映画『華麗なるギャツビー(2012)』の概要:貧乏人が金持ちに、焦がれるような恋をした。どうしようもない身分の差と、燃えるような情熱を儚く描いた悲恋もの。原題は幾度も映像化されている小説「華麗なるギャツビー」。
映画『華麗なるギャツビー』の作品情報
上映時間:142分
ジャンル:ラブストーリー
監督:バズ・ラーマン
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン、ジョエル・エドガートン etc
映画『華麗なるギャツビー』の登場人物(キャスト)
- ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)
- 元は貧乏人であったが、ある事件をきっかけに巨額の富を手に入れる。デイジーに一目惚れし、彼女に全てを捧げる。
- ニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)
- ギャツビー邸の隣に越して来た青年。デイジーの親戚。
- デイジー・ブキャナン(キャリー・マリガン)
- ギャツビーと元恋仲にあった女性。親の命令で、トムと望まぬ結婚を強いられた。
- トム・ブキャナン (ジョエル・エドガートン)
- デイジーの夫。ギャツビーに不信感を抱いている。
映画『華麗なるギャツビー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『華麗なるギャツビー』のあらすじ【起】
ニックという青年は、ある日小さいながらも雰囲気のある素敵な一軒家に引っ越しをしました。そんなニックの家の隣には、巨大で豪華な一件の屋敷が聳え立っています。その屋敷の持ち主はジェイ・ギャツビーという人物らしく、ニックはまだ見たことのないギャツビーと巨大な館での生活がどのようなものかを、密かに思い描いていました。
ギャツビーは毎週末、自宅に大勢を招き盛大なパーティを開いています。そして何と、ある時ニックにもその招待状が送られて来たのでした。しかし、当のギャツビーは今までパーティに顔を見せた事はありませんでした。それ以前に、誰もギャツビーの顔を見た事がなかったのです。しかし、そんな謎の存在であるギャツビーがニックの前には姿を現したのです。
困惑するニックでしたが、ギャツビーにはある思惑がありました。長年会いたいと乞い願っていたデイジーという女性が、ニックの親戚だったのです。ニックとの仲を深めたギャツビーは、ある日ニックにデイジーと合わせて欲しいと頼み込みます。
映画『華麗なるギャツビー』のあらすじ【承】
デイジーとギャツビーは、かつて恋仲にありました。彼らの事について語るには、まずはギャツビーの過去に触れる必要があります。実はギャツビーは大金持ちである今とは違い、農村に生を受けた貧乏人でした。その頃から野心が強かったギャツビーは、いずれ必ず金持ちになるという強い思いを抱いていました。
そんな時、ギャツビーにチャンスが訪れます。偶然海で助けた人物が、稀に見る大金持ちだったのです。ギャツビーは彼に気に入られ、彼に近づきました。そして彼の死後、彼の遺族を騙し全ての遺産を相続したのです。しかし、その財産だけでは一生遊んで暮らすには足りませんでした。
また金銭的に不安になって来たギャツビーは軍隊に入ります。そして、その時訪れたパーティにデイジーがいたのでした。ギャツビーはデイジーに一目惚れしますが、第二次世界大戦が彼らを引き裂きます。ギャツビーが戦地に立っている間に、デイジーはトムという金持ちの男に家の都合で無理やり結婚させられる事になりました。
映画『華麗なるギャツビー』のあらすじ【転】
しかし、デイジーがトムと結婚しても尚ギャツビーはデイジーの事を諦める事ができませんでした。戦地から戻ったギャツビーは、再び非合法的なやり口で巨額の富を手に入れました。そして、いつかデイジーが来てくれる事を願い毎週末自宅でパーティを開いていたのです。しかし一向にデイジーは姿を見せません。そんな時、ギャツビーの前に現れたのがデイジーの親戚であるニックだったのです。
デイジーとの再会の日、ギャツビーは心ここに在らずといった状態でデイジーを待っていました。そして二人は再会を果たします。当初は気まずい空気が流れたものの、その内に二人は楽しかったあの時を思い出して行きました。デイジーは依然トムの事を愛せていませんでした。そしてデイジーとギャツビーは、再び恋に落ちるのでした。
