映画『おこげ』の概要:オカマにいつもひっついている女、通称おこげの女が出会った男同士の美しい恋愛。やがて女は肉体関係を超えた真実の愛に気づき始める。監督・脚本は、「牡丹の薔薇」の脚本で知られる中島丈博。
映画『おこげ』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:ラブストーリー
監督:中島丈博
キャスト:清水美砂、村田雄浩、中原丈雄、深沢敦 etc
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映画『おこげ』の登場人物(キャスト)
- 諸橋小夜子(清水美砂)
- 同性愛者に偏見がなく、剛と寺崎の恋愛を美しいと感じている女。人形と画集を集める事を趣味にしている。やがて、剛に性別を超えた愛を感じていく。
- 吉野剛(村田雄浩)
- 自宅で婦人服製作の仕事をするゲイ。寺崎と恋に落ちるが別れてしまい、中々恋愛できずにいる。小夜子の優しさに、肉体関係を超えた魅力を感じる。
- 寺崎栃彦(中原丈雄)
- ゲイで剛の恋人。晩年までゲイである事を自分の中にしまい込んでいた。世間体を守るために結婚をして、普通に会社勤めをする。剛との関係が周りに知られてしまい、全てを失う。
- 吉野季野枝(千石規子)
- 剛の母親。剛がゲイである事に対して自身に責任を感じ、精神に異常をきたしていく。
映画『おこげ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『おこげ』のあらすじ【起】
諸橋小夜子は友人達と海水浴へ出かける。しかし、そこにはたくさんのゲイ達がいた。実はそこはゲイ達のハッテン場だったのだ。そこにいたゲイの一人である剛が小夜子に声をかける。
小夜子の前で剛が男とイチャイチャしている。小夜子はじっとそれを見ている。小夜子はゲイに興味があるのだった。
剛が寺崎という男と部屋でセックスをしている時、突然剛の母である季野枝がやってくる。季野枝は剛の家にしばらく滞在すると言い出す。季野枝が寺崎を見つけると、剛は慌てて関係をごまかすのだった。後日、剛が家で婦人服製作の仕事をしていると、季野枝の荷物が続々と運び込まれるのだった。
ゲイバーで小夜子は剛と寺崎に再会する。小夜子は再会を喜び、3人で仲良く飲み始める。ゲイに全く偏見を抱かない小夜子のことをゲイバーのマスターがおこげだと言う。文字通りオカマにひっついている様子がおこげなのだと言う。
ホテルを探さないといけない剛と寺崎に、小夜子は自宅のアパートはどうかと誘う。二人は小夜子の強引な誘いを断れず、アパートへと向かうのだった。
映画『おこげ』のあらすじ【承】
小夜子のアパートで愛し合う剛と寺崎。小夜子は別の部屋で趣味の画集を眺めている。
ある日、季野枝が剛を食事に誘う。すると、そこには知らない女性とその両親がいた。季野枝がお見合いをセッティングしていたのだ。
お見合いの話を断ろうとする剛を説得する家族。剛は家族に、自分がゲイであることを告白する。薄々それに気づいていた家族は動揺するのだった。
剛と寺崎は何度も小夜子の部屋で逢瀬を重ねていた。剛はそこで小夜子達にお見合いの話をするのだった。後日、断れない剛の代わりに小夜子がお見合い相手の所へ行き、自分が彼女だと言って諦めさせるのだった。
寺崎は自分がゲイであることを自身の中に隠し、若い時に結婚していた。世間体を守るため、会社でゲイの話題になっても表情一つ変えない。
ある日、寺崎の妻が小夜子の家にやってくる。そこにいた剛はどうにか逃げ出す。妻は探偵を雇って調べ上げ、全てを知っていたのだった。妻は小夜子のことを非難する。もし別れないのなら、世間に全てをバラすと言って去って行く。
映画『おこげ』のあらすじ【転】
逢瀬の時間が短くなってしまった寺崎と剛。剛はそれに不満を漏らす。結局二人は別れることになってしまう。
剛の自宅でゲイ達が集まりお酒を飲んでいる。季野枝は剛がゲイであることが自分の責任だと強く責めていた。そして、季野枝は小夜子に剛との結婚を迫る。すると、小夜子の心は少しだけ揺れるのだった。剛達はゲイが先天的なものか後天的なものかで討論を始める。
バーで新たに元自衛官の栗原という男を好きになった剛。しかし、栗原はノンケだった。
小夜子は必死に剛と栗原をくっつけようとする。ある日、小夜子は栗原を説得する為に二人で外に出かける。小夜子は栗原を自宅に呼び、剛を呼ぼうとするも剛は電話に出ない。剛の自宅では季野枝が必死にどこかに電話かけ、死ぬほど苦しいと訴えかけていたのだ。電話を切った小夜子に栗原が迫る。栗原はずっと小夜子に興味があったのだ。最初は拒否していた小夜子だが、剛が惚れた男だからと自分を納得させて栗原を受け入れるのだった。
数ヶ月後、季野枝が倒れてしまう。病院へ入院した季野枝を見舞う剛は親身に世話をする。
映画『おこげ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ゲイバーに子供を連れた小夜子が来店する。小夜子は栗原と結婚し子供を産んだのだった。しかし、栗原は借金を作るなどして夫婦生活は破綻していた。小夜子がマスターに剛のことを尋ねる。剛はしばらく店に来店しておらず、最近季野枝が死んでしまったのだと小夜子に伝える。
剛のもとに元お見合い相手から電話がかかってくる。呼び出された剛はその女に誘われる。そして、剛はゲイであることを馬鹿にされるのだった。
バーで再び寺崎に再会した剛。寺崎はゲイであることがバレた為に会社を辞めると言うのだった。そこで剛は小夜子の話を耳にする。
剛が小夜子のもとを訪れると、子供を抱えた小夜子がヤクザに追われていた。それを見た剛は小夜子を救い出す。
自宅へと小夜子を招いた剛。剛は小夜子に一緒に暮そうと提案する。小夜子はそれを受け入れる。
部下の結婚披露宴で堂々とゲイを宣告した寺崎。寺崎は全てを失ったのだった。しかし、小夜子と剛と話しをして再び元気を取り戻すのだった。
剛と小夜子が子供を挟んで繁華街を歩いている。周りにはたくさんのゲイ達がいる。それに目もくれず、二人は歩き続けるのだった。
映画『おこげ』の感想・評価・レビュー
「おこげ」とはオカマに引っ付く女の事。オカマとかゲイとか「同性愛者」に対してそう言う呼び方をするのはあまり好きではありませんが、偏見の無い女と偏見を持つ周囲をとても分かりやすく描いていて、すごく面白かったです。
最初はオカマに興味があって引っ付いていた「おこげ」の女。次第に興味が愛情へと変わっていく姿は、お互いの優しさを感じればとても自然な事ですが、その先を考えてしまうとなんとも切なかったです。
自分の知らない世界を知れた気がします。(女性 30代)
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