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映画『私は猫ストーカー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『私は猫ストーカー』の概要:浅生ハルミンによるエッセイを原作とし、実写映画化した一作。イラストレーターとして成功を夢見る女性が、猫を求めながら下町で暮らす日々を紡ぐ。主演は星野真里、鈴木卓爾の長編デビュー作。

映画『私は猫ストーカー』の作品情報

私は猫ストーカー

製作年:2009年
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:鈴木卓爾
キャスト:星野真里、江口のりこ、宮崎将、品川徹 etc

映画『私は猫ストーカー』の登場人物(キャスト)

ハル(星野真里)
古書店で店番の仕事をしながら、イラストレーターとしての夢を追っている。猫が何より好きで、町中の猫を追っかけ続けている。
真由子(江口のりこ)
ハルが働く古書店の同僚。恋愛が中心の生活を送っているため、いつもハルに話を聞いてもらっている。少しせっかちな女性。
鈴木(宮崎将)
ハルが働く古書店の常連。アメリカ文学に詳しいが、人付き合いが苦手。ハルに好意を寄せるものの、上手く会話できず一方的に話し続けてしまう。
猫仙人(品川徹)
猫返し神社に居る、ハルの同志のような存在。猫に関しての知識を多く知っているため、ハルによく話を聞かせてあげている。
古本屋の主人(徳井優)
ハルが働く古書店の主人。あまり口数は多くないが、奥さんと結婚する前は違った生活をしていた。とにかく本が好きで、のんびりと暮らしたいと思っている。
古本屋の奥さん(坂井真紀)
ハルが働く古書店の奥さん。さっぱりとした性格だが、主人のことが大好きで嫉妬することも多い。飼い猫のチビトムを溺愛している。

映画『私は猫ストーカー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『私は猫ストーカー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『私は猫ストーカー』のあらすじ【起】

人気の無い裏通りで、目線を落としながら歩くハル。彼女の目的は猫である。古本屋「猫額洞古書店」で店番として働いているハルは、時間を見つけては小さな路地で野良猫を捜し歩いているのである。猫を見つけては話しかけ、仲良くなってしまう。猫に夢中になり、ニヤニヤとしながら接する様はまさに「猫ストーカー」なのだ。

書店の同僚・真由子の恋愛話にも、古書店の奥さんの話にも興味が湧かないハル。早々に仕事を切り上げ、店の猫・チビトムの導くままに裏路地に迷い込んでいく。カラスの鳴き声に驚いて、独りごとを言うがそれはチビトムに向かって話しかけている言葉だった。帰り道にコロッケを買ってニコニコとしながら帰路に就くハル。ご機嫌なまま帰宅するとすぐに、お気に入りの店をまとめたイラストにコロッケを買ったお肉屋さんを追加する。そして大家さんが代わりに受け取った荷物を確認した。中には元恋人から送られてきたりんごと一通の手紙が入っていた。

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映画『私は猫ストーカー』のあらすじ【承】

ある日のハルは、立派なヒゲを持つ野良猫と出会う。実は本業はイラストレーターであるハル。人目を気にせず、その場で野良猫の分布図に追記するのだった。

団子屋の前で、偶然古書店の常連・鈴木に話しかけられたハル。一方的に話しかけてくる鈴木に対して上手く返答をできないハルは、苦笑いをして交わした。そして団子を手土産に猫返し神社で猫と戯れる「猫仙人」に会いに行く。猫の恩恵について語る猫仙人。「人類はもっと猫を大事にすべきだ」とハルに教えるのだった。

イラストの仕事を受けたハル。リンゴを送ってきた元彼・ケンゴにお礼の電話をする。ケンゴはバンドで成功するという夢を諦め、実家のリンゴ農家を継いだのだった。言葉に詰まったハルは「結婚おめでとう」とだけ伝え、電話を切った。

古書店の店主夫婦の馴れ初めを聞いたハル。幸せそうな二人の話を聞いた翌日もやはり猫を探しに行く。その日は墓場を散策した。偶然、自称・寺の坊主という男と出会い、昼間から猫がいる場所を教えてもらいについて回った。結局、自称・寺の坊主は町中の井戸の場所を教えてくれただけである。名前も教えてもらえず、ハルは置いていかれてしまった。

