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映画『アウトサイダーズ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アウトサイダーズ』の概要:犯罪を生業とするアイリッシュ・トラヴェラーの主人公は父親の考えに反発し、2人の子供達には自分のような生き方をさせたくないと考えていた。だがある夜、父親の命により強盗に入った邸宅が州総督のものであったことから、事件は全国的なものへと発展してしまう。

映画『アウトサイダーズ』の作品情報

アウトサイダーズ

製作年:2016年
上映時間:99分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:アダム・スミス
キャスト:マイケル・ファスベンダー、ブレンダン・グリーソン、リンゼイ・マーシャル、キリアン・スコット etc

映画『アウトサイダーズ』の登場人物(キャスト)

チャド・カトラー(マイケル・ファスベンダー)
コルビーの息子で後継者。ドライバーとしての腕前は相当なもので、一族内に敵う者はいない。父に畏怖しながらも一族の仕事を嫌悪しており、妻と子供達には安定した生活を送らせたいと考えている。
コルビー・カトラー(ブレンダン・グリーソン)
アイリッシュ・トラヴェラーの一族を率いるチャドの父親。ファミリー・ビジネスとして犯罪を家業としている。息子チャドの優秀さを認めてはいるものの、煮え切らない態度にやきもきしている。
ゴードン・ベネット(ショーン・ハリス)
一族内でも頭が弱く、奇想天外な行動をするため、トラブルメーカーでもある。コルビーの言うことは絶対でチャドの言うことは聞かないが、仲間として認めている。
ケリー・カトラー(リンゼイ・マーシャル)
チャドの妻。両親の反対を押し切り、覚悟を決めてチャドの妻となる。一族の仕事には理解を示しており、夫の考えにも賛同している。
ロヴァッジ巡査(ロリー・キニア)
チャドを目の敵にしており、必ず逮捕すると息巻いている。非常にしつこく、相棒の警察犬を可愛がっている。

映画『アウトサイダーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アウトサイダーズ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アウトサイダーズ』のあらすじ【起】

イングランド南西部、グロスタシャー州。アイルランドの漂流民である、アイリッシュ・トラヴェラーの一族を率いるコルビー・カトラーは犯罪を生業とし、地域でも恐れられる存在であった。

コルビーの長男チャドは父親の後継者として期待されており、一族でも一目置かれる存在。彼には妻ケリーに幼い息子と娘がいたが、すでに犯罪を行うための教育が躾として施されている。一族はトレイラーハウスにて日々、ファミリー・ビジネスへ参加するための研鑽に務め自由に暮らしていた。

しかし、チャドは一族を率いる父親を畏怖しながらも、トレイラー暮らしで犯罪を生業とすることを憂いている。彼は妻と子供達のため、土地に定着し安定した暮らしを送りたいと考えていた。

一族には若者が多く、一番の年長者はコルビーのみで絶対的存在である。チャドもまた幼い頃から犯罪を担う仕事を数多くこなし、ドライバーとしての腕前は相当なもので一族内でも敵う者はいなかった。

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映画『アウトサイダーズ』のあらすじ【承】

そんなある日の夜、コルビーの命令で州総督の邸宅だと知らずに強盗へ入ったチャド。今回に限って警察の出動が早く、ヘリまで出るという大掛かりなものだ。チャドは森の中で仲間達を逃がし自分も車を処分した上で、森への逃走を成功させた。

しかし、チャドを目の敵にするロヴァッジ巡査がしつこく追い回して来る。チャドは彼が可愛がっていた警察犬を殺害し翌早朝、ほとぼりが冷めてから帰宅した。
だが、事件は全国放送で報道され大事になってしまう。それでも尚、コルビーは挑戦的で平然としており、更に俺には関係ないとうそぶくのである。

危機感の薄い父親に対し、意を唱えたチャド。時代は移り変わり、今やインターネットが主流だというのにコルビーのやり方では、いずれ身の破滅を及ぼしかねない。だが、父親は息子の言うことには耳を貸さないのであった。

その日の午後、ケリーから子供達が学校へ行っていないと聞かされ、夫婦で子供達を探したが、見つけられなかった。ケリーはとうとう、子供達の捜索を依頼するため、警察へと向かった。

