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映画『名もなき復讐』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『名もなき復讐』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『名もなき復讐』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『名もなき復讐』の結末までのストーリー
  • 『名もなき復讐』を見た感想・レビュー
  • 『名もなき復讐』を見た人におすすめの映画5選

映画『名もなき復讐』の作品情報

名もなき復讐

製作年:2015年
上映時間:109分
ジャンル:サスペンス
監督:アン・ヨンフン
キャスト:シン・ヒョンビン、ユン・ソイ、キム・ヒョク、アン・セハ etc

映画『名もなき復讐』の登場人物(キャスト)

ジウン(シン・ヒョンビン)
射撃競技のジュニア候補だった腕前。両親を交通事故で亡くし、自身も後遺症で上手く話すことが出来なくなってしまう。友人思いで優しく、正義感が強い。
カン刑事(ユン・ソイ)
妹思いで、女性の暴行事件に強い正義感を燃やす。すぐにイライラする環状の起伏があるが、真面目で熱血。

映画『名もなき復讐』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『名もなき復讐』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『名もなき復讐』のあらすじ【起】

学生時代、射撃の代表候補にまでなった腕前のジウンは大会で金メダルを獲ったご褒美にと両親と食事に行く約束をしていた。
車で移動中、ジウンの幼なじみ達が乗ったバイクが車を煽ったため横転。
両親は亡くなり、ジウンは言語障害が残り上手く話すことが出来なくなってしまう。

大人になったジウンは幼なじみと繊維工場で働いていた。
仕事の帰り道、路地裏で何者かに襲われたジウン。
3人の男による性的暴力は執拗に行われ、ジウンの身も心もボロボロだった。

何とか警察にたどり着き、状況を話すジウンだったが上手く言葉が出ない。
対応した男性のパク刑事の対応は酷かった。
ジーンズを履いているジウンを見て、スカートじゃない相手には普通そんなことはしないと言ったり、大声で叫べたのでは無いか?などジウンへの配慮に欠けていた。
あまりの対応に警察に期待することを止め自宅へ戻ったジウン。
すると家の中に3人のうちの1人の男が居た。
落とした身分証から住所を調べて侵入したのだった。
再び襲いかかる男にジウンは近くにある物で頭を殴り、さらに割ったガラスの破片で首を刺して殺してしまう。

映画『名もなき復讐』のあらすじ【承】

男の遺体をバラバラにし冷蔵庫に隠したジウンは、この先どうしていこうか部屋で1人悩んでいた。
そんな時、パク刑事の対応を知り女性のカン刑事が家にやってくる。
中に遺体を隠していることを知られたくないジウンは、ドア越しで会話をして帰ってもらった。
パク刑事は悪い噂のつきない刑事で、その素行は褒められたものでは無い。
強姦被害に本当にあったのか疑わしいとジウンに言った暴言を謝罪に来たのだった。

ある夜の日、ジウンを尋ねて来たパク刑事だったが不在のため帰る。
その帰り道、道を歩いているジウンを見つけ、後を追った。
廃墟が多い路地裏に入っていったジウンに話しかけるパク刑事だったが、ジウンは上手く話すことが出来ない。
「本当は強姦されたなんて嘘なんだろう?」と詰め寄るパクに、必死に抵抗するジウン。
嘘をついていることがばれたら捕まってしまう、金を払えば内緒にしてやると恐喝さえしてきた。
ジウンはパクと素手でやりあい、その拍子に落とした彼の銃を手に取りパクに向けて構える。
どうせ撃てないだろうと鷹をくくったパクだったが、ジウンは狙撃のジュニア候補だった。
見事な構えでパクの胸を撃ち抜いた。

映画『名もなき復讐』のあらすじ【転】

ジウンはイラストレーターとしての道を歩み始めていた。
元々美術に才能があった彼女だが、射撃の腕前が認められ諦めていたのだった。
それが大人になって仕事として夢が叶い始める。

そんな矢先、カン刑事の熱意に押されジウンは警察に行き強姦犯を逮捕する協力をすることにした。
データベースを探している時のこと、たまたま別の件で署に連行されたヤクザの1人に犯人の1人がいた。
顔を見たジウンは署を出た男の後をつけ居場所を確認する。

自宅に帰ったジウンは隣に住む幼なじみが、同棲している男から酷い暴力を受け怪我をしているのを見つける。
救急車を呼んでも上手く話すことが出来ないジウンは、自分でかついで救急まで運んだ。
ジウンは自分にとっていつも大事な親友だった彼女を苦しめた男を駐車場で待ち伏せし、パクから盗んだ銃で撃ち殺した。

翌日男の遺体があがると同時にジウンの周りで不可解な事件が起こっていること、そしてジウンが射撃の名手であったことなどをある刑事が調べ始める。
信じたくないカン刑事は、同僚のその言葉に耳を塞いだ。
そしてジウンはこの間居所を突き止めた犯人の元を訪れ、股間と頭を撃ち抜いて殺害する。

