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映画『N号棟』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『N号棟』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『N号棟』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『N号棟』の結末までのストーリー
  • 『N号棟』を見た感想・レビュー
  • 『N号棟』を見た人におすすめの映画5選

映画『N号棟』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2022年
上映時間 103分
ジャンル ホラー
サスペンス
ミステリー
監督 後藤庸介
キャスト 萩原みのり
山谷花純
倉悠貴
阿部たかし
諏訪太朗
製作国 日本

映画『N号棟』の登場人物(キャスト)

史織(萩原みのり)
死恐怖症(タナトフォビア)を抱える大学生。学校では多くの友人に囲まれているように見えるが、実際には死の恐怖から逃れるため明るく振る舞っている。また、元彼の啓太が友人の真帆と付き合っているのを知りながら関係を続けるなど刹那的で身勝手な面も多い。以前は啓太と同じ映像サークルに所属していたが、人間関係が面倒という理由で止めてしまった。入院している母親が脳死状態にあることも彼女のパーソナリティに影響している。
真帆(山谷花純)
史織と同じ大学の同級生。史織の元彼である啓太と付き合っているが、まだ二人の関係が切れていないことに薄々気付いている。啓太と同じ映像サークルに所属し、卒業制作のロケハンのため啓太、史織と「幽霊団地」を訪れる。
啓太(倉悠貴)
史織の大学の同級生。史織の元彼で、今は真帆と付き合っている。後ろめたさを感じながらも史織に誘われて今も関係を続けている。史織に頼まれて卒業制作のロケハンに連れて行くことになる。
加奈子(筒井真理子)
史織達が訪れた団地の住人。団地ではリーダー的な存在で、住人からは一目置かれている。一見温厚な正確で柔和な口調だが、史織達に死者の存在や死後の世界について説き怪しい雰囲気を漂わせる。

映画『N号棟』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『N号棟』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『N号棟』のあらすじ【起】

東京の大学に通う史織は、死によって自分の存在が無くなることを過度に恐れる死恐怖症(タナトフォビア)を抱えていた。史織は講義中に居眠りしていたため、教授からレポートを書くよう言い渡される。後日、「死の恐怖」と題された史織のレポートを読んだ教授は賛辞を送り、講義を受けて単位を取るようにと彼女に伝える。

史織は元彼の啓太が友人の真帆と交際していることを知りながら、今も彼を誘い関係を続けていた。友人に囲まれて明るく楽しい大学生活を送っているように見えたが、それも死の恐怖から逃れるためそう振る舞っているに過ぎない。また、史織の母親は植物状態で延命治療を受けており、脳死を受け入れるかどうか病院から迫られていた。

ある日、史織は啓太から映像サークルの卒業制作で真帆とロケハンに行くと聞かされる。啓太によると、ロケハンの場所は岐阜県にある幽霊団地と呼ばれているスポットらしく、今は誰も住んでおらず廃墟になっているという。

興味を持った史織はネットで検索して団地の衛生写真を確認した。すると団地の中庭に無数の人影がひしめいており、気味が悪くなって画面を閉じた。

映画『N号棟』のあらすじ【承】

数日後、史織は啓太に連絡しロケハンに同行する。到着した三人は、廃墟になっているはずの団地に住人らしき男性がいるのを発見する。男は三人を追い返そうとするが、史織が「入居希望です」と咄嗟に嘘をつくと態度を一変させる。柳井と名乗るその男は団地の管理人らしく、三人を案内してくれることになる。

団地には他にもまだ多くの人が住んでおり、柳井から三谷という女性とその息子の倫太郎を紹介される。彼らは温かく三人を迎えてくれ、歓迎会までしてくれると言う。啓太と真帆は断るが、史織はそれを受け入れ、結局三人は団地に一泊することになった。

その晩、多くの住人達が集まり三人をもてなしてくれる。いつから入居するのかと聞かれ史織が言葉を濁していると、真帆が「映画のロケハンで来た」と本当のことを言ってしまう。それがホラー映画だと分かると急に気まずい空気となり、皆そそくさと部屋を出て行った。

自分達の部屋に戻った史織達は、急に窓を叩くような大きな音がして驚く。真帆が幽霊団地の噂が書かれたネット記事を見せるが、史織は怪奇現象など無いと頑なに否定する。

映画『N号棟』のあらすじ【転】

その後、史織達は柳井から団地に住む加奈子という女性を紹介される。加奈子は史織達に団地の住人は死者の霊と共存しているのだと話し始める。史織が加奈子の話を否定した瞬間、壁や天井を叩くような音が響き渡る。驚いて三人が部屋を出ると、三谷が突然5階の廊下から飛び降りて自殺してしまう。真帆がショックを受ける一方で、史織はカメラを回すように啓太に促す。

