映画『パーフェクト・カップル』の概要:クリントン夫妻をモデルにしたジョー・クライン原作「プライマリー☆カラーズ 小説大統領選」をマイク・ニコルズ監督が映画化。好色な大統領候補のスキャンダルに翻弄される選挙スタッフたちの奮闘ぶりと、選挙の裏側を描く。1998年公開のアメリカ映画。
映画『パーフェクト・カップル』の作品情報
上映時間:143分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:マイク・ニコルズ
キャスト:ジョン・トラヴォルタ、エマ・トンプソン、ビリー・ボブ・ソーントン、キャシー・ベイツ etc
映画『パーフェクト・カップル』の登場人物(キャスト)
- ジャック・スタントン(ジョン・トラボルタ)
- 南部の州知事で民主党から大統領選挙に出馬する。少々頼りなく、かなりの女好きだが、人当たりの良さと口のうまさで民衆の心をつかむ。甘え上手。
- スーザン・スタントン(エマ・トンプソン)
- ジャックの妻。元弁護士のやり手。ファーストレディを目指して夫の選挙活動を取り仕切っている。
- ヘンリー・バートン(エイドリアン・レスター)
- 祖父が有名な政治家だった黒人青年。半ば強引にジャックの選挙チームに入れられ、中心となって活動する。
- リビー・ホールデン(キャシー・ベイツ)
- スタントン夫婦とは古くからの友人で選挙活動のプロフェッショナル。特にスキャンダル潰しを得意とする。18ヶ月前まで精神病院にいた。
映画『パーフェクト・カップル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パーフェクト・カップル』のあらすじ【起】
黒人青年のヘンリーは、祖父が有名な政治家で自分も歴史の一部を担いたいという夢を持ち、政治家の選挙活動の手伝いなどをしていた。ヘンリーは南部の州知事で次期アメリカ大統領選挙に立候補している民主党のジャック・スタントンがニューヨークの図書館を訪問する際に呼び出され、彼の選挙参謀を頼まれる。しかしヘンリーは迷っていた。
その夜、ヘンリーは強引に自家用ジェットで連れ出され、ジャックの妻スーザンにも紹介される。スーザンは頼りない夫を支えるしっかり者で、落ち着いてヘンリーの話を聞いてくれる。ヘンリーはジャックに賭けてみる気になり、立ち上がったばかりの選挙本部で働き始める。しかし選挙スタッフは頼りない素人ばかりで、ジャックが連れてきた選挙参謀のリチャードもかなり風変わりな男だった。しかし大統領選挙戦はすでに始まっており、ヘンリーは選挙活動に勤しむ。
ジャック陣営はライバルとなるオジオ知事が出馬するかどうかを気にしていた。ヘンリーの下調べミスでジャックがオジオの息子の前で恥をかき、ヘンリーはジャックに怒られる。しかしジャックから感謝祭を一緒に過ごそうという電話をもらい、元気を取り戻す。感謝祭の日、オジオが出馬しないことがわかり、ジャック陣営は大喜びする。
映画『パーフェクト・カップル』のあらすじ【承】
ジャックはテレビ討論会でもうまく立ち回り支持率を伸ばしつつあった。しかし支持率が伸びればマスコミの関心の的となり、あらゆるスキャンダルを暴かれてしまう。特にジャックは女好きで、ヘンリーたち参謀はその点が心配だった。スーザンはスキャンダル潰しのプロである古い友人のリビーに、掃除屋を任せることにする。
本部に姿を現したリビーはいきなりキャシミアというスーザンの美容師とジャックの不倫関係が近々暴かれると言い出す。その予言通り、キャシミアはジャックとの不倫関係をゴシップ誌に暴露し、これがテレビで大きく報道される。ジャックは無実を訴えるが、キャシミアはジャックとの電話を録音したテープを公表する。
リビーはヘンリーと音声分析のプロのところへ行く。公表されたテープはジャックの携帯電話を盗聴し、使えそうな会話を編集したものだとわかる。リビーはこれが弁護士ランディの仕業だとすぐに見抜き、ランディを脅して告白文を書かせる。参謀のデイジーがテレビ番組に出演してランディの告白文を読み上げ、このスキャンダルはもみ消される。
映画『パーフェクト・カップル』のあらすじ【転】
