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映画『ザ・フォッグ(1980)』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ザ・フォッグ(1980)』の概要:街の誕生100周年記念祭に沸き立つ港町で起こる謎の殺人事件。不穏な霧に覆われていく中での惨劇の広がりを描いている。1980年製作、アメリカのホラーの巨匠、ジョン・カーペンター監督による映画。後に2005年リメイクされている。

映画『ザ・フォッグ』 作品情報

ザ・フォッグ

  • 製作年:1980年
  • 上映時間:90分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス
  • 監督:ジョン・カーペンター
  • キャスト:エイドリアン・バーボー、ジェイミー・リー・カーティス、ジャネット・リー、ハル・ホルブルック etc

映画『ザ・フォッグ』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★☆☆☆

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映画『ザ・フォッグ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ザ・フォッグ(1980)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ザ・フォッグ』 あらすじ【起・承】

街の誕生100周年に沸く小さな港町「アントニオ・ベイ」。

ラジオ放送を流していたスティーヴィー・ウェイン(エイドリアン・バーボー)は、電話を切った後、窓から見える海の様子に違和感を覚え始める。
街の誕生100周年を告げると同時に、街では奇怪な現象が起こり始める。

午前零時をまわった途端、ガソリンスタンドのオイルが勝手に漏れる。
コンビニでは商品が勝手に倒れる。

同じくして、ヒッチハイカーのエリザベス・ソリー(ジェイミー・リー・カーティス)を乗せた町民リックの車の窓は急に割れたりするなどの現象が。
沿岸では、操業中の漁船が突然霧に覆われ始め、その霧の中から現れた者により乗組員3人は惨殺されてしまう。
夜が明けて、落ち着いたアントニオ・ベイの街。

街の女性議長であるキャシー(ジャネット・リー)は夫の乗船していた「シー・グラス号」が戻らないのを心配しつつも、助手のサンディを連れて街外れの教会へ向う。

そこでは、崩れた壁の中から日記が出てきた事を読みながらマローン神父が語り始める。
その日記には、100年前に街を作り上げたとして称えられた功労者達が、契約の為に訪れた富豪達の船「エリザベス・ディン」を襲い、乗組員含め皆殺しにしたあげく船に積んであった財産を奪っていった、と記されていた。

日記の最後には「殺害された者達は100年前の怨みを晴らす為に亡霊となり、功労者と同じ数の人間を殺しに現れる」と。

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映画『ザ・フォッグ』 結末・ラスト(ネタバレ)

船の乗組員がいなくなった船を調べていたエリザベスとリックは、昔自分の父が同じような現象の船を見たという話をする。
功労者の1人を曾祖父に持つ、地元のラジオ局のDJであるスティーウ゛ィーは、真相を知り、100周年祭で惨事が起きないように呼びかける。

しかし霧は既に街の大半を覆い始めていたのだ。
マローン神父の話を信じていなかったキャシーも、街を襲う怪奇現象を目にして助手のサンディと2人で助けを求め教会へと向う。

エリザベスとニック、亡霊から間一髪で救い出したスティーヴィーの息子も合流し、怪奇現象から逃げる術を検討する。
マローン神父の所に逃げ込む一同は、先代の日記が見つかった部屋で、金で作られた十字架を発見する。

自分が6人目の共謀者だと、自らを生贄として亡霊の前に出るが、十字架に触れた亡霊は炎に包まれ消えてしまい、街を覆う霧も姿をひそめる。

これで平和を取戻したかの様に思えたが、「なぜ6人じゃない、なぜ私を?」と問う神父は再び霧と共に現れた亡霊達に殺されてしまう。

映画『ザ・フォッグ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ザ・フォッグ(1980)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

じんわり沁みる恐怖感

美しくも閑散とした風景の中で、淡々としたじんわり染み込む恐怖感の演出がホラーの巨匠の力と言える。
無言の恐怖と言う感じが伝わってくる。
死体の表現などは一瞬人形の様に写ってしまう部分もあるのだが、その分
ショッキングなシーンはあまりない。
ジョン・カーペンター監督は「ハロウィン」で猟奇的なホラーを表しているので、それとは対照的と言える作品。
あまりスプラッタ的なものは見たくないが、ホラーは観たい、サスペンス調が好き。
人が謎を持ったまま死に追いやられていく淡々とした感じは好き、と言うにはオススメのゴシックホラーと言える作品。
一番の見所は、「霧」と「美しい風景」。
たかがモヤと思ってしまう霧だが、作中では美しいと思えるシーンもたくさんある。
音が無い現れ方が霧の恐怖感が出ている。
その霧が犯行の序章の様に感じる不気味さを感じさせたり、人によって捉え方で感じる恐怖度は違いが出てくる。
光に反射する海の様子にしても不自然さがないので、港町特有の美しさがすんなり目に入ってくる。
風景の癒しの力で余計ホラー映画にありがちな「恐怖感」が抑えられていると言える。

リメイクと比較

2005年にリメイク版が公開される。
この作品とリメイク版での差を比較して楽しんでも面白い。
少し前の地味な中に光る不気味さが、うまく表現されている事にも気が付く事が出来る。
ホラーとしての演出のうまさ、や公衆電話1つにとっても比較対象は細々出てくるので楽しいはず。
ストーリー自体は差異がほぼないので、比較対象としてとても良い。


1980年の作品ということもあり、少しレトロな雰囲気だったり作り物っぽい描写を感じるところはありましたが、それが良い方向に影響していて、作品全体的にはとてもよく出来ていたと思います。
特に、教会や霧、海や街並みなど静かな場所でジワジワと迫り来る幽霊の雰囲気が怖さの中に美しさも感じられるので、ただ驚かせるだけの作品よりもホラー要素が強くなっていると思います。
ホラーなのにオシャレで、細かいところまで手を抜いていないのでメイン以外の部分も注目して見て欲しいです。(女性 30代)

映画『ザ・フォッグ』 まとめ

お話が始まってもそれなりのストーリーになるまで、画面にスタッフネームが出ているので、最初は集中しにくいかもしれない。
しかし、1980年に作られた事もあり、どこか大げさな感情表現やアクションを感じる部分もあるが、雰囲気自体はホラーなのに全体的に落ち着いた感じがある。
人のため息、動作1つ1つがしっくりくるので、少し霧の映像などがレトロさを感じる部分があっても、「味」として受け止める事は出来る。
さすがに人の殺害シーンは動きがぎこちない感じもする部分もあるのだが、良い意味でぼかしているのであまりおどろおどろしい感じがない。
そのおかげか後味は悪くはない。

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