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映画『想いのこし』あらすじネタバレ結末と感想

映画『想いのこし』の概要:2014年公開の日本映画。突然の交通事故で死亡したポールダンサーとドライバー4人が幽霊となり、唯一自分たちを見ることが出来る男に想いを託し叶えてもらうファンタジー感動作品。

映画『想いのこし』 作品情報

想いのこし

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:118分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ファンタジー
  • 監督:平川雄一朗
  • キャスト:岡田将生、広末涼子、木南晴夏、松井愛莉 etc

映画『想いのこし』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

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映画『想いのこし』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『想いのこし』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『想いのこし』 あらすじ【起・承】

金が大好きな若者ガジロウ(岡田将生)は、ダフ屋のバイトの帰りに交通事故に遭う。
彼を轢いた車に乗っていた4人は全員死亡。
3人はポールダンサーでルカ、ケイ、優子(広末涼子)と言い、もう1人は運転手だった。
病院で自分の遺体を見る4人は、亡霊であることを認識する。

自分を轢いた加害者の遺族から慰謝料を取れないかと企んだガジロウは、優子の自宅へ向かう。
息子が心配でアパート近くに立っていた優子に話しかけるガジロウに、優子達は自分たちの姿がガジロウにだけ見えるのだと驚く。
そして自分たちこそ被害者なのだと訴えた。

優しさのかけらもないガジロウは、自分のマンションに居座る4人の亡霊を疎ましく思うが中々出て行こうとしない。
そしてルカが自分の想いのこしの話を語り出す。
事故が遭った日、ルカは結婚のためダンサーを引退した日だった。
田舎にいる彼氏と結婚するのが夢で、教会で式を挙げるのを楽しみにしていたのだった。
ルカはガジロウに自分の貯金700万をあげるから、代わりに式を挙げて欲しいと頼む。
最初は断るガジロウだったが大金欲しさにやることにした。

ルカの田舎に行き、婚約者と会った。
そして本当のことを話し、結婚式を挙げてもらえないかとお願いすると、婚約者はガジロウの話を信じてくれ了承してくれる。
そして花嫁役はガジロウが務めることとなった。

式本番の日、花嫁衣装を着た女装のガジロウは式でキスをすることになった。
そのキスをしたとき、ガジロウの姿はルカに変わった。
婚約者は確かにルカの姿を見て、最期のお別れをする。
ルカもまた満足そうだ。
するとみるみるルカの体が透明になり消えてしまった。
残した想いが消えたのだろう。

ケイは高校生、生活のためにポールダンサーとして稼いでいた。
彼女は高校では野球部のマネジャーをしていて、人気もあった。
中でも部長とは毎日ラインで連絡をとり、お互い気持ちがあるようだった。

野球部の最期の試合の日、ケイの姿はグラウンドにあった。
そこでバッターボックスに入った部長に、ガジロウは「ここにケイが立っている」と叫ぶ。
不思議に思った部長だったが、ガジロウの話を受け入れた。
そして試合後、ガジロウにケイがいる場所を確認し感謝の言葉を述べ挨拶をしてくれた。
ケイの頬を涙が伝い、姿が消えていった。
彼女の想いは満たされたのだ。

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映画『想いのこし』 結末・ラスト(ネタバレ)

元消防士だったドライバーのジョニーは、定年した後も必要の無い街の地図を描いては後輩に持って行っていた。
後悔が多いジョニーは、ガジロウを3ヶ月雇い毎日地図を届けて欲しいと言う。
言われたとおりにするガジロウに、後輩の神田は「届けてもらっていた地図が役に立ったことはない」と残酷なことを言った。
ガジロウはジョニーにもう止めるように言う。

ある日、街中で信号機が故障し道路はパニックに陥った。
火災があるのに消防車はうまく現場にたどり着けないのである。
右往左往している消防車に連絡するように言うジョニー。
ガジロウは隣にいるジョニーの言う通り、近道や迂回ルートを説明する。
その説明の仕方や命令の仕方がジョニーそっくりであることから、神田は不思議な思いにかられる。

