映画『オペレーション・メコン』の概要:ゴールデン・トライアングルと呼ばれる麻薬密造地帯に隣接するメコン川。2011年に実際に起きたメコン川での中国船が襲撃事件から起草し展開するアクション作品。監督は香港映画界でヒット作を生み続けるダンテ・ラム。
映画『オペレーション・メコン』の作品情報
上映時間:140分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:ダンテ・ラム
キャスト:チャン・ハンユー、エディ・ポン、チェン・パオクオ、スン・チュン etc
映画『オペレーション・メコン』の登場人物(キャスト)
- カオ(チャン・ハンユー)
- 国家間の関係を揺るがす大きな事件が発生し、中国政府から捜査依頼を受けた公安部の責任者。背後に潜む巨大な麻薬組織との戦いを覚悟し、ファンと組む。家族思いの男性。
- ファン(エディ・ポン)
- カオの依頼を受けノー・カー率いる麻薬組織の撲滅に向けて共に動き出した男性。母国の中国を離れ、ゴールデン・トライアングルの秘密捜査員として麻薬の取り締まりに身を挺している。
映画『オペレーション・メコン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『オペレーション・メコン』のあらすじ【起】
「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれるタイ・ミャンマー・ラオスでは麻薬の製造が盛んであり、それらは「南方の地獄門」と異名を持つメコン川を使い流通されている。ある日このメコン川で中国人が乗った2隻の船がタイ軍と銃撃戦になったと情報が届く。麻薬取引の差し押さえのため争いになったと報告したタイ軍だったが、川から上がった13体の死体は明らかに拷問を受けていた。さらに船内と山中の一か所に弾痕は集中していることから、船上での銃撃戦だという報告は虚偽であると中国政府は予測するのだった。
かねてよりメコン川流域の治安を案じていた。薬物王のノー・カーが牛耳る集団を制圧すべく近隣国と手を組もうと段取りをしている矢先に今回の事件は起きてしまった。13人の犠牲者の潔白を証明するためにも、急遽4か国合同捜査本部を設置し共同作戦は始まるのだった。
各国がノー・カーの存在を危惧していた。中国政府は自国で裁くために組織に詳しいファンという麻薬取締官に力を借りることにする。ゴールデン・トライアングルの中心は3カ国の管轄であるが誰も統治できずノー・カーによって支配されていた。イエントゥンパという男をノー・カーの監禁から救出し情報を仕入れるべく捜査隊は動き出すのだった。
映画『オペレーション・メコン』のあらすじ【承】
ノー・カーに従順なオンサは、イエントゥンパから情報が洩れるのを防ぐためならば手段を選ばなかった。唯一の糸口を手放したくない指揮官・カオはイエントゥンパを本部に連れ帰ろうとファンの指示に背いてしまう。イエントゥンパはオンサに殺されてしまい、落胆するカオだが広いネットワークを持つファンは、次の糸口となるピエールという男の情報を与えるのだった。
ゴールデン・トライアングル内の刑務所でも一目置かれるザーという男は、バイヤーのピエールを使い商売を続けていた。チエンという架空の中国人富裕層をカオが演じ、ピエールに紹介することでザーとの繋がりを作るという作戦に移る。しかし、用心深いザーは中国人ブローカーのジッポンという男を使い、チエンの正体に探りを掛けた。実はジッポンはファンの恋人を薬物漬けにした憎き存在である。不用意な形でジッポンと再会したファンは、亡くなった恋人の敵を取るためにも作戦の成功を誓うのだった。
映画『オペレーション・メコン』のあらすじ【転】