映画『私は猫ストーカー』のあらすじ【転】

ある日公園で野良猫の面倒を見ている女性と知り合う。集まる猫たちに名前をつけエサを与えていたのだ。仲間を見つけた喜びを感じるハル。真由子から突然「彼氏できたでしょ?」と言われるほど、幸せがにじみ出しまっていた。仕事中にある一冊の本を手にしたハル。その様子を見た店主は「女にとって昔の恋人からの贈り物は重荷だろうか?」と呟く。ふと表紙を見ると、その本には「A.Nへ K.Kより」と書かれていたのである。その日の古書店は、やけにピリついた空気が流れていた。

郵便局までのお使いに出たハルは、またしても偶然を装った鈴木に話しかけられる。何とか誤魔化しながら対応し、店に戻ると奥さんがチビトムを探していた。前日の夜から姿が見えないというのだ。楽観的な店主の態度に奥さんは怒りをぶつけ、二人は店先で大喧嘩してしまう。

猫仙人と一緒に思い当たる場所を探しに行ったハル。しかし夕暮れ時にはそう活発に動いていないようで、全く見つけられなかった。夜明けにもう一度見てみようという猫仙人の言葉を受けて、ハルは探して欲しくないのではないかと言い出した。猫仙人は「人間のことは分からない」と言い切り笑うのだった。

映画『私は猫ストーカー』の結末・ラスト(ネタバレ)

自宅で夕食を食べているハルの元に、真由子が焦った様子で訪ねてきた。なんと今度は奥さんが姿をくらましたのである。「チビトムが見つかれば奥さんも出てくる」と言う真由子の言葉に流されたハルは、翌日チビトム探しを再開させるのだった。真由子もチビトムを探している内容の貼り紙を町中に貼って歩いていた。

猫返し神社に立ち寄ったハルは店主と遭遇する。古書店は休業中なのだ。店主が煙草を吸う姿を初めて見たハルは、イニシャルの書かれた本は店主のものだったと気づく。古書店の気まずい雰囲気は、奥さんの嫉妬によるものだったのだ。チビトムを探しは一時中断し、店主と古書店に戻ってみると、奥さんが戻ってきていた。

まだ明るくなる前に目が覚めてしまったハル。偶然鈴木と遭遇した。いつもはハルに付きまとっていた鈴木だが、本当に偶然会ったことで動揺してしまう。するとハルは突然「私は猫ストーカーだ」と告白する。鈴木も「ストーカーはけっこう好きだ」と答え、二人は猫探しの旅に出る。

上手く猫に近づけない鈴木に、ハルは「猫と仲良くなる秘伝の方法」を教えてあげた。ようやく猫に近づくことができた鈴木と、初めて目を見て会話できたハル。よく会うのは行動範囲が同じだと思っていたハルだが、鈴木は正直に後を付けていたことを告白した。ハルも自分には何もないことを告げ、二人は反対方向に歩みだすのだった。

古書店は営業再開している。しかしチビトムはまだ見つかっていなかった。店主夫婦の仲直りもまだであったが、徐に店主は例の本を奥さんに渡し過去の恋愛への未練はないことを証明するのだった。

人間たちが少しずつ変化する中で、猫たちはその日ものんびりと見えない時間を過ごしている。

映画『私は猫ストーカー』の感想・評価・レビュー

「ほのぼの」この作品のためにあるような言葉である。実に緩い時間。あえて狭い画角に収めた映像は、誰かの目線で日常を覗いているような感覚になる。イラストレーターを本業とするハルのイラストをもっと見てみたいと思ってしまった。ハルの視界は猫好きには眼福なのだ。ただ好きなものを追いかけられる幸せ。無理に何かの枠に収まらない猫という動物は魅力的だ。その感情を表したような、原作者と監督が作詞のテーマ曲も実に愛らしい。(MIHOシネマ編集部)


本作は、イラストレーターとしての成功を夢見る女性が猫を追いかけて下町で暮らす日々を描く浅生ハルミンのエッセイを映画化したコメディー作品。
登場する下町のネコたちがほのぼのとして可愛くて仕方なかった。
また、イラストレーターのハルの仕事の描写が少なかったので、彼女の作品の作り方が気になった。
そして、やることが沢山あって忙しない人間と、のんびり自由気ままに生きる猫との時間の流れ方の違いを感じられた。無謀だが、もし生まれ変わるなら猫になりたい。(女性 20代)

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