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映画『ハモンハモン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ハモンハモン』の概要:美しいシルヴィアを巡り、絡み合う6人の男女の愛。自分勝手な情熱と欲望がもたらしたのは、取り返しのつかない悲劇だった。主演を演じるペネロペ・クルスの映画デビュー作。

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映画『ハモンハモン』の作品情報

ハモンハモン

製作年:1992年
上映時間:93分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、コメディ
監督:ビガス・ルナ
キャスト:ペネロペ・クルス、アンナ・ガリエナ、ジョルディ・モリャ、ステファニア・サンドレッリ etc

映画『ハモンハモン』の登場人物(キャスト)

シルヴィア(ペネロペ・クルス)
ショーツ工場で働く美しい女性。交際を反対している恋人の母親が雇った男を、何も知らずに愛するようになる。
ホセ・ルイス(ジョルディ・モリャ)
シルヴィアの恋人。シルヴィアを深く愛しているが、厳しい母親から反対され、彼女を紹介できずにいる。シルヴィアの母親の店の常連。
ラウル・ゴンザレス(ハビエル・バルデム)
ハム工場で働く男。ショーツ会社の広告に応募したことをきっかけに社長夫人であるコンチータに気に入られる。彼女からシルヴィアを誘惑するように依頼されるが、シルヴィアのことを本気で好きになってしまう。
カルメン(アンナ・ガリエナ)
シルヴィアの母親。3人の娘を育てるためバーを営んでおり、裏では売春もしている。ホセ・ルイスの父親と過去に付き合っていた。
コンチータ(ステファニア・サンドレッリ)
ホセ・ルイスの母親。息子とシルヴィアの交際を反対している。シルヴィアを騙すよう雇ったラウルを寂しさから愛するようになる。
マヌエル(フアン・ディエゴ)
ホセ・ルイスの父親であり、ショーツ会社の社長。シルヴィアの母親であるカルメンは昔の恋人。妻への愛は冷めている。

映画『ハモンハモン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ハモンハモン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハモンハモン』のあらすじ【起】

シルヴィアは、飲んだくれの父親が家を出て行った後、バーで働く母親と二人の妹と一緒に暮らしている。ショーツ工場で働く傍ら、トルティーヤを作り売っているが、一家はあまり裕福ではない。

シルヴィアが働く男性向けショーツ会社は、3代続く老舗で、現在の社長夫婦には一人息子がいる。シルヴィアはその息子であるホセ・ルイスと付き合っていた。

彼女は、彼の子供を妊娠していた。デート中、そのことを知った彼は、その場にあったジュース缶のキャップを指輪がわりにし求婚する。そして、貧しい自分が彼の両親に認められるか不安に感じているシルヴィアに、会社のパーティーで両親に紹介すると約束するのだった。

ホセ・ルイスの母親であるコンチータは、息子に対して過保護な母親だった。夫婦仲はあまり良くないが、夫が経営している会社は順調で、自分もそこで働いている。会社は、現在広告に起用する男性下着のモデルを探していた。

闘牛士に憧れるラウル・ゴンザレスは、その広告に応募してきた男たちの中の一人だった。現在はハム会社の配達員をしているが、彼は整った顔立ちで、逞しい体つきをしており、コンチータに気に入られ採用される。

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映画『ハモンハモン』のあらすじ【承】

ショーツ会社のパーティーに出席したシルヴィアと母親のカルメン。ホセ・ルイスはシルヴィアを母親に紹介しようとする。だが、その時コンチータは、夫のマヌエルがカルメンと親しげに話しているのを目撃。彼女がシルヴィアの母親だと知らずに、シルヴィアの前で「あばずれ」と呼び、彼女を怒らせるのだった。ホセ・ルイスはシルヴィアを紹介できずに終わってしまう。

家に帰ったシルヴィアはひどく落ち込んでいた。カルメンは、妊娠を知ったときは自分の二の舞になるのではと叱ったが、「彼と結婚できなければ自殺する」と言う娘を心配し、優しく抱きしめるのだった。

