この記事では、映画『パーフェクト・ストレンジャー(2007)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パーフェクト・ストレンジャー(2007)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『パーフェクト・ストレンジャー』の作品情報
上映時間:110分
ジャンル:サスペンス
監督:ジェームズ・フォーリー
キャスト:ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョヴァンニ・リビシ、ゲイリー・ドゥーダン etc
映画『パーフェクト・ストレンジャー』の登場人物(キャスト)
- ロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)
- 敏腕新聞記者。男の名前でスクープ記事を書いている。幼馴染のグレースが殺されたことで、彼女のチャット相手を調査していく。
- マイルズ・ハーレイ(ジョヴァンニ・リビシ)
- ロウィーナの相棒。サイバー系に詳しく、ロウィーナを助けてくれるものの実際はロウィーナのストーカーでもある。
- ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)
- 広告代理店の社長。金目当てで妻と結婚したが、浮気をしないように妻から見張りをつけられている。女好き。
- グレース(ニッキー・エイコックス)
- ロウィーナの幼馴染。ハリソン・ヒルについての資料をくれたあと、溺死体として発見される。
映画『パーフェクト・ストレンジャー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『パーフェクト・ストレンジャー』のあらすじ【起】
ロウィーナ・プライスは、スティーブン・サックス議員がゲイの市民権を認めずに、自分は男と不倫していることを暴いた。新聞記者として明日の新聞にこのことを載せると言うと、弱みを握られたサックスは何でもやると言い出した。その言葉は、ロウィーナの相棒・マイルズが録音していた。
ところが、ロウィーナは記事がボツになったと聞かされる。買収された不倫相手が口を閉ざしたのだ。新聞社には有能さを評価していると言われるものの、もみ消しに頭にきたロウィーナはそのまま辞職した。
ロウィーナが幼馴染のグレースに会うと、彼女は記事になりそうなネタをくれると言い出した。広告屋の社長、ハリソン・ヒルを誘惑して取り入った彼女は、ハリソンについての資料を渡して去る。
その翌週に、グレースの母親からロウィーナに連絡があった。娘と連絡がつかないのだと言う。ニューヨークで発見された溺死体がグレースではないかと言われ、ロウィーナは確かめに行くことにした。

映画『パーフェクト・ストレンジャー』のあらすじ【承】
発見された溺死体はグレースだった。犯人は素人だと言う。ロウィーナは、グレースが恋人と喧嘩中だと聞いていた。自分が男の名前で記事を書いていることをグレースの母親が知っていたことには疑問を覚えるロウィーナだったが、グレースのためハリソン・ヒルを調査することに決めた。
ロウィーナはキャサリンという偽名を使い、ハリソンの会社で働き始めた。グレースのチャット相手の「ADEX」がハリソンではないかと予想したものの、確証はない。ハリソンは浮気が妻にバレることを恐れており、妻の方もレズビアンの女性を使ってハリソンを見張らせている。ロウィーナはチャットを使い、ハリソンに接触することにする。
マイルズからの報告で、グレースの死因が溺死ではなく毒殺だったことが判明した。また、死んだ時には妊娠三ヶ月だったという。この頃新聞社に戻ってこいと声をかけられるが、ロウィーナは曖昧な返事を返した。
ロウィーナは、グレースがハリソンを浮気の件で脅したのだと予想した。
映画『パーフェクト・ストレンジャー』のあらすじ【転】
ロウィーナの恋人だったキャメロンは、グレースの子供のDNA鑑定で警察に呼び出された。彼が父親の可能性があると聞き、ロウィーナは激怒した。
マイルズの調査で、ハリソンの会社では人間の瞳孔の写真が大きく飾られていることがわかる。また、ベラドンナという薬物が瞳孔を拡大させること、ハリソンがベラドンナを入手可能であることを突き止めた。グレースを殺した確証を得るため、マイルズは新型スパイウイルスをロウィーナに渡し、ハリソンのパソコンに接触させる。
USBメモリを持ち込みパソコンにウイルスを入れようとしたロウィーナだったが、パソコンにはウイルスの対策がしてあった。やはり何かを隠していると確信するものの、その場にハリソンが現れる。なんとか誤魔化して食事に行くことに成功したが、結局マイルズからの「他の方法でパソコンに侵入する」と書いたメールを見られてしまった。問い詰められてスパイであることを認めると、ハリソンはロウィーナをクビにするのだった。
映画『パーフェクト・ストレンジャー』の結末・ラスト(ネタバレ)
