映画『フェノミナ』の概要:スイスの全寮制の学園に転入したヒロインが昆虫学者と出会い、虫と交信できる超能力を使って連続少女殺人事件の謎を追うイタリア映画。監督はダリオ・アルジェント、主演はジェニファー・コネリー。
映画『フェノミナ』 作品情報
- 製作年:1984年
- 上映時間:111分
- ジャンル:SF、ファンタジー、ホラー
- 監督:ダリオ・アルジェント
- キャスト:ジェニファー・コネリー、ドナルド・プレザンス、ダリア・ニコロディ、ダリラ・ディ・ラッツァーロ etc
映画『フェノミナ』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『フェノミナ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『フェノミナ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『フェノミナ』 あらすじ【起・承】
有名な俳優を父に持つジェニファーは、アメリカからスイスにあるワグナー女学院に転入した。
寮のルームメイトになったソフィから、少女を狙った連続殺人事件が起こっているという話を聞かされた後、ジェニファーは眠りにつく。
その夜、夢遊病が再発したジェニファーは寮から抜け出してしまう。
そして彼女はチンパンジーのインガに導かれて、車いすの昆虫学者マクレガーに保護される。
虫に好かれ、どんな虫も嫌がらないジェニファーに驚く教授。
次の日の夜、ソフィに見張りを頼んで眠りについたジェニファーだったが、ソフィはボーイフレンドと会うために部屋を抜け出す。
そしてソフィは行方不明になった。
異変を感じ取ったジェニファーが庭に向かうと、一匹のホタルが現れる。
ホタルに導かれて手袋を見つけるが、それについていた虫に触れた瞬間、殺された少女たちの姿がジェニファーの頭に浮かんだ。
ジェニファーは犯人のものだと確信し、マクレガー教授に届ける。
話を聞いた教授は、ジェニファーには虫たちと交信できる能力があるのだと告げる。
学校でいじめられるようになったジェニファーは能力を爆発させ、ハエの大群を呼び寄せる。
それを悪魔的なものだと判断した校長は、ジェニファーを精神病院に収容させようとする。
映画『フェノミナ』 結末・ラスト(ネタバレ)
マクレガー教授の屋敷に逃げ込んだジェニファー。
教授の助言のもと、ハエを案内役にして、最初の被害者が消えた場所を探す。
そこは空き家になっていて、不動産屋に咎められたジェニファーは逃げ出した。
やがて教授が殺されてしまう。
行き場を失ったジェニファーは、父の代理人のモリスに連絡してアメリカに帰れるよう頼み込む。
すると、モリスから連絡をもらったという教師ブルックナーが現れ、翌日の飛行機までの時間を彼女の屋敷で過ごすことに。
病気の幼い息子と二人暮らしだというブルックナー。
熱が出たジェニファーは無理やり薬を飲まされるが、ウジを見つけ、とっさに毒だと判断して薬を吐き出す。
しかし、本性を現したブルックナーに監禁されてしまった。
電話を取ろうとして、地下に向かうジェニファー。
そこには連続少女殺人事件の担当ガイガー刑事が監禁されていて、ジェニファーは遺体をため込んだプールに落ちてしまう。
ガイガー刑事に助けられたジェニファーだったが、異様な顔をしたブルックナーの息子が追ってくる。
ボートの上で乱闘になり、ジェニファーはハエの大群を呼び寄せると、ブルックナーの息子に反撃。
ボートが燃えて、ブルックナーの息子は息絶えた。
スイスにやってきたモリスはボロボロになったジェニファーを見つけるが、ブルックナーに殺されてしまう。
そしてジェニファーにも襲い掛かるブルックナーだったが、拾ったカミソリを手にしたインガがブルックナーの息の根を止めた。
映画『フェノミナ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『フェノミナ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ツッコミどころだらけのストーリー
前半は、ジェニファー・コネリー演じる美少女ジェニファーが、虫と交信できる能力を自覚するまでを描きつつ、連続少女殺人事件の犯人は誰なのかとハラハラさせる展開になっている。
チンパンジーのインガが、メスは切れるものだから使うなと教授から教えられるなど、ラストでインガがブルックナーにとどめを刺すための伏線もある。
しかし、後半ではジェニファーが昆虫と交信できる能力を使う描写がほとんど出てこない。
そればかりか、前半では手についたウジから情報を得ていたジェニファーが、後半では何も得られず水で洗い流している。
ガイガー刑事が、隔離施設などで何を調べていた事について明らかにしないまま終わるので、スッキリしない。
施設にいた謎の男性と、暴行を受けた過去があるというブルックナー、異様な顔をしたブルックナーの息子も関連がありそうだが、謎の回収はされていない。
ジェニファーの夢遊病が突然再発した原因や、その際に見ていた夢の光景についても、放り投げっぱなし。
ブルックナーの屋敷で、普通ではないと感じつつも渡された薬を素直に飲もうとする、ジェニファーの行動はツッコミどころ。
ジェニファー・コネリーの熱演が光る
昆虫と交信できる能力と言っても、出てくるのはハエとウジばかり。
虫と交信できる能力を持ったヒロインという設定が斬新なだけに、余計に勿体なく感じる部分。
ジェニファーがウジだらけの遺体のプールで溺れるシーンは、虫の気持ち悪さとジェニファー・コネリーの迫真の演技が相まって、素晴らしいものになっている。
また、殺人鬼の道具が槍という、他の映画にはない意外性もある。
けれど虫が嫌いな場合は、気分が悪くなりそうなほどハエとウジが出てくるので、注意したい。
映画『フェノミナ』 まとめ
ゲーム「クロックタワー」のモデルにもなった作品で、ジェニファー・コネリーの熱演と不思議な雰囲気の美少女っぷりが目を引く。
日本とは違う容赦ないイジメのシーンや、遺体とウジだらけのプールでジェニファーが溺れるシーンは強烈。
おがくずなどを利用したよくできた偽物だが、虫が嫌いな場合はトラウマものになるので、注意が必要。
ガラスや鉄板を振りかざしただけで首が切れるのか、などというストーリー上のツッコミどころは多く、虫との交信能力を活用しきれていない部分もあるが、独特で面白い作品。
なお、序盤に登場する被害者の少女は、監督ダリオ・アルジェントの娘が演じている。
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