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映画『愛を綴る女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『愛を綴る女』の概要:運命的な愛を求め続けるヒロインは、両親の薦めにより愛のない結婚をする。だが、彼女に病気が発覚し夫と離れ温泉療養施設へ。ヒロインはそこで運命的な出会いを果たすが、相手は重い病を抱える男性だった。

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映画『愛を綴る女』の作品情報

愛を綴る女

製作年:2016年
上映時間:120分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ニコール・ガルシア
キャスト:マリオン・コティヤール、ルイ・ガレル、アレックス・ブレンデミュール、ブリジット・ルアン etc

映画『愛を綴る女』の登場人物(キャスト)

ガブリエル(マリオン・コティヤール)
一途な愛を求めるあまり、夢見がちでヒステリック。そのせいで、奇行ばかりを繰り返し村では有名人。一時期、精神病院へ通院していた。ジョゼと結婚し夫婦となるも、アンドレと出会い愛し合うようになる。
アンドレ・ソヴァージュ(ルイ・ガレル)
インドシナの戦地へ出兵していた中尉。戦場で重い病を患い、温泉療養施設へ入所する。左足が不自由で杖をついて歩く。ガブリエルと出会い恋心を抱くも、病気のせいで気力を失っている。
ジョゼ(アレックス・ブレンデミュール)
美しいガブリエルに目を奪われているところを母親に見初められ、ガブリエルと結婚。深い愛情で妻を見守り続ける。レンガ工の工務店を経営し新居を建てる。寡黙で口が堅く愛情深い。

映画『愛を綴る女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『愛を綴る女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『愛を綴る女』のあらすじ【起】

1950年代、南仏。ラベンダー農家が多く住む、小さな村に生まれたガブリエルは運命的な愛に焦がれ続けていた。彼女は教師に恋をしていたが、教師はガブリエルには気がなく冷たい。ガブリエルは失恋のあまり、祝祭の宴にて教師を突き飛ばして失踪。
翌朝、道端の脇に転がる彼女が発見され自宅へ引き取られたが、村でもガブリエルの奇行は有名で両親や妹は呆れ果てていた。

そんなある日、ガブリエルに好意を寄せる村の男性、ジョゼの存在に目を留めた母親は、彼とガブリエルを結婚させようと考える。ジョゼは不遇な人生を送る苦労人であったが、しっかり者で手に職があった。その上、無宗教であったため、娘ガブリエルにはうってつけである。

夢見がちでヒステリックなガブリエルは、ジョゼに対し愛していないので抱かれるつもりはないと言う。すると、ジョゼもまた彼女を愛していないので、性欲は娼婦で解消すると言うのだった。画して、ガブリエルとジョゼは結婚し、生活を共に送ることとなる。

精神状態が不安定なガブリエルとの生活を淡々と送るジョゼ。彼は結婚前に告げた通り、週末には娼館へ通い性欲の処理を行っていた。
そんなある夜、ガブリエルは娼婦になりきり、夫から金をもらってその身を彼に与える。このことで夫婦の間に僅かながらも情が芽生えた。

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映画『愛を綴る女』のあらすじ【承】

ガブリエルには時折、強烈な腹痛を伴う発作があった。それは結婚前からあったが、発作と共に不正出血が認められたため、病院にて検査を行う。すると、彼女に結石が見つかり発作のせいで流産したと言われるのだった。
自分が妊娠しているとは思わなかったガブリエル。特別な感情もなく、高額な結石治療はしないつもりだったが、ジョゼは子供が欲しいので高額でも結石の治療をすると言い張る。

ガブリエルは医師の勧めで6週間の温泉療養へ向かった。だが、彼女は治療に対して積極的ではない。それでも日々の治療カリキュラムに沿って行動しなければならないので、仕方なく従う毎日。
ある日、彼女は同じ施設にて療養中のアンドレ・ソヴァージュと出会う。彼は中尉として戦争に赴き病気を患ったらしい。そのせいで腎臓が1つしかなく、尿毒症を併発し苦しんでいた。

妻子はなく見舞客も訪れないと聞き、ガブリエルは彼の部屋を時々、訪ねるようになる。アンドレは調子が良いと部屋から出てピアノを弾いたりするが、容態はあまり良くなくすぐに体調を崩す。ガブリエルは彼を慮り常に体調を気遣うのだった。

映画『愛を綴る女』のあらすじ【転】

そんな折、ジョゼが妻の見舞いに訪れる。彼は病気が完治した後、ガブリエルと暮らす家を建てていると言う。だが、彼女の頭の中はアンドレのことばかりで、夫には気持ちを傾けることができなかった。

その後、アンドレの病気が悪化したため、彼はリヨンの病院へ転院することになる。ガブリエルは必死で彼を追いかけたが、会うことは叶わず。
それから3日後、山の上の療養施設には冬が到来し、辺り一面が雪に覆われた。ガブリエルは落ち込んでしまい食事も喉を通らない。しかし、そこへ元気な様子のアンドレが施設へ戻って来る。

