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映画『オオカミは嘘をつく』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『オオカミは嘘をつく』の概要:少女暴行殺害事件を巡り、被害者の父親が刑事と容疑者を捕縛し、復讐を遂げようとする。R18に指定された拷問シーンに加え、頑なに容疑を否認する容疑者に対し、疑心暗鬼となるサスペンス映画。

映画『オオカミは嘘をつく』の作品情報

オオカミは嘘をつく

製作年:2013年
上映時間:110分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:アハロン・ケシャレス、ナヴォット・パプシャド
キャスト:リオル・アシュケナージ、ツァヒ・グラッド、ロテム・ケイナン、ドヴ・グリックマン etc

映画『オオカミは嘘をつく』の登場人物(キャスト)

ミッキ(リオル・アシュケナージ)
刑事。悪人面ですぐに暴力へ訴えるところがある。妻とは離婚しており、10歳の娘がいる。ドロールが犯人であることを確信しているが、自白を促せずに四苦八苦する。
ギディ(ツァヒ・グラッド)
事件の被害者となった少女の父親。犯人に復讐するため、独自に事件の捜査を行いミッキとドロールを捕縛。ミッキを仲間に入れて、犯人と思われるドロールを自白させようと拷問する。
ドロール(ロテム・ケイナン)
小学校教師。人が好く善人。別れた妻との間に10歳の娘がいる。拷問されても尚、頑なに容疑を否認するも、実は少女暴行事件の犯人。
ヨラム(ドヴ・グリックマン)
ギディの父親。息子が不審な行動をしていることを察して探りを入れ、ギディの所業を知ってしまう。説得しようとするも、息子の言い分を聞き計画への加担を申し出る。

映画『オオカミは嘘をつく』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『オオカミは嘘をつく』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『オオカミは嘘をつく』のあらすじ【起】

イスラエルの森の中。廃墟にて少女2人と少年1人がかくれんぼをして遊んでいた。少年がオニになった時、1人の少女は廃墟内にあるドレッサーへ隠れ、もう1人は土管の中に隠れた。土管の中の少女はすぐに見つかったが、ドレッサーの少女は片方の靴のみを残し、忽然と姿を消してしまい、いくら探しても見つからなかった。

この少女行方不明事件の捜査担当に任命されたミッキは、捜査を進めるうちに少女が通っていた小学校の教師ドロールが犯人ではないかと目星をつける。彼は密かにドロールを捕縛し、数人の刑事仲間と共に暴行して教師に自白を迫るも、どんなに痛めつけられてもドロールは決して自白しなかった。

結局、ミッキは仕方なくドロールを解放。その後も教師の動向を探ることにしたが、知れば知るほどドロールは人が好く善人な面しか見えてこない。
そんなある日、ミッキは警察署長から呼び出しを食らう。署長の元へ向かうと、密かにドロールを捕縛し暴行にて自白を迫る動画がネット上に掲載されていることを知る。

警察の捜査が荒っぽく、評判が良くないことを騒がれていたこともあり、ミッキの所業は更に追い打ちをかける結果となってしまったため、彼は捜査から外され交通課へ異動。その上、停職処分に課せられてしまうのだった。

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映画『オオカミは嘘をつく』のあらすじ【承】

処分に不満を抱えたミッキが警察署から出た直後だった。少女の行方を知る者からタレコミの電話があり、警察は知らせがあった場所へ急行。ミッキも駆けつけ、森の中に変わり果てた少女の遺体を発見する。
少女はレイプされた後、椅子に両手両足を拘束され拷問を受けた上に首を切断されていた。周辺の捜索を隈なく行ったが、切断された頭部だけが見つからなかった。

ミッキは犯人が変態的な少女趣味を持っていること知り、いよいよ黙って停職処分を受けている場合ではないと思い至る。なぜなら、被害者である少女と自分の娘が同じ年頃だったからだ。とても他人事とは思えなかったのである。

犬の散歩で公園に来たドロールを捕まえたミッキは、犯行に対して容疑者と押し問答をする。だがそこへ、見知らぬ男が現れて刑事と教師は意識を奪われてしまうのであった。

森の奥の一軒家。その家の周囲にはアラブ人が多く住まい、イスラエル人があまり来ない危険な場所でもあった。男は刑事を別室に、教師を地下室に拘束して監禁し、意識が戻ったミッキへと身分を明かした。

男の名前はギディ。少女暴行殺害事件の被害者である少女の父親だった。彼は殺された愛娘の復讐を誓い、密かに彼らを観察し自力で事件の捜査と、復讐の準備を着々と進めていたのである。そして、とうとうそれらを実行するに至ったのだった。
ギディはミッキに協力を申し出て、刑事を仲間に引き入れることに成功する。

映画『オオカミは嘘をつく』のあらすじ【転】

地下に監禁されたドロール。ギディが独自に調べ上げた犯行を事細かに説明するも、彼は飽くまでも容疑を否認。ミッキとギディは一向に口を割らないドロールに対し、拷問を開始する。犯人が被害者へと行った非道な犯行を、ドロールへと実行した。

