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映画『鬼はさまよう』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『鬼はさまよう』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『鬼はさまよう』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『鬼はさまよう』の結末までのストーリー
  • 『鬼はさまよう』を見た感想・レビュー
  • 『鬼はさまよう』を見た人におすすめの映画5選

映画『鬼はさまよう』の作品情報

鬼はさまよう

製作年:2015年
上映時間:103分
ジャンル:サスペンス、ミステリー
監督:ソン・ヨンホ
キャスト:キム・サンギョン、キム・ソンギュン、パク・ソンウン、ユン・スンア etc

映画『鬼はさまよう』の登場人物(キャスト)

テス(キム・サンギョン)
熱血刑事。のんびり穏やかな所もある人柄だが、妹思いで熱いところもある優しい男性。
スンヒョン(キム・ソンギョン)
テスの妹婿。優しい銀行マンで妻を心から愛している穏やかな男性。
ガンチョン(パク・ソンウン)
連続殺人事件の犯人。逮捕後も不適な笑いを浮かべ、黙秘権を通す気味の悪い男。

映画『鬼はさまよう』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『鬼はさまよう』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『鬼はさまよう』のあらすじ【起】

刑事テスの妹・スギョンは夫のスンヒョンに連絡した。
銀行マンのスンヒョンは忙しく、土曜出勤で不在。
しかし電話口で「朗報があるから」と帰宅を促し、久しぶりに兄のテスも呼んで食事をしようと言う。
しかし外出先から自宅への帰り道、スギョンは後ろから付いてきた男に斧で殺されてしまう。
そのまま大雨の中車に乗せられ、どこかへ連れ去られてしまった。

帰りが遅いと夫は心配し電話をかけるが、繋がらない。
車内で鳴る電話を犯人は窓から投げ捨てた。

そんなことも知らずに連続殺人事件の犯人捜査をするテスは、偶然当て逃げ事件に遭遇した。
現場の状況からただの当て逃げにしては不自然な点が多く残ると、急いで車を捜索する。
テスは現場付近に壊れた携帯があることに気がつく。
その携帯を不自然に思ったテスは持って帰り、鑑識に回した。

捜索中、テス達は1台のおかしな車を発見。
停めさせ中を確認すると、車内に血痕らしきものが付着している物体を見つけた。
直ぐさま運転している男の身柄を拘束し、車を鑑識に出したところ大量の血痕が発見された。
男の名前はガンチョン。
世間を騒がしている連続殺人事件の犯人だった。

映画『鬼はさまよう』のあらすじ【承】

帰りが遅いとテスに連絡をとるスンヒョンだったが一向に繋がらない。
あまりに襲いため、心配になったスンヒョンはテスに電話をし、「妻から連絡が無かったか」と確認する。
最初は軽く流していたテスだったが、調度隣のデスクの刑事が携帯についての情報を得ていたところだった。
それはテスが路上から発見した壊れた携帯だった。
部下によると、その携帯の持ち主が何と妹だったのだ。

テスはもしかしたら妹もまたガンチョンの犠牲になったのではと不安になった。
この感は当たっていた。
テスは妹の居場所を聞き出そうと、ガンチョンに暴力的な取り調べをする。
しかしガンチョンは人を馬鹿にしたような態度をとり続け、テスを挑発した。

ガンチョンの自宅から行方不明者の遺体が発見され、ガンチョンは死刑判決となった。
しかし法律でいくら裁かれたとしてもスギョンは戻らない。
殺される前、夫に言った「朗報」とは妊娠のこと。
そのことに気がついたスンヒョンは怒りに震え、現場検証で外に出たガンチョンを殺害しようとして止められる。

映画『鬼はさまよう』のあらすじ【転】

3年後。
未だガンチョンの死刑は執行されない。
死刑とは名ばかりで中々執行されないのが現実だった。
遺族の気持ちは中々晴れない。
それはスンヒョンやテスも同じだった。

テスは別の事件を捜査中、殺人の容疑者を路地で追い詰めた。
そこで帽子を目深に被っていた男の顔を見ると、何と連絡が取れなくなっていたスンヒョンだったのだ。
よりによって妹婿が殺人犯の容疑者になっていたとは。
逃げられたテスだったが、動揺を隠せなかった。

一方で、ガンチョンはヤクザ組織に命を狙われていた。
大けがを負わされたガンチョンは重体となり病院に運ばれる。
そこで彼を無理矢理連れ出したのがスンヒョンだった。
怪我をしているガンチョンをパジャマのまま歩かせ、何とかしてスギョンの遺体の場所を突き止めようとするスンヒョン。
一方で病院からガンチョンが居なくなったことを知った警察も動揺する。
スンヒョンを疑ったテスは直ぐに2人の後を追う。
警察もまた跡を追うことにした。

