この記事では、映画『男たちの大和 YAMATO』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『男たちの大和 YAMATO』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『男たちの大和 YAMATO』の作品情報
上映時間:145分
ジャンル:戦争
監督:佐藤純彌
キャスト:反町隆史、中村獅童、鈴木京香、松山ケンイチ etc
映画『男たちの大和 YAMATO』の登場人物(キャスト)
- 森脇庄八(反町隆史)
- 神尾の上司。厳しくも温かい人物で、命がけで神尾の命を救う。
- 内田守(中村獅童)
- 神尾の上司の一人。死んだと思われていたが実は生き延びていた。
- 神尾克己(松山ケンイチ)
- 戦艦大和の乗組員として派遣された。戦争に人生を大きく左右される。
- 西哲也(内野謙太)
- 神尾の友人で、戦艦大和の乗組員の一人。
- サヨ(余貴美子)
- 西哲也の母親。息子の無事を願っていた。
- 内田真貴子(鈴木京香)
- 突如神尾の前に現れた、内田の娘であるという女性。
映画『男たちの大和 YAMATO』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『男たちの大和 YAMATO』のあらすじ【起】
戦争は、多くの人の心に深い傷跡を残していた。今は漁師として働いている神尾もその一人である。神尾は戦時中、大和という巨大戦艦の乗組員として戦争に参加していた。そしてある日、そんな戦艦大和60周年記念という式典が開かれることとなる。そこに、神尾は招待を受けたのだ。しかし神尾はまだ自身の戦争の記憶と折り合いをつけられずにいたため、その申し出を断る。
そんな頃、とある女性が神尾を訪ねて来た。なんと彼女は、大和が沈没した場所まで船を出して欲しいというのだ。神尾はもちろんその依頼を断わる。しかし、彼女は戦時中の神尾の上司にあたり、また友でもあった内田守という人物の養女であるということが判明する。先日亡くなった内田の遺言で、自分の骨は大和の沈没地点に沈めて欲しいという彼の最期の願いを叶えるべく、彼女、真貴子はこうしてやってきていたのだった。
そして、その話を聞いた神尾は船を出すことにした。神尾は沈没地点に向かいながら、戦争中の日々を思い出すのだった。

映画『男たちの大和 YAMATO』のあらすじ【承】
全ては、昭和19年に始まった。神尾はその年、特別少年兵として戦場へ赴いた。そして神尾が配属されたのは、日本が誇る超大型戦艦、大和であった。しかし、戦場は厳しく、まだ少年だった神尾たちに対しても上官達は手厳しくあたる。そしてその中の上官に、内田がいたのだった。内田はただただ理不尽に厳しいのではなく、愛情を持って後輩に接するいい上司であった。
神尾らも日本のため、と厳しい環境の中、日々業務を全うしていたが、少しずつ日本は劣勢に立たされていく。そしてとうとう米軍は歴史的にも有名な沖縄上陸作戦を始めようとしていた。そして、それに対して大和は沖縄に特攻をしかけよという命令を受けるのだった。
基本、戦艦の特攻はその成功率を上げるために護衛機を伴い行うことが基本である。しかしその頃大和は、同じく著名な艦隊である武蔵らとともに、フィリピン付近のマリアナ沖海戦という戦いに参戦していた。そしてその戦いは、日本兵にとって非常に厳しい戦況となっていたのだった。
映画『男たちの大和 YAMATO』のあらすじ【転】
そしてなんと、あの武蔵も含め数多くの日本の戦艦が破壊されてしまったのだ。そんな中、特攻を仕掛ける大和を守ってくれる護衛艦がいなくなってしまう。しかし上層部は、そんな状態でも特攻を仕掛けよと大和に命令を出すのだった。
部下が上層部に逆らえるはずもなく、無謀だとわかりつつも大和は沖縄へと向かい舵を切る。しかし、大和の特攻は叶うことはなかった。大和は沖縄に到着するよりも前に、アメリカ軍からの攻撃を受け海上で沈没してしまったのだった。壊れゆく大和から、神尾と神尾の親友であった哲也という男は海へと脱出するが、哲也はそのまま海に沈んでしまう。そして神尾も力が尽きかけそうになったその時、神尾を彼の上官、森脇が救い出してくれたのだった。
こうして、同期や乗組員の殆どが命を失った中、神尾は奇跡的に一命を取り留めたのだった。しかし、神尾を救った張本人である森脇は、他の乗組員を助けるべく海へと引き返したきり、再び神尾の前に姿を現わすことはなかった。
映画『男たちの大和 YAMATO』の結末・ラスト(ネタバレ)
そして生き延びた神尾は、哲也の実家へと向かった。そこでは彼の母親、サヨが哲也の仕送りで手に入れた田んぼで田植えをしていた。そして神尾は、サヨに哲也が大和とともに海に沈んだことを話すのだった。サヨはその辛い現実を受け止めきれず、息子を差し置き生き延びた神尾を強く責める。
その後神尾はサヨの田植えを無言で手伝う。そして労働が終わった頃、神尾はサヨに土下座して、自分だけ生き延びてしまったことに対する謝罪をするのだった。サヨは先程の自分の感情的な発言を侘び、神尾に対し生き延びるように伝えるのだった。