選挙戦はジャック対ハリスの一騎打ちとなっており、相手はジャック叩きに余念がなかった。そんな時、ジャックの友人ウィリーがヘンリーを訪ねてくる。ウィリーはバーベキューレストランを営む黒人で、娘のロレッタはジャックの息子のベビーシッターをしていた。そのロレッタがジャックの子供を妊娠したと打ち明けたのだ。
ヘンリーは極秘でジャックと話をして、側近のハワードとウィリーのもとを訪ねる。ハワードはお腹の子の父親がジャックではないことを証明するため、ロレッタに羊水検査をしてもらうと言い出す。その話を聞いてウィリーもヘンリーも絶句する。
ジャックもハリスへの攻撃を始めており、それに反論していたハリスが心臓発作で危篤状態になってしまう。フロリダでの選挙は2日後だったが、ジャックは本部に戻り、ハリスへの攻撃ポスターも全て撤去させる。ハリスは選挙を続けられなくなるが、中継ぎを任命されたピッカー元知事が予想外に支持率を伸ばし始める。さらにジャックが10代の娘を妊娠させたというスキャンダルも報道されてしまい、ジャック陣営はピンチを迎える。
映画『パーフェクト・カップル』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジャックに勝ち目はないと見たリチャードとデイジーは選挙参謀を辞めてしまい、追い詰められたスタントン夫婦はリビーとヘンリーにピッカーの過去を探るよう指示を出す。2人はこのやり方に疑問を感じながらも、仕方なくピッカーの過去を知る人物と接触する。
ピッカーの過去は壮絶だった。ピッカーが20年前に知事を辞職したのは、重度のコカイン中毒が原因だった。そのせいで妻とも離婚し、さらに男性の恋人までいたことがわかる。
リビーはスタントン夫婦にこの報告書を見せ、2人の反応を見る。大手新聞社にこの情報を流すという夫婦をリビーは強く非難する。リビーはスキャンダルの掃除屋であって、意図的に人を傷つけるような汚いやり方には反対だった。それでも選挙に勝つことしか考えない夫婦にリビーはもう一つの報告書を見せる。それはジャックとロレッタに性的関係があったことを証明する書類だった。
リビーはずっと自分の太陽だと信じて応援してきたスタントン夫婦がすっかり汚い政治家に成り下がっていたことに絶望し、ジャックに“クソ野郎”というメッセージを残して自殺を図る。
リビーの葬儀で“自分を改める”と誓ったジャックは、報告書を極秘でピッカーに届け、すぐに対策を考えるべきだと助言する。ヘンリーは汚い政治の世界に失望しつつも、なぜかこの夫婦のもとを去ることができず、選挙参謀を続けるのだった。
映画『パーフェクト・カップル』の感想・評価・レビュー
選挙に勝つためにやるべきことや、協力してもらうこと、また相手の攻撃に備えておく事など、様々な準備が必要の中、個人的な問題が多々起こってしまうハプニングが面白く、次々と展開が気になっていた。選挙の裏側を主に描いており、想像を越える程の戦いぶりに、圧倒された。勝つために手段を選ばず、悪い方向へ向かってしまった夫妻に対しての、ヘンリーの離れなれない気持ちや、リビーの失望なども垣間見れ、それぞれの想いが伝わってきた。(女性 20代)
実在するクリントン夫妻を題材に、ジョントラボルタとエマ・トンプソンが夫婦で選挙に出馬し、当選を得る為に様々な画策を行っていくという物語。選挙の裏側や、政治における争いなどを描いており、主人公ジャックの思い切った行動や、出馬相手との壮絶な争いを色濃く映像化している。当選のためなら、相手の秘密を新聞社にリークするなど、なんでもするという姿勢が、あまり普段目の当たりにすることのない選挙活動の一端に触れる事が出来る作品である。(男性 30代)
選挙活動中に様々な妨害があり、ハラハラしながら楽しめた作品。実際にこういうことってあるのかなと思いながら見ていた。コミカルな作品ではあるが、選挙についてほんの少し考えるきっかけにもなった。
勝つために手段を選ばなくなったスタントン夫妻。やはり高い志をずっと持ち続けるというのは、大変なことなのかもしれない。今回、ヘンリーは選挙参謀を続ける道を選んだが、いつかスタントン夫妻に失望し、彼らの元を去る未来が来るのではないかと思う。(女性 30代)
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