無事に現場に着いた神田達は、水道管の元栓を開けようとしているジョニーの姿を見つける。
火災を消火し終えた後、消防車の横に立つジョニーに敬礼をする神田たち。
ジョニーは「最期にもう1度役に立つ仕事をしたかった」と言い残し、消えていった。

優子の心残りは息子・幸多朗のことである。
後見人もいない幸太郎は頑固者で、絶対に施設にはいかないと言い張り一人で暮らしている。
優子はガジロウに何とかして欲しいと願い出て、ガジロウが息子と関わり合いをもつようになっていく。
その中で母がどんな仕事をしていたか気になっている幸太郎に、ガジロウはポールダンサーとしての仕事を見せるため優子が働いていた店につれて行くことにした。
ガジロウはこの店でポールダンスを練習し、披露しようと思っていたのである。

ショーが始まった。
下手な演技だが一生懸命踊るガジロウの隣には、優子の姿があった。
確かに母が踊る姿を見た幸太郎。
店の前で優子に抱きつくと、優子の姿は消えていった。

後日。
ガジロウに連れられ施設に来た幸太郎は、ここで新しい生活を始めるのだった。

映画『想いのこし』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『想いのこし』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

非常に良く出来た二時間ドラマ

本作品は感動出来る。
有名な俳優たちがオムニバス形式で出演。
内容も見応えはあるし、それなりに楽しめる。
しかし見終わった後、ものすごく良質な二時間スペシャルドラマを見たような軽い気持ちしか残っていない。

その理由の1つに主人公である優子の息子への思いが関係しているだろう。
突然死んだ4人がそれぞれの思いをガジロウに託すのだが、婚約者や後輩、同級生などそれなりに人物像の生きていた時間がわかるようになっている。
優子は未亡人として一人息子を育てていたのだが、全く泣かないし息子を心配している様子も見て取れない。
確かに台詞上はそんなシーンも幾つか出てきたように思うのだが、こちらには伝わらないのだ。

突然小学生の息子を残して死んでこんなに泣かないものだろうか?
少なくとも1シーンくらい号泣して、取り乱すようなシーンがあってもよさそうなものだ。
そのシーンが欠如しているため、この作品の人間味が大きく奪われている。
コメディタッチにしたかったのか、ヒューマンシリアスか。
どっちかにして欲しいものだ。

ガジロウと幸太郎のエピソード

上記でも述べたように脚本の奥深さが足りない。
ガジロウと幸太郎の関係性はもっとわざとらしく深い絆にしていっても良さそうなものだ。
幸太郎が心の声をぶちまけるとか、泣きじゃくるとか。
そんな深いシーンが足りないために、軽いタッチの作品に仕上がってしまっている。

わかりやすいくらい感動させるつもりで作って欲しい。
少々不完全燃焼の自分がいる勿体ない作品だ。


不思議な世界観ですが嫌な違和感は無く、作品の中に入り込んでしまうような錯覚を感じました。お金への執着がすごいガジロウが幽霊たちと出会って、彼女達の心残りを晴らしてあげるシンプルなストーリーなのですが、一つ一つの物語が非常に良くできていて、毎回感動させられてしまいます。
大切な人の突然の死を悲しむのは、残された人だけだと思っていましたが、死んでしまった本人たちにも叶えたかった想いがあるのだなと、改めて考えさせられる作品でした。(女性 30代)

映画『想いのこし』 まとめ

内容がわかりやすい感動系、幽霊もの。
自分の残してきた思いを果たして成仏するために現世にとどまってしまうのだ。
こういうジャンルはやりすぎなくらいわざとらしいエピソードを作ってくれて良いのに、本作品はドライではまりにくい。
人間くさく無いのである。

本当の人間は気持ちなんてそうそうわりきれずドロドロなはずだ。
それをもっとありのままに描いてくれた方がリアルで感動する。
浅くてはまれない作品だった。
泣きたくてみたかったのに拍子抜けである。

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