マイルズの家で、ロウィーナは異様な光景を目にした。自分の写真を使ったコラージュや加工されたマネキン、音声をはじめ、女性の写真のリスト。マイルズはロウィーナのストーカーだった上に、グレースとSMプレイをしていた。
彼がADEXで犯人だと思ったロウィーナだったが、マイルズは否定。ハリソンの会社でベラドンナを栽培していることを突き止めたと話す。ロウィーナがADEXをチャットで呼び寄せると、現れたのはハリソンだった。ハリソンは数々の物証のおかげで、警察に逮捕された。
実はロウィーナは過去、虐待されていた自分の父を殺しており、そのことを知っているグレースにずっと脅されていた。母のいる施設からベラドンナを盗み、グレースを殺して、その罪をハリソンに着せたのはロウィーナだったのだ。
マイルズが真相に気づいて詰め寄ったものの、ロウィーナはナイフでマイルズを殺害。「ハリソンは無実で、マイルズが真犯人」と電話で警察に通報した。
映画『パーフェクト・ストレンジャー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
元々全員が少しずつ悪くて怪しく、二転三転するラストの展開を予想できず驚かされる。サスペンス映画としては苦しい広報のされ方をしており、オチがあることを身構えて見てしまった人には納得のいくものとは言い難いかもしれない。
淡々と話が進むためあまり盛り上がる映画ではない。伏線も少ないために見ている側が推理することもできず、真相が判明した時にスッキリするタイプの映画でもない。あくまで驚かせるために用意された衝撃のオチだ。(MIHOシネマ編集部)
ハル・ベリーが主演ということで期待して観ましたが、まさかのラストに衝撃を受けました。ずっと捜査していた側が犯人だったというどんでん返しは、サスペンス好きとしては痺れました。途中の伏線も見直すと上手く配置されていて、2回目も楽しめる構成だと思います。エロティックな要素とサイバー的な駆け引きも現代的で良かったです。(20代 男性)
最初はよくあるサスペンスかなと思って観ていたのですが、最後の展開で一気に評価が変わりました。主人公が実は真犯人だったというラスト、しかも完璧に近いトリックで逃げ切っている点が斬新。女性が冷静に罪を重ねていく描写が妙にリアルで怖かった。ハル・ベリーの美しさと冷たさが作品の雰囲気にマッチしていました。(30代 女性)
非常に巧妙なミステリー構成で、最後まで観客を騙し切った点に脱帽です。ブルース・ウィリスの存在がいかにも怪しく描かれていた分、まさかハル・ベリーが犯人だったとは思いませんでした。二重三重に張り巡らされた疑惑の導線が、見事にひっくり返される快感。演出と脚本のバランスが良かったと思います。(40代 男性)
ストーリー中盤までは少しテンポが遅く感じましたが、終盤の展開で一気に評価が変わりました。特にエンディングのどんでん返しが見事で、「えっ、そういうことだったの!?」と驚かされました。サスペンスとしても秀逸ですし、女性視点の冷静な犯行計画というのも新鮮でした。もう一度観たくなる映画です。(20代 女性)
視覚的な演出と、SNSやチャットを使った情報戦がうまく活かされていた作品。現代的な犯罪の恐ろしさを描きつつ、犯人の真意がラストまで分からない構成は見事でした。まさか主人公自身が犯人で、しかも過去にも罪を犯していたとは…。人間の二面性や、他人を信用することの危うさを強く感じた作品でした。(50代 男性)
終始不穏な雰囲気が漂い、キャラクター全員が怪しく見える構成は非常に効果的でした。特に女性が主導で事件を隠蔽し続けるという点は、これまでのサスペンスとは一線を画していて興味深かったです。ハル・ベリーの表情の変化が素晴らしく、エンドロールが始まってもしばらく呆然としていました。(30代 女性)
騙された感が心地よい作品。ブルース・ウィリスの存在感が強いからこそ、観客の目を逸らせるという仕掛けが上手い。ラストの一言、「完璧なストレンジャーは、あなたのすぐそばにいる」が意味を持つ瞬間にゾッとしました。これは間違いなく、仕掛けを知ってからもう一度観るべき映画です。(40代 男性)
途中まではよくあるサイバー犯罪ものかと思って観ていたけど、ラストの種明かしですべてがひっくり返るのが面白かった。チャットのやりとりや偽名の使い分けなど、現代のデジタル社会ならではの緊張感もあり、リアリティがありました。主人公が“完璧”に騙す側だったという構図は見事。(20代 女性)
サスペンス好きとしては定番の展開も多く感じましたが、それを逆手に取ったラストの“実は主人公が…”という仕掛けには舌を巻きました。まさかそこまで冷徹に描いてくるとは思わず、ハリウッドの女性サスペンスの進化を感じました。結末を知った上で見ると、小さな演技が全て伏線になっていたと分かり鳥肌モノです。(50代 男性)
映画『パーフェクト・ストレンジャー』を見た人におすすめの映画5選
ゴーン・ガール
この映画を一言で表すと?
