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映画『密偵』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『密偵』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『密偵』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『密偵』の結末までのストーリー
  • 『密偵』を見た感想・レビュー
  • 『密偵』を見た人におすすめの映画5選

映画『密偵』の作品情報

密偵

製作年:2016年
上映時間:140分
ジャンル:サスペンス、歴史
監督:キム・ジウン
キャスト:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン、鶴見辰吾 etc

映画『密偵』の登場人物(キャスト)

イ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)
日本政府で働く朝鮮人の警務。もともとは上海の臨時政府で通訳をしていたが、その時の情報を日本に売り、今の地位を手に入れた。妻と幼い息子がいる。朝鮮人という立場から、主に密偵の仕事を任されている。
キム・ウジン(コン・ユ)
義烈団の核心メンバー。表向きは写真館と古美術商の店を経営している。
ヨン・ゲスン(ハン・ジミン)
義烈団の団長、チョン・チェサンの秘書。
ヒガシ(鶴見辰吾)
日本政府の高官でジョンチュルの上司。
ハシモト(オム・テグ)
日本政府の警部。ジョンチュルと組むことになるが、敵意を示しており、必死に彼を出し抜こうと画策する。
チュ・ドンソン(ソ・ヨンジュ)
義烈団のメンバー。
キム・ジャンオク(パク・ヒスン)
義烈団のメンバーでジョンチュルとは同郷で旧知の仲。
チョン・チェサン(イ・ビョンホン)
義烈団のリーダー。普段は全く表に顔を出さない謎の男。

映画『密偵』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『密偵』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『密偵』のあらすじ【起】

1920年代。日本政府の統治下である朝鮮半島。日本政府が頭を悩ませている存在、それは独立を夢見る運動団体・義烈団だった。彼らを捕らえるため、一人の朝鮮人が抜擢される。彼の名は、イ・ジョンチュル。上海の臨時政府で通訳として働いていたが、日本に情報を売り、今では日本政府で警務として働いていた。

義烈団メンバーのキム・ジャンオクは、資金を得るため高価な仏像の闇取引を行うが、情報が洩れ、日本警察に取り囲まれてしまう。そこにジョンチュルが駆けつけた。ジョンチュルとジャンオクは同郷で親しかったが、お互いに別々の道を歩んでいた。日本の犬に成り下がったジョンチュルを売国奴と罵ったジャンオクは、そのままピストル自殺した。

日本政府の高官・ヒガシは、ジャンオクが取引しようとしていた仏像が、義烈団への足がかりになると考え、ジョンチュルに捜査を指示した。ジョンチュルは手始めに、ジャンオクと一緒に取引現場に来ていたチュ・ドンソンを釈放し、様子を伺うことにした。

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映画『密偵』のあらすじ【承】

三坂通りの人力車の店が、京城での義烈団のアジトだった。そこに戻ったドンソンは、寝返ったのではないかと尋問を受ける。だが、義烈団の核心メンバーであるキム・ウジンによって命を救われ、京城を離れろと命令される。

ジョンチュルはキム・ウジンが多額の資金を調達し、上海に流しているという情報を掴む。その資金で、爆弾を仕入れているらしい。そのことをヒガシに報告すると、ウジンを利用しろと指示を出される。ヒガシはもう一つ、ジョンチュルに指示を出した。それは、ハシモトという警部と組むこと。ハシモトは義烈団の団長、チョン・チェサンの秘書と言われるヨン・ゲスンを捕まえようと躍起になっていた。

ウジンが経営する写真館にやってきたジョンチュル。ウジンに押収したジャンオクの仏像の鑑定を依頼する。ジョンチュルの口から警務局の者だと知らされたウジンは、すぐさま態度を変え、頼みごとをしてきた。商売の話になった二人は、そのまま飲みに行き、すっかり酔っぱらってしまう。ウジンは別れ際、ジョンチュルのことをアニキと呼ぶようになる。別れた後、ウジンはチョン・チェサンに、日本警察に嗅ぎつけられたことをモールス信号で送った。

