映画『テッド2』の概要:前作「テッド」の大ヒットを受けて製作された続編。今回は改めてテッドが“人間なのか、それともただの所有物なのか”という難しい問題に直面し、正式な市民権を求めて裁判を起こす。あのモーガン・フリーマンが、全米一の人権派弁護士役で登場する。
映画『テッド2』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:コメディ、ファンタジー
監督:セス・マクファーレン
キャスト:マーク・ウォールバーグ、セス・マクファーレン、アマンダ・セイフライド、ジョヴァンニ・リビシ etc
映画『テッド2』の登場人物(キャスト)
- テッド(セス・マクファーレン)
- ジョンが8歳の時にクリスマスプレゼントとしてもらったクマのぬいぐるみ。ジョンの願いによって命を宿し、自分の意志を持って生きている。性欲旺盛で、酒やマリファナもやる。仕事場のスーパーで知り合った恋人のタミと結婚する。
- ジョン・ベネット(マーク・ウォールバーグ)
- テッドとは雷兄弟の絆で結ばれている無二の親友。4年間同棲していたロニーという女性と結婚したが、半年前に離婚。価値観のズレが原因だったが、かなり傷ついている。
- サマンサ・レスリー・ジャクソン(アマンダ・セイフライド)
- 26歳の新米弁護士。テッドの人権を守る裁判で弁護を担当する。マリファナ愛好家で、テッドとジョンと意気投合する。
- タミ・リン・マッカファーティー(ジェシカ・バース)
- テッドの妻。テッドと同じスーパーのレジ係。テッドのことを心から愛しており、2人の子供を望む。
- ドニー(ジョヴァンニ・リビシ)
- テッドのストーカー。幼い頃からテッドを自分のものにしたいと考え続けており、テッドを誘拐したこともある。現在は大手玩具メーカーの掃除係。テッドの裁判を利用して、テッドの大量生産を目論む。
映画『テッド2』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『テッド2』のあらすじ【起】
とある午後。テッドと恋人のタミは、ボストンで結婚式をあげる。親友のジョンは半年前にロニーと離婚し、それからずっと落ち込んでいた。人生最高の日を迎えた幸せそうなテッドとタミを見て、ジョンはロニーが恋しくなる。
それから1年後。テッドとタミの結婚生活は破綻しかけていた。2人はしょっちゅう派手な大喧嘩をして、アパートの住人に迷惑をかけていた。
テッドは同じ職場で働く女性から子供を作るようアドバイスを受け、それをタミに話してみる。タミはとても喜び、2人は仲直りする。
生きているとはいえ、テッドには子種がない。そこでテッドはジョンに協力してもらい、立派な精子を手に入れようとする。しかしなかなかうまくいかない。ジョンは自ら精子の提供を申し出る。本当はテッドもそうしたかったが、離婚して落ち込んでいるジョンには頼みにくかったのだ。
ジョンとテッドは不妊治療専門の産婦人科を訪れ、ジョンの精子を採取する。ところが、過去の薬物乱用が原因で、タミは妊娠不可能な体になっていた。
子供をあきらめきれないテッド夫婦は、養子をもらうことにする。しかし紹介所で、養子縁組を断られてしまう。タミの薬物使用の犯歴も問題だったが、それ以上の大問題は、テッドが法律上は人間ではないということだった。
映画『テッド2』のあらすじ【承】
改めてテッドについて調査した政府は、テッドを所有物であると判断する。市民権を失ったテッドは、仕事を解雇され、タミとの結婚まで無効にされてしまう。
ジョンは政府を訴えて市民権を手に入れるべきだと考え、弁護士を探す。しかし有能な弁護士は報酬も高い。弁護士のジャクソンは、最近司法試験に合格した姪のサマンサなら無料でいいと言ってくれる。2人は早速サマンサに会いにいく。
まだ26歳のサマンサを、2人は信用できないと感じる。しかしサマンサがマリファナ愛好家であることを知ると態度を一変させ、サマンサに弁護を依頼する。
マリファナを通じて意気投合した3人は、仲良く裁判の準備を始める。しょっちゅう顔を合わすうち、ジョンとサマンサはいい雰囲気になっていく。テッドが市民権を求めて政府を訴えたというニュースは、新聞でも報道される。
