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映画『ナイトクローラー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ナイトクローラー』の概要:社会病質者であるルイスは、世間に馴染めず、定職も持てないでいた。線路沿いのフェンスを盗み、廃品回収業者に持ち込んで日銭を得た帰り、ルイスは車両の事故現場に遭遇し、そこでカメラマンの仕事を知り、興味を持つ。

映画『ナイトクローラー』の作品情報

ナイトクローラー

製作年:2014年
上映時間:118分
ジャンル:サスペンス
監督:ダン・ギルロイ
キャスト:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、リズ・アーメッド、ビル・パクストン etc

映画『ナイトクローラー』の登場人物(キャスト)

ルイス(ジェイク・ジレンホール)
社会病質者。定職がなく、困っていたが、カメラマンという仕事を見つけ、本領を発揮する。
ニーナ(レネ・ルッソ)
テレビ局のプロデューサー。会社との契約更新を間近に控えており、高視聴率を得るべく奔走している。
リック(リズ・アーメッド)
ルイスのアシスタント。ルイスに利用され、低賃金で働いているが、他に仕事も見つけられず、渋々彼に従っている。

映画『ナイトクローラー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ナイトクローラー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ナイトクローラー』のあらすじ【起】

真夜中の線路沿いの道。ルイスは線路に侵入するための門を破壊し、工具でフェンスを切断していた。すると、ライトがルイスを照らすと共に、彼の背後で車が止まる音がした。やってきたのは、門が破壊されているのを発見した鉄道会社の警備員だった。警備員はルイスに身分証を呈示するよう要求した。このままでは不法侵入と器物損壊の罪で捕まってしまうと考えたルイスは、警備員の隙を突き、暴行を加え、その場から逃げ出した。

無事に逃走を果たしたルイス。彼の手には警備員から奪った高級時計があり、彼が運転する車内には盗み出した線路沿いのフェンスが丸められていた。ルイスは廃品回収業者に立ち寄った。盗んできたフェンスを売り捌くと、ルイスは廃品回収業者の社長に安定した仕事が欲しいから雇ってくれないかと申し出た。学生時代は勤勉だったこと、努力を怠らない性格をアピールし、研修中は無給でも構わないと訴えたが、「コソ泥は雇わない」という社長の一言で追い払われてしまった。

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映画『ナイトクローラー』のあらすじ【承】

廃品回収業者の事務所からの帰り道、ルイスはハイウェイの陸橋で一台の車が炎上し、数台のパトカーが停まっているのを目撃した。興味を惹かれたルイスは道端に車を停め、現場に歩み寄った。そこに、カメラマンが集まっていた。炎上する車から運転手を引きずり降ろす警官と、それをカメラに収めるカメラマンを背後から観察するルイス。救急車が運転手を収容すると、警察とカメラマンは現場から撤収する準備を始めた。ルイスはカメラマンに話を聞き、事故現場の映像は金になるということを知る。

自宅に戻ったルイスは寝ずにテレビを見続けた。陸橋で見た事故の映像が流れないか見張っていたのだ。夜が明けた頃、とある番組が昨夜の事件を放送した。ビーチでロードバイクを盗み出し、それを売って得た金を資金にカメラと無線傍受器を購入した。その晩からルイスは警察無線を傍受し、事件現場でカメラを回した。ルイスは警察や救急隊員の制止も構わず、被害者に接近して撮影した。撮った映像をテレビ局に持ち込むと、フェンスを集めていた時には決して稼げなかっただろう値がついた。ルイスはテレビ局で編集を務めるニーナという女性から仕事に関するアドバイスを受けると、テレビ局を去った。

映画『ナイトクローラー』のあらすじ【転】

更に質の良い映像を数多く撮影するためには、アシスタントが必要だった。ルイスは新聞広告で求人をかけ、リックという元庭師の若者を雇うことにした。研修生として無料で働かせたいと思っていたルイスだが、リックが渋ったため、少額を払うことにした。その日の晩からルイスはリックと共に、車で警察無線を盗聴した。夜遅く、特ダネになりそうな事故が起きた。ビル火災だった。地理に明るいというリックによるナビゲーションを受けて、現場に向かう。しかし、リックが道を間違えてしまい、二人が現場に辿り着いた頃にはもう消火が終わっていた。

