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映画『弟切草』あらすじとネタバレ感想

この記事では、映画『弟切草』のあらすじをネタバレありで解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『弟切草』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『弟切草』の結末までのストーリー
  • 『弟切草』を見た感想・レビュー
  • 『弟切草』を見た人におすすめの映画5選

映画『弟切草』 作品情報

弟切草

  • 製作年:2000年
  • 上映時間:85分
  • ジャンル:ホラー、ミステリー
  • 監督:下山天
  • キャスト:奥菜恵、斉藤陽一郎、大倉孝二、松尾れい子 etc

映画『弟切草』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★☆☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『弟切草』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『弟切草』のあらすじを紹介します。

美大に通う奈美は、両親が実は養父母であり、実の父は有名な画家である階沢蒼一だったと知る。
だが階沢蒼一は亡くなっており、奈美は大きな屋敷を相続する事になる。
小さなゲーム会社を立ち上げた元彼の公平と共に相続した屋敷を訪れると、弟切草という花が庭一面に生えていた。
”復讐”という花言葉だと知り、不吉な予感に襲われる奈美。

2人で屋敷の中を見て回るうちに、奈美の昔の写真が見つかり、彼女には直美という双子の片割れがいた事が発覚する。
しかし子供のミイラを見つけ、急いで帰ろうとする2人だったが、土砂崩れの影響で屋敷で一晩過ごすことになってしまう。
屋敷の中で突然何者かに襲われる奈美だが、それがきっかけで自分の出生の秘密を探ることを決意する。

一方、会社に残っていた真一と透子は、公平のビデオカメラの映像を受け取っており、屋敷の地図を作っていたが、隠し部屋を見つけ公平に連絡する。
そこには屋敷中にセットされた監視カメラのモニターがあり、真一と透子も一緒に奈美を襲った犯人を探し出す。
だが、犯人と思っていた管理人の遺体と共に、6体の子供のミイラも発見される。
真一と透子の調べで、子供のミイラが生前に辿った真実が明らかになっていく。

しかし、直美とおぼしき人物にボウガンで襲われる公平。
その人物に奈美も出会い、最後の隠し部屋に導かれる。

そこで明らかになる双子の姉弟の真実と直美の目的は、目を背けたくなるほどおぞましいものだった。

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映画『弟切草』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『弟切草』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

デジタルビデオ撮影と加工の残念さ

サウンドノベルゲームがヒットし、小説やコミックスにも展開していった弟切草シリーズの映画化作品。
独特のムードを出すために、全編デジタルビデオ撮影された後、デジタル加工がほどこされているのだが、暗くて見えにくいシーンが多く、伝えたいことが伝わらない場面が多い。
特に、管理人が奈美を襲った犯人だと断定できるのは公平の証言だけになっており、その後の遺体をさりげなく映したシーンも見えにくいため、ミスリードの意味が全く無い。
しかし、直美が鎖につながれてモデルになっているシーンや、ミイラのシーンが程よく見えにくいので、どこか安心して見る事ができる部分もある。
一部を除けば、幻想的な雰囲気を出すのに役立っている撮影方法だ。

弟切草の花言葉は”復讐”だと意味深に語っているものの、花言葉には全く意味が無く、奈美が残された絵を見て弟切草があると理解する手伝いしかなされていない。

ゲームと使った少人数のスリム型の映画

公平に怪我をさせ、奈美を襲った双子の妹直美は、実は双子の弟だったというオチは、双子を使うミステリーの掟破りの中でも男女の違いというだけで、どこか不安定さを感じさせる不気味な設定。
弟の命と父の執念に突き動かされた奈美が、”両眼を炎に染める女”を完成させるシーンは、鬼気迫るものがある。

登場人物が極端に少なく、ゲーム会社でサポートする真一と透子、実際に動く公平と主人公奈美、そして双子の直美。
男女の双子を一人二役で演じた奥菜恵を考えれば、4人のキャストでもここまで作れるのかと感心する。

