映画『オーシャンズ13』の概要:幅広い世代に人気を誇った同シリーズが、とうとう完結。ラストを飾るに相応しく、ラスボスを務めるのはあの歴史に名を残す名優、アル・パチーノ。彼らの最後のギャンブルを見逃すな。
映画『オーシャンズ13』の作品情報
上映時間:122分
ジャンル:サスペンス
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア etc
映画『オーシャンズ13』の登場人物(キャスト)
- ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
- かつて仲間と共に大きな仕事をこなした窃盗犯。現在は足を洗っている。
- ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
- オーシャンの相棒的存在。彼の要請に応え、再び難関ミッションに挑む。
- テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
- オーシャンにとって因縁の相手。巨大カジノを運営する資産家でもある。
- ウィリー・バンク(アル・パチーノ)
- ラスベガスのホテル王。オーシャンの仲間であるルーベンを裏切った。
- ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
- オーシャンの仲間。心筋梗塞に倒れる。
映画『オーシャンズ13』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オーシャンズ13』のあらすじ【起】
オーシャンが仲間と力を合わせて、ライバルの同業者を打ち倒してから数年。オーシャンは窃盗から足を洗い、穏やかな毎日を送っていた。しかし、そんなオーシャンのもとに、ある悲報が飛び込んでくる。それは、かつて共に巨大なミッションに臨んだ仲間、ルーベンか心筋梗塞で倒れたというニュースだった。
そして、ルーベンは倒れる直前、ラスベガスに豪華絢爛な巨大ホテルを建設しようと考えていた。そんな彼のパートナーは、ホテル王として名を馳せるバンクという人物。計画は順調に進んでいたが、なんと、直前になって悪名高いバンクが、ルーベンを裏切ったのだ。バンクはルーベンを裏切り、そんな失意の最中、ルーベンは心筋梗塞で倒れてしまう。
この話を聞いたオーシャンは、かつての仲間のために、もう一度だけ裏社会で仕事をする決意をする。しかし、バンクはオーシャン1人では立ち向かうことが難しい強大な敵である。そこで、オーシャンはかつて共に悪事を働いた仲間たちに連絡を入れるのだった。
映画『オーシャンズ13』のあらすじ【承】
オーシャン達は、まずは宣戦布告としてバンクへ連絡を取る。そして、ルーベンにホテルの権利を返すように、と最後の忠告をするのだった。しかし、それを黙って受け入れるようなバンクではない。バンクはオーシャンの忠告を無視するのだった。
バンクは、オーシャン達に自分を追い詰めるほどの力はないと踏んでいた。それほどまでにバンクの持つ力は強大であり、そして、オーシャンは既に現役を退いた身であったからである。バンクがそこまでの自信を持つ理由がもう一つあった。彼のホテルを守る、グレコという圧倒的能力を誇るセキュリティの存在があったからである。
確かに、調査を進めるほどにそのグレコの存在はオーシャン達に重くのしかかる。そして、オーシャン達は下調べの上、一つの計画を立案した。まず、ドリルを用いホテルに人工的な地震を起こす。その地震を感知したグレコは、ホテルを守るためにセキュリティを一時ロックする。その短い間を狙って攻撃を仕掛けようと考えたのだ。
映画『オーシャンズ13』のあらすじ【転】
そして、とうとう彼らは作戦を実行した。ドリルを入手し人工的な地震を引き起こしたオーシャン達であったが、なんと途中でドリルが壊れるというハプニングに見舞われてしまう。新しいドリルを調達しようにも、彼らにその金銭的余裕はなかったのだ。
困り果てたオーシャン達は、自分でも驚きの博打に打って出る。かつて追いつ追われつを繰り返した因縁の相手、ベネディクトに連絡を取ったのだ。資産家のベネディクトであるが、普通に考えればかつて自分の経営するカジノから金を盗み出したオーシャン達に資金提供をするはずがない。
