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映画『ピエロがお前を嘲笑う』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ピエロがお前を嘲笑う』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ピエロがお前を嘲笑う』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ピエロがお前を嘲笑う』の結末までのストーリー
  • 『ピエロがお前を嘲笑う』を見た感想・レビュー
  • 『ピエロがお前を嘲笑う』を見た人におすすめの映画5選

映画『ピエロがお前を嘲笑う』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2014年
上映時間 106分
ジャンル サスペンス
犯罪
監督 バラン・ボー・オダー
キャスト トム・シリング
エリアス・ムバレク
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング
アントニオ・モノー・Jr
製作国 ドイツ

映画『ピエロがお前を嘲笑う』の登場人物(キャスト)

ベンヤミン(トム・シリング)
冴えない孤独な青年。14歳からコンピューターにはまり、天才ハッカーとなる。父親は失踪、母親は自殺し、アルツハイマー気味の祖母と暮らしている。ハッカー界のスター“MRX”に憧れている。
マックス(エリアス・ムバレク)
罪を償う奉仕活動でベンヤミンと知り合った。自信家でカリスマ性がある。ベンヤミンたちとピエロのお面をトレードマークにした“CLAY(クレイ)”というハッカー集団を結成する。
シュテファン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)
クレイのメンバー。プログラムの穴を見つける天才で、肉体も鍛えている。全身タトゥーだらけ。
パウル(アントニオ・モノー・Jr)
クレイのメンバー。ハードオタク。常にマイナス思考で、ほとんどのことに反対する。ヒゲ面で太っている。
マリ(ハンナー・ヘルツシュプリンク)
ベンヤミンが片思い中の女子大生。ベンヤミンとは中学の同級生だった。法律の勉強をしている。
ハンネ・リンドベルク(トリーヌ・ディルホム)
欧州サイバー犯罪センターの捜査責任者。捜査の成果が上がらず、微妙な立場にある。出頭してきたベンヤミンに指名され、事件の顛末を聞く。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ピエロがお前を嘲笑う』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』のあらすじ【起】

ある事件で最重要指名手配犯となったハッカーのベンヤミンは、自ら警察に出頭し、欧州サイバー犯罪センター捜査責任者のハンナを指名して、自供を始める。

父親の顔を知らず、母親も8歳の時に自殺したベンヤミンは、祖母に育てられた。学校では変人扱いされ、友達もいなかった。孤独な日々を送るベンヤミンは、14歳の時にコンピューターと出会い、自分にハッカーの才能があることに気づく。

ベンヤミンは、ダークネットと呼ばれるハッカーたちの交流サイトに出入りするようになり、ハッカー界のスターMRXに憧れるようになる。MRXは、“安全なシステムはない”“不可能に挑め”“サイバー世界と現実世界を楽しめ”という持論を展開していた。

ベンヤミンは、中学時代から片思いしてきたマリが、学士課程の試験問題を欲しがっていることを知り、深夜の大学へ潜り込む。しかし警備員に捕まってしまい、50時間の奉仕活動という罰を受ける。

奉仕活動でマックスという男に声をかけられ、ベンヤミンはパーティーへ誘われる。会場には、マリの姿もあった。マックスはそこでシュテファンとパウルにベンヤミンを引きあわせ、彼のハッカーとしての腕を試す。ベンヤミンは3人の前でパソコンを操作し、近隣の家を停電させてしまう。マックスたちは、ベンヤミンの凄腕に感心する。

警察に踏み込まれ、なんとか逃げ切ったベンヤミンは、朝方自宅へ帰る。しかし祖母の姿が見えず、またすぐ外へ出る。祖母はアルツハイマーが進行し、目が離せなくなっていた。精神科医に専門的な介護が必要だと言われ、ベンヤミンは祖母を施設に預ける。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』のあらすじ【承】

電車でマックスと再会したベンヤミンは、シュテファンとパウルと合流し、ドイツ国民同盟の集会会場に忍び込む。4人はそれぞれ役割分担して、新しい選挙運動のビデオを、ふざけたアニメに入れ替え、それが放映される様子をネットで中継する。この映像は百万クリックを獲得し、4人は大興奮する。

4人はベンヤミンの祖母の家を活動拠点とし、ピエロの仮面がトレードマークのハッカー集団を結成する。チーム名は、「Clowns Laughing At You(ピエロがお前を嘲笑っている)」を略して「CLAY(クレイ)」に決める。

クレイは次のターゲットを金融会社にして、ハッキングで株式市場の情報にいたずらをする。他にも大手製薬会社や大手通販サイト、さらにポルノサイトなどを攻撃し、クレイは話題のハッカー集団となる。しかし憧れのMRXには完全に無視され、マックスは怒りを募らせる。

実際にクレイはまだまだ小物で、ハンネが捜査責任者を務めるサイバー犯罪センターの捜査対象にもなっていなかった。ハンネが追っているのは、欧州中央銀行やドイツ連邦軍のサーバーを攻撃した「フレンズ」と呼ばれるロシアのサイバーマフィアたちだ。ハンネはフレンズを3年間も追い続けているが、まだ目立った収穫はなかった。