映画『名もなき復讐』の結末・ラスト(ネタバレ)

カン刑事はジウンの自宅に入り、日記を見つけ読み始めた。
そこには生々しいほどの事件の詳細が書かれていて、カンは酷く驚く。
その時帰って来たジウンから頭を殴られ気絶したカン刑事。
目を覚ますとイスに縛り付けられ、身動き取れずにいた。
自分の妹も強姦の被害者でありその後口がきけなくなってしまったのだとジウンに話すカン刑事に一瞬迷いが生じたが、口をガムテープで張り置いて出て行く。

ジウンが最後に向かったのは、残った犯人が働いているカラオケボックス。
そこにいたのはジウン達が働いていた工場の班長で、幼なじみに正社員になることを条件に一夜を共にすることを強要していたのだ。
しかも薬まで手を出させようとしていた班長にジウンは銃を撃った。

何事が起こったのかと急いで駆け込んで来た犯人の男に銃を向け、足を撃つジウン。
そこにカン刑事たちがやってくる。
もう止めろと必死で止める刑事達を見ながら、ジウンは銃口を自分に向けた。
しかしカン刑事の必死の説得で銃を捨て歩き出したジウン。
しかし後ろにいた犯人の男が銃をジウンに向け、背後から撃ったのだ。
カン刑事は思わず男をその場で撃った。

隣同士で入院しているジウンと強姦犯の男。
ジウンは来週まで持たないと脳死判定されてしまう。
しかもドナー登録されているため、臓器が他の人に渡ってしまうのだ。
皮肉なことに、強姦犯の男は肝臓の提供を待っていた。
カン刑事はそのことを知り、こっそり病室に侵入すると、男の酸素呼吸器をはずそうとした。
しかし考え直しジウンの呼吸器を外すのだった。

映画『名もなき復讐』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

復讐のために次々と犯人を撃ち殺していくジウンの、執念さがすごいとしか言いようがないくらいだった。自分が受けた被害を認めてもらえず、また話すことが出来ないジウンのもどかしさや辛さが伝わってきた。射撃の名人であるジウンの凄さも存分に見えた。ジウンと犯人の二人が病室に並べられており、犯人の呼吸器を外そうとしたカン刑事だったが、最後の最後にジウンの呼吸器を外した瞬間もとても謎めいており、映画を見終えた時に考えさせられる結末でもあった。(女性 20代)


本作は、路地裏で強姦されたことで復讐の鬼と化した言語障害の少女の復讐劇を描いた韓国クライムサスペンス作品。
言葉が離せず、事件のことを信じてもらえない辛さが痛いほど伝わってきて、とにかく絶望的で悲しかった。
ラストでカン刑事がジウンの呼吸器を外したのは、臓器提供を防ぐためだったのだろうか。
ジウンの描いた絵の力強さは彼女の芯の強さを表しているようにも感じられた。
そして、性被害者の絶望と皮肉な運命は鑑賞後に考えさせられる作品だった。(女性 20代)


韓国映画らしい社会派サスペンスで、期待以上の衝撃でした。特に法で裁かれない加害者たちの態度が本当に許せなくて、主人公の復讐を応援したくなる気持ちになりました。ただ、彼女自身も壊れていく過程が描かれていて、復讐は癒しにならないというメッセージも同時に感じられます。暴力を肯定していないところが好印象です。観終わった後、深く考えさせられました。(40代 男性)


最初から最後まで息が詰まるような緊張感で、涙と怒りが混ざった不思議な感情に包まれました。被害者が声を上げても誰も助けてくれないという現実を、これでもかというほど突きつけられました。復讐を決意する主人公の変化がリアルで、自分の中の善悪の基準が揺さぶられます。終盤の展開には圧倒され、心の整理がつかないまま終わるほどのインパクトでした。(20代 女性)


こういう作品がもっと多くの人に観られてほしい。テーマは重いですが、非常に重要な問題提起を含んでいます。性犯罪と報道、司法、世間の冷淡な目――すべてが加害者寄りである現実に怒りがこみ上げました。主人公が復讐に走る気持ちは決して他人事ではなく、自分もそうするかもしれないと感じさせる説得力がありました。演出も丁寧で、とても完成度の高い社会派映画です。(50代 男性)


被害者の心理描写が非常にリアルで、観ていて胸が張り裂けそうになりました。加害者だけでなく、それを見過ごす周囲の人々や制度の腐敗が、二次被害として強く描かれており、社会の暗部を真正面から描いた作品だと感じました。ラストの静けさが、彼女の心の中の空虚さを象徴していて切なかったです。心に爪痕を残す作品でした。(30代 女性)


復讐映画としてのカタルシスよりも、社会への怒りと無力感の方が強く残りました。主人公の行動は決して正義とは言えないけれど、彼女を責めることもできない。その葛藤が物語を深くしていると思います。映像のトーンも暗く抑えられていて、終始緊張感がありました。後味は重たいですが、間違いなく観る価値のある作品です。(40代 女性)