ギャツビーは、何とかしてデイジーを自分の手元に取り戻そうと企みます。元々、デイジーはトムの事を好いていないのですから、それは簡単にいくはずでした。
映画『華麗なるギャツビー』の結末・ラスト(ネタバレ)
一方、トムは以前からギャツビーに対して不信感をいだいていました。そして金と権力に物を言わせ、ギャツビーの過去を漁ったのです。そのうち、トムはデイジーとギャツビーが関係を持っている事にも辿り着きました。すると、何とトムは自らギャツビーに接触を図って来たのです。
トムに追い詰められていくギャツビーは焦り、デイジーに早く彼と別れるように詰め寄ります。しかし、デイジーは中々トムにその事を切り出せずにいました。すると、窮地に追いやられたギャツビーが酒瓶を投げつけるなどフラストレーションを爆発させました。デイジーはそんなギャツビーの姿に幻滅します。
しかしその頃、デイジーが偶然トムの浮気相手を車でひいてしまったのです。ギャツビーはその事を隠蔽しますが、トムに気づかれてしまいます。トムは浮気相手の夫に連絡を入れ、犯人はギャツビーであると伝えます。そして、ギャツビーは家に押し入って来た夫によって殺されてしまうのでした。デイジーは、トムに連れられ街を離れた為彼の死を知りません。ギャツビーの死を悲しんだのは、隣人であるニックだけでした。
映画『華麗なるギャツビー』の感想・評価・レビュー
簡単にまとめてしまえば、クレイジーな不倫話である。
大胆に金をかけ、ゴージャスな映画に仕上げているが、実は細かい部分も丁寧に描いている。一つ一つの仕草や言葉にはバズ・ラーマン監督のこだわりが見受けられる。
どのシーンを切り取ってみても豪華で美しく、遠い世界のお話に感じる。その感覚がこの映画への憧れに繋がっていく。自分もパーティーにいるかのような気持ちになれる映画である。観終わってからしばらく経っても鮮明に映像を思い出すので、いつかまた観ようと思う。(男性 20代)
純粋とはいえないが、恋物語のカテゴリーに入るだろう。とにかく自分が惚れた女性デイジーを手に入れる事に情熱を燃やすギャツビーと、デイジーの現夫であるトムとの欲望にまみれた関係性が描かれている。ギャツビーの大富豪ぶりも見ていてある意味気持ちがいいのだが、全ての根本がデイジーの為というのも驚かされる。しかし、いってみれば人の妻を狙ってしまっているわけなので、お互いの感情はどうであれ不倫であり、世の中的には間違った行為である。それを抑制しようとするトムは正しいのかと思いきや、トムはトムで浮気をしており、さらにギャツビーに罪をなすりつけてしまう狡猾さを持っている。倫理的な観点を抜きにして、見て欲しい作品である。(男性 30代)
秘密で華麗、優しく儚さまでも感じるギャツビーの魅力が止まらない映画だ。どこまでがリアルで嘘なのかギャツビーの世界はそんな境界線を曖昧にしてしまう。
すべてが華麗で煌びやかだが、危うさと切なさを感じてしまうのは、ギャツビーの表情せいだろうか。だが、そこがまたリアルか嘘か戸惑う私たちをさらに惑わせる。
観た後は、華麗な世界に、謎めいたギャツビーに、愛の行方に惑わされてほしい。また、ギャツビーのお隣さんの友人目線で進むので、ぜひ彼の友人気分に浸って見届けられたらと思う。(女性 20代)
フィッツジェラルドの原作を基に製作された映画です。華やかな豪邸暮らしをする隣人を描きます。
金が全てでは無い、本当に大切なものは眼には見えないとはよく言ったもので、彼の人生は本当に幸せだったのであろうか、と問いかけます。とは言え、まぁ羨ましいと思ってしまうのはやはり欲なのでしょう。客観的に映し出される光景は贅の限りですから。最期は寂しさが残りますが、それこそが伝えたいことそのものなのでしょう。(女性 20代)
華麗なるギャツビーとの題名の通り、ギャツビーの豪華な屋敷や生活が眩しい。ギャツビーは大金持ちに相応しい貫禄だが、瞳はいつも少年のように輝いていて、不思議な魅力を持っている。
終盤、ニックがギャツビーに言った、「皆クズばかりだ。君だけが価値がある。」という言葉には考えさせられる。愛する人と結ばれたい、というたった一つの願いに対して最後まで真っ直ぐだったギャツビーは、ある意味どの登場人物より純粋な人だと思った。(女性 20代)
愛する人を手に入れるためなら「どんな事」でもするギャツビー。それほど彼女に心酔していたのでしょうが、まさか最後は「命」まで捧げてしまうとは驚きでした。