テッドを狙っているドニーはこの裁判に目をつけ、恐ろしい計画を練る。テッドが裁判に敗訴して所有物となれば、彼を盗んでバラバラにしても大した罪にはならない。テッドの構造が解明できれば、テッドの大量生産が可能になり、自分もテッドを入手できるし、玩具会社も潤う。玩具会社の社長はドニーの計画を聞き、政府側に凄腕弁護士のシェップをつけるよう工作する。
映画『テッド2』のあらすじ【転】
テッドの裁判が始まった。サマンサは善戦するが、シェップはテッドに内蔵された音声装置に目をつける。テッドが胸のボタンを押すと、“だいちゅき”という録音音声が法廷に流れる。それはテッドがオモチャであることを強く印象付ける作戦だった。
世間が注目する中、評決の日がやってくる。陪審員の出した結論は“テッドは人間ではない”だった。裁判で敗訴したテッドは、正式に所有物と見なされてしまう。
サマンサはダメ元で、全米一の人権派弁護士であるパトリック・ミーガンに連絡してみる。ミーガンはサマンサの話に興味を示し、ニューヨークでの面会を約束してくれる。テッドたちは元気を取り戻し、車でニューヨークへ向かう。
途中の高速でテッドがハンドルを握り、案の定めちゃくちゃな運転をして車は崖下の納屋に突っ込んでしまう。そこには最高級の大麻が大量に自生しており、3人は大喜びで野宿する。その晩、ジョンとサマンサは熱いキスを交わす。
翌朝、3人はミーガンのオフィスに到着する。しかしミーガンは、素行の悪いテッドを人間と認めてくれない。絶望したテッドは、イチャイチャするジョンとサマンサに苛立ち、ひとりでどこかへ行ってしまう。
ニューヨークの街をさまよっていたテッドは、コミコン会場に入る。テッドを尾行していたドニーは、ニンジャタートルに変装して、テッドを拉致しようとする。テッドは電話でジョンに助けを求め、ドニーから逃げる。しかしドニーに捕まり、地下に拘束される。テッドがバラバラにされる直前、ジョンはテッドを救出し、ドニーを殴り飛ばす。
映画『テッド2』の結末・ラスト(ネタバレ)
3人はもう大丈夫だと思っていたが、ドニーはまだあきらめていなかった。テッドが展示物の真下に来たのを見計らい、ドニーはそれを吊り下げていた紐を切る。ジョンはとっさにテッドをかばい、落下してきた展示物に跳ね飛ばされて、倒れてきた巨大画面の下敷きになってしまう。ドニーは警備員に捕まり、ジョンは意識不明の重体となって病院に運び込まれる。
テッドやサマンサの必死の願いも虚しく、ジョンは心停止に陥る。そして明け方、テッドは医師からジョンの臨終を告げられる。最後のお別れの時、テッドは心から親友の死を悼む。ところが、これはジョンの仕組んだドッキリで、ジョンはしっかり蘇生していた。
笑顔が戻った病室に、ミーガンがやってくる。ジョンがテッドを救った一連の出来事はテレビで生放送されており、ミーガンはそれを見ていた。ジョンの行動に胸を打たれたミーガンは、テッドの弁護を引き受けてくれる。
ミーガンは法廷で人と所有物の違いは何かを論理的に説明する。テッドには人間の条件とされる自分を認識する力、複合感情、共感性の全てがあると主張し、ジョンの事故で涙を流すテッドの映像を陪審員に見せる。映像内のテッドは誰が見ても明らかに感情のある人間だった。そして裁判は見事に勝訴する。
晴れて人間として認められ、正式な市民権を得たテッドは、タミに再びプロポーズして養子を迎える。ジョンとサマンサはテッドの息子にミニテッドのぬいぐるみを贈る。テッドはとても幸せだった。
映画『テッド2』の感想・評価・レビュー
テッドの人権を求める裁判が主題なのに、黒人蔑視の表現は多いのが気になった。
面白おかしく言っているのでジョークのつもりなのだろうが、差別意識の根深さを感じる。
暴言は吐くし、殴り合いの喧嘩も度々だけど、ジョンとテッドの友情は揺るがない。
裁判長の心を動かしたテッドの涙には目頭が熱くなった。
可愛いキャラクターだけど、主題の重さと道徳の面で、子供には勧められない。