ザーの情報を元に、ノー・カーとの取引が始まった。人が多く集まるショッピングモールを取引場所に指定してきたノー・カーたち。大金の受け渡しを順調に進め、取引担当であるサンキの姿を確認した捜査班はノー・カーたちの取引相手・ピソンやノー・カーの息子・ナートゥの存在を掴む。しかし取引金に仕込んだ発信機や、カオの正体が知られてしまいショッピングモールでの激しい銃撃戦へとなだれ込んでしまった。
捜査班の肝となるメンバーが銃撃戦により命を落とした。一方でファンはジッポンと一騎打ちになり、過去の記憶に囚われそうになるが捜査であることを思い返し生きて捕らえるよう奮闘するのだった。
この失態でノー・カーはゴールデン・トライアングルから追放される。しかし納得がいかないノー・カーは子供たちを兵士として使い中国政府に楯突こうと計画を立て始める。一方でカオとファンはナートゥとジッポンの行方を追うのであった。
子供たちを使った非常なノー・カーのやり口は中国政府のみならず、ゴールデン・トライアングルの管轄国の怒りに触れた。合同捜査本部は初めてゴールデン・トライアングルへの突入を試みるのだった。
映画『オペレーション・メコン』の結末・ラスト(ネタバレ)
人数も武力もわからないゴールデン・トライアングルへの潜入作戦は捜査員に多大なプレッシャーを与えた。一方で追い込まれ息子・ナートゥの行方も掴めないままのノー・カーは我慢の限界を迎えている。ピソンと共にゴールデン・トライアングルの金塊を狙うサンキの裏切りを知らないノー・カーは、村びとを巻き込んだ激しい銃撃戦へと発展させてしまうのだった。
多くの死傷者が出てしまい、一度捜査隊はヘリコプターで非難することになる。その頃一人でノー・カーの洞窟への潜入を試みていたカオ。壮大な自然の中では電波は通じず、仲間に居場所を知らせられずにいた。サンキたちに狙われ鬼気迫るカオだが、ファンの援護により何とかノー・カーを捕らえ脱出を試みる。
ピソンたちの激しい攻撃からカオを守りファンは命を落とした。13人の命が犠牲になったことから始まったこの事件は、ノー・カーを筆頭に組織の者たちに厳しい刑を与え、幕を下ろす。しかし、カオはファンが突入作戦の直前に「悪の根源は次にも控えている」と話していたことを思い返すのだった。
映画『オペレーション・メコン』の感想・評価・レビュー
男同士の絆を多く描いているラム監督作品にしては、人の繋がりが薄いように思えた。犯罪アクションとしての見どころは多く、タイ、ミャンマー、ラオスを跨ぐゴールデン・トライアングルの壮大さがターゲットの根深さを語っているようだった。特殊部隊のチームワークや麻薬組織のキャラクターがもう少しわかりやすいと人間関係にもぐっと深みが出たように思うが、銃撃戦など迫力のあるシーンが好きな方には良い作品であろう。(MIHOシネマ編集部)
実際に起きた事件に基づいて作られた今作。香港映画らしい雰囲気と、ハリウッド映画さながらのアクションシーンは非常に見応えがありました。無法地帯に潜入していく特殊部隊の姿がとてもリアルで「警察24時」を見ている時のようなハラハラドキドキを感じます。
作中で使用されている武器の数々は細部にまで拘られていて、シューティングゲームなどが好きな人にはたまらないと思います。また、サイト中の視点もサバゲーのような臨場感があるのでストーリー以外にも楽しめる点が沢山ありました。(女性 30代)
ダンテ・ラムの作品らしく、アクションのキレが鋭いです。肉弾戦、銃撃戦、カーチェイス、どれも迫力が物凄いです。ショッピングモールとジャングルでの戦闘は、見て損はありません。しかも、実話ベースのようで肝を潰しました。子供を酒で洗脳して戦わせたり、手足の無い村民達が奴隷のように働かされていたりと、痛々しいシーンが散見されます。空撮映像が多く俯瞰で楽しめ、テンポが丁度いいです。爆破のCGのみ、若干粗雑かもしれません。警察犬の活躍を称えたいです。(女性 30代)
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