マックスたちは、ポルシェを盗み、酒やコカインをやって憂さ晴らしをする。ベンヤミンは、思い切ってマリにキスするが、マリの恋人に殴られてしまう。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』のあらすじ【転】

そんなある日、ついにMRXがクレイに接触してくる。MRXは、ハンネがユーロポートに送った特捜班の極秘捜査資料をメールに添付してきた。そこには、“クレイは無害なグループで大物ハッカー集団ではない”という記述があった。

MRXも警察も、自分たちなど眼中にないのだと知ったマックスは、なんとか彼らを思い知らせてやりたいと考える。ベンヤミンの提案で、クレイは連邦情報局という超大物を次のターゲットに決める。

彼らはゴミの山を漁り、ゲルディという女性職員のメールアドレスや個人情報を入手する。ゲルディを通して入館証を手に入れたクレイは、情報局の建物内に侵入し、連携して中枢部への経路を開いていく。コンピューターの操作を担当したベンヤミンは、仲間にも内緒で、局員リストのデータを盗んでいた。

情報局にハッカー集団のクレイが侵入し、プリンターが操作されたというニュースは大きく報道され、マックスたちはクラブで祝杯をあげる。しかしベンヤミンは、マックスとマリがキスしているのを目撃し、家に閉じこもってしまう。

3人と決裂したベンヤミンは、自分を馬鹿にしたマックスを見返してやるため、盗んだデータをMRXに送信する。ところが、このデータとともにフレンズの一員であるクリプトンの遺体が発見され、クレイがロシアのサイバーマフィアや殺人事件に関わっているのではないかと疑われてしまう。

ベンヤミンは、密かにデータを盗んだことと、それをMRXに送ったことを3人に打ち明ける。ベンヤミンは全て自分の責任だと反省し、MRXの正体を突き止めることにする。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』の結末・ラスト(ネタバレ)

ベンヤミンは、「フー・アム・アイ」という自分のネット名を使ってMRXと接触する。ハンナたちは、ベンヤミンの正体を追っていた。しかしハンナはベンヤミンを取り逃がしてしまい、停職処分となる。

MRXは、ユーロポールのコンピューターに遠隔操作で捜査を監視することのできるアクセスポイントを仕込むようベンヤミンに指令を出す。ベンヤミンは、MRXがユーロポールのシステムに入った瞬間、こちらもMRXの端末に侵入できるというシステムを仕込み、MRXの正体を暴くつもりでいた。

マックスたちもベンヤミンに協力して、計画を進める。彼らは証拠を全て隠滅するため、祖母の家まで燃やしてしまう。しかし、ユーロポールへの侵入は、困難を極める。

それでもなんとかマックスは穴を見つけ、偽のアクセスポイントをユーロポールの食堂に設置する。ところが、MRXはその企みを見抜いており、逆にベンヤミンの正体が暴かれる。ベンヤミンはロシアのサイバーマフィアに追われる身となり、他の3人はホテルで惨殺されてしまう。

ベンヤミンは、MRXとフレンズの情報と引き換えに証人保護を適用して欲しいとハンナに申し出る。ハンナはその取引に応じることにする。ベンヤミンは、ネットを操作してMRXのプライドを傷つける作戦で、奴の正体を暴き出す。逮捕されたのは、ニューヨーク在住の19歳の地味な青年だった。

あと数時間でベンヤミンに証人保護が適用されるという時になって、ハンナは“奴の話には大きな穴がある”という同僚の言葉を思い出す。その言葉通り、ベンヤミンの自供が、全て作り話だったことがわかる。ベンヤミンには、遺伝性の多重人格障害が疑われ、マックスもシュテファンもパウルも、ベンヤミン自身が作り上げた人物だと判断される。精神疾患者の証人保護は認められておらず、ベンヤミンの証人保護も取りやめになってしまう。

ベンヤミンのおかげで手柄を上げ、復職の決まったハンナは、密かにベンヤミンをコンピュタールームに入れ、証人保護のプログラムを自ら操作させてやる。ハンナは、新しい名前を手に入れたベンヤミンを、独断で逃がしてやる。ベンヤミンは彼女にハッカーをやめると約束し、晴れて自由の身となる。

生まれ変わったベンヤミンは、髪を金髪に染め、別人のようになってとある船上にいた。そばにはマリやマックス、そしてシュテファンとパウルもいた。ベンヤミンは最初からこうなるとわかって、全てのトリックを仕込んでいた。ハンナも後になってそのことに気づいたが、時すでに遅しだった。

映画『ピエロがお前を嘲笑う』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ハッカー映画かと思いきや、まさかの心理サスペンスでした。ベンヤミンが自ら語る物語が、ラストでひっくり返る瞬間の衝撃は、ここ数年で一番かもしれません。多重人格を装い、自らの計画を完全犯罪に仕立て上げていたという事実が明かされたときは鳥肌が立ちました。映像演出もテンポも洗練されていて、クールで知的なドイツ映画の魅力を感じました。(20代 男性)