完璧な妻の失踪から始まる、恐ろしくも美しい心理サスペンス。
どんな話?
結婚5周年を迎えた日、妻エイミーが突如失踪。メディアに注目される中、夫ニックの“裏の顔”が徐々に暴かれていく。だが、事実は一筋縄ではいかず、真相が明かされるごとに驚きが加速する。
ここがおすすめ!
『パーフェクト・ストレンジャー』同様、信頼していた人物が実は…というどんでん返しが炸裂。緻密に張り巡らされた伏線と、見事な構成力に唸らされること間違いなしです。
プリズナーズ
この映画を一言で表すと?
誘拐事件の裏に潜む闇が暴かれる、息詰まる心理ミステリー。
どんな話?
娘が誘拐された父親が、自らの手で犯人を見つけ出すために突き進むが、その過程で道徳と正義の境界が曖昧になっていく。警察捜査と父の暴走が交錯し、真実は意外な場所にあった。
ここがおすすめ!
人間の正義感や狂気を緻密に描いた本作は、サスペンス好きにとって外せない一本。複数の視点で構成され、観る者を引き込む脚本力は『パーフェクト・ストレンジャー』に通じるスリルがあります。
シークレット・ウィンドウ
この映画を一言で表すと?
真実と妄想が交錯する、ジョニー・デップ主演の心理サスペンス。
どんな話?
作家モートの元に現れた謎の男が「自分の作品を盗作した」と言いがかりをつけてくる。次第に精神を蝕まれていくモートだが、すべての出来事は彼の内面と過去に起因していた。
ここがおすすめ!
予想を裏切るどんでん返しと、登場人物の内面に切り込むストーリーが魅力。『パーフェクト・ストレンジャー』と同じく“真実とは何か”を探る構造で、ラストの衝撃は必見です。
ミスティック・リバー
この映画を一言で表すと?
幼い頃の傷が大人になって再び交差する、哀しきサスペンスドラマ。
どんな話?
子どもの頃に悲劇的な事件を経験した3人の男たちが、大人になって再会。新たな殺人事件が起きたことで、それぞれの過去が引き寄せられていく。静かだが圧倒的な緊張感が全編を貫く。
ここがおすすめ!
人間の内面に潜む痛みと罪の意識を丁寧に描いた名作。伏線の配置や登場人物の心理の描写は『パーフェクト・ストレンジャー』に通じるものがあり、重厚なサスペンスを求める方におすすめです。
ザ・ギフト(2015)
この映画を一言で表すと?
過去の罪が忍び寄る、静かな恐怖がじわじわと迫る心理スリラー。
どんな話?
夫婦が新天地での生活を始める中、夫の旧友だと名乗る男が現れ、不穏な贈り物と訪問を繰り返すようになる。やがて、表面化しなかった“高校時代のある出来事”が今を脅かし始める。
ここがおすすめ!
静かに進む展開の中に、サスペンスの緊張感が凝縮。『パーフェクト・ストレンジャー』のように、登場人物の表と裏、記憶と真実が巧みに描かれており、最後の一撃に震えること必至です。
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