大人が観て、考えさせられる映画だと思う。(女性 30代)
アマンダ・セイフライドがとても可愛かった。彼女をゴラムに例えているのに笑ったし、映画に無知な彼女にスーパー・モデルのことだと答えるジョンとのやり取りにニヤリとした。テッドの表情や動きも、可愛いくて俊敏で表現豊かなので、時々ぬいぐるみなのを忘れそうになる。
前作より笑いもドラマもパワーアップしていて面白かった。今作だけ観てもそれなりに楽しめるが、引き継いでいる設定があるので、両方順番通りに観るのがオススメ。映画をネタにしたブラックジョークが満載なので、映画ファンにはたまらない一作。(女性 40代)
今回はどこかテッドが主役感があるなと思いました。しかし実際にぬいぐるみと結婚!?意思があるっていったって・・・と映画ならではのストーリーだなと思いました。実際に一人とぬいぐるみとの生活が上手くいっているのかというと?大喧嘩しているシーンは、「あ~あるある」なんてどこか共感してしまう、親近感の湧くお話でした。今回は、テッドと奥さんが子どもが欲しいという事で、精子提供をしてもらうために、盗みに入ったり、病院に行ったはいいが、医師から「奥さんの妊娠は絶望的に無理」だと言われたりとついていない事ばかり。それでも子供を諦められずにいると、今度はテッドには人権が無い!?人形だから?!人がどのように物を見ているかという事を考えさせられる映画だなと思いました。(女性 20代)
テッドが結婚しているという実情も、あまり深く考えない方が良いが、そのテッドが子供を作り、家族を持つという願望から、そもそもテッドは人権を持つのか、という問題にまで発展する。
こういったファンタジー要素を含んだ映画なら、ある程度目を瞑らなければいけない筈の問題に土足で踏み込んでいけてしまうのは、テッドのキャラクターありきなのだろう。
今回も、前回同様ゲスコメディの期待は裏切らないので、安心?して欲しい。
1、2もそうなのだが、テッドのキャラクターは最初こそ多少戸惑いがあるものの、途中からは何故か愛らしく見えてしまう。
恐らく、小さい頃にバカ騒ぎをしていたような思い出と重なる部分があるからなのかもしれない。(男性 30代)
前回の作品より、かなり内容が濃く面白かった。ジョンとテッドのいつもと変わらない言葉の掛け合いや、ぶっ飛んでいて笑えるシーンや、テッドは人間なのか所有物なのか、裁判を起こすシーンなど、展開が早く見入ってしまった。一度は裁判に負けてしまったが、そこから立ち直り、また裁判を起こすテッドとジョンの粘り強さや、二人ならではの強い気持ちも存分に見られた。最後は二人らしい終わり方であり、期待を裏切らない感じも好きだ。(女性 20代)
ゲスな中年テディベアが、なんと結婚をするとことから物語がスタート。夫婦生活も経て、姿は変わらずとも前回より大人びて見えましたね。過激なジョークは健在で、法廷で歌って暴言を吐くぬいぐるみは新鮮でした。ところどころパロディジョークもあり、分かる人にとってはそのくだらなさに笑ってしまいます。大麻畑でジュラシックパークの感動を持ってきたのは最高でした。ツッコミ不在の組み合わせ、テッド・ジョン・サマンサの暴走具合も良かった。(男性 20代)
前作に続き、楽しいことは楽しいが観る人を相当選ぶ作品。下ネタ前回なので、そういうのが苦手な人には辛いだろうし、子供と観たら気まずいだろう。そこを乗り越えてもギャグとして登場する固有名詞の数々は、アメリカの(サブ)カルチャーにある程度通じていないと笑えない。かわいいくまのぬいぐるみ出して喋らせるだけでいくらでも「そこそこいい話」はできるだろうしだからそこには行かないのかもしれないが、ここまで観客のストライクゾーンを狭めなくてもいいのになぁと思ってしまった。テッドが自由に動く姿は可愛いのだけど。(男性 40代)
この手の作品は、2まで続くと大抵胸やけがして「もういいや」となってしまうのだが、今作は胸焼けしているのに見てしまう中毒性がある。馬鹿馬鹿しすぎて、色々真剣に考えることがどうでもよくなってしまう。
