映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』の概要:伝説の刑事ドラマ「踊る大捜査線」の劇場版第1作。ドラマでも熱い青島が、映画では更にパワーアップして大活躍。湾岸署内で次々と起こる犯罪を、青島達は無事解決する事ができるのか。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:本広克行
キャスト:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀 etc
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』の登場人物(キャスト)
- 青島俊作(織田裕二)
- 熱い正義感に燃える湾岸署の刑事。「事件は現場で起こってるんだ!」というセリフで有名。
- 和久平八郎(いかりや長介)
- ベテラン刑事。危なっかしい青島達を暖かく見守ってくれる。
- 恩田すみれ(深津絵里)
- 青島の同僚。有能で美しく、青島の憧れ。
- 室井慎次(柳葉敏郎)
- 本部の刑事。堅物で青島と対立する事が多いが、密かに彼のことを認めている。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』のあらすじ【起】
青島刑事が勤務する湾岸署、その近くの河川敷でとある事件が起きました。その事件は、被害者が胃の中にテディベアを詰め込まれるという狂気的なものです。湾岸署の刑事達は事件解決の為捜査に乗り出しますが、そこに室井慎次ら本部の刑事達が現れました。そして、なんと現場の捜査権を全て奪い去っていってしまったのです。
いくら猟奇的な事件とはいえ、ここまで本部の人間が出張ってくることに青島は疑問を覚えました。実は、湾岸署の刑事達には伝えられていませんでしたが、警視庁の副総監が湾岸署で誘拐されるという事件が起きていたのです。また、誘拐事件とは規模が違いますが、刑事達の領収書が次々と盗まれるという事件も起きていました。
捜査にほぼ参加させて貰えない中、納得のいかない青島は独自で捜査を進めました。すると、事件の被害者達が皆共通して「仮装殺人事件ファイル」というホームページを閲覧していた事を突き止めました。青島はその実態を突き止めるべく、ホームページの管理者であるテディという人物に連絡を取ります。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』のあらすじ【承】
犯人から身代金要求の連絡が来た本部は、警視庁副総監救出に動き出します。しかし、受け渡しの場である遊園地に警官を配置させていたことがバレ、犯人の怒りを買ってしまいました。一方、青島はテディにショッピングセンターで接触をはかりますが、あと一歩というところで捉え損ねてしまいます。青島が見たそのテディという人物は、美しい女性の姿をしていました。
そしてとうとう、誘拐犯から副総監を殺害するというメッセージが届いてしまいます。これ以上秘密裏に対応に当たることができないと考えた本部は、副総監が誘拐された旨を公にし、本格的に調査に乗り出しました。その時、何故かテディが湾岸署に姿を見せたのでした。そしてテディは捕らえられ、また、湾岸署内で領収書を盗み続けていた犯人も逮捕しました。
しかしあと一つの事件、副総監を誘拐した犯人に関する手がかりだけは何も見つからないままです。行き詰まった青島は、以前自分が逮捕した日向という非常にIQの高い人物に会いに行きました。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』のあらすじ【転】
青島から事件の概要を聞いた日向は、今回の犯人が幼稚な人物によるものだと推測しました。その頃、ベテラン刑事である和久が副総監の自宅付近で聞き込みをしていました。すると、辺りにいた怪しい少年達によって突如拉致されてしまったのです。そのままゴミ焼却場に拘束された和久は、誰かに気づいてもらえるようゴルフで使用するスモークボールを燃やしました。
そして、青島は日向の推測をもとに捜査を続けていました。そして、テディのサイトを利用していた坂下という少年にたどり着いたのです。こっそり坂下の調査を開始した青島は、坂下家の近所にあるゴミ焼却場で捕らえられた和久を発見し、彼を助け出すことに成功しました。
そして、青島の睨んだ通り一連の犯行は坂下によるものでした。坂下は仮装殺人事件ファイルで大企業の社長を誘拐して大金を手に入れる計画を練り、HP上で仲間を募っていたのです。しかし、副総監の実子が副総監とは大企業の副社長のようなものであると発言していた事を知り、狙いを彼に変更したのでした。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』の結末・ラスト(ネタバレ)
坂下を逮捕するべく乗り込んだ青島でしたが、息子を守ろうとした母親の怒りに触れ、何と彼女に刺されてしまいます。青島はその場に倒れこみました。そこに室井と恩田という刑事が急行し、青島に声をかけ続けます。しかし、青島は最後に「すみれさんとデート出来なかった」と言い残し、そのまま目を閉じてしまいました。
何とか彼を救うべく、二人は青島を病院へと搬送します。そしてその事件から3日が経過しました。病院で、青島は目を覚ましました。坂下の母親によって受けた傷は実は致命傷となってはおらず、青島が意識を失ったのは単純に捜査による睡眠不足からでした。恩田は呆れたものの、青島の希望通り彼とデートをする事にしました。