翌朝、ジョンチュルはゲスンの居所と、ウジンが義烈団員だという確固たる情報を得る。しかし、その情報は先にハシモトに横取りされていた。先手を取ろうとしたハシモトだったが、焦って失敗してしまう。結果、修女会に隠れていたゲスンを取り逃がし、ウジンにも姿を消されてしまう。このことで、ジョンチュルとハシモトは対立し始める。

ヒガシからウジンが上海入りしたことを告げられる。爆弾の専門家を集めているのだそうだ。ジョンチュルとハシモトはすぐさま上海へと向かった。

映画『密偵』のあらすじ【転】

ジョンチュルは上海にいるウジンの居所を突き止め、相談したいことがあるので上海に行くと手紙を出した。ウジンとゲスンは、チョン・チェサンに身の危険を知らせに行く。だが、チェサンはジョンチュルを自分たちの密偵にしようと提案する。

上海でウジンと合流したジョンチュル。事業を始めたいので、実力者を見つけてほしいとウジンに頼む。早朝、ウジンに朝飯に誘われたのでついていくと、なんとそこにはチョン・チェサン本人が待っていた。驚くジョンチュルにチェサンは“あなたの力を貸していただきたい”と説得してきた。逃げ場のなくなったジョンチュルは、否応なしに手を貸すしかなかった。

ジョンチュルの裏工作のおかげで、安東駅から京城行きの列車に乗ることが出来たウジンら義烈団メンバー。その情報を得たハシモトとジョンチュルも列車に乗り込む。彼らを逃がしたいジョンチュルだったが、義烈団の中に密偵がおり、情報は全てハシモトに筒抜けだった。

列車内でウジンに密偵のことを知らせると、ウジンは策を練って密偵を見つけ出した。しかし、同時にハシモトにも見つかってしまい、ウジンは追い詰められる。ジョンチュルはハシモトを撃ち殺してウジンを助けた。ジョンチュルは“次に会うときは敵同士だ。どちらかが死ぬことになる”と言い残し、列車を飛び降りた。

京城駅は警官隊で包囲されていた。義烈団は次々に捕まり、抵抗する者は撃ち殺されていった。そしてゲスンも日本警察の手に落ちる。警務局に戻ったジョンチュルは、拷問されてボロボロになったゲスンと再会し、ヒガシから口を割らせろと拷問を強要される。

潜伏している義烈団が次々と逮捕されていく中、久しぶりにウジンの写真館へとやってきたジョンチュル。そこでチュ・ドンソンに出会い、ウジンが身分証を欲しがっていることを告げられる。ウジンの隠れ家に身分証を届けに行くが、それは罠だった。ジョンチュルを尾行した日本警察はウジンの逮捕に成功した。

映画『密偵』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジョンチュルは警察の目を盗み、なんとか逃亡したが、程なくして逮捕されてしまった。そして裁判が開かれる。ジョンチュルは裁判官に“全て上司の命令でやったこと。私は義烈団ではなく、日本警察として職務を全うしただけ。ウジンとは仲間でも友でもない”と証言する。

投獄されてから一ヵ月後、ゲスンは獄中で死亡。ジョンチュルは釈放されるが、その時、偶然にもゲスンの死体と遭遇し、嗚咽する。ジョンチュルは強い決意を胸に、ヒガシらが集まる晩餐会へと向かった。実はジョンチュルはウジンから爆弾を預かっていた。裁判での証言も計画的なものだった。全ては、この作戦のために。ジョンチュルは爆弾を使い、晩餐会の会場を爆破。ヒガシを含む大勢が死亡した。

ジョンチュルは次なる計画をたてた。実行役はドンソンだった。ドンソンは、チェサンにこの計画を話すと号泣していたとジョンチュルに伝えた。ジョンチュルは、“チェサンにまた会おうと伝えてくれ”とドンソンに告げると、静かに立ち去って行った。ドンソンは爆弾を持ち、その足で朝鮮総督府へと向かうのだった。