しかし、バンクとベネディクトは同じラスベガスで商売をするライバル同士である。バンクを倒せるならば、とベネディクトはオーシャン達への資金提供を引き受けた。代わりにベネディクトは、バンクが所持する巨大なダイヤモンドを盗み出すことを条件づける。こうして、潤沢な資金を手に入れたオーシャン達は、再びドリルを購入し計画を再開するのだった。
映画『オーシャンズ13』の結末・ラスト(ネタバレ)
そして、オーシャン達の計画通りホテルを人工的な地震が襲う。その影響でグレコがセキュリティをロックさせている間に、オーシャン達はカジノで行動を開始する。彼らは、その時カジノにいた一般客にカジノで大勝ちをさせたのだ。それも、1人の客ではなくその場にいた客手当たり次第である。
勿論、そんな奇跡が起こるわけもない。これは、オーシャン達が予め用意していた細工を発動させたためだった。本来であればグレコが未然に食い止めるその細工も、グレコが停止している今止める術はない。次々と出る大当たりに、カジノは大打撃を受ける。そして、オーシャンはベネディクトが自分達を裏切るであろうことも予見していた。オーシャンは、ベネディクトに渡す予定だったダイヤモンドを、貧しい子供達に寄付するのだった。
さらにオーシャン達は追い討ちをかける。ホテルの評価を行う評価人に、こっそりと嫌がらせをしたのだ。不愉快な思いをしたその評価人は、ホテルに最悪の評価をつける。こうして、オーシャン達は仲間の復讐を果たすのであった。
映画『オーシャンズ13』の感想・評価・レビュー
アル・パチーノ=マフィアのイメージで、登場した瞬間にどんな仕打ちが待っているのかと震え上がらせる存在感はさすが。そんな彼が裏をかかれるのだから、たまらない。アンディ・ガルシアとの組み合わせも最高だった。前作から引き続きヴァンサン・カッセルが出てくるのも嬉しかったし、少しまぬけな役どころなのも笑えた。
シリーズも3作目になると、これもネタ振りだろうと予想できるのだが、はやり予想のつかないどんでん返しを味わうことになるのだった。痛快の一言につきる。(女性 40代)
先日オーシャンズ8が公開となっているが、登場人物が総入れ替えとなっている為、この13がオーシャンズシリーズの一旦の区切りとなっている。最後の敵役はあのアルパチーノが演じており、まさにラストにふさわしい配役である。本作では既に裏社会から足を洗ったというオーシャンが、アルパチーノ扮するバンクに裏切られた仲間の死によって再び裏社会に戻り、仇をとるというもの。アルパチーノが出し抜かれる様はなかなか他では観る事の出来ない貴重なものであるといえよう。最後まで期待を越えてくる出来となっている。(男性 30代)
過去のキャストも大集合し、まさに最後に相応しい豪華なセット、演出だったと思う。特にグレコを停止させている間、カジノの客の勝ち金が上がっていく様子は痛快だ。金や宝石、ホテルの名誉まで奪われたバンクの表情に少し同情してしまうほど。
不運な役回りとなったホテル格付け人にも、きちんとスロットで勝たせて終わるというあたりが、オーシャンズらしい気の利いたラストだったと思う。個人的には、クライム・ムービーと言えば本シリーズ、というくらい大好きな作品なので終わってしまって寂しい。(女性 20代)
オーシャンズシリーズの第3作であるオーシャンズ13には、予期せぬ仲間が加わり、より迫力が増している。仲間への裏切りを許せないオーシャンズの仲間たちが集まり、復讐の計画を立てる。それだけ強い絆で結ばれている仲間たちを見て、とても嬉しい気持ちになる。リベンジという形で始まった計画だが、仲間を思う気持ちや今まで培ってきたチームワークは、とても安心して観ていられるのではないだろうか。スリルの中にも安心感がある、そんな感覚がとても心地いい。(女性 30代)
今作は前作のオーシャンズ12とは若干異なり、どちらかというとオーシャンズ11のような内容となっている。原点回帰したような今作はシリーズの中で1番派手に盗みをしたため爽快感があった。個人的にマット・デイモンが体を張っている描写がとても大好きだ。
オーシャンズシリーズは作品ごとにつながりがないため前作を観ていなくても十分に楽しむことができる映画となっている。すべての年代の方におすすめできる作品。(男性 20代)
オーシャンズシリーズ3作品目。今作も豪華絢爛でド派手なストーリーと映像である。
毎度のことだが、計画は良くできているのに実行に移すと何かとトラブルに見舞われてゴタつくのでハラハラさせられる。
