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映画『アンドリューNDR114』あらすじネタバレ結末と感想

映画『アンドリューNDR114』の概要:アイザック・アシモフ原作のSF映画。裕福な家庭に迎えられたアンドロイドの「アンドリュー」が、「人間」になる事を夢見て周りとの関わりの中で成長していく心の動きを描いている。

映画『アンドリューNDR114』 作品情報

アンドリューNDR114

  • 製作年:1999年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:SF
  • 監督:クリス・コロンバス
  • キャスト:ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイヴィッツ、サム・ニール、オリヴァー・プラット etc

映画『アンドリューNDR114』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『アンドリューNDR114』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『アンドリューNDR114』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『アンドリューNDR114』 あらすじ【起・承】

「アンドリュー」こと、NDR114は、ロボット工学三原則に沿い、人に奉仕するために作られたアンドロイドで、マーティン家に迎えられる。
家事をさせる名目で迎えたアンドリューだが、妻には不気味がられ、長女にも少し冷たくされてしまう。
海に行った時に、次女のリトル・ミス(ハリー・ケイト・アイゼンバーグ)のガラスの馬を壊してしまうが、独学と独創性で代わりの馬の彫刻を作りお詫びをする。

修理した蓄音機でうっとり音楽鑑賞をするアンドリューを見た家主のリチャード(サム・ニール)は、アンドリューの感性の豊かさに驚き、もともとの製作主であるロボティッリチャードだが、不良品と言われ交換作業や返品を求めるデニスに憤慨。クス社のデニスの元を2人で訪れる。

ただ、この様に人間の様な感性を持つパターンについて話したかっただけの
プログラムされていない事は自分が教える、と。

家事をする時間を減らして良いので何か物作りや自分と同じ時計作りをしたらどうかと提案してきた。
自分にどんな能力があるかわからないと言うアンドリューに、人は時と共に成長する。でもアンドロイドは時が永遠。と話すリチャード。
材木を拾い、リトル・ミスと一緒に作業し、夜はリチャードと勉強する。
人はユーモアが大事と教わり、どんどん家族と馴染んで行くアンドリュー。

ピアノの連弾をしていく流れで、小さかったリトル・ミスが大人の女性になるまで時間が飛ぶ。

成長する間に作られた多くの時計を売りさばこうと話す家族。
儲けは誰の物になるのか?アンドリューの事は思っているが所詮機械だ。
機械に愛情を持つのは間違っているよと娘に諭すリチャード。

ある日、弁護士のビル・ファインゴールド(ジョン・マイケル・ヒギンズ)の元を訪ねるリチャードとアンドリュー。
アンドリューが時計で儲けがあるので、彼の口座を作ってあげたいと申し出た。
ロボットが口座を作ることは違法ではないが前例はない。
そんな中、リトル・ミスがプロポーズを受けたと相談しに部屋に遊びに来る。

喜ばしい事態と言うアンドリューに対し、その彼より実はアンドリューが気になる、しかし結婚はロボットとは出来ないと言う思いを言い出せずにプロポーズを受け入れる事を決める。

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映画『アンドリューNDR114』 結末・ラスト(ネタバレ)

修理の際に、自分の顔を表情が出る様に変えて欲しいと願い出る。
リトル・ミスの結婚式の夜に、リチャードと結婚式の時の映像を見て涙するリチャード。
ときの流れと共に自分で考え成長して行くアンドリュー、自由の身になって良いと小切手を渡され一人での生活を始める。

しばらく一人の生活をしていたアンドリューだが、リチャード死に目に呼ばれ、もともとのNDRの消息を追う事を決める。
離婚したリトル・ミスの息子のロイドに頼み、自分と同じ型のアンドロイドの末路を探して歩く。
10年かけて旅に出ている間に風景や時代の流れは変化していた。その間もリトル・ミスには手紙で報告をし続けていた。

最後の一体を見つけたアンドリューは、女性型のNDRを見つけそこでロボティクス社をクビになった者の息子のルパートと出会う。

研究資金を出すと言うアンドリューと一緒にルパートは「見た目だけ人間の様に見える肉体」をアンドリュー用に作り始める。

人としての肉体を持ちリトル・ミスの元に戻ったアンドリューだが、そこには20年経過し、ロイドの子供である昔のリトル・ミスに生き写しに育ったポーシャ・チャーニー(エンベス・ディヴィッツ)がいた。

迷子犬を見つけ家に迎え入れたアンドリューは、家族と言う名義で話し相手を求めポーシャの家を訪ねる。
脳出血を起こし、昏睡状態のリトル・ミスを訪ねたアンドリューはその手に子供の頃自分が作ってあげた馬の彫刻が握られているのを見ながら看取る。

愛する者が次々と去ってしまい、一人取り残されて行くことに耐えられなくなってきたアンドリューはルパートの元を再び訪ね、更なるグレードアップを願う。

しかし、改造する事により経験が増えることで物事への反応や感情がかなり変わってくると注意される。
修復した建物のオープニングパーティーに呼ばれていたポーシャは、アンドリューも誘い、そこで一緒に踊る。
仲が深まっていく2人だが、ロボットと人間、機械に愛情を抱く自分はおかしいと葛藤しだすポーシャに神経組織を入れた体で会いに行くアンドリュー。
しかしポーシャは別の者との結婚を決めてしまっていた。

落ち込んだアンドリューにルパートは味覚も味わえるなど更なるアップグレードを提案する。
まだ結婚までは間に合うと気付いたアンドリューは、自分の本心をポーシャに話す。