右手の指を折るも、ドロールは頑なに犯行を否定する。その途中、ギディに母親から電話がかかってきたため、一旦彼は地下室から退室。
母親との電話を終え地下室へ戻って来たギディは、ドロールの左手を金槌で何度も強打。生ぬるいやり方などしていては、時間の無駄だと言う。あまりの非道さにミッキが止めると、銃を突き付けられ意識を奪われてしまう。

その後、ギディは地下室から去り睡眠薬入りのケーキを作成。ドロールは娘を持つ父親の話で彼の行為を止めようとするが、ギディは簡単に靡かず教師の右足の生爪を剥がすのだった。
拘束されたミッキがドロールの悲鳴で覚醒。ギディは更に生爪を剥がし続けた。

休憩後、ケーキを完成させたギディの元へ父親ヨラムが訪ねて来る。娘を失った後、不審な行動をする息子を心配してのことだった。
その頃、地下では拘束された刑事と教師が逃れようと身を捩っていた。事前に地下室からの音漏れを確認して購入した家だったが、よほど地下で暴れているのか、微かに物音がする。ギディはヨラムを待たせて地下へと向かい、動けないよう拘束を更に強めた。

映画『オオカミは嘘をつく』の結末・ラスト(ネタバレ)

しかし、息子の後を追って地下へとヨラムが来てしまう。ギディは父親に事情を説明。ヨラムは必死に息子を止めようとするも、息子の強い決意を聞き自分もそれへ加えて欲しいと言い出すのだった。
同じ頃、地下ではミッキがドロールと共謀し、脱出することを相談中。

父親と息子は共謀しバーナーでドロールを炙る。そして、焼けた肉の匂いを嗅いで笑うのだ。狂気に駆られた父子に対し、ドロールはとうとう少女の頭部を埋めた場所を白状する。そこへはすぐにギディが向かった。暇を持て余したヨラムは、冷蔵庫にあったケーキに目をつけ、それを一口食べてしまう。ギディが作ったケーキには、大量の睡眠薬が投入されていることをヨラムは知らなかった。そのせいで、父親が意識を失う。

様子を窺っていたミッキはヨラムが倒れたのを見計らって、手錠の鍵を外し拘束から逃れた。そして、ドロールの左手の拘束のみを外し、助けを呼びに脱出。
その頃、ギディはドロールが明かした場所で頭部を探すも見つからず、でたらめを教えられたことに気付き踵を返した。

脱走したミッキは外灯がある場所で1人のアラブ人と遭遇。彼からスマホを借りて署長へ電話。そこでミッキは娘が帰宅せず、行方不明になっていることを知るのだった。動揺を隠せないミッキ。まさかと思いつつ、来た道を戻る。

ギディが車を飛ばして自宅へ帰宅した頃、ミッキも家へ。ギディはドロールの拘束をし直し、のこぎりを手にする。そして、彼は容赦なくドロールの首を斬りつけた。そこへ駆けつけたミッキ。娘の居場所をドロールから聞き出そうとするも、彼はもうすでに虫の息で何を語るでもなく、こと切れてしまう。結局のところ、ドロールが本当に犯人であるかも、彼らにはもう知るすべはない。

ドロールの家宅捜索をしていた刑事。何の証拠も見つけ出せずに撤退する。だが、その部屋の隠し扉の向こうでは、少女が1人ベッドへと横たわっているのだった。

映画『オオカミは嘘をつく』の感想・評価・レビュー

イスラエル発の拷問ムービー。かなり過激で終始重い雰囲気が漂う今作は、拷問シーンや被害者女性の残忍な殺され方からR18に設定されています。予想を超えてくる惨さに驚きましたが、とても見応えのある作品でした。
誰が悪いのか分からなくなるほど犯人も、警察も、被害者家族も全員が狂っています。もちろん悪いのは犯人ですが、犯人を拷問する被害者家族も、精神は崩壊状態で復讐を楽しんでいる様子がなんとも不気味でした。(女性 30代)


イスラエル産の犯罪サスペンスだが、拷問シーンはかなり壮絶。それでも刑事、被害者家族にはそこへ至る背景があり、犯人と思われる男を痛めつける。序盤から教師が犯人だという空気が強いが、限りなく黒に近いグレーと言った限界ぎりぎりを描いている。しかも、その線はぎりぎりで越えないのに刑事と被害者家族は一定ラインを簡単に越えていくという演出。更にラストシーンでの落ち。クエンティン・タランティーノが絶賛するのも頷ける素晴らしい作品だと思う。非常に鮮烈で強い印象が残った。拷問や痛々しいのが無理な人にはお勧めできないが、ある種そういった映像やシーンには怖いもの見たさというか、秘められた魅力がありなぜかもう一度観たいとも思わせる。(女性 40代)


軽い気持ちで見始めた作品であったが、予想をはるかに上回る重たい作品であった。
娘を殺害された父親が、犯人に同じ方法で復讐を果たすという物語だが、拷問シーンは目を覆いたくなる程残酷で痛々しく、観ていられなかった。しかし娘を強姦、拷問され悲惨な殺され方をした父親の気持ちは計り知れないものであろう。
そしてラスト、新たに自分の娘が巻き込まれていることに気付くも、よく作られた隠し部屋に気付くことなく映画は終わってしまう。どこまでも報われなく、暗い気持ちになる映画であった。(女性 20代)

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