獄中のウジンは、壁に文字を掘った。壁には“義烈団 ここにあり”と刻まれていた。衰弱し、横たわるウジン。だが、その顔には笑みが浮かび、ひどく満足気な様子だった。

映画『密偵』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

時代背景がとても緻密で、1920年代の日本統治下の朝鮮の空気がリアルに伝わってきました。特にソン・ガンホ演じるイ・ジョンチュルの葛藤が見事で、ラストに彼が抵抗運動に加担する展開には胸が熱くなりました。正義と裏切りの狭間で揺れる人間模様が丁寧に描かれていて、重厚なサスペンスを存分に味わえました。(30代 男性)


日本側に仕えながらも心の奥底では祖国を思うジョンチュルの複雑な心理描写が、とても印象的でした。正体がバレるかバレないかの緊張感が常に漂い、手に汗握るシーンが続きます。特に列車内でのやり取りは圧巻! ただ、後半のテンポが少し重たく感じたのが惜しい部分でした。(20代 女性)


ソン・ガンホとコン・ユ、二人の演技合戦が見応えありました。特にジョンチュルが自らの信念を取り戻し、ラストに至るまでの流れは感動的です。歴史的背景を知っていると、より深く感情移入できる作品だと思いました。重苦しい題材ながら、映像も美しく、最後まで目が離せませんでした。(40代 男性)


序盤から張り巡らされた伏線が、終盤で一気に回収される展開に鳥肌が立ちました。日本警察と独立運動家の緊張感あふれる駆け引きが素晴らしく、観ている側も何度も裏切られました。ラストでジョンチュルが撃たれるシーンは、静かでありながら強烈な余韻を残します。(50代 女性)


歴史映画だけど、サスペンスやスパイものとしてもすごく完成度が高い。とくに列車のシーンは、「誰が密偵なのか」を観客に考えさせながらも絶妙にヒントを出していて、演出力の高さを感じました。ソン・ガンホの演技力が全体を引き締めていて、さすがとしか言いようがない。(10代 男性)


単なる「愛国心 vs 裏切り」の話ではなく、人間の弱さや迷いに深く切り込んだ作品だと思いました。特にジョンチュルとキム・ウジン(コン・ユ)の間に生まれる奇妙な友情のような感情が切なくて印象に残ります。エンタメ性と社会性を両立させた名作です。(30代 女性)


スパイ映画らしい緊張感がありつつ、非常に人間ドラマが濃厚でした。イ・ビョンホン主演の『インサイダーズ』が好きな人にもおすすめできる感じ。終盤のジョンチュルの決断には、拍手を送りたくなるほどの感動がありました。韓国映画らしい骨太な作品でした。(40代 女性)


歴史を知らなくても十分楽しめましたが、当時の朝鮮独立運動の苦しみを知ると、ラストの重みが格段に増します。アクションやサスペンス演出がとてもスタイリッシュで、特にコン・ユのクールな立ち回りに痺れました。こういう硬派な映画、もっと観たいです。(20代 男性)


『密偵』は、ただの歴史劇ではなく、裏切り、忠誠、アイデンティティの問い直しを扱う心理劇だと感じました。イ・ジョンチュルが独立軍支援に転じる瞬間に至るまでの描写がじっくり描かれていて、観ていて胸が苦しくなるほどでした。何度も噛み締めたい作品です。(50代 男性)


スパイとして生きる苦悩と、時代に翻弄される人々の悲哀が深く心に残りました。ソン・ガンホの圧倒的な存在感に加え、脇役たちもみんな生き生きしていて、リアリティがありました。個人的にはもう少しコン・ユ側の描写が欲しかったですが、満足度は高いです。(30代 女性)

映画『密偵』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『密偵』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

暗殺(암살 / Assassination)

この映画を一言で表すと?

命を懸けた独立運動家たちの壮絶なスパイアクションが胸を打つ歴史大作!

どんな話?

