大人気アニメ『大雪海のカイナ』がスクリーンに。アニメに引き続き、ポリゴン・ピクチュアズが作品を彩る。滅びが近づく終末世界での少年少女の大冒険を描く。一体彼らの冒険の先に、何が待っているのだろうか。
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の作品情報
- タイトル
- 大雪海のカイナ ほしのけんじゃ
- 原題
- なし
- 製作年
- 2023年
- 日本公開日
- 2023年10月13日(金)
- 上映時間
- 100分
- ジャンル
- アニメ
ファンタジー - 監督
- 安藤裕章
- 脚本
- 村井さだゆき
山田哲弥 - 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 細谷佳正
高橋李依
村瀬歩
小西克幸
坂本真綾
杉田智和
堀内賢雄
大原さやか - 製作国
- 日本
- 配給
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の作品概要
ポリゴン・ピクチュアズ、後述するが、現在話題作を次々と発表している注目のアニメーションスタジオである。そんなポリゴン・ピクチュアズの設立40周年を記念して製作されたのがオリジナルアニメ『大雪海のカイナ』。その雄大な世界観と厳しくも美しいストーリーに夢中になるファンが続出。この度劇場版が制作される運びとなった。原作者には弐瓶勉を起用。この両者がタッグを組むのは、『シドニアの騎士』以来2回目。実はシドニアの騎士は、ポリゴン・ピクチュアズの30周年を記念して制作された作品であったのだ。同作品については後ほど触れるが、同作品の大成功があったからこそ、本作の実現が叶ったのだろう。新たな伝説が、ここから始まる。
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の予告動画
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の登場人物(キャスト)
- カイナ(細谷佳正)
- 今では失われつつある文字を読める少年。天膜で暮らしていた。
- リリハ(高橋李依)
- 雪海の王女。国を救うべく単身旅に出る勇気ある少女。
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』のあらすじ(ネタバレなし)
どこまでも広がる雪の海、通称『雪海』。今や文明は衰退し、世界は雪海に沈んでいた。危機に瀕している世界で、仲間と共に穏やかに暮らしていた青年、カイナ。カイナはある日、雪海の王女であるリリハと運命的な出会いを果たす。そして、彼らは水源とされる『大軌道樹』へと旅立った。しかし、厳しい冒険の末彼らを待っていたのは、独裁都市プラナトであった。プラナトを統べるのは、独裁者ビョウザン。彼らは古代兵器を用い、大軌道樹の破壊を試みていた。なぜ世界は衰退してしまったのか。今や失われてしまった文字を読み解き、カイナとリリハは世の中の真実に迫っていく。果たして、彼らを待ち受けている終わりとは。
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の感想・評価
圧倒的没入感
本シリーズの見どころは、何と言ってもその唯一無二の世界観だろう。アニメ版では、そのどこまでも続く広大な、且つ美しくも恐ろしい世界を丁寧なCGで見事に再現してみせた。アニメシリーズは、カイナが雲海の切れ目から、登ってくるリリハを見つけたところから動き出す。その際の暗い夜空に瞬く星、辺りを蠢く蟲達の異様感、海を覆う雄大な雲、そして、それを切り裂くように姿を現した一つの気球。そんな美しい情景を描いた圧倒的なCGに、息を呑んだファンも多いのではないだろうか。映画館ではよりその没入感を堪能できることだろう。真っ暗でスクリーンしか見えない館内で、家では中々再現できない良質な音響設備がより作品を盛り上げる。日々を忘れ、非現実を味わおう。
美しくも残酷な世界
前述した通り、本シリーズにおける大きな魅力の一つが圧倒的グラフィックから描き出される美しい世界観。現実とは大きく異なる不思議な現象が、視聴者の好奇心を刺激する。しかし、本シリーズはただ美しいだけでなく、容赦のない厳しい現実が主人公達に襲いかかる。雪海という美しい世界で暮らす主人公達。しかし、その世界は水不足という危機に陥っていた。その危機に、他国を攻め落とし自分達は生き延びようとする人々の必死さ、健気さ、醜さなど様々な思惑が交差する。その美しさと残酷さのギャップが、物語の異質感をより高めるのだ。そもそも人間は完璧ではない。本シリーズは、人間の本誌を真正面から捉えたヒューマンドラマ作品とも言えるかもしれない。
ポリゴン・ピクチュアズ
日本が世界に誇るアニメーション。そんな唯一無二のアニメーションを制作するため、様々な制作会社が日々尽力している。ポリゴン・ピクチュアズもその一つ。この会社の最大の魅力といえば、美しい3DCG。あの近未来的世界観で多くの視聴者を虜にし続けている、押井守監督作品『イノセンス』にもCG担当として参加しているのだ。ディズニーXDで放送されていたフルCGテレビシリーズ『トロン:ライジング』では本格的に制作を手がけ、アニー賞において4部門でノミネート、受賞を果たすなど、着実に功績を積んできた。そして、これまでは映画作品やドラマ作品が主な主戦場であったポリゴン・ピクチュアズは、とうとう活躍の場をアニメ界にまで広げるのだ。あらゆるジャンルで輝かしい功績を残してきたポリゴン・ピクチュアズの実力に注目。
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の公開前に見ておきたい映画
劇場版 メイドインアビス 深き魂の黎明