お金持ちで容姿端麗な男、ギャツビーを演じるのはレオナルド・ディカプリオです。彼が演じているせいもあると思いますが、ギャツビーがただの「魅力的な男」に見えてしまい、不倫や略奪愛に対する嫌悪感が全くありませんでした。
こんな男に追われたらついて行ってしまうと感じるほど「一途」なギャツビーをぜひ楽しんで欲しいです。(女性 30代)
豪華絢爛なパーティーを毎週催す正体不明の男ギャツビー。美人な奥さん、愛人がいる生まれながらの金持ちトム。二人の男と一人の女性という構図はよくありますが、何もかもが豪華で、観ている側からするととても非日常的です。置いてきぼりを喰らわなかったのはニックのおかげでしょう。言葉少なく見守るニックに同調できます。ニック自身が自分は”観客”と言っていましたからね。プロゴルファーの女性だけ存在感や立ち位置がイマイチだった気がします。(男性 20代)
夏になると決まって観たくなる映画の代表作品です。そして夏だからこそ、この作品の切なく儚い終わり方も受け入れることができるような気がするのです。アメリカの作家フィッツ・ジェラルドの名作を、バズ・ラーマン監督が音楽から衣装、インテリアなど細部にわたってこだわり抜いた映画作品に仕上がっています。そういった意味で、至る所の描写も繊細さが際立っていました。ただただ美しい世界に宿った虚無感を味わってほしいです。(女性 20代)
高価な絵画のような映像に、目を射られっぱなしでした。映像美や美術のみならず、筋立てまでも有為転変が非常に派手なため、鑑賞後しばらく放心しました。少々胡散臭く、人間臭いギャツビーに魅了されます。彼が抱く恋心の崇高さ、純粋さには敵いません。また、相手役はキャリー・マリガンしか考えられません。したたかであえかな女性デイジーを、自然に演じていました。ニックが常に傍観している設定のおかげで、客観的に人間模様を観察できます。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
とにかく絢爛豪華、うたかたの夢という言葉が頭をよぎる映像。大豪邸に一人で住み、毎夜大勢の人が集まる巨大なパーティーを繰り広げて花火を上げる・・・謎の隣人のお話だ。一方で語り部である主人公は地に足がついた普通の人であることが作品への入りやすさを作っている。
きらびやかな映像はもちろん、切ない展開に翻弄されるレオナルド・ディカプリオとそれを一歩引いて見ているトビー・マグワイアの醸し出す雰囲気が実に良くはまっているのが映画としての見所だ。
大学の授業で知り、鑑賞した作品。想像していたよりもかなり恋愛もので驚いた。愛する女性をただただ振り向かせたかったギャッツビー。切なく、ある意味あっけないと言えるラストだが、あそこまで1人の女性を追い続けられるのは、幸せだったのかも知れないと感じた。ヒロインの女性の考え方も個人的には納得できるところが多く、主人公は幸せにはなれなかったがいろいろと考えさせられた。パーティーシーンや豪華な屋敷、派手な衣装が、切なく寂しいラストをより際立たせているのも良かった。
フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』を映像化した作品。
本作は、レオナルド・ディカプリオ演じる貧乏で不器用な主人公ジェイ・ギャツビーが、デイジーという女性に一目惚れして、彼女を振り向かせようと見栄を張り奮闘する姿を描いたラブストーリー。1920年代のアメリカを堪能できる作品となっている。
ギャツビーの登場シーンがかっこよかった。
彼の本当の姿が分かった時、彼の今までの行動の全てが愛おしく感じ、派手で華やかなパーティーに反して彼の真っ直ぐな純愛に心を打たれた。
さすが「ムーラン・ルージュ」「ロミオ+ジュリエット」を作り上げたバズ・ラーマンの作品。所々にバズ・ラーマンらしさが散りばめられており素晴らしい映像は豪華絢爛でロマンティック。ヒロインのデイジーは一見可愛く守ってあげたくなるような可憐な女性だが、かなり強かで魔性の女、純粋に愛を追い求めたギャッツビーが哀れでならない。古き良き1920年代のアメリカを堪能でき映像、衣装、音楽はまさにエンターテイメント。使われている楽曲も素晴らしくポップス、バラード、ダンスナンバーなどカッコ良い曲ばかりで映画を見た後は是非サントラも聞いてほしい。