1930年代、日本統治下の朝鮮。祖国解放のために暗殺計画が極秘に進行する中、複数のスパイたちの思惑が交錯していく。誰を信じ、誰を裏切るのか、息を呑む緊迫感に満ちた展開が続く、壮大な歴史アクション映画です。

ここがおすすめ!

華やかなキャスト(チョン・ジヒョン、イ・ジョンジェ、ハ・ジョンウ)が共演し、圧倒的なスケール感で描かれる独立運動の激闘。緻密なプロットと、派手な銃撃戦、そして切ないドラマが詰まっていて、『密偵』にハマった人には間違いなく刺さります!

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

この映画を一言で表すと?

天才が挑む暗号解読、孤独と使命を背負ったスパイ戦ドラマ。

どんな話?

第二次世界大戦下、ナチス・ドイツの暗号「エニグマ」を解読すべく、天才数学者アラン・チューリングが奮闘する実話ベースのドラマ。周囲からの孤立や偏見と闘いながらも、人類史に残る偉業を成し遂げる彼の姿を描いています。

ここがおすすめ!

ただの歴史映画ではなく、「人はなぜ闘うのか」という深いテーマを持つ作品。スリリングな頭脳戦と、主人公の内面に迫るドラマが絶妙に絡み合っていて、知的好奇心も感情も刺激されます。密かな戦いに惹かれる人にはぴったり!

タクシー運転手 ~約束は海を越えて~

この映画を一言で表すと?

ひとりの男の小さな勇気が、大きな歴史を動かす奇跡の実話。

どんな話?

1980年、韓国・光州事件を取材するためにドイツ人記者を乗せたタクシー運転手キム・サボクの実話に基づく物語。軍の弾圧に隠された真実を命懸けで伝えようと奮闘する、知られざる英雄たちの姿を描きます。

ここがおすすめ!

ソン・ガンホが再び魅せる、普通の人間が英雄になる瞬間。『密偵』同様、時代に翻弄されながらも信念を貫く人々の物語に胸が熱くなります。笑いあり涙ありで、心に残る映画を探している人にぜひ!

シークレット・エージェント

この映画を一言で表すと?

正義と忠誠の狭間で揺れる二重スパイの葛藤を描く骨太スパイ映画。

どんな話?

北朝鮮のスパイが韓国の警察組織に潜入する中で、自らの正義を問い直していく姿を描く。誰が味方で誰が敵か分からない中、徐々に揺らいでいく心の葛藤と裏切りをリアルに描き出します。

ここがおすすめ!

緊張感あふれる駆け引きと、人間ドラマが絶妙に絡む硬派なスパイスリラー。『密偵』のような心理戦・二重スパイものが好きな人にはたまらない一本です。演出も洗練されていて、最後まで目が離せません!

裏切りのサーカス

この映画を一言で表すと?

一瞬の油断が命取り、静かな緊張感に満ちた極上のスパイサスペンス。

どんな話?

冷戦下のイギリス情報部(MI6)で、内部に潜む裏切り者(モグラ)を探し出すため、元諜報員スマイリーが復帰する。派手なアクションではなく、じわじわと緊張感を高める緻密な心理戦が描かれます。

ここがおすすめ!

派手な演出はなくとも、登場人物たちの視線ひとつで観る者を釘付けにする緻密な演出。ゲイリー・オールドマンをはじめ、超一流俳優たちの静かな演技合戦が堪能できます。重厚なスパイ映画を求める人には必見の傑作です!

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. りり より:

    名無し様

    やっぱりその理解で良かったですか、良かった~

    ウジンとジョンチョルを裏切って、ヒガシ側に寝返ったから、滅多刺しにされたのかな?と。

    イマイチ分かりにくくて、最後に総督府に乗り込んだ学生服の青年が誰かわからなかったので判明して良かったです(^^)

    時間をあけて、見直してみます。

  2. 名無し より:

    ラストシーンの子はドンソンとは別人です。ジョンチュルが初めて団長に会ったときに団長の後ろにいます。ドンソンはカーテンで包まれて殺されています。