しかし、日本と大切な人を守るために戦争に出た神尾は、この戦争で家族や恋人を失う結果となった。それから神尾は現在に至るまで漁師として生計を立ててきた。そして神尾は、真貴子から内田が生き延びていたことを知るのだった。内田は今までに15人もの孤児を引き取っていた。神尾はそんな内田の様子を聞き、もう一度あの戦争を思い出し静かに涙を流すのであった。
映画『男たちの大和 YAMATO』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
過酷な戦場から何とか助かっても辛い現実が待っている、神尾克己の気持ちを思い言葉にできないほど胸が苦しくなった。上層部の命令があまりにも非情で、現場のことを理解している人はほとんどいなかったのではないかと憤りを感じた。まだ若い青年達が儚く命を散らせて逝ったことが、あまりにも悲しい。残された人達も、心に深い傷を負ったことが伝わってきた。改めてこの作品を見て、戦争というのは悲劇しか生み出さないのだと思った。(女性 30代)
戦争映画が苦手な人にもオススメしたい、とても見やすい作品でした。
戦争映画と言うと、受け入れ難い現実を突き付けられているようで目を背けたくなってしまいますが、今作は反町隆史や松山ケンイチ、中村獅童に鈴木京香など馴染みのあるキャストが出演しているのであまり重くならずに見られた気がします。
「戦争」で亡くなった人、その家族、生き残った人、それぞれがどんな気持ちだったのか、どうやってそこから「生きて」いくのかを物凄く丁寧に描いていました。(女性 30代)
戦艦大和に乗り込んだ若者たちの姿が、非常にリアルに描かれていて胸が苦しくなりました。特に、特攻作戦に出撃する直前の若い乗組員たちの表情やセリフに、彼らの葛藤と覚悟が凝縮されていたように思います。最後、大和が撃沈されるシーンでは涙が止まりませんでした。壮大なスケールで描かれた戦争映画でありながら、一人一人の人生にきちんと寄り添っている作品です。(20代 男性)
戦争映画というと、戦闘の派手さばかりが印象に残りがちですが、『男たちの大和』はむしろ人間ドラマが中心でした。恋人や家族との別れ、仲間との絆など、登場人物の背景が丁寧に描かれていたおかげで、大和の最期がより一層心に響きました。中村獅童の熱演も見事で、特に仲間を失って泣き崩れるシーンは圧巻でした。戦争の虚しさと若者の純粋さが残る作品です。(30代 女性)
観終わった後、言葉を失いました。あの時代、国のために命を懸けた若者たちがいたことを、改めて知るきっかけになりました。映像美と音響の迫力も素晴らしかったですが、やはり心に残るのは人と人とのつながりです。戦闘シーンの合間に描かれる、仲間とのやりとりや家族への思いが、余計に悲しみを深めました。現代の若者にもぜひ観てほしい一作です。(40代 男性)
中学時代、祖父に「戦艦大和のことを知っておけ」と言われて以来、ずっと気になっていた作品。今回ようやく観ましたが、心に刺さる映画でした。青春真っ盛りの少年たちが、戦地へ向かい、最後は海に沈んでいく。その運命の重さに、涙が止まりませんでした。戦争の悲劇だけでなく、残された者の想いも丁寧に描かれていて、静かな感動がありました。(20代 女性)
大和の出撃に焦点を当てつつ、個々の乗組員たちの人間ドラマを重ねていく構成がとても良かったです。単なる歴史の教科書ではなく、“そこに生きていた”人々の感情が伝わってきました。戦争の悲惨さと、同時にそこにある友情や誇りのようなものが胸に迫りました。ラストで旧乗組員がかつての戦友を海に弔うシーンは、静かで重く、深く印象に残りました。(50代 男性)
10代や20代の若者が、自ら志願して大和に乗り込んだという事実だけで、胸が締め付けられます。『男たちの大和』では、そうした“消えていった命”に敬意を込めて描いていて、観ていてとてもつらかった。けれども同時に、人としての美しさもそこにあって、観る意味のある作品でした。あの時代の青春がどれほど過酷だったか、現代と対比して考えさせられました。(30代 男性)
戦争映画という枠を超えて、“若者の生き様”を描いた作品だと感じました。彼らが見せる涙、怒り、友情、そして絶望は、時代が違ってもどこか通じるものがある。戦艦大和が撃沈されるシーンのリアリティも凄まじかったですが、最も心を動かされたのは、家族や恋人とのやり取りでした。彼らの人生はあまりにも短く、でも精一杯生きていた。忘れられない映画になりました。(40代 女性)
初めて観た時はまだ高校生で、あまり理解できなかった部分もありましたが、大人になって再度観ると涙が止まりませんでした。命の重さ、戦争の残酷さ、そして青春の儚さがすべて詰まった作品です。劇中の「俺たちは何のために死ぬのか」というセリフがずっと心に残っています。戦争を知らない世代だからこそ、こういった作品から学ぶべきことがあると感じました。(30代 女性)
映画『男たちの大和 YAMATO』を見た人におすすめの映画5選
永遠の0
この映画を一言で表すと?
