この記事では、映画『脳漿炸裂ガール』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『脳漿炸裂ガール』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『脳漿炸裂ガール』の作品情報
上映時間:78分
ジャンル:サスペンス
監督:アベ ユーイチ
キャスト:柏木ひなた、竹富聖花、上白石萌歌、岡崎紗絵 etc
映画『脳漿炸裂ガール』の登場人物(キャスト)
- 市位ハナ(柏木ひなた)
- ごく普通の女子高生。猛勉強して憧れの聖アルテミス女学院に入学したが、お嬢様たちの中で浮いてしまっている。心の中でお嬢様たちに変なあだ名をつけ、馬鹿にしてストレス発散をしている。同じクラスの稲沢はなに憧れている。携帯を2台持っている。
- 稲沢はな(竹富聖花)
- ハナのクラスメイト。髪型はツインテール。成績優秀で品行方正だが、影がある雰囲気をまとっている。マカロンが好き。ゲームアプリを開発している兄がいる。
- 城野モクハ(岡崎紗絵)
- お金持ちのお嬢様で自信家。陸上が得意。ハナのクラスメイトで、マイカとレイコの3人で一緒に行動している。ハナは心の中で「リッチ」と呼んでいる。
- 瀬繹マイカ(上白石萌歌)
- 男好きのぶりっ子。ハナのクラスメイト。ハナは心の中で「ビッチ」と呼んでいる。
- 味沢レイコ(志田友美)
- 眼帯をつけている変わり者。ハナのクラスメイト。ハナは心の中で「パッチ」と呼び、痛い子だと想像している。
- 田稲珠雲(浅香航大)
- ハナたちのクラス担任。飄々としている。
- 久保賀大治(荒井敦史)
- 茶髪の教育実習生。イケメンで生徒から人気がある。チャラチャラした性格。
- 古寺正義(菅谷哲也)
- 教育実習生。イケメンだが、久保賀とは正反対で硬派な雰囲気。口調も堅い。
映画『脳漿炸裂ガール』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『脳漿炸裂ガール』のあらすじ【起】
市位ハナは、気が付くと狭い檻の中に閉じ込められていた。
時間は、その日の昼休みまでさかのぼる。
憧れの聖アルテミス女学院に入学したものの、お嬢様たちの中で庶民のハナは浮いた存在。
豪華すぎるクラスメイトたちのお弁当にげんなりしつつ、菓子パンを食べていた。
すると憧れの存在、稲沢はながマカロンをくれる。
HRで教育実習が終わった久保賀と古寺(こじ)に別れを告げ、その日の授業は終わった。
白いリボンをつけている成績上位者以外は、校内に残らず帰宅するよう、担任の田篠から言われる。
しかし母親からの電話で、学校にスマホを忘れてきたことに気付く。
取りに戻ったハナは悲鳴を聞く。
そして銃を手にした田篠が生徒を撃ち殺すところを目撃する。
一度はハナにも銃を向けるが、状況が変わったらしくハナは気絶させられた。
檻の中にいたハナの携帯に、黄金卵の就職活動(ジョブハンティング)というサイトが届く。
周りには、ハナの他に白リボンの生徒たちが監禁されていた。
田篠、久保賀、古寺は銃を手に、騒ぐ生徒たちを鎮圧する。

映画『脳漿炸裂ガール』のあらすじ【承】
全員に「黄金卵の就職活動」への申し込みをするよう、命令する田篠。
しかし稲沢はなは、携帯を持っていないと申告する。
田篠に銃を向けられるはな。
ハナは、携帯を2台持っているから1台代わりに使ってほしいと申し出る。
第一面接として、携帯に送られてきた問題を解くよう命令される。
問題を解けば檻の鍵が開くと言われるが、ハナにはさっぱりわからない。
一方、あっという間に問題を解いたはなは、ハナにアドバイスをすると出て行った。
そしてハナも問題を解き、檻から脱出する。
外で、ハナを待っていたはな。
はなはハナに携帯の礼を言い、一蓮托生だと告げる。
モクハ、マイカ、レイコと合流し、第二面接会場へ急ぐ。
しかし途中にセンサーがあり、それに触れると電流を流され、久保賀に撃たれてしまう。
陸上が得意なモクハは、センサーを飛び越えようとするが、失敗して撃たれる。
はなの頭脳と、ハナの持っていたスプレーでその場を乗り越えた。
その後も面接は続き、残ったメンバーは5人になった。
疲れ果てたハナに、ゲームアプリを開発している兄の手助けをするために頑張ると告げるはな。
映画『脳漿炸裂ガール』のあらすじ【転】
次の面接が始まる。
はなが田篠を愛しているという問題に対して、真実だと告げるはな。
そして最後には1人しか生き残れないとわかる。
