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映画『フェリーニに恋して』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『フェリーニに恋して』の概要:箱入り娘として大事に育てられた20歳のルーシーは健全なモノクロ映画の世界しか知らなかった。育ての母親の秘密を知り独り立ちを決意したとき、フェリーニ作品に触れる。監督に会いに行きたいと初めての行動を起した模様を追う一作。

映画『フェリーニに恋して』の作品情報

フェリーニに恋して

製作年:2016年
上映時間:103分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:タロン・レクストン
キャスト:クセニア・ソロ、メアリー・リン・ライスカブ、エンリコ・オエティケル、パオロ・ベルナルディーニ etc

映画『フェリーニに恋して』の登場人物(キャスト)

ルーシー(クセニア・ソロ)
外の世界を知らず大事に育てられてきた20歳の女性。母変わりである姉が病魔に侵されていると聞いてしまい、独り立ちを決心する。純粋無垢なままフェリー二の映画と出会ったことで触発され、ローマを目指す。
ケリー(メアリー・リン・ライスカブ)
ルーシーの姉であるが叔母として接している。過保護に接するクレアとは対照的に、ルーシーの好きなことができるよう背中を押してくれる存在。クレアの病状も知っていて支えている。
クレア(マリア・ベロ)
ルーシーの姉でありながら、母として育ててきた。素行の悪かった自分を悔いて、ルーシーには綺麗なものだけを見せてきたため、20歳を迎えても何も知らない状況を作ってしまった存在。
パオロ・ベルナルディーニ(エンリコ・オエティケル)
ルーシーが初めて恋に落ち、心も体も許した男性。偶然出会い、フェリー二の話題で意気投合した。時間は大いにあると思い、ルーシーとずっと一緒に居たいと言ってくれた存在。

映画『フェリーニに恋して』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『フェリーニに恋して』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『フェリーニに恋して』のあらすじ【起】

近所の有名人である姉妹。姉のクレアはいつまでも成長することを拒み、物語のように美しい恋愛を夢見ていた。しかし現実は男たちのいい遊び道具である。妹・ルーシーが生まれたことを機に、美しくないもの世界から排除しようと決心する。二女のケリーはその様子を見守るのだった。

純粋に育ったルーシーは淡い初恋を経験したがその一度きりで、恋人だけではなく友人もいない。しまいには仕事もしたことがないまま20歳を迎えてしまった。モノクロ映画の世界を信じているルーシーに対して、クレアは大学に行くよう勧めるが拒絶されてしまう。しかしクレアは突然の病魔に襲われる。今後の人生を心配するクレアとケリーの会話を聞いてしまったルーシーは、独り立ちの時を迎え就職の面接を受けることした。

映画制作の仕事の面接を受けたものの、別室で「おっぱいを見せて」と試験官が言っているのを聞いてしまい、ルーシーは逃げ出した。呆然と帰路についたルーシーは、「フェリーニ映画祭」のチラシを手にする。徐に会場に向かったルーシーは「道」を鑑賞し、今まで触れたことのない世界観に心を奪われるのだった。

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映画『フェリーニに恋して』のあらすじ【承】

帰宅したルーシーはすぐに部屋にこもり、フェリー二が手がけた作品を見漁った。パッケージに連絡先を見つけたルーシーは、イタリアにあるフェリー二のエージェントへ電話を掛けてしまう。フェリー二と話したいと伝えると、奇跡的に翌日の3時にアポイントが取れた。クレアに隠れてイタリアへ向かおうとしたルーシーだが、ケリーに見つかってしまった。しかしルーシーももう20歳である。ケリーはきちんとクレアに話して行くべきだと説得した。翌日、正直にクレアに打ち明けたルーシーだが、クレアは自分の病気について切り出せなかった。初めての渡航についていけないクレアは「1人の時間が欲しい」と強い言葉でルーシーを送り出すのだった。

一人で外の世界に出たルーシーだが、飛行機を間違いローマではなくベローナにたどり着いてしまった。荷物はドイツに行ってしまったという。散々なスタートにはなったものの、偶然知り合ったカップルに誘われ初めてのバーに出向く。そこで知り合ったロバートも加わり映画論を交わしたルーシー。初めてのお酒や艶やかな空間はまるでフェリー二の映画の世界のようであった。

映画『フェリーニに恋して』のあらすじ【転】

目を覚ましたルーシーは、見知らぬ路上に居た。偶然知り合った男性・パオロに助けられ一緒に食事をすることになったルーシー。フェリー二の話題で意気投合した二人。これまで知ることもなかった景色をたくさん見せてもらったルーシーは、徐々に心を惹かれていく。パオロの部屋で話し込んだ末、ルーシーは初めて男性の身体に触れた。そしてルーシーも一つ大人の階段を上るのだった。

ルーシーのことを心配するクレアとケリーは、フェリー二の作品を鑑賞しながら旅の動機を理解しようとしていた。一方でルーシーはパオロとの時間を楽しんでいたが、偶然出会った女性に「恋はしても男を信じるな」と助言を受けた。すぐに旅の目的を思い返し、フェリー二のエージェントに連絡をすると「すぐにローマに来て欲しい」と急かされてしまうのだった。

パオロとの時間を捨てフェリー二に会いに向かうが、再び迷ってしまった。エージェントに連絡するも怒鳴りつけられ委縮するルーシー。その頃、クレアとケリーも芸術に対して意見が割れ声を荒げて喧嘩してしまうのだった。

映画『フェリーニに恋して』の結末・ラスト(ネタバレ)

フェリー二に会うことを諦めてはいないルーシーは、駅を探しながら道に迷ってしまった。不安そうなルーシーに一人の男性が声をかけてきた。怪しげなパーティーに招かれ、恐怖から逃げ出そうとした時襲われかけてしまった。まるでルーシーの恐怖心がリンクしたかのように悪夢に襲われるクレア。逃げ切ったルーシーが自宅に連絡した時には、クレアの容態は悪化し電話にすら出られない状態であった。

現実を受け入れられないルーシーは、なんとしてもフェリー二に会おうともがき始める。ヒッチハイクの末、居心地の良い一軒のレストランにたどり着いた。ほっと一息ついたとき、フェリー二が73歳で亡くなったとニュースが流れるのだった。

帰宅したルーシーは、クレアとの思い出を今回の旅で経験した淡い思い出を振り返っていた。するとパオロが目の前に現れる。再び夢のような幸せな時間がルーシーに流れ始めた。二人はクレアの写真を持ってフェリー二の作品が流れる劇場で手を取り合うのだった。

映画『フェリーニに恋して』の感想・評価・レビュー

初期衝動は大事にしたいと痛感させられる作品であった。ルーシーの純粋無垢さゆえに、衝動が大きかったのかもしれないが、興味の対象「フェリーニ」に会いに行くという無謀にも思える旅路は見る者に新鮮な風を吹かせることだろう。フェリー二作品に多くは触れていなくても楽しめる作品の仕上がり。夢見心地なキャラクターの連続で、まるでレトロな作品の中に居るような気持ちであった。勇気あるルーシーの行動に幸あれ。(MIHOシネマ編集部)

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