結ばれて一緒に過ごしていく中で70歳を超えたポーシャは、自分だけが老いて死んでいく不安をアンドリューに話す。
しかしポーシャなしではアンドリューも生きられないと話し、老いて機能停止していく体に改造してもらう。

ロボットなら永遠に生きられるが彼は人として死を死ぬ事を選ぶと発言するアンドリューを見た世界議会の人々は、心を打たれるもすぐに結論は出せないと言う。

ポーシャと並んで静かに永遠の眠りにつく中、世界議会の裁定で世界一の長寿である人間として、また、ポーシャとの結婚を正式に認められる宣言を議会から受けるのであった。

宣言を聴き終わる前に眠りにつくアンドリュー、後を追うように生命維持装置を切る様命令し眠りにつくポーシャがいた。

映画『アンドリューNDR114』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『アンドリューNDR114』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

人とは何かを考えさせられる

全体を通して安心感がある。SF映画だが、ヒューマンのジャンルとしてでも申し分ない映画。
そして最初の頃の、見た目は思い切りロボットと言う感じのアンドリューが蜘蛛を助けたり、子供との触れ合いで誠意を見せるなど、人間でも出来ない細やかさを見せる部分にはじんわり来る。
OPの部分のメカの内部の流れも雰囲気が出ているが、SF映画でありがちな物々しさがない。
まだ時代に追いつかないレトロな家具の中にハイテク光りするアンドリューが浮いているのも少しおかしいし、家主との挨拶のやり取りもコミカルだ。
自然に使う言葉だが、ロボットの様に直球で捉えると意味が全然違ってしまうのも普段の生活では気がつけない事だ。
「人間」ですら持ち得ない美しいとされる繊細な心。
そして「人」として自分ならどう日々を過ごし、生きていきたいかを気付かせてくれる映画。

この家族あってこその主人公

序盤で始めて目が覚めたアンドリューが「自分の家族ですか?」と聞いた際に「まあそんなところ」と迎えてくれる家族の大らかさが観ていて嬉しくなる。
人としての感情を持ち始めるアンドリューを見守ってくれるリチャードの寛容さが温かい。
家主、リチャードの寛容さがなければこの話は成り立たない。
存在しそうで、実はなかなかいないこの経済的にも気持ち的にも豊かな良い家主に巡り合えた事がアンドリューの幸福であろう。
また、ロボット、人間関係なく、良い人間関係を築いていく事は何を意識すれば良いのか。
そこが自然と見えてくるからこそ、この映画を観ていて自然と涙が出そうになるのかもしれない。


製造時の欠陥により、早い段階で心を宿したロボットのお話です。お世話になった人の死を見取り、死ねない自分を見つめ、人を愛することを知る。シンギュラリティを起こした理由はあまり描かれないですが、真っすぐ紳士的に成長するアンドリューの姿は観ていてホッとします。

間違いなく傑作ですが、アンドリューの顔はあまり有名でない俳優の方が良かったかもしれません。どんな顔にするか考える場面で、ロビン・ウィリアムズの顔を選んだように見えてしまいます。(男性 20代)


上映時間以上に時間を感じさせるほど、時間の経過を丁寧に描いてある印象だった。だから観ていて非常に満足感がある。CG技術を取り入れた2000年代の作品の中でもかなり違和感なく収まっていて世界観に溶け込み易いのも良い。

アンドリューのロボットらしからぬ人間味や、ロビン・ウィリアムズの優しさ溢れる表情に最後まで癒されっぱなしだったし、ラストに向けての展開の意外性は好みが分かれそうだが、誰が観ても心温かくなれるような作品だ。(女性 20代)


ロボットをテーマにした作品は、ロボットが人間以上の知能を手にし人間の世界を支配してしまったり、ロボットを生み出した人間が自分たちの勝手な考えで彼らをモノとしてしか見ずに手放すなど、悲しい印象のものが多いですが、今作は人間とロボットの境界線をものすごくぼんやりと描いているので、アンドリューに対しても「人」のように見ることが出来、アンドリューをモノでは無く心を宿したロボットとして受け入れている家族の姿が非常に印象的でした。その家族のおかげでこの作品全体が温かく、優しい雰囲気になっています。
アンドリューがどう生きて何を選択するのか、最後まで目が離せません。(女性 30代)


ロボットと人間の境界線は何だろう。そもそも心というのは何処に存在するのだろう。いつか本当にこんな時代が来たら?その時我々人間は?そんなことをつらつらと考えさせられる映画だった。
最後にアンドリューは議会によって人間と認められたが、正直彼がどこから人間だったのか、私には分からない。
ラストでポーシャを看取った看護婦が、実はガラテアだったというのは、ニクい演出だなぁと思った。ロビン・ウィリアムズの演技は言わずもがな素晴らしい。(女性 30代)

映画『アンドリューNDR114』 まとめ

地味に感じる映画だが、見終わった後の余韻や、感慨深い思いが残る映画。
是非恋愛感情を抱く相手や夫婦で観てあげると良い。
相手の大切さ、当たり前のような「人として出来る・いられる」事の幸せを思い出して実感する事が出来る。
大事な人が欲しい、そう言う自分になり成長していきたい、とじんわり思わせてくれる。
日本語の吹き替えが、2パターンあるが、主人公のアンドリューの声優さんはどちらもしぶくて声だけ聞いても楽しい。
吹き替えで観ても見やすいし、何度も楽しめる映画である。
ピアノの連弾で、リトル・ミスとの心の距離を描きながら、ミスが大人の女性へと成長する時までワープして魅せる方法はうまい。
涙のラストの後にセリーヌ・ディオンの主題歌の歌詞がこの映画の要約と、総括をしてくれる。

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