仲間割れを始めた5人に対して、一番最後に答えを入力した生徒は失格だと告げる田篠。
メンバーは4人になった。
そして久保賀の女癖の悪さが露呈する。
マイカと肉体関係を持ち、言い寄ってきたほかの生徒にも手を出していた久保賀。
しかしレイコのことは無理だと嘲る。
レイコの眼帯の下には、久保賀への想いを断ち切るためにつけたピアスがあった。
久保賀と、自分の気持ちを知りつつ裏切ったマイカへの怒りを爆発させるレイコ。
3人を撃ち殺したら優勝になると田篠に確認し、久保賀から銃を奪う。
そして久保賀とマイカを撃つと、ハナとはなに銃を向ける。
逃げる途中で階段から落ちたはな。
ハナは古寺によって、ロッカーに閉じ込められてしまう。
ロッカーが開き、レイコに銃を向けられるが、古寺はレイコの頭を撃ち抜いた。
拒否すれば仕事に就けないと脅されて仕方なく動いていたという古寺。
ハナには生き残ってほしいと告げるが、田篠の手下に頭を撃ち抜かれてしまう。
映画『脳漿炸裂ガール』の結末・ラスト(ネタバレ)
気絶したハナは、体育館で目が覚めた。
そこに田篠が現れ、銃は脳漿(のうしょう)を撃ち抜き前頭葉を麻痺させ、自我を失わせるためのものだと語る。
自我を失った生徒たちが、優勝者へのご褒美だと聞かされる。
そしてはなが現れる。
はなはゲームで優勝した経験があり、ゲームの目的は未来の指導者を決めるものだという。
田篠ははなの兄で、ゲームアプリを開発後に日本社会の頂点によって、自我を失わされていた。
ハナを利用したと言い、嘲るはな。
そして最終面接が始まる。
2丁の銃のうち、本物を選んで相手を撃つことになる。
しかし2人とも銃の引き金を引かなかった。
兄を自由にするためゲームに参加していたが、不用意な言葉のせいで集団自殺のきっかけを作ってしまう。
耐え切れなくなったはなは、兄の田篠に殺されるため、携帯を捨ててゲームに参加した。
ハナはゲームを棄権して田篠に銃を向けられるが、はなに助けられた。
代わりに、銃に当たり倒れたはな。
その後、自我を失ったはなを連れて武装したハナは、はなを元に戻すために田篠の前に姿を現した。
映画『脳漿炸裂ガール』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
エネルギッシュな演出と鮮烈な映像美で、まさに“脳内が爆発する”体験でした。主人公・ミカの暴走する内面が、鮮血とシンクロする演出に圧倒され、終始目が離せませんでした。中盤、彼女が自傷と解放を重ねるシーンでは、まるでオルタナティブな儀式のようなカタルシスを感じ、心の闇がグロテスクに浮き彫りに。ラストの静寂は、衝撃の余韻として長く残ります。(20代 男性)
ポップなアイドル設定とホラーが融合した異色作で、最初はにぎやかに始まりますが、次第に狂気が支配し、不気味さが増していく構成に引き込まれました。ミカが自分の身体にメッセージを刻むシーンは、その痛みと衝撃で鳥肌が立ちます。アイドル映画と思ってスルーしていたら大間違い。背筋の凍るギャップがクセになります。(30代 女性)
音楽と映像のリズムが完璧にシンクロしていて、一瞬も気が抜けない圧倒的な作品でした。ミカの狂気の表現が、演技・編集・音響すべてで鮮やかに描かれ、ラストに向かってエスカレートするほどに高揚していく構造が秀逸。ゾンビというより“自己崩壊型ホラー”と呼びたくなる深さがあります。エンタメとしても芸術作品としても楽しめました。(40代 男性)
アイドルグループものと見せかけて、実は“自分探しの狂気譚”──この構図が本当に斬新。ミカの心の闇が他メンバーまで連鎖し、“群れの崩壊”にまで至る過程が恐ろしくも美しい。最終的に彼女が選ぶ“自己表現”は救済なのか破滅なのか。観るものに問いかけてくる深いラストが強く印象に残りました。(20代 女性)
映像が鮮烈で、赤い血液の色彩まで美しく見える異常な美学に驚きました。アイドルらしい歌とダンスに乗せて、内面から爆発する感情を視覚で伝える、まさに“映像詩”と呼ぶべき構成。暴走するミカに対し、メンバーがどう向き合うのかという人間ドラマも濃厚で、単なるホラーではない奥深さが光ります。(30代 男性)
痛みと歓喜が混ざった衝撃の演出に圧倒されました。ミカが自らにナイフを突き立てた瞬間、まさに“ガールの脳漿が炸裂”するインパクト。背徳と官能が隣り合わせにあるようなグロテスクさがありながらも、美しさに昇華されていて単なるショック映画を超えている。ショック療法として観る価値ありです。(40代 女性)