映画『アウトサイダーズ』のあらすじ【転】

対応にはロヴァッジ巡査が現れ、ケリーを懐柔しようと言葉を尽くしたが、彼女は家族と縁を切り覚悟を決めてチャドの妻となったため、簡単には靡かない。故に警察は子供達を誘拐しチャドを誘き寄せようと考えたようだ。そのことを知ったケリーは、むしろ激怒し夫は絶対に捕まらないと啖呵を切るのであった。

しかし、子供達が無事に戻り一安心したのも束の間、翌朝になって警察が一族のトレイラーを一斉に検挙。チャドは子供達の前で逮捕されてしまう。
父親コルビーも逮捕され、それぞれ別室にて聴取を受けるも決定的な証拠はなく、2人とも無事に釈放されるのだった。

これを機にチャドは土地を購入し、そこへ移り住もうと計画。だが、土地を売ってくれる人物に頭の弱いゴードンが難癖をつけ、追い払ってしまう。チャドは前々からゴードンの存在には苛立ちを募らせていたため、八つ当たりも含め仲間と共に彼を虐めた。

そこへ、帰宅したコルビー。父親は殊更、ゴードンを可愛がりチャドの言い分も聞かずに自分が面倒をみると豪語していたため、息子の行動を責め立てる。
コルビーは確かに息子であるチャドに愛情を与えていたが、ゴードンの行動は奇想天外でトラブルメーカーでもある。だが、コルビーはゴードンをイエス・キリストの顕現者だと言って憚らず、一族を率いてケント州へ移住しようと言う。チャドは父の言うことを聞かず、家族と共に行動を別にすると宣言するのだった。

映画『アウトサイダーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

土地を売ってくれるはずだった人物の元を訪れたチャドだったが、コルビーが現れて脅しかけられたので、土地は売れないと拒絶されてしまう。
失望したチャドは父親に文句を言うも、一発殴られお前のせいだと逆に責められるのだった。

翌日は息子の誕生日だったが、息子はここ最近の出来事でストレスを感じ、おねしょしてしまう。息子は恥じて父親のチャドに対し反発。更に小学校では子供達を就学させ続けることはできないと断られ、誕生日祝いに犬を買おうとした先では、何もしていないにも関わらず犯罪者扱いされてしまう。

チャドは憤りつつも金を投げつけ、犬を攫って友人の車で草原を一頻り走り回った。そして、コルビーに連絡し息子を連れて来てもらうよう頼む。チャドの逮捕は決定的となり、何人もの警察官に追われつつも集合場所へ。そこは以前、一族で集落を築いていた場所で目印として大きな樫の木があった。

チャドは木に登り時間稼ぎをする。そこへ家族が到着。幼い息子は木に登り父親のチャドから子犬をプレゼントしてもらう。そして、父子は短い時間を共に過ごし、2人で木から降りるのであった。

映画『アウトサイダーズ』の感想・評価・レビュー

移動民族で犯罪を生業とするジプシー一族の長である父親と、その後継者である息子の確執や生き方を描いた実話に基づく作品。父親役にブレンダン・グリーソン、息子役をマイケル・ファスベンダーが演じている。ブレンダン・グリーソンが土台をしっかりと構築し、それにマイケル・ファスベンダーが深みを加え、一族の誇りと絆を見事に演じている。

定住せず移動し続けて暮らす民族である他に、犯罪にて収入を得ているが、生き延びるにはそれしかなかったのだろうと思われる。漂流民族はどこに行っても偏見の目に晒され、忌避されることも多く阻害される。それ故に一族の結束は固く、誇り高い。息子の考えを悉く阻害する父親は深い愛情を示しながら憎まれ役に徹し、そのことを伝えたかったのだろうと思う。(MIHOシネマ編集部)


親子の繋がりって良くも悪くも、簡単には切れなくてそれが重荷になってしまうこともありますよね。トレイラーハウスでイギリス国内を転々としながら「泥棒」を生業として生活するカトラーファミリー。長男のチャドはそんな生活から抜け出したいと考えますが、父親の力に逆らえずこの暮らしを続けている状態。
この父親が最悪なんですよね。泥棒でありながら「神父」ってどういうことですか。警察に捕まりそうになると、警察に神父として説教をし、逮捕されずに逃れる。クズというかずる賢いというか…。
家族ってなんなのか考えさせられる作品です。(女性 30代)

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