映画『女の子ものがたり』の概要:漫画家西原理恵子の自叙伝を実写化した2009年製作の日本映画。スランプに陥った彼女が子供時代の友人のことを思い出して、元気とやる気を取り戻していく物語である。
映画『女の子ものがたり』 作品情報
- 製作年:2009年
- 上映時間:110分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:森岡利行
- キャスト:深津絵里、大後寿々花、福士誠治、風吹ジュン etc
映画『女の子ものがたり』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
映画『女の子ものがたり』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『女の子ものがたり』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『女の子ものがたり』 あらすじ【起・承】
東京で一人暮らしをする漫画家、高原菜都美(深津絵里)36歳。
現在スランプ中で、漫画が描けないでいる。
そこに一人の若い編集者がやってきた。
昼間からビールを飲み、人目もはばからずソファでごろ寝する姿を見て「友達いないでしょ?」と聞く編集者。
確かに今、菜都美には友人はいない。
しかしまだ自分が女の子だったころ確かに友人がいた。
時々その夢も見る。
母が再婚し自然豊かな小さな町に引っ越してきた菜都美は、そこできいちゃんとみさちゃんという友達が出来た。
彼女たちとはバスでデパートに行ったり、放課後いろいろなお話をしたりととても仲が良かった。
しかし菜都美は思っていた。
自分の本当の居場所はもっと遠くにあるのだと。
ある日二人を誘って手紙を書いてボトルに入れた。
これを受け取ってくれた人が自分の親友になるのだという。
しかしきいちゃんは「親友は自分たちではだめなのか?」と聞いてきた。
菜都美にはもっと別のあこがれる世界があったのだ。
映画『女の子ものがたり』 結末・ラスト(ネタバレ)
彼女たちとの仲は高校生になっても続いた。
あるとき菜都美は絵を二人の前で披露した。
その絵は手紙の入ったボトルを持って、それぞれの道を進んでいく3人の姿を描いている。
友人達は菜都美のその絵を褒めてくれた。
その夏、菜都美は漫画家となり、東京に一人で出ることになった。
菜都美は久しぶりに二人の友人に会いたくなった。
編集者を連れて海辺の町に着くと、思ってもみない話を知ることになる。
きみちゃんは亡くなり、みさちゃんは町を出て行ったということだった。
菜都美は二人の友人と知り合った場所で、なつみという女の子に出会った。
それはきみちゃんの娘だった。
菜都美は初めてきみちゃんの自分への思いを知ることになる。
そして自分がどんな少女だったか。
二人はどんな少女だったか記憶を呼び起こしていた。
二人のことを今改めて思い、菜都美は確かに二人が親友だったと思うのだった。
映画『女の子ものがたり』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『女の子ものがたり』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
女子の友人関係ドラマ
この映画は題材が非常に珍しい。
漫画が原作ということなので、ありそうで無かったという感じだろうか。
女子の友人関係と聞いただけでドロドロしていそうだが、今作は全く違う。
スランプに陥った36歳の女性がまだ女の子だったころの話。
青春時代を共に過ごした友人達との記憶の断片を辿りに行くのである。
そこには自分が思っていない相手の感情があり、若い頃は全て自分中心で見えなかったことが鮮明に見えてしまう。
理想と現実のギャップ、自分の思いと友人の思いのギャップ。
様々な事実を受け入れ、菜都美は友人というものの本当の姿を知ることになるのである。
友人の一人が既に亡くなっていて、その娘と再会。
娘の名前はなんと自分と一緒だった。
自分も知らない誰かの、自分への思い。
誰しもが経験のある他人との繋がりに、ただ静かに感動してしまうのだ。
静かに激しい演出効果
この映画は一言で言うと、とても静寂に包まれている。
しかしその中で、主人公菜都美の感情が揺さぶられるという反対を描くことで動きをつけている。
周りの人物や場所、時代はあまり変わらずに菜都美だけの感情や記憶をドラマにしているのだ。
そこがこの映画の魅力といえる。
他の人の感情を入れてきたら、菜都美の人となりがぼやける可能性があるからだ。
あくまで主役は菜都美であるということを最後まで一貫して貫き通したことで、物語のテーマが捉えやすく見やすかった。
人付き合いが苦手で友達が少ない私にとって、菜都美が感じていることはとても共感できることで、改めて子供時代を一緒に過ごしてくれた友人に会いたくなりました。
子供の頃に友達と過ごした時間って大人になってふとした瞬間に思い出したりしますよね。当時は何気ない時間だったのに、大人になるとその時の暖かくて優しい気持ちが懐かしくなるものです。しかし、そう思ってはいてもなかなか行動に移せないのが現実で、思うままに会いに向かった菜都美の行動力に驚きました。
大人になって色々なことがあっても、子供の頃に過ごした記憶や思い出は消えることがないのだと感じました。(女性 30代)
映画『女の子ものがたり』 まとめ
友人をテーマにした物は意外と少ない。
ましてや女同士の友人関係はなおさらである。
この映画のように、人は何気ない友人の言葉で人生を幸せなものにしたいと望み、夢に向かって動くことも出来る。
思っているよりも友人の存在は大きいのだ。
しかし菜都美はそれに気がついたのが遅かったのかもしれない。
自分がスランプに陥るまで振り返らなかったのであるから。
見終わったあと爽やかさと酸っぱさを感じさせながらも、前向きになれる映画である。
みんなの感想・レビュー
愛称が一緒なだけで、名前は違ってましたね。
勘違いしておりました。申し訳ありません。
>娘の名前は何と自分と一緒だった
名前は一緒じゃないですよ。
お名前は?と聞かれて、「なつこ」と答えてます。
愛称が「なっちゃん」で、同じなのです。