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映画『パーフェクト・センス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『パーフェクト・センス』の概要:原因不明の病によって五感が失われていく世界で出会った、スーザンとマイケル。互いに惹かれ合う二人にも、容赦なく病が襲い掛かる。観ると大切な人に会いたくなる、究極の愛の物語。

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映画『パーフェクト・センス』の作品情報

パーフェクト・センス

製作年:2011年
上映時間:95分
ジャンル:SF、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:デヴィッド・マッケンジー
キャスト:ユアン・マクレガー、エヴァ・グリーン、ユエン・ブレムナー、スティーヴン・ディレイン etc

映画『パーフェクト・センス』の登場人物(キャスト)

マイケル(ユアン・マクレガー)
シェフ。五感が鋭く、人と一緒に眠れない為、女にはモテるが長続きしない。女関係は雑だが、仕事にはプライドを持って取り組んでいる。
スーザン(エヴァ・グリーン)
感染症研究者。恋人にフラれたばかり。冷静で、落ち着いた女性。自分の体にコンプレックスを持っている。

映画『パーフェクト・センス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『パーフェクト・センス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『パーフェクト・センス』のあらすじ【起】

嗅覚を失ったある男が、検査のため病院に軟禁されていた。この24時間で、同様の症状を訴えるものがイギリス国内でも100人以上、さらに世界中で次々確認されている。発症者は、まず深い悲しみに暮れ、そして嗅覚を無くす。感染症研究者のスーザンは、この病の研究チームに指名された。

病の原因を探っても、今一つはっきりしない。ウイルス性ではなさそうだから、感染はしないだろう。そう結論付けたスーザン達の思いをよそに、発症者は世界各地で続出する。重症臭感障害症候群、“SOS”と名も付いた。WHOの警戒レベルが5に上がり、街にはマスク姿の人々が多く見られた。

私生活でのスーザンは、恋人に捨てられたばかり。そこへ来ての新型病は気が重いが、良い出会いもあった。アパートのはす向かいのレストランに勤めるシェフ、マイケルだ。恋人にフラれて再開したタバコをきっかけに、言葉を交わすようになった二人。SOSのせいで閑古鳥が鳴いているレストランにスーザンを誘い、マイケルが手料理を振る舞う。すると、機嫌よく食事を頬張っていたスーザンが、突然泣きじゃくり始めた。亡き父との想い出が溢れ出したという。

感染を恐れ遠慮するスーザンにかまわず、彼女を部屋まで送るマイケル。泣き疲れて眠るまで抱きしめてやろうと、横になる。しかし、すぐにマイケルも泣き始めた。そして翌朝、二人は嗅覚を失った。

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映画『パーフェクト・センス』のあらすじ【承】

人々は、やがて嗅覚無しの生活に慣れていく。レストランでは、鼻詰まり用のメニューが開発された。スパイスや塩、砂糖を多用し、味を濃く、刺激を強くした料理が普通になる。香りの楽しみは、言葉や音で補えた。元々感覚が鋭く、他人がいると眠れなかったマイケルは、スーザンと朝まで共に眠りたがるようになっていた。嗅覚を奪った病は、臭いに伴う思い出まで、人々の記憶から消し去ってしまった。

世間には、様々な憶測が飛び交った。化学物質の副作用説、新型ウイルス説、テロ説、神の怒り説。国家間関係は緊張し、宗教熱は高まっていく。そして、一人また一人と、正気を失い錯乱する。ひどい孤独感と、死への恐怖に襲われるのだ。その後、猛烈な飢餓感がやってくる。生肉でも口紅でも、飲み込めるものなら何でも貪り食べる人々。スーザンは花を、マイケルはケチャップやマスタードを腹に詰め込んだ。すると突然、正気に戻る。そして、味覚が無くなっている事に気が付いた。

レストランは、特別な時間を楽しむ場所へと変わった。マイケルが考え出す、食感や、音、温度や視覚で楽しむメニューは人々に称賛された。しかし、味覚は人々から大切な何かを奪ったようだ。マイケルとスーザンは髭剃りクリームを舐め、石鹸をかじり、泡を吹いて笑った。

ハイになったスーザンは、「特別な人ゲーム」を提案する。誰にも言っていない秘密を打ち明け合うのだ。スーザンは、二人の子を持つ姉が憎いと告白した。食生活が原因で起きた卵巣の病気で、彼女は子供が産めない体になっていた。マイケルは、かつて結婚まで考えた恋人が、重病を発症したから捨てたと打ち明けた。この罪悪感を一生背負っていくつもりだったが、墓参りの間隔は延びていき、年一回になっている。スーザンは、自分が相手の特別な人になれた事を喜んだ。二人ともろくでなしの、ろくでなしカップルで構わなかった。

映画『パーフェクト・センス』のあらすじ【転】

タイの研究所から、速報が届く。聴覚が失われ始めたのだ。まず怒りや憎しみに駆られ、そして無音になる。スーザン達が見守る中継画面の前で、タイ人の研究者が発症し、暴れだす。病の原因は不明のままだった。発生後に生まれた新生児から、抗体を作り出すプロジェクトが発案された。

イギリスにも、聴覚障害の波が襲ってきた。マイケルのレストランがあるビルにも発症者が出て、辺り一帯は封鎖となる。レストランは閉鎖となり、代わりに発症者に配る食事を作る拠点となった。スーザンはアパートに近寄れなくなり、マイケルの部屋へと身を寄せる。

思いがけず、同棲を始める事になった二人。街には鐘の音やサイレン、人々の怒号が響きわたっているが、思わず笑みがこぼれてしまう。しかし、それは束の間の甘い時間だった。マイケルの表情が次第に歪んでいき、スーザンに暴言を吐く。物を投げつけ、家具を壊し、怒鳴り散らす。スーザンは慌てて部屋を出て、車に乗り込み、逃げ出した。

