映画『パーソナル・ショッパー』の概要:セレブの買い物係をしているモウリーン。ある時、携帯に奇妙なメッセージが届く。それをきっかけに、少しずつ日常が狂っていく。それは霊なのか、生きている人間の仕業なのか。巧妙に作られた脚本と映像に、観客は知性と創造力とスピリチュアルな感性を試される。
映画『パーソナル・ショッパー』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:サスペンス
監督:オリヴィエ・アサイヤス
キャスト:クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガー、シグリッド・ブアジズ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー etc
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映画『パーソナル・ショッパー』の登場人物(キャスト)
- モウリーン(クリステン・スチュワート)
- パーソナル・ショッパー(買い物係)を仕事にしている。霊媒師でもある。双子の兄ルイスがいたが、三ヵ月前に心臓発作で死んだ。ルイスの霊と接触することで、人生に何らかの変化が起こるのではないかと期待している。
- ギャリー(タイ・オルウィン)
- モウリーンの恋人。仕事の関係でオマーンへ行っている。幽霊は存在してほしいと言ってはいるが、実際にはいないと思っている。
- ララ(シグリッド・ブアジズ)
- ルイスの妻。ルイスが死んで三ヵ月しか経っていないが、アーウィンという新しい恋人がいる。モウリーンの良き理解者で支えになってくれる。
- キーラ(ノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン)
- モウリーンの顧客。セレブで、有名人や著名人の友人も多い。金持ちらしいわがままさと奔放さを持つ。インゴと不倫している。
- インゴ(ラース・アイティンガー)
- キーラの不倫相手で、ファッション誌の特派員の仕事をしている。
映画『パーソナル・ショッパー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『パーソナル・ショッパー』のあらすじ【起】
モウリーンは時間のないセレブに代わって買い物をするパーソナル・ショッパーという仕事をしている。同時に、彼女は霊媒師でもあった。三ヵ月前、双子の兄であるルイスがパリの自宅にて心臓発作で死んでいた。彼もまた、霊媒師だった。
荒れ放題になったルイスの家へとやってきたモウリーン。目的は霊となったルイスと接触すること。何かがいる気配はしたのだが、その試みは失敗に終わる。階段の壁にいつの間にかバツ印の傷が付いていた。モウリーンはそれが気になった。
モウリーンの今の顧客はキーラというセレブ女性。キーラのスタイルや好みを考慮し、高級ブランドの服を選ぶ。チャリティパーティ用のドレスや、アクセサリーを購入し、それらをキーラのクローゼットに仕舞う。これがモウリーンの仕事だった。この仕事にはルールがあった。それは“キーラのために買った服や靴を勝手に着たり、履いたりしてはいけない”ということだ。
ある日、キーラのマンションに行くと、インゴという男がいた。インゴはキーラの不倫相手で、もう2年になるという。二人の関係が夫にバレたのではないかとキーラは感じており、インゴはフラれてしまうのではないかと気が気でない様子だった。インゴはモウリーンにパリで何をしているのか尋ねてきた。モウリーンは、“兄からのサインを待っている”と答えた。ルイスとモウリーンは、二人のどちらかが先に死んだら、死後の世界からサインを送ると約束をしていた。モウリーンはこうも考えていた。“サインが来れば、全部忘れて自分の人生を送れる”のだと。
映画『パーソナル・ショッパー』のあらすじ【承】
夜、再びルイスの家にやってきたモウリーンは、水道の蛇口がひとりでに開くポルターガイスト現象に遭遇。そして、女性の霊が姿を現した。霊は口からエクトプラズムを吐き出し、そのまま消えてしまった。モウリーンが気になっていたバツ印は彼女が付けたもので、ルイスからのサインではなかった。
ある朝、モウリーンのスマートフォンに送信者不明のメッセージが送られてくる。そこには“お前を知っている”と書かれていた。メッセージはしつこく送信されてきて、モウリーンがロンドンへ向かうことも知っていた。ロンドン行きの列車の中で、モウリーンは思わず、“あなたは生きているの? 死んでいるの? ルイスなの?”と打ちこんでしまう。これらのメッセージはルイスからのサインなのだろうか。それとも誰かの悪戯なのだろうか。
モウリーンはロンドンでキーラの服を調達しながら、不明の人物とメッセージのやり取りを続けた。メッセージはモウリーンにさまざまな質問をしてきたが、ふいに“別人になりたいと思うか?”と聞いてきた。“YES”と返事を打つモウリーン。
服を持ってキーラのマンションにやってきた時、“キーラのドレスを着たいか?”というメッセージが届く。その問いかけに、モウリーンは少し戸惑うが、欲望に負けて恐る恐るドレスを着てしまう。
映画『パーソナル・ショッパー』のあらすじ【転】
モウリーンが帰宅すると、ロッカーに郵便が届いていた。中には“コンコルド・ホテル 724号室”と書かれたメモと、ホテルのカードキーが入っていた。
ルイスの妻だったララのもとを訪ねたモウリーンは、ルイスの家で彷徨っていた女性の霊について話をした。霊はもう出ていったので安心だと告げる。ララとの会話の中で、その昔、ヴィクトル・ユーゴーが霊と交信した時の話になる。ユーゴーは、霊がテーブルの脚で床を叩く音で会話していた。音が一回ならYES、二回ならNOといったやり方だ。