その夜、コンチータは自分に見向きもしなくなった夫の背中を見ながら、昼間親しく話していたカルメンとの関係を詮索する。マヌエルは、悪びれる様子も無く、過去にカルメンと付き合っていたことを白状する。コンチータは、夫の元恋人の娘が、息子と親しくすることが許せず、別れさせようと夫にも協力を仰ぐが、彼は妻の言葉を聞き流すだけだった。

コンチータはある企みを思いつく。下着の広告モデルに起用したラウルを使い、シルヴィアを誘惑させるのだ。ラウルは彼女がお金を出すと言うと、すぐさま同意した。

早速、ラウルはシルヴィアが家で飼っていた豚をわざと興奮させ、道路に飛び出したところを助けるふりをし、彼女と知り合った。女性が簡単に自分になびくと思っているラウルは、その後すぐシルヴィアを誘惑。だが、彼女は恋人に忠実で、きっぱりと拒否するのだった。

ラウルは、次の日もシルヴィアの仕事の帰り道を狙い、デートに誘う。露骨に口説いてくるラウルにシルヴィアは「豚男」と言い突き放すが、内心は面白さを感じていた。

そして、その夜ホセ・ルイスや友達とディスコに踊りに行ったシルヴィアは、熱い視線を自分に向けているラウルの姿を見つける。視線を避けるようにホセ・ルイスに元に行き、帰ろうと言うが、彼は帰ろうとしなかった。友達と化粧室に向かったシルヴィアをラウルは追いかける。彼は、女子がたむろする化粧室の中にズカズカと入り、皆の前で突然シルヴィアの唇を奪うのだった。

ホセ・ルイスはなかなか両親にシルヴィアのことを言い出せずにいた。彼女にもそれを咎められてしまう。両親がいなければお金もなく、結婚も難しいと考えたホセ・ルイスは、父親に犬用の生理ショーツの企画を提案。だが、それは逆に父親を怒らせる結果になり、母親からも子供扱いされてしまう。

むしゃくしゃした気持ちを晴らそうとホセ・ルイスが向かったのは、カルメンが働くバーだった。カルメンの店は裏で売春もしており、実は彼はそこの常連だったのだ。シルヴィアと付き合うようになり関係は控えていたが、カルメンに癒しを求めるホセ・ルイスは「もう一度だけ」と彼女に頼み、彼女も承諾する。

その頃、闘牛士を志すラウルは、夜友達と飼育場に忍び込む。彼らは、「俺たちも裸で戦うべきだ」とふざけて全裸で赤い布を手に持ち、闘牛士の真似事をするのだった。しかし、しばらくして監視員に見つかってしまう。二人は乗ってきていたバイクも捨てて、裸のままその場から逃げる。

彼らはシルヴィアの家のドアを叩き、服を貸してくれと頼む。シルヴィアは呆れながらも二人を家に入れた。だが、すぐにラウルがいやらしいことを言い始めたため、彼を追い出した。ラウルは窓の外から「愛してる」と言い、ガラスにキスする。シルヴィアは、もう怒ることはなく、その顔は微笑みを浮かべていた。

映画『ハモンハモン』のあらすじ【転】

コンチータは、ラウルの元を訪ねる。冷え切った夫婦生活に寂しさを感じていた彼女は、若くエネルギーに満ちたラウルと話すうちに気分が良くなり、彼をホテルに誘う。ラウルも「シルヴィアを本当に好きになりそうだ」と口では言いながらも、彼女の誘いに乗ってしまう。コンチータは、ラウルに「シルヴィアと今後会わないように」と言う。そして彼の気を引くためにバイクを買い与えるのだった。

家ではホセ・ルイスが父親にシルヴィアの妊娠のことを告白していた。父親は、息子が母親に弱く、いつも言いなりになっていることにもどかしさを感じていた。彼は「シルヴィアを逃すな」とアドバイスする。

ラウルは新しいバイクに乗り、帰宅途中のシルヴィアを追いかけていた。冷たくされるが、ラウルは諦めず、彼女の横を何度も往復し気を引くのだった。家が近づき、幼い妹たちがシルヴィアを迎えに出る。だが、その時妹が抱いていた子豚が暴れ出し、バイクで轢きそうになったラウルは、避けようとして転倒する。