再三非常識な言動を繰り返す史織に嫌気が差した真帆は、「史織と関係が続いているのを知っている」と言って啓太を罵倒し、二人と同じ部屋で寝ることを拒否した。柳井はひとまず真帆を預かると二人に告げる。

翌日、目覚めた史織と啓太は住人からランチに誘われる。そこには真帆の姿もあり、すっかり住人の輪の中に入っている様子だった。史織は心霊現象や三谷の自殺のトリックを暴くため、三谷の部屋に行く。するとそこで三谷の霊を目撃、さらに倫太郎までもが飛び降り自殺してしまう。加奈子達に疑われた史織は部屋に監禁され、啓太も住人達に懐柔されてしまう。

映画『N号棟』の結末・ラスト(ネタバレ)

史織は隙をついて監禁部屋を抜け出し、団地の側にある建物に逃げ込む。そこでは、男が遺体から血を抜き、事件の隠蔽を図ろうとしていた。男を警察に突き出そうと連れ出すが、住人達に見つかりドアの空いていた団地の部屋に逃げ込む。部屋にはミイラ化した遺体があり史織は愕然とする。そこへ加奈子が現れ、ミイラは10年前に死んだ自分の恋人だと話した。その後も相次ぐ心霊現象に史織は錯乱し、啓太と真帆、最後に加奈子をナイフで刺し自殺を図る。

しばらくのち、死んだはずの史織や真帆、啓太、そして住人達は、三谷と倫太郎を磔にして謎の儀式を執り行っていた…

数日後、大学に戻った史織は教授を訪ねるが、急に退職し連絡が取れなくなったと知る。その後、病院へ行った史織は母親の人工呼吸器を外し、現れた母親の霊と抱き合った。

団地の住人となった史織は、部屋のベランダに出て解放された表情を浮かべるのだった。

映画『N号棟』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ホラーだと思って見始めたけれど、後半に進むにつれてミステリーと社会派の側面が見えてくる構成が見事だった。廃墟の不気味さと、登場人物たちの不安定な精神状態がリンクして、観ている側もじわじわ追い詰められていく感覚。特に「信仰」と「洗脳」の描き方がリアルで、余韻が長く残った。(30代 女性)


一言で言えば“邦画ホラーの良さと怖さを詰め込んだ作品”。不気味な廃団地という舞台設定が秀逸で、じっとりとした空気感が最初から最後まで続いていた。ドキュメンタリー風のカメラワークがリアリティを増していて、まるで自分がその場にいるようだった。終盤の展開は衝撃的で、考察しがいがある。(20代 男性)


ホラー映画好きとしては、予想よりも“じわじわ系”の恐怖だったのが良かった。派手な演出ではなく、静かに精神的な不安を積み上げていくスタイルで、じっと見つめてしまう怖さがあった。実際に起きた事件から着想を得ている点もリアルで、見終わったあとに何とも言えない不快感が残るのが逆に良かった。(40代 女性)


途中までは「よくあるホラーだな」と思っていたけど、後半にかけて宗教や社会問題に踏み込んでいく展開に驚いた。N号棟の住民たちが信じていたもの、そしてそれが狂気に変わっていく様子は、人間の脆さそのもの。単なる幽霊話ではなく、心理的な恐怖が主軸だったのが印象的だった。(50代 男性)


若い女性たちが団地に入っていくという冒頭のシーンから、嫌な予感しかしなかったけれど、そこからの緊張感の持続が素晴らしかった。特に、主人公・史織が真実に近づくにつれて見えてくる現実のエグさが効いていた。宗教団体や集団心理をホラーとして描いた点に独自性を感じた。(10代 女性)


「幽霊」よりも「人間が一番怖い」と思わせる映画。閉鎖された団地、よそ者を排除しようとする住民、そしてそこに潜む真実。序盤から張られていた伏線が、ラストで一気に回収される構成に満足感があった。演技もナチュラルでリアリティがあり、フィクションだけど現実と地続きな恐怖があった。(30代 男性)


終始“音”の使い方が秀逸で、不安をあおるようなBGMや沈黙が効果的だった。特にN号棟の内部に入った時の静けさが逆に怖く、何も起きてないのにドキドキさせられた。霊的な描写に頼らずに、構造的な恐怖を描いたのが個人的には高評価。見終わってから思い返すほどに怖さが増す作品だった。(20代 女性)