少女の「内なる叫び」をここまでスタイリッシュに描き切れるとは思いませんでした。グループの中でミカが徐々に異質さを露わにし、“セルフポイズン”として周囲を巻き込んでいく姿は強烈で、一度観ただけでは理解できない層の厚さを感じました。終盤のパニック状態に一緒に巻き込まれるような没入感がすごい。(50代 男性)
アイドル映画と思ったら、いつの間にかミカのメンタリティ・ホラーに引きずり込まれていました。振付と映像の同期、血飛沫の形の美しさ、締めに向かって点火していく展開が鮮やかで、エンタメとしての完成度が高い。音楽が異様に耳に残る“残響効果”も深く印象に残ります。(20代 女性)
女性監督らしく、女性の心の構造を身体表現と映像で大胆に映し出す作りが興味深かったです。ミカの衝動性や自己破壊願望が、銀幕の上で大胆に可視化され、その暴力性すら官能的であると感じさせるビジュアルの力が凄まじい。ラストは崩壊なのか再生なのか。観客の解釈に委ねる余白も心地よかった。(30代 女性)
日本ホラーとは違う意味で“グロい”。でもそこにあるのは嘲笑や嫌悪ではなく「美の暴力」。ミカの叫びをシンボリックに描きながら、内面の絶望を“ポップ”に昇華する構成は、一度見ただけでは捉え切れない多層構造。やや観客を選ぶけど、それを差し引いても強烈なアート体験でした。(40代 男性)
音と色と過剰なエモーションを振り切った独自性が、まさに“脳漿炸裂”。ミカが危機的状況で見せる笑顔とその裏の絶望が、流れるように混ざり合い、視覚的にハイになる感覚を味わえます。残酷で美しいビジュアルが心を掴み、そして離さない。ポップでもホラーでもない新ジャンルの映画です。(50代 女性)
映画『脳漿炸裂ガール』を見た人におすすめの映画5選
告白
この映画を一言で表すと?
静かな怒りが炸裂する、衝撃の復讐スリラー。
どんな話?
女子中学生の担任教師が、愛娘を亡くしたことから、その死の真相と犯人に対する復讐劇を始める。淡々とした語り口と美しい映像で描かれる、静かで狂気に満ちたミステリードラマ。
ここがおすすめ!
『脳漿炸裂ガール』同様、女子中高生の裏の顔と狂気がテーマ。演出の美しさと衝撃的な内容のギャップに心を揺さぶられます。心理描写も深く、観終わった後に考えさせられる作品です。
下妻物語
この映画を一言で表すと?
ロリータとヤンキーの奇跡の友情コメディ。
どんな話?
茨城の田舎町で出会ったロリータファッション好きの深窓の令嬢・桃子と、不良少女・イチゴ。住む世界が正反対の2人が、次第に本当の友情を育んでいく姿を描くポップな青春物語。
ここがおすすめ!
見た目はポップ、でも中身は本気。『脳漿炸裂ガール』のような少女の生き方やアイデンティティのぶつかり合いを、もっと明るく軽やかに描いた名作です。ファッションや音楽も魅力的!
アナザー Another
この映画を一言で表すと?
呪われたクラスの連鎖する死、学園ホラーミステリー。
どんな話?
転校してきた榊原恒一が出会った不思議な少女・見崎鳴。彼女と関わることで、クラスに潜む“死の連鎖”に巻き込まれていく。美しくも不気味な映像が印象的な、学園サスペンス。
ここがおすすめ!
女子学生たちの背後にある“死”と“謎”という点で、『脳漿炸裂ガール』の雰囲気が好きな人に刺さるはず。ビジュアルと世界観の作り込みが非常に凝っていて、没入感抜群です。
リアル鬼ごっこ(2015)
この映画を一言で表すと?
「女子高生」が狩られる悪夢のサバイバル。
どんな話?
突如、女子高生だけが異次元の世界で次々と命を狙われる。走って、逃げて、時に戦う、混乱と狂気が支配するパラレルスリラー。園子温監督らしい過激で実験的な作品。
ここがおすすめ!
『脳漿炸裂ガール』と同じく、女子高生が主役のカオスな世界観が魅力。哲学的テーマとエンタメ性のバランスが独特で、強烈な映像と演出に酔える映画です。
ヘルタースケルター
この映画を一言で表すと?
美と狂気に呑まれる、崩壊するアイドルの物語。
どんな話?
全身整形で“完璧な美”を手に入れたトップモデル・りりこ。しかし、身体も心も崩れていく彼女の姿が、華やかな世界の裏に潜む狂気を暴いていく。沢尻エリカ主演の問題作。
ここがおすすめ!
アイドルの裏側、自己破壊、極彩色の演出──すべてが『脳漿炸裂ガール』と通じるテーマ性を持っています。狂気を美として描く表現に魅了されたい方に最適です。
みんなの感想・レビュー
マジ最高!まさか市位ハナが、エビ中の人だとは思わなかった。それから一騎打ち!最高!その後の脳漿大合唱!またまた最高!誰か共感して(´;ω;`)