でも結局はあっと驚くような鮮やかな結末が待っているので今回もまたすごく気持ちよく見られた。
このシリーズには極悪人(ベネディクトは極悪非道という設定だが、色々甘い上に資金提供しちゃったりする)がいないのと、人が死なない安心感のある映画なので、犯罪をしているのになぜかほっこりした。(女性 20代)
「仲間のための仕事」シリーズ3作目の今回は仲間のために抜群のチームワークで仕事をします。なんともスマートで気持ちのいい展開がこのシリーズの見どころ。一人一人の役割がしっかりしていて、とても観やすいです。作中は様々な伏線が散りばめられていますが、見逃しても特に問題無し。最後には気持ちよく終われます。
友情や絆が芽生え、更に強くなったチーム。個性的なキャラクターも皆、頭が良く観ている人を飽きさせないものでした。これで最後なのが本当に残念です。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
舞台がラスベガスだからか、非常に煌びやかでした。今作は虫の力を活用したり、地震を起こしたりして計画進行します。現実離れした作戦ですが、『オーシャンズ13』が上手に乗り越えてくれるので気分良く鑑賞できます。また、オーシャンズメンバーの、実は深い絆で結ばれていて仲間を想い合っているところに胸が熱くなりました。シンプルでコミカルなストーリーですから、余計なことを考えず没頭できます。見るだけでストレス解消できる良作です。
シリーズ第3弾。
舞台は再びラスベガス。敵役にアル・パチーノを迎え、益々ゴージャス。悪事(?)に使う道具もどんどん巨大化。これだけお金があれば悪事を働く必要ないんじゃないかというくらい、大掛かりな企みが展開される。
今作ではここまで「末の弟」的役回りだったマット・デイモンが目立った活躍をしていて面白い。ほとんどコントのようなつけ鼻もどこか馴染んでいるのがさすがだ。
シリーズを通して最後に一枚一枚カードを開くように勝利を確信させてくれるところに快感がある。気楽に楽しめるシリーズだ。
今回のゲストはアル・パチーノだが、作品の中のあちこちに『ゴッドファーザー』のオマージュが捧げられている。
瀕死の状態のルーベンの周りに家族よろしく集るオーシャンズたちの様子はまさに『ゴッドファーザー』だし、アンディ・ガルシアは、『ゴッドファーザー』で、アル・パチーノの甥を演じて話題となった。
身内の自虐ネタではないが、今回もマット・ディモン演じるライナスの『半人前ぶり』が見られる。
土壇場で自分の色仕掛けが暴かれそうになる所も今度は『父親』が助けに来るからだ。
今回の仕掛けは、客が毎回必ず勝てるようにカジノに細工する事でバンクにとってとんでもない悪夢を与えてしまう事になる。
カジノに行った事がある人間であれば拍手を送りたい場面も出て来るかもしれない。
今回の彼らの強盗は敵討であり正義でもあり、金の事は二の次。
だからこそ盗んだダイヤはベネディクトの名義で寄付をした。
欲しいものは全て手に入れた、後は自由きままな人生が欲しいだけというオーシャンズとその仲間たちの声が聞こえてきそうなラストである。
カジノ側を常に勝たせ、客に儲けるだけ儲けさえ、一旦外に出てもらい、なおかつオーナーを一夜で破綻させる、というのが、オーシャンのリベンジ劇だ。
そんな都合よくいくのだろうか、映画の途中で、仲間たちは次々としくじる。
マロイ兄弟はメキシコのダイス製造工場の環境に憤り、ミイラ取りがミイラになる。
リビングストンは配線の複雑さにお手上げ状態となる、ベネディクトとはセキュリティで守られた地下金庫金庫にあるダイヤを頂くという口約束はしているものの、どうも胡散臭い。
だが、オーシャンは、常に全ての先を読み、上手をいく、だから観ていて気持ちがいい出来となっている。
シリーズを通じて出て来る脇役で保険会社の重役のデニー(ジェリー・ワインドロープ)が居る。
『オーシャンズ11』では、オーシャンに『ベラージオ』に金庫があると教えてしまい、『オーシャンズ12』ではナイトフォックスの目の前で、知らなかったとはいえオーシャンが世界一の泥棒だと口を滑らしてしまった、お調子ものである。
シリーズ影のきっかけつくりといえばそうなるが、トラブルメーカーでもある。
今回はその罪滅ぼしなのか、バンクを破綻させるためにサクラのギャンブラーをカジノに用意している。
このあたりの演出も気がつけば面白いだろう。