足りない部分はゲームの場面で補ったり、2人とも救われないエンディングと思わせておいて、もうひとつ奈美が作成した別エンディングが見せられる。
それまでが現実をベースにしたゲームの世界であった、という設定やストーリーは面白い。
作った覚えのないものがあるという終わり方は斬新だ。

だが、行方不明になった後に屋敷でミイラになっていた少年たちはなぜそうなったのか、直美の行方不明記事の意味はなんだったのか、あやふやなまま終わってしまうので、消化不良で終わるストーリー。


映画を見ながら、脱出ゲームのようなハラハラドキドキを味わえる今作。暗いシーンが続くのでとても見づらいですが、どこから何が出てくるのか分からない恐怖を感じ画面に写る全てを疑いながら見てしまうでしょう。
屋敷のビジュアルがかなり不気味なので、お化け屋敷に入るようなゾクゾクする気持ちになります。しかし、驚かせるホラーと言うよりもじわじわと来る怖さの方が強いので、個人的には見ている時よりも見終わってからのほうが背筋が寒くなった気がします。
謎が残るまま終わってしまいましたが、独特の不気味さを感じられてとても面白かったです。(女性 30代)


ホラー映画としての期待値が高かったが、蓋を開けてみると幻想的な要素と家族の因縁が交錯する独特の物語だった。洋館の不気味な雰囲気や、次々と明かされる過去の真相に引き込まれる。特に、最後の「弟切草」に込められた意味が明かされる場面は印象的。血のように咲く花が象徴する「記憶と呪い」が心に残る。ホラーよりも悲劇性が強い作品。(30代 男性)


原作ゲームの持つ不気味な雰囲気を期待していたが、映画版は心理的な恐怖と人間ドラマを中心に描いていて少し驚いた。幽霊や怪奇現象よりも、登場人物たちの心の闇や過去の傷が怖い。結末で明かされる姉妹の秘密には胸が締めつけられる。恐怖の中に哀しさが漂う、切ないホラーだった。(20代 女性)


序盤の洋館のシーンはクラシックなホラーの雰囲気が漂い、BGMも効果的でゾクゾクした。だが、中盤以降の展開で単なる怪談ではなく、家族の業や記憶の連鎖という深いテーマに変わっていくのが面白い。特に、弟切草が咲くラストシーンは悲しくも美しい。恐怖よりも余韻が残る作品だった。(40代 女性)


原作の持つ「選択肢によって変わる恐怖」をどう映画化するのか興味があったが、一本のストーリーとしてまとめた点は評価できる。怨霊や血の描写よりも、人物の心理に焦点を当てたことで、より人間味のあるホラーになっていた。救いのない結末も含めて、しっかりしたホラーとして楽しめた。(30代 男性)


静かな恐怖がじわじわと広がるタイプの作品。派手な演出は少ないが、館の中で響く足音や、誰もいないのに聞こえる囁き声など、音の演出が効果的だった。物語が進むにつれ、過去と現在が交錯し、主人公の正体が明かされる場面では鳥肌が立った。怖いだけでなく、物語としての完成度も高い。(50代 男性)


ホラー初心者としてはちょうど良いバランスの作品だった。血やグロテスクな描写は控えめで、代わりに不安と謎が物語を引っ張る。特にラストの「弟切草」の意味がわかった瞬間、ただの幽霊話ではないことに気づかされる。悲劇の裏にある母親の愛情が切なく、思わず涙が出た。(20代 女性)


一見すると古典的なジャパニーズホラーだが、心理的なトラウマと幻想が混ざった不思議な世界観が魅力。夢と現実の境が曖昧になり、観ている側も混乱していく構成が上手い。怖いというより「美しく不安」。特に、最後に花が風に散る演出が象徴的で印象深い。アート的なホラーといえる。(30代 男性)