一見ホラー映画に見えるが、実際は人間の集団心理の危うさを描いた社会派スリラー。団地という空間が不安を増幅させ、何が正しくて何が狂っているのか、観客にも判断を委ねてくる。特に最後の展開は賛否あるだろうが、私は「怖いけど納得できる結末」として受け止めた。余韻が長い。(40代 男性)


主人公の史織が記録映像を撮りながら真相に近づいていく形式がリアルで、観客の目線とリンクしていたのが良かった。最初は軽い探検気分だったのが、少しずつ雰囲気が変わっていく過程が怖くて面白かった。誰が味方で誰が敵なのかも曖昧になっていくのが、不安を加速させていた。(30代 女性)


N号棟という実在しそうな団地が舞台なのが、逆に怖さを倍増させていた。ホラーの形を借りて、「信じることの危うさ」や「孤立した共同体の暴走」を描いていて、考察すればするほど怖くなる。派手さはないが、心にじわじわ来る恐怖を味わいたい人にはかなり刺さる作品だと思う。(60代 男性)

映画『N号棟』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『N号棟』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ミッドサマー

この映画を一言で表すと?

まばゆい陽光の下で狂気が花開く、異文化×カルトの極限心理スリラー。

どんな話?

悲しみを抱えた若い女性が、恋人や仲間とともにスウェーデンの夏至祭に参加。美しい村と独自の風習に徐々にのめり込み、やがて常識を超えた儀式に巻き込まれていく。異文化の恐怖と集団心理の怖さを描く話題作。

ここがおすすめ!

『N号棟』と同じく、閉鎖的なコミュニティの異常性や人間の内面に潜む不安を浮き彫りにする作品。白昼の中で進行するホラーという独特の演出が、観る者の価値観を根底から揺さぶる。心理的恐怖が好きな方におすすめ。

呪怨(2002)

この映画を一言で表すと?

静けさの中に忍び寄る、邦画ホラーの代名詞的傑作。

どんな話?

一軒家で起きた凄惨な事件をきっかけに呪いが連鎖する。呪われた家に関わった人々が、次々と不幸な最期を遂げていくという構成で、時系列が交錯する中、真相が徐々に明らかになる。

ここがおすすめ!

『N号棟』と同じく、日本独特の湿度ある恐怖と空間演出が際立つ作品。無音の怖さ、日常が壊れていく感覚など、リアルに忍び寄る恐怖を味わえる。Jホラー初心者にも、じわじわ系の怖さを求める方にも最適。

回路

この映画を一言で表すと?

人の孤独とネット社会の闇を映し出す、哲学的サイコホラー。

どんな話?

人が次々と姿を消していく現象が東京で発生。その原因がインターネットと関係していると気付いた若者たちが、不可解な出来事に巻き込まれていく。都市と孤独、死の概念が交錯する異色ホラー。

ここがおすすめ!

閉塞感、孤独、そして社会からの断絶といった要素が『N号棟』と通じるものがあり、静かな恐怖を味わいたい人にぴったり。ホラーでありながらも哲学的なテーマに挑戦した意欲作。観る人を選ぶが深く刺さる。

アパートメント1303号室(2007・日本版)

この映画を一言で表すと?

ごく普通の住宅が、いつしか恐怖の中心地へと変貌する“居住型ホラー”。

どんな話?

母親との関係に悩む姉妹が、あるマンションの1303号室に関わったことで不可解な現象に巻き込まれる。部屋に宿る過去の怨念と家族の絆を描いた作品。

ここがおすすめ!

『N号棟』と同様に“住まい”が舞台となることで、日常が崩れていく怖さが際立つ。都市型ホラーの先駆けとして、集合住宅にまつわる不穏な空気を見事に演出。団地・集合住宅系ホラーが好きな方にはおすすめです。

冷たい熱帯魚

この映画を一言で表すと?

一見平凡な日常が、突如として地獄へ変わる――実話ベースの衝撃作。

どんな話?

熱帯魚店を営む男が、カリスマ的な経営者に引き込まれ、次第に猟奇的な事件に巻き込まれていく。表の顔と裏の顔が極端に異なる人間の恐ろしさを描いた実録サスペンス。

ここがおすすめ!

『N号棟』のように、“人間の狂気”を正面から描く作品。実在の事件に着想を得ており、静かに壊れていく登場人物の精神や、常軌を逸した展開に戦慄必至。社会と個人の関係に興味がある方にも刺さります。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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