我に返ったマイケルを待っていたのは、無音の世界だ。完全防護服を着た男達が現れ、マイケルを家に閉じ込め、パックに入った食事を置いていく。後悔の念に駆られたマイケルは、スーザンに電話をかけた。正気じゃなかった、愛しているから戻って来てくれと、返事も聞こえないのに語り続けるマイケル。しかし、スーザンの携帯電話は、研究所の床に投げ捨てられていた。スーザンは、無人の研究所で、一人泣きわめき暴れていた。

映画『パーフェクト・センス』の結末・ラスト(ネタバレ)

マイケルはレストランのオーナーと店を再開させ、スーザンは姉の元に身を寄せていた。略奪や絶望に飲み込まれる人も少なくないが、多くの人々は、耳が聞こえなくてもコミュニケーションを取る方法を考え、なんとか日常を取り戻そうと努めていた。ボディランゲージや筆談で会話を楽しみ、クラブでは楽器や機材に身を寄せて、振動で音楽を感じるようになる。

そして、人々は次に起こるかもしれない事態に備え始めた。目を覆って歩く練習をし、芸術観賞や読書を楽しむ。手を握り合い、動物の柔らかな毛並みを慈しむ。

ある日、その感覚は突然やってきた。幸福感だ。言いようのない幸せな気持ちに包まれ、それを誰かと分かち合いたくなる。家族は、友人達は、恋人達は、抱き合ってその瞬間を噛みしめた。マイケルは自宅で、スーザンは姉の家でその感覚に襲われ、お互いがお互いを求めて走り出した。スーザンはレストランに行くが、そこにマイケルはいない。マイケルはスーザンのアパートに行くが、そこにスーザンはいない。ようやくお互いを見つけ、駆け寄り、手を取り合った時にはもう遅かった。世界は、闇に包まれた。

スーザンとマイケルは、触れ合った唇の感覚や、頬と頬の間を流れる涙の感触で、お互いの気持ちを確かめ合った。呼吸や、鼓動を感じ合った。その感覚に生きている証を見つけ、人生は続いていく。闇の中で、スーザンはそう思った。

映画『パーフェクト・センス』の感想・評価・レビュー

五感が一つ一つ失われていくという謎の感染症が世界規模で広まっていく中、シェフであるマイケルと、感染症研究者のスーザンが、失われた五感を補うように寄り添っていく物語。感染系の映画は、大体がその研究や解決までの過程を描くものが主流だが、この作品は失われていくものを受け入れて、乗り越えようとする様がメインで描かれている。最後の視力が失われても、けして希望を失わないというエンディングはとても胸に刺さるものがあった。(男性 30代)


本作は、五感を失っていくウイルスの感染が世界中で流行する中、出会った二人が愛を育もうと奮闘するSFラブストーリー作品。
今の世の中の状況との類似点があり、かなり恐怖を感じた。
もし同じ窮地に立たされたら人類は続いていくと信じたいけれど、今後の未来のことよりも目の前の状況に順応して、家族や友人や恋人と残りの人生を共にしたいと思った。
抗いようのないどんよりと暗い結末であったけれど、感覚を失いながらも生きるとは何か、大切なものは何かを考えさせてくれる作品。(女性 20代)


パンデミックの最悪のシナリオを観てしまいました。コロナが流行る時期に観たせいもあって、現実味を感じてしまい背筋に悪寒が走りました。以外にも社会は順応できているなあと感心しましたが、マスク・ソーシャルディスタンスが当たり前になった現在と比べると、この順応の早さに納得がいきます。順番に五感を蝕む恐ろしい病気。何かを失う直前に、その五感と密接する何かを求めるのは本能でしょうか。当たり前に目を向けたくなる映画です。(男性 20代)


本作は、世界中で発生した五感を失っていく謎の症状が蔓延する人類滅亡の危機の中で生きるシェフと感染学者の究極の愛を描いたヒューマンラブストーリー作品。
五感を失うなど考えただけで恐ろしいし、きっと生きている心地がしないだろう。
特に、感染者が喜怒哀楽の内の一つの感情が急激に高ぶり、飢餓状態となり身の回りのものを何でも貪り食うシーンが恐怖だった。
今のご時世にも似ていてとても身近で現実的に感じられた。(女性 20代)


突如、原因不明の感染症が世界を震撼させた。
それは、徐々に五感が失われるという病気。感染の原因もわからないためワクチンも作れない。最初は嗅覚、次は味覚、聴覚…と成すすべなく五感を失う恐怖に耐えながらも仕事や愛に奮闘するシェフのマイケルと科学者のスーザンは何を感じ、どう向き合っていくのか。

五感が失われるシーンは、感情がむき出しになるという症状に襲われ、とても人間味あふれる場面となっている。内容は単調ながらもそれを飽きさせないシーンと音楽の使い方が観ている人を自然と惹き込む作品となっています。(男性 20代)


謎の感染症によって五感が全て失われてしまう世界は、純粋に恐ろしいなと思った。症状を発症した人達の混乱する様子がとてもリアルで、見入ってしまった。その中でも、惹かれ合うマイケルとスーザン、二人の存在が際立っていた。チープな言葉かもしれないが、悲惨な状況の中でも最後に残るのはやっぱり愛なのかなと思った。そして、マイケル達の姿を見て、そうであって欲しいなと思えた。
五感が全て失われるという恐ろしい設定もあるが、悲しいだけではない作品だった。生きることを諦めない人々の姿や恋に落ちるマイケル達の姿が、心に沁みる作品だった。(女性 30代)

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