それに加えて、豪華なゲストも魅力。モーガン・フリーマン、リーアム・ニーソンなど、まさかこんな作品でお目にかかるとは思わなかった。ただ、今作は「テッドに人権が認められるか」というやや踏み込んだデリケートになりがちな内容だったので、やるならちゃんとして欲しかったというのもある。(男性 30代)
くだらないことも気にせずに見られる人にオススメしたい今作。喋るクマのぬいぐるみが性格はおっさんって設定自体おかしいのですが、それこそがこのシリーズの魅力。テッドとジョンの悪ふざけも全く気にならなくなってきました。
今回のストーリーはタミと結婚したテッドが子供が欲しいと言います。そのためにテッドが人間だと証明するのですが、冷静に考えてしまうと全く意味が分かりませんよね。
正直、この作品に意味を求めるのは邪道です。くだらなくても下品でもおおらかな心で見て欲しいです。(女性 30代)
関連作品
前作 テッド
みんなの感想・レビュー
今回の映画も下ネタ満載のくだらない話ですが、下ネタとテッドのテディーベアの可愛さとのギャップがまたおもしろく、2作目は1作目よりもさらに笑える作品の映画となっています。
少しアメリカンジョークで日本人には分かりづらい場面もありますが、それでも楽しめる内容となっています。最後にはしっかりと感動させられる場面が用意されており、テッドはヒトかモノかそんな難しい問題についても話題にされており、ただ面白いだけではなく、しっかりとテーマが設定されています。
マーク・ウォールバーグ主演のコメディ作品の第二弾。「テッドは人間か?」という疑問を社会から突きつけられたテッドたちが人権を獲得するまでの過程をコミカルに描く。
前作同様に過激なネタは健在、前作以上にいわゆる「オタクネタ」満載であり、監督のセス・マクファーレン自身が「趣味に走った」と認めている。
何思って「人間」なのかというやや哲学的なテーマを主題にしながら、ラストの法廷のシーンでは「心」のあり方を説いているように感じた。
ジョニー少年の強い願いによってテディベアの“テッド”に命が宿り、やがて中年になった悪友ジョニーとテッドが巻き起こす、下品でおバカで何でもありの大人のコメディ映画の続編。
前作「テッド」でも使われていた子供が使うような下ネタギャグや、洗練されてもいないおバカなドラッグネタが連発。
テッドの市民権獲得の裁判に引っ掛けて、アメリカの有名裁判ドラマ「LAW&ORDER」のテーマの替え歌を歌ったり、前作に引き続き「フラッシュ・ゴードン」のサム・ジョーンズが登場するのは序の口。
アマンダ・サイフリッド演じる新人弁護士サマンサが、下品な形の道具を使って大麻を吸っていたり、「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムにそっくりと言う悪ふざけシーンのオンパレード。
アパルトヘイトをテーマにした「インビクタス 負けざる者たち」で、南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラを演じたモーガン・フリーマンを、メディア大好きの一流人権派弁護士パトリック・ミーガン役で出演させたのは強烈。
ギャグに埋もれてしまいそうな本作だが、ストーリーの軸がしっかりしているのは魅力。
養子を取ろうとした際にテッドが「所有物」扱いになっていると判明し、市民権獲得の裁判になるのだが、まじめに裁判に挑めばテッドはぬいぐるみにしか見えないため、結局悪ふざけをする設定になっているのはよく考えられている。
コスプレしてヒーローなどになりきるオタクたちの集まりであるコミコン会場に、人間だと証明されたいテディベアのテッドが紛れ込むというのはユニーク。
やりすぎで笑えないギャグや、アメリカでしか笑いを取れないようなローカルネタが目立つものの、まったくひねりの無いおバカで下品でお下劣なギャグ満載の、中身がおっさんテディベアのコメディ映画2作目。
前作に続きテッドの声は監督のセス・マクレーンが担当し、日本語吹き替え版では、毒舌で知られるお笑いタレント有吉弘行が再びテッドの声を担当した。
いい意味で限度を知らない最低コメディ映画だが、大団円で終わるラストにはホッとする。