再び気分を向上させたガブリエルはアンドレとの逢瀬を重ね、愛を育みとうとう彼と一線を越えてしまうのである。
甘い蜜月を過ごしたガブリエルだったが、病気がほぼ完治したと医師に言われ、療養施設を去ることになる。アンドレとの別れを惜しみ、共に行くとまで口にするガブリエル。だが、彼は手紙や連絡を入れると彼女に約束し、別れるのだった。

ジョゼと共に新居へと帰宅。数日後に快気祝いのホームパーティーを開いた。その夜、ガブリエルはジョゼに対し、アンドレの存在を告白。家を出ると告げたが当然、ジョゼは激怒し家出は許さないと怒鳴るのである。
以降、ガブリエルは毎日のようにアンドレ宛の手紙を送り続けた。

だが、いくら待っても返事はこない。その上、アンドレに宛てて書いた彼女の手紙が全て返送され戻ってきてしまう。
このことでガブリエルは衝動的に自殺を図ろうとし、ジョゼは必死にそれを引き止めた。
その後、彼女の妊娠が発覚。ガブリエルは最後の手紙をアンドレに送った。

ガブリエルは無事に男の子を出産。ジョゼは全てを承知で赤子を我が息子と呼び、可愛がってくれる。子供はすくすくと成長し、概ね幸せな日々が続いた。

映画『愛を綴る女』の結末・ラスト(ネタバレ)

ある日、小川へピクニックに向かった際、アンドレが弾いていた曲をラジオで耳にしたガブリエル。息子はアンドレの子供である。きっとピアノの才能があるはずだ。彼女は息子が幼い頃から週2回のレッスンを受けさせた。すると、息子には才能があったのか、頭角を現すようになる。そして数年後、コンクールに出場するまでに至る。

一家は息子のコンクールのため、リヨンへ。ガブリエルは会場へ向かう際、ふとアンドレの住所を思い出しタクシーから降りてしまう。そして、彼が住む家を訪ねた。
対応に出たのは、アンドレの見舞いによく訪れていた将校。彼女はそこで、将校から衝撃的な事実を聞かされる。

なんと、アンドレは療養施設を出たあの日に亡くなっていたと言うのだ。愕然とするガブリエル。彼女は息子のコンクールを見に行くことも忘れ、川の畔で号泣。落ち着いた頃、急いで会場へ向かったが、コンクールはすでに終わった後だった。

2位という好成績を出した息子を労わったガブリエル。その帰り、ジョゼはおもむろに語り始めた。妻の見舞いに訪れた日、ジョゼは偶然にもアンドレと会話する機会を得た。彼はジョゼがガブリエルの夫とは知らず、病気でなかったら彼女と恋に落ちていたと話す。
その夜、ジョゼは妻の元を訪れ身体を重ねた。そして翌日、ガブリエルが療養施設を出発したアンドレを必死に追いかける様を目にし、2人が両思いであることを知るのである。

ジョゼは妻が他の男を愛していても尚、彼女との夫婦生活を送り続けた。ガブリエルは帰宅後、アンドレと共に撮った写真を取り出す。そこにアンドレの姿はなく、ガブリエルだけが映っていた。あの蜜月のような生活は、すべて彼女の妄想だったのである。ガブリエルは夫になぜ黙っていたのかと聞いた。すると彼は、君に生きていて欲しかったからと言うのである。

後日、夫に深い愛情を感じたガブリエルは、ジョゼと共に彼の故郷を訪ねるのであった。

映画『愛を綴る女』の感想・評価・レビュー

思い込みが激しくヒステリックなヒロインは、運命的な愛を求めている。そのせいで失恋する度、衝動的に自殺を図り小さな村では有名人。感情の起伏が激しく、恋をした相手にはぐいぐいと迫る。当然、迫られた相手は逆に引いてしまい失敗する。夫とは愛のない結婚生活を送り、病のために療養施設へ。そこで、運命的な出会いを果たすものの、相手は重い病を抱えていた。

夫以外の男性に恋をして関係を持つという話だが、それだけでは終わらない。寡黙な夫は妻の全てを受け入れ、献身的に支え続け安定した生活を保つ。夫の深い愛情に心を打たれる作品。(MIHOシネマ編集部)


本作は、女優のニコール・ガルシア監督が原作『祖母の手帳』を映画化したラブストーリー作品。
内容は重たいが、美しい映像や音響も相まって心地良く鑑賞できた。
ラストの夫が放った「君に生きてほしくて」という台詞が本当に素敵だった。
彼女の愛の物語であり、彼女を愛する夫の物語でもある。
一方通行の愛しか知らなかった彼女が、夫から支えられ愛されていることに気付けて良かった。
視点を変えるとより楽しめる静かな作品。(女性 20代)


ミレーナ・アグスのベストセラー恋愛小説を映画化したこの作品。主演のマリオン・コティヤールが本当に美しく儚い。彼女だけでも見る価値があります。
マリオン・コティヤールが演じるガブリエルは、フランス南部の小さな町に暮らし、両親のために決めた正直者で情の深いスペイン人労働者ジョゼと不本意な結婚生活を送っています。そんな彼女が出会うのは帰還兵のアンドレ。この出会いが、彼女の人生を大きく揺るがします。
結ばれない恋。めちゃくちゃ切ないけど、女性なら誰しも共感してしまう部分があると思いました。なんとも言えない展開に胸が締め付けられます。(女性 30代)

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