咄嗟に買い物バックを投げ捨て、ラウルに駆け寄るシルヴィア。ラウルは無事だったが、彼女は夢中で「愛してる」と何度も告白するのだった。

シルヴィアはホセ・ルイスに別れを切り出す。いつまで経っても自分を親に紹介できなかったホセ・ルイスに愛想を尽かしていたシルヴィアは、彼に引き止められても心は動かなかった。彼はすでにシルヴィアには他に好きな男がいることを知り、怒りを露わにする。

車で去って行ったホセ・ルイス。残されたシルヴィアに突然大雨が降り注いだ。ようやく入った店の中にはラウルの姿があった。彼女はずぶ濡れの状態で彼に近づき、後ろから強く抱きしめる。二人はそこにいる客や店の人間の目も気にせず熱く抱き合うのだった。

そんな二人を、店の入り口で呆然と見つめるホセ・ルイス。彼はシルヴィアを迎えに戻ってきていたのだ。彼は声をかけることさえできずにいた。

映画『ハモンハモン』の結末・ラスト(ネタバレ)

帰宅したホセを母親が待っていた。息子からシルヴィアが彼を捨て、他の男と付き合い始めたことを聞かされたコンチータは、すぐにそれがラウルのことだと悟り、ショックを受ける。

夜になり、コンチータはラウルの家に向かった。暗がりで静かに家の中を覗くコンチータの目に入ってきたのは、情熱的に愛し合うラウルとシルヴィアの姿だった。彼女は嫉妬にかられる。そこに母親の跡をつけてきたホセ・ルイスが合流し、うなだれながら、ようやくシルヴィアが自分の子供を妊娠していることを母親に告げるのだった。

コンチータは帰宅したシルヴィアの家を訪ね、彼女に息子と結婚するように頼む。ラウルを失う恐怖から必死になっているコンチータは、彼を雇いシルヴィアを誘惑させたことや、彼と自分の関係も暴露するのだった。シルヴィアは驚き絶望する。

次に、ラウルに会いに行ったコンチータ。彼にもシルヴィアが息子の子供を身ごもっていることを明かし、ショックを与える。シルヴィアを本気で愛するようになっていたラウル。だが、コンチータからの激しい求愛と、さらにベンツを買ってあげると言われ、彼の貪欲な心は揺らいでしまうのだった。

その頃、ホセ・ルイスはカルメンに会いに行き、札束を見せつけ、彼女にまた慰めを求めた。だが、自暴自棄になっている彼を見て、カルメンはそれを拒否する。彼は狂い出しそうな心を抑えることができず、ラウルの元へ殴り込みに行くのだった。

シルヴィアはホセ・ルイスがラウルを殺してしまうのではと心配になり、ホセ・ルイスに会いに行く。だが、そこにいたのは彼の父親だけだった。彼はかつての恋人であるカルメンにそっくりのシルヴィアを見つめ、思わずキスをする。弱り切っていたシルヴィアもそれを許してしまうのだった。

ラウルの家に着いたホセ・ルイス。彼は母親が裸同然の姿でいるのを見てしまい、さらに激怒する。ハム工場であるルイスの家にはハムの原木が大量に吊るされていた。ホセ・ルイスはそれを手にし、ラウルに襲いかかるのだった。

ハムの原木で殴り合いになった二人。力尽きるほど殴り合いを繰り広げたが、ラウルはとうとう留めの一撃をホセ・ルイスの頭に与え、彼を殺してしまうのだった。

シルヴィアと父親が駆けつけた時には、コンチータが死んだ息子を泣きながら抱きしめていた。父親はコンチータの乱れた姿を見てラウルとの関係を知る。そこへカルメンも到着し、ホセ・ルイスを抱きしめる。ラウルはコンチータの膝に泣きながらすがりついていた。

彼らはホセ・ルイスの死を嘆き悲しむ。だが、その姿はマヌエルがシルヴィアを抱きしめ、コンチータはラウルを抱きしめ、カルメンはホセ・ルイスを抱きしめるという、おかしな構図のままだった。

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