映画『鬼はさまよう』の結末・ラスト(ネタバレ)

ガンチョンとスンヒョンは、3年前のあの日、車痕の跡が残っていたことで捜査した最初の山中の現場にいた。
何としても妻の遺体を掘り起こしたいという一心でここまで来たスンヒョン。
ガンチョンが場所を思い出し、そこまで案内している。

しばらくすると、野原の真ん中に岩が見えてきた。
妻の遺体はその岩の下にあるという。
スンヒョンは持ってきた包丁で土を掘らせようとした。
ガンチョンが少しずつ少しずつ、土を掘り起こす。
すると何か見えてきた。

その時だった。
ガンチョンは殺人に使った凶器の斧をスンヒョンに振り下ろしたのだ。
そう、そこに埋まっていたのは凶器だったのだ。
頭部に一撃を受けて気を失いかけたスンヒョン。
遠くからその現場を見つけたテスが走って来たが、ガンチョンはとどめのもう一撃を振り下ろした。
間に合わなかった。
現場にかけつけたテスにスンヒョンは、向こうの岩に遺体が埋まっていることを教え、息を引き取った。

警察が来て連行されるガンチョンを撃ち殺そうとするテスに、仲間は「同じように殺人鬼になりたいのか」と止める。
しかしどうしても許すことが出来ないテスは、連行されるガンチョンの後ろ姿めがけて発砲するのだった。
ガンチョンはニヤっと不気味な笑みを浮かべながら死んでいった。

映画『鬼はさまよう』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

本作は、連続殺人犯と妹を失った刑事、妻を亡くした男たちの長期にわたる戦いを描いたヒューマンドラマサスペンス作品。
果たして、復讐が悪の部類に入るのだろうかと善悪について考えさせられる部分もあったが、自分にとって大事な人を亡くした時、犯人に同じ苦しみを与えたくなるというのは人間の本能だといえよう。
ヒューマンドラマ要素が強く、スピード感があって楽しめた。
また、俳優陣の迫真の怪演に恐怖を感じたと同時に、救いようのない結末にモヤモヤとしてしまった。(女性 20代)


韓国映画「お馴染み」と言っても過言では無い、狂った「犯人」とその犯人に「復讐」を誓う人間。
連続殺人犯を確保した現場で見つけたのは「妹の携帯」。妹は事件に巻き込まれたのか?こいつが犯人なのか?誰も、何も、信じることが出来ない展開は物凄くハラハラドキドキしました。
逮捕されても余裕の表情を浮かべる不気味な犯人と、行方不明の妹を探す警官、そして妹の旦那など沢山の人物が複雑に絡み合い、ストーリーをより複雑に、面白いものにしています。
ハッピーエンドでは無いので好き嫌いは分かれるかと思いますが、私は大好きな作品です。(女性 30代)


韓国映画特有の“痛みのリアルさ”が全開でした。連続殺人犯との追跡劇もスリリングでしたが、むしろ人間の感情の機微のほうに惹かれました。あの結末、単なるカタルシスではなく、司法の限界や倫理のグレーゾーンに踏み込んでいて、観終わった後にずっしりと残る作品でした。(20代 男性)


予告編からは想像できなかったほど、物語に深みがありました。刑事としての正義と、家族を失った人間としての感情のバランスに揺れる主人公たちの葛藤がリアルで、何度も涙がこみ上げました。特に、最後の“交換”が象徴する意味を考えると、正義って何なのか、深く考えさせられました。(50代 女性)


テンポが非常に良くて、ずっと緊張感を持って観られるサスペンスでした。中盤からの追跡劇は手に汗握る展開の連続で、ラストは完全に圧倒されました。犯人の演技も不気味すぎてリアルで、韓国映画の底力を改めて感じました。復讐ものが好きな人にはたまらない一作だと思います。(30代 男性)


個人的には主人公2人の関係性が一番印象に残りました。最初は対立していたのに、憎しみの対象が一致することで、少しずつ信頼が芽生えていく過程が丁寧に描かれていて良かったです。正義感に満ちた映画ではないけど、人間の感情のリアルさが際立っていました。(20代 女性)


スリラーとしても重厚な人間ドラマとしても非常に見応えがありました。事件そのものだけでなく、加害者を“許せない”という強い感情が引き起こす連鎖が、ものすごくリアルに描かれていて、観ていてしんどいけれど目が離せなかったです。社会派サスペンスとしても非常に完成度が高いです。(40代 男性)


