映画『ワン・モア・タイム(1989)』の概要:コリンヌは、事故で夫のルイを亡くしてからの23年間、ルイだけを想い続けて過ごしていた。ある時ルイの親友であるフィリップが連れて来た青年、アレックスと知り合うが、アレックスはルイの記憶を持つ彼の生まれ変わりだった。コリンヌは次第にアレックスに惹かれていくが…。
映画『ワン・モア・タイム』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:エミール・アルドリーノ
キャスト:シビル・シェパード、ロバート・ダウニー・Jr、ライアン・オニール、メアリー・スチュアート・マスターソン etc
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映画『ワン・モア・タイム』の登場人物(キャスト)
- コリンヌ(シビル・シェパード)
- 23年前、愛する夫ルイを交通事故で失った。一人娘のミランダが成人しても尚、ルイを忘れられずにいる。夫の死後、彼の親友であるフィリップと家族のような関係を続けている。
- アレックス・フィンチ(ロバート・ダウニー・Jr)
- ルイの生まれ変わりの青年。就職活動の際にフィリップと出会い、コリンヌの自宅を訪れたことで前世の記憶が蘇る。
- ルイ・ジェフリーズ(クリストファー・マクドナルド)
- コリンヌの夫。弁護士。判事がマフィアのボスから賄賂を受け取っている証拠をカメラに収めたものの、コリンヌの目の前で車にはねられてしまい息を引き取った。「あの世」で転生の手続きを済ませ、アレックスとして現世に生まれる。
- フィリップ・トレイン(ライアン・オニール)
- ルイの親友。コリンヌに片思いしていたが、二人の間に入る隙が無く気持ちを諦めた。ルイ亡き後、残されたコリンヌと娘のミランダを世話し、家族のような関係を築く。
- ミランダ(メアリー・スチュアート・マスターソン)
- コリンヌの一人娘。新しい恋を探さずルイを想い続ける母に、フィリップと一緒になるよう勧めている。大学の図書館で知り合った年上のアレックスに恋をする。
映画『ワン・モア・タイム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワン・モア・タイム』のあらすじ【起】
1963年5月13日。ルイとコリンヌは結婚式を挙げた。参列したルイの親友フィリップは、バージンロードを歩くコリンヌを見て涙を流し、ルイにこっそり「僕も彼女に恋してた」と打ち明けた。ルイは「知ってる」とだけ答えた。
1年後の結婚記念日、コリンヌはルイの子供を授かっていた。二人の記念日を祝うため桜の苗木を持って彼らの自宅を訪れたフィリップは、コリンヌの妊娠を知って大喜びした。
コリンヌが庭に桜を植える姿を見届けたルイとフィリップは、仕事へ向かった。ルイは出勤前、ジュエリー店でコリンヌへ贈るダイヤのイヤリングを購入した。
弁護士であるルイは、マフィアのボスであるボニーノを逮捕できるだけの証拠を揃え法廷に立った。しかし、判事のフェンウィックは、証拠不十分としてボニーノを無罪にした。納得のいかないルイは、新聞社に勤めるフィリップからボニーノがルーズベルト島に行くという情報を得てすぐさま島に渡った。ルイは、そこでボニーノがフェンウィックに大金を渡す場面を目撃し、二人の様子を写真に撮り島を後にした。
ルイは、コリンヌと記念日を祝うためレストランへと急いだ。二人は窓ガラス越しに互いの姿を確認し、ルイは手を振って通りを渡ろうとした。そこへ、猛スピードで車が突っ込み、ルイは跳ね飛ばされ絶命した。
映画『ワン・モア・タイム』のあらすじ【承】
雲の中を歩くルイは、同じように歩いている人々が向かっている方向へと進んだ。その先には受付があり、並んでいる人々は転生の手続きを行っていた。コリンヌとまだ見ぬ我が子の元へ急ぐルイは、自宅のあるワシントンに一番近い街で生まれる新生児に生まれ変わることになった。しかし、ルイの手続きを担当したオーマは、彼に前世の記憶を封じ込める注射を打つのを忘れてしまった。
現在のエール大学。翌日に卒業を控えるアレックスは、図書物の高額な延滞金を支払えないでいるミランダを見掛け、彼女の貸し出し記録を削除して助けてやった。
コリンヌは、スミソニアン博物館で働いており、次の展示会の責任者となっていた。仕事を終えたコリンヌは、精神科のセラピーへと向かった。彼女はセラピーの先生にルイとのエロティックな夢を見てしまうと相談、先生は、彼とのファンタジーを追うのはやめて新しい恋をしなさいとアドバイスした。