その後に起きた発砲事件でもルイスは出遅れてしまった。他のカメラマンが現場から引き上げる中、彼は何としても特ダネを撮ろうと、発砲があった住宅に忍び込んだ。そして、撮影した映像をニーナのもとに持ち込んだ。ニーナはルイスが持ってきた映像に感動し、不法侵入は後々面倒を生むという部下の助言を跳ね除け、採用を即決した。

映画『ナイトクローラー』の結末・ラスト(ネタバレ)

カメラマンの仕事は、ルイスにとって天職だった。彼は様々な現場で特ダネをカメラに収めることに成功した。ある日の晩も、ルイスは特ダネを手に入れるため、車の事故現場に向かっていた。現場に辿り着いたルイスは、より良い構図で映像を撮るため、轢死体を動かし、映像をねつ造してしまう。ルイスに遅れて、警察が駆けつけてきた。仕事を済ませたルイスは警察と入れ替わりで現場から去った。

仕事が順調に進んでいるルイスは調子に乗り、特ダネと引き換えにニーナに肉体関係を強要する。そして、二か月以上も仕事をしているのに昇給がないことに文句を言うリックにも暴言を吐く。更に、仕事での失態が重なり、ルイスは孤独に追い詰められる。

そんな中で、ルイスは富裕層の住宅で銃撃事件が起きたという警察無線を傍受する。急いで駆けつけると、まだ警察は来ていなかった。ルイスは襲撃された一家の死体と逃走する犯人の車両を撮影することに成功する。映像は高値で売れ、ルイスは一躍有名ジャーナリストとなる。結果に満足して帰宅したルイスのもとに、刑事が現れた。刑事はルイスが事件に関与していると疑っているようで、彼が撮影した映像のコピーを要求してきた。

ルイスは自分が撮影した映像から犯人の車両と運転手を特定し、リックと共に犯人の追跡を行う。ルイスはリックを会社の副社長にすると言って煽てる。犯人が人通りの多い道を通ると、ルイスは警察に通報した。すると、路上で警察と犯人による銃撃戦が勃発した。ルイスはリックに犯人を間近で撮影するように命令した。警察に撃たれた犯人は車で逃走する途中、大きな事故を起こす。ルイスは犯人の死体を撮れとリックに命じた。リックはカメラを構えるが、犯人はまだ生きていて、リックは凶弾に倒れてしまう。特ダネを入手し、邪魔者になったリックも排除したルイスは撮影した映像をテレビ局に持ち込んだ。

ルイスの映像を見た警察は犯人隠匿の容疑でルイスを聴取した。しかし、具体的な証拠が挙がらず、警察はルイスを釈放せざるを得なかった。解放されたルイスは新しい車を買い、新たな研修生を雇った。

映画『ナイトクローラー』の感想・評価・レビュー

報道の自由か報道倫理か。
ダイアナ妃の事故死が思い浮かぶ。きっと今でも現実に起こっていそうで怖い。
ジェイク・ジレンホールの目つきが変化していく様子がわかる。目が死んでいく。
暗くて悪いやつだなー嫌いだなーと惹きこまれつつ鑑賞。
後味悪くまた観たいとは思わないが、目が離せず夢中になってしまった。
こんな人が隣人や上司だったら・・と思うと本当に怖い!(女性 40代)


本作は、社会病気質のルイスがフリーカメラマンという天職を見つけ成功していく過程と、マスコミの真の正体を描いたサスペンス作品。
犯罪専門のパパラッチとなったルイスは自分の成功の為なら何でもやってのけるというサイコパスで、自分の行いに罪悪感など皆無でとことんエスカレートしていく様子が恐ろしかった。
そして彼を演じたジェイク・ギレンホールの演技力の高さや、狂気に満ちた存在感が素晴らしくて圧倒されっぱなしだった。
また、ラストの臨場感溢れるカーチェイスシーンも見どころとなっている。(女性 20代)


いわゆるパパラッチ=ナイトクローラーという職業に焦点を当てた作品であり、金の為に事件現場を改ざんしたり、過激な写真の演出を行うというルイスの異様なまでの野心を垣間見れる内容となっている。賛否両論あると思うが、目的の為にここまで出来る人間は少数ではないだろうか。結果論ではあるが、良くも悪くも成り上がっていく人間とはどういうものなのかの一つの例として見ておくといいだろう。倫理観は度外視しておく事をおすすめする。(男性 30代)