自分に娘がいるからこそ、父親の気持ちが痛いほどわかって、観ていて何度も感情が揺さぶられました。犯人に対して「法では裁ききれないものがある」という現実が突きつけられて、本当にやるせない。でもそのぶん、ラストの選択が重く胸に刺さりました。(50代 男性)


暴力や残酷な描写も多いけれど、それが安っぽい演出じゃなくて、“怒り”や“絶望”を真っ向から描くために必要だったと感じました。ラストで登場人物たちが選んだ行動には、涙が止まりませんでした。まさに「鬼」と化した人間たちの物語。忘れられない一本になりました。(30代 女性)


韓国映画の復讐劇が好きで多く見てきたけれど、その中でも『鬼はさまよう』は群を抜いて心に残る作品でした。誰が悪で、誰が正義なのかをあいまいに描くことで、よりリアリティを感じさせる。観終わった後もずっと考えさせられる映画でした。心にずしんと響く力作。(60代 男性)

映画『鬼はさまよう』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『鬼はさまよう』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

チェイサー(The Chaser)

この映画を一言で表すと?

命のタイムリミットが刻一刻と迫る、緊迫のノンストップ追跡劇!

どんな話?

元刑事の主人公が、行方不明となった女性たちを追っていくうちに、連続殺人犯の存在に気づく。警察の無能さと時間との戦いの中で、犯人の手がかりを必死に追う物語。張り詰めた空気感が最後まで続く傑作スリラー。

ここがおすすめ!

序盤で犯人が判明する異例の展開ながら、そこから怒涛のサスペンスが始まる構成は圧巻。『鬼はさまよう』と同様、法では裁ききれない“悪”に立ち向かう主人公の姿が共感を呼ぶ。リアルな暴力描写と心を揺さぶる人間ドラマが秀逸。

悪魔を見た(I Saw the Devil)

この映画を一言で表すと?

復讐が復讐を呼ぶ、狂気と執念に満ちたバイオレンススリラー!

どんな話?

婚約者を殺された国家情報員が、犯人である連続殺人鬼に制裁を加えるため、自らの手で“地獄”を見せようとする。善と悪の境界線が曖昧になる、重厚で衝撃的な復讐劇。

ここがおすすめ!

主演のイ・ビョンホンとチェ・ミンシクの圧倒的な演技力が光る。復讐の果てに何が残るのかを突きつける、極限の心理戦と暴力描写。『鬼はさまよう』で感じたモラルの揺らぎに、より深く踏み込む一作。

母なる証明(Mother)

この映画を一言で表すと?

息子を守る母の狂気が暴く、哀しみと真実のミステリー!

どんな話?

殺人事件の容疑者にされた知的障がいを持つ息子の無実を信じる母親が、真犯人を追い独自に調査を始める。次第に明らかになる真実と、母親の愛がもたらす歪みを描いたヒューマンサスペンス。

ここがおすすめ!

どこかで歯車が狂ってしまった家族の愛情と、突きつけられる現実の残酷さ。犯罪をめぐる人間の業や感情を深く描いた作品で、『鬼はさまよう』同様に“正しさ”が曖昧になる余韻が印象的。パラサイトのポン・ジュノ監督作品。

白ゆき姫殺人事件

この映画を一言で表すと?

“真実”は誰の言葉にあるのか?SNS時代の集団心理ミステリー!

どんな話?

同僚女性が殺害された事件をきっかけに、マスコミやSNSで情報が拡散され、被害者と加害者の像が勝手に作られていく。視点が変わるごとに印象が変わる、“語られ方”がテーマのサスペンス。

ここがおすすめ!

メディアによる偏向報道や噂の怖さを描いた作品で、真実を追い求めるという点では『鬼はさまよう』にも通じるものがある。中村義洋監督らしいテンポの良さと、人間の本音が浮き彫りになる心理描写が見事。

被害者(The Victim)

この映画を一言で表すと?

正義とは何か?被害者遺族の視点から描かれる苦しみと選択。

どんな話?

娘を殺された父親が、加害者の少年と向き合うことを余儀なくされる。復讐、赦し、そして償いとは何かを深く問いかける感情的なヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

暴力的な展開はないが、そのぶん心理描写と感情の動きが濃密。復讐の虚しさ、赦すことの難しさなど『鬼はさまよう』のテーマに強く通じており、観終わった後に深く考えさせられる。静かながらも胸を打つ力作。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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