社会的に抑圧された立場の人間が、自らの意思で立ち上がり、行動に移す姿が印象的でした。ただの復讐劇ではなく、そこには強いメッセージ性と現代社会への警鐘が込められています。主人公が最後に選んだ“選択”は決して爽快ではないけれど、その選択こそがタイトルの意味する「名もなき選択」だと感じました。(30代 男性)


被害者の女性が一度死んで、また別の“自分”として復活するような感覚の映画でした。心の傷は癒えることがなく、それが新たな暴力を生む連鎖になる。このテーマは非常に重いけれど、現実にもあり得る話だと思います。途中のシーンで見せる彼女の“決断の目”の演技がとても印象的で、忘れられません。(20代 女性)


法律が守ってくれないなら、自分でやるしかない――そんなメッセージが胸に刺さりました。主人公が段階的に変貌していく過程に説得力があり、観客自身も「仕方ない」と思ってしまう構成が上手いです。社会の歪みと無関心が、いかに人を狂わせるのかを描いた本作は、ただの復讐劇ではなく、人間ドラマとしても一級品です。(50代 女性)

映画『名もなき復讐』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『名もなき復讐』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ミス・コンダクト(Misconduct)

この映画を一言で表すと?

正義と復讐が交錯する、倫理ギリギリのサスペンススリラー。

どんな話?

製薬会社の不正を告発するために立ち上がった若き弁護士が、巨大権力に立ち向かううちに、裏切りと罠が絡む陰謀に巻き込まれていく。果たして彼の選択は正義か、それとも…。

ここがおすすめ!

『名もなき復讐』と同じく「正義」とは何かを問う内容で、復讐と社会的腐敗のリアリズムが光る作品。主演のジョシュ・デュアメルの熱演に加え、アル・パチーノの存在感も圧巻です。

マイ・リベンジ(I Spit on Your Grave)

この映画を一言で表すと?

女性が“被害者”から“復讐者”へと変貌する、最も過激なレイプ・リベンジ映画。

どんな話?

田舎でレイプされた作家の女性が、法に見放され、徹底的な復讐を自らの手で果たしていく。暴力的でありながらも、彼女の覚悟と怒りに満ちた行動が観る者に訴えかけてくる。

ここがおすすめ!

『名もなき復讐』よりもさらに衝撃度の高い描写があるが、テーマとしては非常に共通している。復讐を選ぶしかなかった被害者の視点から描かれる物語は、強烈なインパクトを残します。

ドッグヴィル(Dogville)

この映画を一言で表すと?

善意の裏側に潜む支配欲と暴力を暴く、実験的で衝撃的な復讐劇。

どんな話?

逃亡中の女性が小さな町に匿われるが、次第に住民の支配と暴力にさらされるように。やがて、彼女は驚愕の“報復”に出る――その選択とは?

ここがおすすめ!

セットを極限まで排除した舞台的な演出の中で、人間の本性をえぐる物語が展開。『名もなき復讐』と同様、無力な立場の女性が最後に下す選択が非常に重く、深い余韻を残します。

沈黙の復讐(Peppermint)

この映画を一言で表すと?

家族を奪われた母が“死神”となり、法の届かない復讐に挑む。

どんな話?

夫と娘を目の前で殺され、司法にも見捨てられた女性が、5年後、戦闘訓練を経て裏社会に戻り、復讐を開始する。彼女の怒りと正義は止められない。

ここがおすすめ!

『名もなき復讐』のように法で裁けない悪に立ち向かう女性の姿が描かれます。ジェニファー・ガーナーのアクションと感情表現の迫力が光る一本で、痛快さと悲しさが絶妙に同居しています。

目撃者(The Witness/2017年 韓国)

この映画を一言で表すと?

“見てしまった”ことの代償――正義と恐怖の間で揺れるサスペンス。

どんな話?

夜中、マンションの窓から殺人現場を目撃してしまった男。警察に通報すべきか、それとも自分と家族を守るべきか。決断の先に待つのは、さらなる恐怖だった。

ここがおすすめ!

被害者だけでなく「傍観者の責任」まで踏み込んだ韓国サスペンス。『名もなき復讐』が描いた社会の冷淡さ、沈黙の恐ろしさをより広い視点で感じられる良作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. アンテナくん より:

    う〜ん
    最後が分かりにくかった

  2. 匿名 より:

    ジウンを楽にしてあげたんじゃないかな。

  3. sweetdevildayo@gmail.com より:

    なぜ、ジウンの呼吸器を外したの?
    脳死判定されて、犯人に臓器移植されるのを防いだ?

    なんか、最後がスッキリしないなあ。

  4. あすか より:

    映画を見ても
    うまく内容が掴めなかったのですが
    これをみてやっと理解しました!
    すごい分かりやすくてよかったです!
    ありがとうございます!