無事に誘拐犯が捕まったところで、湾岸署内で生じていた事件は全て解決しました。後々判明したのですが、領収書が盗まれていたあの事件は、署内の経費を削減しようとしていた署長の命令で湾岸署内の刑事が行なっていた事でした。
映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』の感想・評価・レビュー
踊る大捜査線映画シリーズの中で一番好きな映画だ。何よりも日向真奈美の狂気じみた笑みや犯行は、明るい雰囲気の踊る大捜査線シリーズでは異色で不安を感じるほどだ。
日向に翻弄されていく青島達を観るのは心苦しいが、さすが青島刑事。日向に翻弄されながらもしっかり突き進んでくれた。また、最後のシーンは心の中で止めてと叫ぶ、祈ってしまうほど衝撃的だった。
このシリーズの魅力の1つは青島刑事とその仲間たちの絆だ。時にぶつかりながらも互いを信じ、協力して捜査を進めていく姿はいつ観ても胸が熱くなるうえに、羨ましい。(女性 20代)
当時、名言が各所で使われるほど有名になり一世風靡した今作品ですが思い出深いのも事実です。
警察の正義と闇が描かれた一番有名な作品ではないでしょうか。
警察を変えるためトップに立つために多少の犠牲を払ってでも上を目指す室井さんと警察を変えるため室井さんを信じ現場を奔走する青島。
立場の違いからぶつかってしまうことも多々ある二人ですが、目的が一緒であるため正解であろう答えを目指す姿に心打たれます。
笑いあり涙ありの邦画の歴史に残る作品です。(男性 20代)
踊る大捜査線は登場人物一人ひとりのキャラクターが際立っているため、その掛け合いやテンポがとても面白い。
この劇場版第一作では、いかりや長介演じる和久さんがとても良い味を出している。あの独特の間や話し方は、青島やすみれが慕うのはもちろん、観ている側も安心する。
物語としては序盤は緩やかに、笑い要素多めで「踊る大捜査線」ならではの展開だが、終盤は劇場版らしく多少ハラハラする展開なので、観ていて飽きない作品となっている。(男性 20代)
テレビドラマから変わらずおもしろい作品。日向真奈美の猟奇的なキャラクターが印象的だった。予告編で一瞬見たときは、小泉さんが演じていることに気づかなかった。作品内で使われている音楽も素晴らしく、聞いただけでワクワクしたりハラハラドキドキしたりした。サスペンス要素だけでなくコミカルな部分もきちんとあり、スリーアミーゴスの掛け合いが特におもしろい。いかりや長介さんが出てきたときは、懐かしくなった。もっといかりや長介さんの演技が見たかったな。(女性 30代)
日本の刑事ドラマを変えたと言っても過言ではないヒットシリーズ。
織田裕二演じる元サラリーマンの青島刑事が、完全縦社会の警察組織に疑問を感じながらも、人情厚く、事件を解決していく姿が清々しい。
青島以外のキャラクターも魅力的に描かれており、誰が欠けても成立しないチームに仕上がっている。特に、いかりや長介さん演じる和久サンは青島の魅力をさらに引き出し、いい味わいを出している。
やはり事件は現場で起きているのだ。(男性 40代)
もう20年以上前の作品ですが、今でも全く色褪せていません。猟奇的殺人や誘拐事件、署内での窃盗など様々な事件が同じタイミングで起こりてんやわんやの湾岸署。腹部を刺繍糸で縫われた水死体など、衝撃的なシーンもあります。しかしこの作品のいい所は、重すぎずでも軽すぎず、楽な気持ちで観られるところ。そして観ると絶対に元気が出ます。
織田裕二演じる青島と、深津絵里演じるすみれのコンビが最高です。軽快な掛け合いにほっこりします。(女性 30代)
人気テレビドラマの劇場版。もしかすると映画を観たことがない人でも知っている有名な台詞も生み出した1本。良い意味でのフジテレビの軽さと映画に求められるある程度の重さのバランスが取れていて、気楽に観れるけどきちんとお腹いっぱいになれた。
小泉今日子がとても印象的でインパクトがある役どころ。(「羊たちの沈黙」のドクター・レクターの女性版狙い?)実は後の作品にも繋がる伏線もあるので映画版2作目以降を観る前に観ておきたい。(男性 40代)
緊張感漂うシリアスなシーンと、コメディのような脱力したシーンのバランスが絶妙です。恐らく、緻密に計算されているのでしょう。同時に、複数の事件が発生し進行していくこと、それらがリンクしていること等、全てが抜け目なく面白いのです。音楽やカメラワークも実に良い塩梅で、何度見ても気分が高揚してしまいます。また、小泉今日子の怪演に衝撃が走り、今までのイメージが一新されました。青島と室井の関係性には希望を感じ、和久さんの温かい演技に目頭が熱くなりました。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
おなじみのキャラクターにおなじみのノリ、テレビシリーズの良さはそのままに、劇場版にふさわしい事件のスケールと緊迫感が加わって、まさに“パワーアップして帰ってきた!”という感じ。
当時リアルタイムでテレビシリーズを観ていた人たちは、この映画を観てきっと大興奮だったのではないだろうか。出来ることなら自分も、この作品を映画館で堪能したかった。
本当に面白いし、何度観ても心が熱くなる。これから先も色褪せることのない名作だと思う。