「命を懸けて守りたい“家族”のために空を飛んだ、ゼロ戦パイロットの真実」
どんな話?
特攻隊で命を落とした祖父の過去を孫が追う形で、若きゼロ戦パイロット・宮部久蔵の生涯が明かされていく感動の物語。臆病者と呼ばれながらも、家族を想い戦った一人の男の真実に迫る戦争ドラマ。
ここがおすすめ!
家族と命の意味を深く考えさせられる内容で、戦争をただの悲劇として描かない点が『男たちの大和』に通じます。特攻という極限の状況に置かれた若者たちの葛藤が胸を打つ、必見の感動作です。
硫黄島からの手紙
この映画を一言で表すと?
「敵ではなく“人間”として描かれた日本兵たちの、名もなき戦い」
どんな話?
硫黄島戦の裏側を、日本兵の視点から描いたクリント・イーストウッド監督による戦争映画。戦局の不利を悟りながらも、任務と誇りを胸に散っていった若者たちの心理と人間模様を描いています。
ここがおすすめ!
戦争を悲劇として描きながらも、日本兵の内面をしっかりと掘り下げた誠実な作品です。『男たちの大和』で描かれた若者たちの苦悩や命の尊さと、強く共鳴する内容になっています。
アルキメデスの大戦
この映画を一言で表すと?
「戦艦“大和”建造の裏で繰り広げられた、頭脳と国家の攻防戦」
どんな話?
戦艦大和建造の是非をめぐって、日本帝国海軍内で天才数学者と軍部が繰り広げる頭脳戦。物量主義と人命軽視を正面から批判する青年の奮闘を描いた、フィクションに基づく戦時ドラマ。
ここがおすすめ!
同じ“大和”を題材にしていながら視点がまったく異なり、若者の理想と国家の論理がぶつかり合う骨太なストーリー。『男たちの大和』の“戦った側”とは違う角度から、戦争の真実を見つめられます。
ハクソー・リッジ
この映画を一言で表すと?
「武器を持たずして戦地に立った、真の勇者の記録」
どんな話?
第2次大戦の沖縄戦で、一切の武器を持たずに75人の命を救った衛生兵デズモンド・ドスの実話を基にしたヒューマンドラマ。信念を貫いた男の勇気が、多くの命をつなぐ奇跡を生み出します。
ここがおすすめ!
『男たちの大和』のように極限状況で人間の尊厳を問う作品です。戦場のリアルな描写と、戦いの中で生き抜く勇気、信念の強さに感動すること間違いなし。世界観は違っても通じる心があります。
二十四の瞳
この映画を一言で表すと?
「時代の流れに引き裂かれた、教師と12人の子どもたちの温かい絆」
どんな話?
小豆島の分教場に赴任した若い女性教師と12人の生徒たちの交流と別れを、戦争とともに描いた昭和の名作。戦争によって平穏な日々が崩れていく中で、それでも人間の温もりは消えないと訴えます。
ここがおすすめ!
戦争を正面から描くのではなく、日常の中でじわじわと蝕まれていく平和を描いた名作。『男たちの大和』のように、戦争の“もう一つの現場”を丁寧に見つめたい方には、強くおすすめしたい1本です。
みんなの感想・レビュー
この映画は美化されすぎとよく言われますが、
広島の出身の者ですが、反町隆史と中村獅童が広島の平和公園に献花したのは覚えてます。
そして本題ですが年老いた神尾が実は生きていて、その娘(養女ですが)に会い大和沈没地点まで連れていってあげたのは感動しました。
無理でしょうけど自分も行ってみたいです。