大学を卒業したアレックスは、憧れの新聞社へ自分を売り込みに行った。しかし、当の編集長は、彼の卒業制作を見て「卒業したら来い」とリクルートしたことを忘れており、地方都市の新聞社へ行けとあしらった。編集長の横でアレックスの熱意を見ていたフィリップは、彼をコリンヌの自宅に招き夕食をご馳走しようと連れ出した。
アレックスは、招かれた家の外観だけでなく内装にも見覚えがあった。そして彼は、帰宅したコリンヌが桜の木の下で花を剪定している姿を見た途端、前世であるルイの記憶がフラッシュバックし「僕はルイだ」と気付いた。
映画『ワン・モア・タイム』のあらすじ【転】
ミランダは、偶然にも自宅で再会を果たしたアレックスに恋をしたが、アレックスはルイとしてコリンヌを愛していた。アレックスはコリンヌに真実を打ち明けたが、俄かに信じられないコリンヌは彼を帰し、家から追い出そうと決めた。
帰宅したアレックスは、出迎えたフィリップにコリンヌと肉体関係は結んでいないか問い質した。フィリップは突然の質問に戸惑いながらも「彼女は家族同然だ」と言い、キスすらしていないと明かした。
帰宅したコリンヌは、アレックスに家から出て行くよう言おうとしたが、ピアノを弾く彼の姿がルイの姿と重なり言い出せなかった。その夜、アレックスはコリンヌの部屋に忍び込み、夫婦の間でしか知らないことを語った。コリンヌはようやくアレックスがルイであると気付いたが、彼の死後23年間男性と触れ合っていない彼女は怯えて部屋に閉じこもってしまった。
翌日、コリンヌはアレックスとのデートを心から楽しんだ。ルイと会えなかった時を取り戻すかのようにはしゃぐ彼女へ、アレックスはあと二人子供を作ろうと言い、その夜二人は体を重ねようとした。しかし、二人の様子を怪しんだフィリップが家を訪れ、コリンヌの肌に触れるアレックスを殴り飛ばした。反撃したアレックスは、フィリップを卒倒させてしまった。
フィリップが気を失ったのを見て、コリンヌはようやく彼が自分にとって大切な存在であったと理解した。アレックスは街を放浪し一夜を過ごし、目を覚ましたフィリップは遂にコリンヌと体を重ねた。
映画『ワン・モア・タイム』の結末・ラスト(ネタバレ)
フィリップは、ようやくルイの影を払拭し自分に振り向いたコリンヌへプロポーズした。彼女はそれを承諾し、二人はミランダが判事の助手を務める裁判を傍聴しに向かった。
アレックスは、娘の仕事を見るため法廷を訪れた。ミランダが助手を務めていた判事は、あのフェンウィックであった。彼の姿を見て写真の存在を思い出したアレックスは、まだ賄賂を受け取っているのかと詰め寄った。フェンウィックの指示により警備員に抑えられたアレックスは、「彼はボニーノの証拠を握り潰した。1963年5月13日の記録を探せ」と騒ぎ立てた。丁度その場に居合わせたフィリップは彼がルイだと気付き、「ルーズベルト島だ!」と加勢した。
連行されそうになったアレックスは、警備員を振りほどき逃げようとした。しかし、階段で足を踏み外し意識を失ってしまった。
アレックスが治療を受ける病室で、コリンヌは眠っている彼へ「あなたのお陰で誰を愛してるか気付いたわ。あなたはもう夫じゃないの」と語り掛けた。病室へ入ってきた医者が注射の時間だと言うので彼女は退室したが、大きな注射器を持って入って来たのはオーマであった。彼は、受付でルイに打ち損ねた注射を打って消えた。
目を覚ましたアレックスは、前世の記憶を一切失った。残っていた記憶は、ミランダと初めて出会い、彼女に一目惚れした記憶だった。
フィリップとコリンヌの結婚式。バージンロードを歩くコリンヌとミランダを見たアレックスは、フィリップにこっそり「ミランダを愛してる」と打ち明けた。フィリップは「知ってる」とだけ答えた。
映画『ワン・モア・タイム』の感想・評価・レビュー
若き日のロバート・ダウニー・Jrがあまりにもキュートで、目の保養になった。私自身が夫と死に別れるなどあまり考えたくはないが、彼が生まれ変わりだと言って目の前に現れたら、その時は生まれ変わりでなくとも否応なしに受け入れたい。眼福である。
最後には報われたが、フィリップが不憫過ぎる。親友亡き後、恋焦がれたその妻に一切手を出さずに23年も一緒に過ごし、娘の面倒まで見るなんて。それは最早夫婦だ。彼の気持ちに気付かないコリンヌも中々残酷である。(MIHOシネマ編集部)
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