行き過ぎたパパラッチの狂気を描く本作。
視聴率をとれる映像を撮るためならなんでもする、そんな狂気に満ちたパパラッチを演じるのはジェイク・ギレンホールです。
今までベビーフェイス故か、優しい青年役が多かった彼の違う一面が観られました。改めて実力派俳優だと実感しました。顔はやっぱり変えられないですが、目で狂気を演じるあたりは凄いとしか言いようがありません。
今回はパパラッチでしたが、最近YouTubeなどでの過激映像も問題となっているので、あながち他人事では済まないかもしれません。(女性 20代)


ジェイク・ギレンホールの目が怖すぎる。それに尽きる。
主人公のルーは追い求めているもののためには、後ろめたさなんて微塵も感じていない。正直人間としてめちゃくちゃ気持ちが悪く、その徹底的な演技が度を超えている。
こんな最悪な主人公でも見続けてしまうのは、結局そういうショッキングでいい映像を視聴者としても見たいと思ってしまうからだろう。彼のモラルないパパラッチ撮影に嫌悪を覚えつつも、もっとやれ、と相反する気持ちがこみ上げてしまう。
クライマックスまで、そこまでやるかってほど人間性を疑うが、逆に爽快感を覚えてしまう、常識はずれの映画でした。(女性 30代)


エスカレートしていくパパラッチの、仕事に対しての野望や執拗な探求精神は、見ていてゾッとする部分も多くて良い気分にはならない。一方で、何でも命懸けで取り組めば成功に近づくんだというメッセージも伝わってきたのが意外だった。

そしてジェイク・ギレンホールの素晴らしい怪演がしっかり味わえる。減量してまで望んだ役どころにこそ、重さと深さが垣間見えるのだと思う。本当に大好きな俳優だ。(女性 20代)

みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    事故や事件現場のショッキングな映像を撮影して、テレビ局に売ることを専門にするパパラッチ、別名“ナイトクローラー”。
    サイコパスの青年ルイスが、法律もモラルも無視して、「大金になる事故、事件の映像」をカメラに収めていくという作品。

    聞かれてもいないネットでの勉強についてのマシンガントークをニーナ相手に繰り出し、リックに対しての意味のわからないお説教など、いかにもサイコパスという雰囲気がルイスからは漂ってくる。
    ちょっとくらいならいいじゃないか、という様子で不法侵入を繰り返し、売っている映像も、倒れている人物がうまいアングルに収まるように動かしたり、写真の位置を勝手に動かすなど、やりたい放題。
    そして視聴率欲しさに、より過激な映像を撮るルイスと売買するニーナの関係は、ニュースが全て信用できるわけではないことを暗に語っている。

    終盤では犯人逮捕の衝撃映像を撮れるように細工し、邪魔になったリックまでネタにするまで進んだルイスの狂気はゾッとする。
    そしてよく見れば、起業して成功した人物のストーリーによく似たルイスの行動に、さらなる不気味さを覚える。

    テンポも良く、強盗事件現場を撮影した後のスピード感は秀逸。
    スリル満点のカーチェイスもあり、飽きが来ない作品。

  2. 匿名 より:

    レオナルド・ディカプリオの再来とも言われる、俳優ジェイク・ギレンホールの怪演が素晴らしい。

    笑っているようで目は笑っていなかったり、目を見開いたまま不敵な笑みを浮かべる口元などは、夢に出たらうなされそうだ。
    鏡に八つ当たりするシーンでは、ジェイク・ギレンホールとは別人のような表情も見せている。

  3. 匿名 より:

    アカデミー賞脚本賞にノミネートされただけあり、緻密に練られているが大胆さも兼ねそろえた、1人のナイトクローラーとブラック会社の誕生が描かれている見事な作品。
    12キロの減量を行ったというジェイク・ギレンホールの、衝撃的な怪演は、不気味さしか感じないのにも関わらず目を離すことができない。

    「破滅の瞬間にカメラを持って現れる」というキャッチコピーやセリフの通り、まるで死神のようなジェイク・ギレンホールと、他人の不幸を売り買いするテレビ局との関係などが、後味が悪くてぞっとさせられる作品。