映画『ねこタクシー』の概要:永森裕二による小説を、芸人、カンニング竹山を主演に実写映画化。情けない中年男性である主人公を、うまく演じきっている。作中に多く登場する猫達の可愛らしさも必見。
映画『ねこタクシー』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:亀井亨
キャスト:カンニング竹山、鶴田真由、山下リオ、芦名星 etc
映画『ねこタクシー』の登場人物(キャスト)
- 御子神さん(みーすけ)
- ある日、勤が出会った三毛猫。タクシーに乗り込んだところ客受けが良く、ねこタクシーの猫として有名になる。
- 間瀬垣勤(カンニング竹山)
- 人付き合いが苦手な冴えない中年。中学校教師をしていたが、現在はタクシー運転手をしている。営業成績は万年最下位。
- 松本スミエ(室井滋)
- ある日勤のタクシーに乗り込んだ老婦人。大量の猫を飼っており、猫のエサ代を稼ぐため詐欺紛いの行為をしている。
- 宗形誠二(内藤剛志)
- 市保健所に勤める男性。ねこタクシーが違法であると訴え反対する。市保健所に勤める男性。ねこタクシーが違法であると訴え反対する。
映画『ねこタクシー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ねこタクシー』のあらすじ【起】
間瀬垣勤は、元々中学校で英語教師をしていた冴えない男性だった。しかし、昔から人付き合いがうまくできない勤は、教師の仕事に限界を感じ、この年になって思い切ってタクシー運転手に転職したのだった。
しかし、タクシー運転手としても中途半端な勤は、未だにナビに頼り、客には新米運転手と思われる始末。既に40歳を迎えた勤は、万年最下位の営業で月10万ほどの給料だった。そんな中、娘ともうまくいかずに落ち込む勤。
そんなある日、公園でお弁当を食べていた勤の前に、一匹の三毛猫が姿を見せた。真っ直ぐに自分を見つめてくる三毛猫に居心地の悪さを感じた勤だったが、休憩を終え車内に戻った勤と共に、なんとその猫が入ってきてしまったのである。しかし、客に呼ばれてしまった勤はその猫を戻す時間がなく、そのまま猫を乗せて車を発進させた。その時乗ってきた客、飯島夫妻が急に車内で喧嘩を始めてしまう。しかし、なんとその猫のおかげで喧嘩が丸く収まったのである。
映画『ねこタクシー』のあらすじ【承】
その猫には『御子神』という首輪がついており、首輪がついているということはどこかの飼い猫に違いない、と勤は確信する。次に、スミエという老婦人が乗車してきた。感じのいい彼女に勤は好印象を受けるものの、なんと彼女は勤が目を離した隙に、支払金をちょろまかして姿を消してしまったのだった。
勤は、そのことを自分に次いで営業成績の悪い丹羽仁美に相談した。すると、仁美はスミエのことを知っており、彼女のことを猫を使って釣り銭詐欺を働く、『ネコばばあ』だと称したのだった。その後、勤は意を決してスミエの住む家へと向かった。
恐る恐る踏み込んだ彼女の家には、足の踏み場もないほどのネコ達が暮らしていた。そして、そこに御子猫の姿があったのである。年金だけでは猫達の餌代が払えない、と素直に罪を認めたスミエに対して、勤はとある頼みごとをする。御子神と、コムギという子猫を引き取りたいと伝えたのだ。スミエはそれを了承し、勤は妻の反対を押し切り、二匹を家で飼うことにするのだった。
映画『ねこタクシー』のあらすじ【転】
その後、御子神とコムギをタクシーに乗せて仕事をするようになった勤。そんな勤のタクシーは、猫好きの客から喜ばれるのだった。偶然乗せた演歌歌手、炎悟もその一人だった。彼は自身のブログにねこタクシーのことを載せるが、しかし、世間の目はそんなねこタクシーに対して否定的だった。
さらに、ある日勤が出勤すると、雑誌にねこタクシーのことが取り上げられていることが判明した。しかし、そこに載っていたのは勤ではなく仁美だった。仁美はこの騒動に便乗して、自分の営業成績を上げようと思っていたのだ。しかし、そこに市保健所の宗方という人物がやってくる。そして、猫をタクシーに乗せるには動物取扱責任者の資格を取らなければいけないこと、破った場合には30万円の罰金が生じることを宗方は告げるのだった。
結局、仁美は騒ぎを起こしたことにより本社から謹慎処分を受けてしまい、タクシー会社を辞めてしまうのだった。そのことを受けて、勤はネコをタクシーに乗せるのを辞めることにする。
映画『ねこタクシー』の結末・ラスト(ネタバレ)
しかし、その後勤のタクシーに盲導犬を連れた目が不自由な少女が乗り込んだ。そして、彼女に励まされ、勤はねこタクシーを再開する決心をしたのである。そのためには動物取扱責任者の資格を取る必要があり、妻子の応援を受けながら、勤は一心不乱に勉強に取り組んだ。それは、今までバラバラだった家族が一つになった瞬間だった。
しかし、彼には時間がなかった。実は御子神は既に15歳、人間でいえば90歳を超えたおばあちゃん猫で、いつ亡くなってもおかしくはない状況だったのだ。そして、一年後の試験を見事勤は合格する。こうして、晴れてねこタクシーは復活した。最後までねこタクシーに反対していた宗方だったが、実際に勤の運転するねこタクシーに乗り込み、その考えを改めるのだった。
そして、とある日、御子神は静かに息を引き取った。そんな御子神を見て、勤は自分も変わらなければいけない、とようやく前を向く。そして、勤はタクシー運転手をやめると、かつて働いていた中学校の英語教師として復職するのだった。
映画『ねこタクシー』の感想・評価・レビュー
さりげなく良い一本。
まず若干卑怯ではあるが猫が可愛い。
そしてカンニング竹山、頼りなげなおじさんの哀愁が滲み出ている。タクシー運転手の制服で車に寄りかかり、煙草を吸って休憩する姿があまりにも似合う。原作のある話だが、あて書きだったと言われたら信じたと思う。
人なり猫なり、何かとの出逢いで自分が変わるのはすごく素敵なことだと思う。たとえ一緒にいられた時間は短くとも、相手に何かしらの影響を残せたのなら、相手から何かしらの影響を受けることができたのなら、それ以上望めるものはない。そんなお話。(男性 40代)
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