モウリーンはキーラのマンションへ行き、彼女のドレスを身に纏うと、コンコルド・ホテルへと向かった。ホテルの部屋には誰もいなかったが、すぐさまメッセージが届く。君の写真を送ってくれと言うので、ドレス姿の自分を撮って送信した。モウリーンはこんなことをしている自分自身が理解できず、まるで自分が自分ではないような奇妙な気分になっていた。
キーラのマンション。赤い紙バッグに入ったカルティエのジュエリーを届けに行ったモウリーンは、そこでキーラの死体を発見する。部屋の中に不気味な気配を感じたモウリーン。それが霊なのか、生きている者なのかは分からなかったが、怖くなったモウリーンはその場から逃げ出してしまう。
死体と幽霊らしきものを見て動揺したモウリーンだったが、すぐにマンションに戻って警察に通報した。警察で取り調べを受ける。帰宅途中、メッセージが届く。“私とのメールのことを警察に話したか? 答えろ”と。だが、モウリーンはメッセージを無視し続けた。
モウリーンにはオマーンに出張しているギャリーという恋人がいた。ルイスと接触しようとパリに残ったモウリーンを辛抱強く待ってくれている。ビデオ電話で、何も起こらないので、そっちに行きたいと伝えるモウリーン。ギャリーは“当然さ、霊なんて存在しないのだから”と言う。そして、喜んで待っているとも言ってくれた。電話を切った後、ふと部屋に赤い紙バッグがあることに気がついて恐怖する。中に入っていたのはカルティエのジュエリー。キーラの部屋に届けたものだった。
怖くなったモウリーンがスマートフォンをチェックすると、メッセージが多数届いていた。“クラウン・プラザ・ホテル 239号室で待つ”と書かれていたが、何も反応が無いことに苛立ったのか、“お前の部屋へ行く”と脅しはじめてきた。メッセージは間隔を短くしながら送信され続け、ついにはモウリーンの部屋の前に来ていると言いだす。だが、ドアの前には誰もいなかった。しかし、誰かが来たという痕跡は残っていた。ドアの下に、クラウン・プラザ・ホテルのルームキーが、メモと一緒に挟まれていたのだ。
ジュエリーを持って、クラウン・プラザ・ホテルの239号室へとやってきたモウリーン。部屋には誰もいない。しばらくして、誰かがドアを開けて入ってくる音が聞こえてきた。
239号室のドアが開いた。廊下に出てきたのはインゴだった。彼はその場を立ち去ろうとしたが、入り口で二人の私服警官から車に乗るように促される。突如、インゴは警官を振り払い、発砲して逃走した。夜、ララとカフェで待ち合わせたモウリーンは、インゴが逮捕され、全てを自白したことを告げた。
映画『パーソナル・ショッパー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ララの家に転がり込んだモウリーンは、ララの新しい恋人のアーウィンに出会った。アーウィンはルイスの友人だったが、ララと付き合うことに少し後ろめたさを感じていた。ここにルイスがいて、見ているような気がすると。モウリーンはそんなことは思わなくてよいから、二人とも幸せになってほしいと言う。そして、アーウィンも“君もルイスに縛られず、自由に生きなさい。彼もそれを望んでいる”と言うのだった。
アーウィンが帰った後、モウリーンは庭でぼんやりとしていた。すると、彼女の後ろのキッチンに男の霊が姿を現す。男の霊はグラスを床に落とす。割れる音に驚き、モウリーンは振り返ったが、そこには誰もおらず、割れたグラスの破片だけが床に散らばっていた。
モウリーンはオマーンへとやってきた。ギャリーの部屋から、更に5時間かけて山小屋へと到着する。物音がして、ギャリーが帰ってきたのかと思ったモウリーン。音のほうへ行ってみると、グラスが空中に浮いていた。グラスは突然に落下し、粉々になる。それを見て、モウリーンは呟く。“ルイス、いるの?”という問いかけに、ドンと壁を一回叩く音が響いた。音が一回は、YESの意味だ。質問を続けていくと、その都度、壁を叩く音で返事が返ってきた。しかし、モウリーンは途中から、ルイスではない別の誰かなのではないかと考え始める。モウリーンはもう一度、あなたはルイスなのかと尋ねてみた。けれど、返事はなかった。モウリーンは言った。“全部、私の気のせいなのかな?”と。その言葉に、壁はドンと一回だけ叩かれた。
映画『パーソナル・ショッパー』の感想・評価・レビュー
本作は、セレブのドレスやジュエリーの買い物係を担当するモウリーンが、携帯に届いた奇妙なメッセージがきっかけで事件に巻き込まれていく様子を描いたスピリチュアルサスペンス作品。
やはりシャネルの衣装協力や、カルティエなどが登場してるだけあって、終始画面がファッショナブルで華やか。
特に、主人公のモウリーンがバイクで街中を走る姿、その美貌とセンスに最後まで釘付けだった。
しかし、これは単なるお洒落映画ではなくスピリチュアル要素強めで、いい意味で期待を裏切られた。(女性 20代)
クリステン・スチュワートの演技が好きで、興味を惹かれた作品。やっぱりこの作品でも、彼女の演技と存在感は素晴らしかったと思う。
主人公のモウリーンがパーソナル・ショッパーだけでなく、霊媒師としての顔もあるので、終始不穏な空気が漂う作品だった。欲望に抗えない人間の心理だけでなく、兄を失った悲しみから立ち直れないモウリーンの不安定さを感じた。最後はすっきりしない結末なのだが、この作品には合っていて良かったかなと思った。(女性 30代)
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