物語の鍵となる「記憶の継承」と「血のつながり」のテーマが重く響いた。怨霊が怖いというよりも、人間の罪や後悔が形を変えて現れるという構造が秀逸。ホラーでありながら、悲劇的な家族ドラマとしての完成度も高い。結末の切なさが心に残り、怖いのにどこか哀しい気持ちになる。(40代 女性)


正直、ゲーム版の狂気的なホラーを期待していたので、映画のトーンはかなりマイルドに感じた。ただ、映像の美しさや音の演出は秀逸で、幻想的な恐怖感は十分伝わってくる。弟切草という花の象徴性を丁寧に描いていて、単なるリメイクではなく独自解釈として楽しめた。再評価に値する作品。(30代 男性)

映画『弟切草』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『弟切草』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

仄暗い水の底から

この映画を一言で表すと?

母と娘の絆を描く、静かで切ない“水のホラー”。

どんな話?

離婚したばかりの母親と幼い娘が、古いマンションに引っ越してくる。しかし、上階の部屋から水漏れが続き、やがて水の中から現れる“何か”に気づき始める。恐怖と母性愛が交錯する感動的なホラー作品。

ここがおすすめ!

単なる幽霊映画ではなく、母親の無償の愛を描いたヒューマンドラマとしても秀逸。暗く静かな映像と雨音の演出が、孤独と恐怖を際立たせる。『弟切草』同様、恐怖の奥にある“哀しみ”が心を打つ。

リング

この映画を一言で表すと?

“観たら死ぬビデオ”が巻き起こす、社会的恐怖の原点。

どんな話?

呪いのビデオを観た者が7日後に死ぬという都市伝説を追うジャーナリスト・浅川。調査を進めるうちに、ビデオの背後に隠された少女・貞子の怨念にたどり着く。和製ホラーの金字塔とも言える一作。

ここがおすすめ!

日常の中に忍び寄る“目に見えない恐怖”を描き、心理的な不安を極限まで高める。無駄のない演出と冷たい映像美が『弟切草』と共通する空気を持つ。静かで美しく、確実に心を締めつける恐怖。

仮面の女(オリジナルビデオ作品)

この映画を一言で表すと?

記憶と狂気が絡み合う、幻惑的な和製サイコホラー。

どんな話?

記憶を失った女性が、過去の自分を探るうちに、“もう一人の自分”と対峙することになる。現実と幻想が交錯し、やがて恐ろしい真実が明らかになる。心理的な恐怖と映像美が融合した実験的ホラー。

ここがおすすめ!

幻覚的な映像と音響効果が観る者の感覚を揺さぶる。『弟切草』と同じく、精神の崩壊と記憶の迷宮を描くスタイルで、観るたびに新たな解釈が生まれる。美と狂気が紙一重の傑作。

姑獲鳥の夏

この映画を一言で表すと?

幻想と現実の狭間を描く、知的で異色のミステリーホラー。

どんな話?

戦後の日本を舞台に、密室で起こる奇怪な出産事件を追う探偵・京極堂。不可思議な現象の裏に隠された、人間の悲しみと狂気を暴いていく。独特の世界観がクセになるホラー×推理劇。

ここがおすすめ!

映像の美しさと哲学的なセリフ回しが印象的。人間の“信じたい幻想”を暴く物語は、『弟切草』の精神世界的ホラーと共鳴する。恐怖よりも思索に誘う異色作として、じっくり味わいたい一本。

感染

この映画を一言で表すと?

病院を舞台にした、精神を蝕むパニック・ホラー。

どんな話?

閉鎖された病院で起こる医療事故をきっかけに、職員たちが次々と奇怪な症状に襲われる。感染は人の体だけでなく、心にも広がっていく――。密室と心理的恐怖が融合した医療ホラー。

ここがおすすめ!

じわじわと広がる不安感と、精神が崩壊していく恐怖が見事に表現されている。暗く冷たい映像と静寂の演出は『弟切草』の世界観に近い。現実と幻覚の境界が曖昧になる感覚がたまらない。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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