秋乃にとっては懐かしい存在で彼女との思い出を語る。強引に付き合わされたなっちゃんは、秋乃と会ったことは過去に1度だけだと言う。そうなのだろう。秋乃は分かっている。だが、彼女はなっちゃんと過ごした時を忘れることができず、なっちゃんとまた過ごしたいと強く思っていた。

すると、なっちゃんが乗っていたバスを停留所でもない場所で強引に止める。秋乃は彼女の強引さに引っ張られ、バスから逃走。それから、2人は互いのことを話し合い、和気あいあいと充実した時間を過ごすのであった。

その頃、マネージャーの秋乃が不在のまま、バンドのライブが始まる。学生時代からライブには必ず、秋乃が付き添ってステージの袖で見守ってくれていた。けれども、今夜は秋乃がいない。このことで、彼女がバンドにとっていかに大切な存在であったかが分かり、ライブにも自然と熱が籠もった。

朝がくる。秋乃はなっちゃんに別れを告げ、帰路へ就く。そうして、なっちゃんは完全に秋乃の中から姿を消したのだった。

映画『なっちゃんはまだ新宿』の感想・評価・レビュー

音楽と映画の祭典MOOSIK LAB 2017で準グランプリ等、3冠を達成した作品。前半の学生時代パートと後半の社会人パートで構成されており、学生時代パートがなければ社会人パートが成立しないという絶妙なストーリー展開を見せる。

簡単に言えば、同級生に片思いしているヒロインが会ったこともない彼女を想像して、心の中に住まわせてしまい、10年後に拗らせる。後半はやや、病んでいるのだろうなという印象が強い。前半の学生時代がすごく爽やかで楽し気なだけに、後半の展開が強烈に響く。さすがと思える良作。(MIHOシネマ編集部)


秋乃となっちゃんの二人の、ビジュアルと役柄がぴったりでナイスキャスティングでした。秋乃役の女優さんは、監督の学生時代の友人でOLをしながら合間に撮影をしていたそうで、驚きました。芸能人じゃないからこそ出せる、自然な普通の女子の雰囲気が良いなと思いました。
好きな人の彼女で、普通なら嫉妬して憎んでしまいそうな相手であるなっちゃんと、仲良くなってしまう妄想を膨らませる秋乃の性格の良さが素敵でした。部屋で二人で話すシーンは、恋人と過ごす楽しさでは代えがたい、女子同士でしか味わえない空気があってとても好きでした。女性監督ならではの目線なのではないかと感じました。(女性 20代)

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