どこまでも広がる未知の世界。その果てに何があるかは誰にも分からず、それ故に人々はその深奥に夢を抱かずにはいられない。最新作でも本作でも、主人公達はそれぞれの理由を持って終わりのない探索に歩を進めていく。本作は、可愛らしい作画と美しい世界観に反して、非常にシビアな設定で人気を博した。そのシビアさに対して、本作を『前向きな自死』と形容した人もいるほど。特に、本作で描かれているのは作中でもトップレベルの衝撃を視聴者に与えた深層5階での冒険。ナナチという新しい仲間を迎えたリコとレグは、プルシュカという少女と出会う。そして、ナナチにとっての因縁の敵、ボルドルドが立ちはだかる。涙なしでは見られない衝撃の一作。
アバター(2009)
今更語るまでもない、映画史に名を残す大ヒット映画。興行収入ランキングの堂々1位に君臨し、先日パート2が公開されたことでも大きな話題となった。本作で注目したいのは、圧倒的な世界観と没入感。今ではすっかり普及した3D映画だが、本作はその走りとも呼ぶべき作品だった。まだ目新しい3D作品、繊細で美しいCGは、次々と観客を虜にしていった。だからこそ、あれほどまでの大ヒットとなったのであろう。最新作も本作同様に美しいグラフィック、壮大なスケールの世界観、そして、圧倒的な没入感を売りにしている作品。洋画とアニメーション映画という違いはあるものの、最新作も本作のような大成功を狙いたい。
詳細 アバター(2009)
シドニアの騎士 あいつむぐほし
ポリゴン・ピクチュアズにとって大きな転機となったのが、この『シドニアの騎士』シリーズ。先述したように、元々は映画作品のCCなどで多く活動してきた同会社。そんな彼らが本格的にアニメ界に進出を果たしたのが本作。そして、冒頭でも触れたが弐瓶勉×ポリゴン・ピクチュアズのタッグが初めて現実のものとなったのが本シリーズ。タイトルにもなっている『シドニア』とは宇宙船の名前。そのシドニアに乗り込み、人類は厳しい世界で戦いを続けてきた。未知の生命体『ガウナ』から人々を守り続けてきた谷風ら。しかし、ガウナを殲滅しない限り、その平穏は続かない。人々の安寧のため、艦長である小林は最後の決断を下すのだった。
詳細 シドニアの騎士 あいつむぐほし
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』の評判・口コミ・レビュー
「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」鑑賞!
アニメ版から劇場版へのスムーズな導入、ポリゴンピクチュアズのキャラの表情は特に眼の動きにリアリティあってスーパーリアルCGではないのに自然、何と言っても本作は簡略的なのに何故か読めるフォントが特徴的でエンドロールまで楽しめますッ??(ピヨッ pic.twitter.com/wo9Y2ScE2h
— コークリミックス/Coke-Remix??(ピヨッ (@8484ha_ato) October 14, 2023
「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」観た!
テレビ放映したものを映画で完結させるのはどうかと思うが、令和の時代に未来少年コナンにナウシカとラピュタを混ぜた物語を抜け抜けとやってしまう目論見は大成功だったなと。
細かい設定は無視してもシンプルに少年少女の冒険譚として楽しめる快作です! pic.twitter.com/7QnkpxNRcH— サイバー斎藤 (@cybersaitoh) October 14, 2023
『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』観ました。
王道のSFファンタジーを楽しめました。
雪海を泳ぐ不思議な生物がいるかと思えば、建設者というロボットのような超技術も存在する。そんな不思議な世界で生きて争う人間たちと、その中でひたむきに進むカイナたちを見守りたくなりました#大雪海のカイナ pic.twitter.com/1T0Hy0Zt56— そろそろ (@road20lead) October 15, 2023
『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』バルギアと打ち破ったカイナとリリハは、水不足を解消し人々を救うため大軌道樹を目指す…。シリーズ完結編映画。シャキサクも出るなど弐瓶勉ファン大歓喜の劇場版。続編の余地なくしっかり完結する最終作であり、世界の謎を暴く壮大な物語で大好物でした。 #映画 pic.twitter.com/Zojl5CzxgR
— いと (@Shoootgun) October 15, 2023
『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』観た。TVシリーズ未見、公式がYoutubeに上げてるまとめ動画で予習しての鑑賞。良く言えば今どき珍しいくらい直球なSF冒険活劇。ポリゴン・ピクチュアズらしいビジュアルが楽しい。悪く言えば捻りがなくて薄味。TVシリーズを履修してれば印象が違っていたかもと反省。 pic.twitter.com/oSO00CFYVf
— 蛮 治朗 (@ao14clover) October 14, 2023
映画『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』のまとめ
先日、大手映画館で鑑賞料金の値上げが発表された。様々な物価が高騰する中、映画は今や贅沢な娯楽品となってしまった。一方で、サブスクリプションの発展により、映画は人々にとってより身近なものにもなっている。では、そんな状況の中、わざわざ映画館に足を運ぶ意味はどこにあるのだろうか。映画館の魅力といえば、大きなスクリーンと整った音響設備。座り心地のいい座席に、片手間に食べるポップコーン。映画館にある全てのものは、視聴者がより映画に没入できるようにするためだけに存在している。結果、自宅で見るより臨場感が増すのである。TVアニメの頃から圧倒的な没入感を売りとしている本作は、映画館で見るのにこれ以上ない作品。たまの贅沢。映画館で非日常を味わおう。
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