ハッキングを題材にした作品は多いけど、ここまで巧妙に伏線が仕込まれている作品は珍しい。主人公ベンヤミンの語る“真実”が、実は観客すら欺くトリックだったと気づいた瞬間、物語の構造の巧さに唸りました。彼が最後にすべての証拠を抹消し、名前も消して自由を手に入れる結末は、切ないけど痛快。再鑑賞必至のサスペンスです。(30代 女性)


まるで『ファイト・クラブ』のようなどんでん返しに唸らされた。途中まで「ちょっと地味かな」と思って観ていたのに、ベンヤミンの計画が明かされたとき、自分が完全に騙されていたと気づかされました。CLAYの仲間たちが実在していなかった、もしくは“装っていた”という構造も見事。サイバー犯罪と個人のアイデンティティを描いた傑作です。(40代 男性)


ベンヤミンの孤独や自分の存在意義に対する葛藤が印象的で、ただのハッカー映画ではない深みがありました。仲間を装い、事件の証拠すら自らの手で操作し、全ての罪から逃れる――その冷静さと計算力にゾッとします。ラストで彼が電車の窓に自分の姿を映すシーンは、“誰にも知られない自分”を生きる決意にも見えて切ないです。(20代 女性)


あのラスト、鳥肌ものでした。主人公が実はすべてを操作していた黒幕だったなんて!しかも、ずっと彼の語りに騙されていた自分にもゾッとしました。まさに「誰も信じるな」というメッセージ通り。序盤の会話や描写すら伏線になっていて、再視聴すると全く違う物語が見えてくる構成力がすごい。ドイツ映画、侮れません。(30代 男性)


サイバーサスペンスとしても面白いですが、人間ドラマとしても秀逸でした。ベンヤミンの孤独、そして「誰かになりたい」という欲望が悲しくもリアル。だからこそ、彼が計画を成功させ、誰の記憶にも残らない選択をするエンディングは衝撃的でした。クールだけど切ない。そんな映画でした。(40代 女性)


終盤の展開は、まさに「嘲笑われた」のは観ているこちらだったと気づかされる一撃。ベンヤミンの語りに完全に信じ込んでしまっていたので、事実が明らかになったときに受けたショックがすごかった。構成力、演出、演技、すべてが高水準でまとまった、ドイツ産サスペンスの代表格と言っていいと思う。(50代 男性)


「ピエロが嘲笑う」の意味が、最後の最後で観客にも向けられていたことにゾッとしました。ベンヤミンの語りが作り話で、その裏に完璧な計画があったなんて…。孤独な青年が、誰にも知られずに“勝利”を収めるという皮肉な結末は、非常に印象的。映像表現も秀逸で、スタイリッシュな中に冷たい狂気を感じました。(50代 女性)


サスペンスとして完璧な構成。しかも、ありがちな“ハッカー映画”ではなく、しっかり人間ドラマとしての深みがあるのが素晴らしい。情報操作、演出、記憶の曖昧さ――あらゆるテーマが見事に絡み合って、観終わったあとに一気に色んなことを考えさせられた。こういう映画がもっと評価されてほしい。(60代 男性)


最初から最後まで、緻密に仕組まれた迷宮のような映画。観終わったあとも、あの描写は本当だったのか?誰が誰だったのか?と考え続けてしまう。一度騙された後で、もう一度観たくなる映画ってそうそうないです。ハリウッドにはないタイプの知的サスペンスとして、もっと多くの人に知ってほしい一本です。(60代 女性)

映画『ピエロがお前を嘲笑う』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ピエロがお前を嘲笑う』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ファイト・クラブ

この映画を一言で表すと?

常識を覆す衝撃のラストに、あなたの価値観が揺らぐサイコスリラーの金字塔。

どんな話?

不眠症に悩む主人公が、カリスマ性を持つ男タイラーと出会い、非合法な地下格闘クラブにのめり込んでいく。しかしその先には、自らの精神の深層に潜む恐ろしい真実が待っていた。

ここがおすすめ!

『ピエロがお前を嘲笑う』と同様、語り手が観客をミスリードする構成が魅力。視聴者を裏切るラストの衝撃と、緻密に仕組まれた伏線の数々は何度見ても新しい。サスペンス好きに必見の一作です。

ソーシャル・ネットワーク

この映画を一言で表すと?

天才の頭脳と孤独が生んだ、裏切りと野望のドキュメント・ドラマ。

どんな話?

Facebook誕生の裏側を、創業者マーク・ザッカーバーグの視点で描いた実録風の物語。友情と裏切り、成功と訴訟が交錯する中、現代における“信用”と“アイデンティティ”の意味が問われていく。

ここがおすすめ!

天才たちが織りなす緻密な駆け引きと、非凡な人間の孤独が見事に描かれており、ハッカーとしての才能と孤立を描く『ピエロがお前を嘲笑う』と重なるテーマが多い。知的刺激が欲しい人におすすめ。

ミスター・ロボット(ドラマシリーズ)

この映画を一言で表すと?

天才ハッカーが抱える闇と現代社会の矛盾をえぐる、超本格サイバーサスペンス。

どんな話?

精神疾患を抱えた天才ハッカー、エリオットが社会の支配構造を破壊するため、謎の組織“fsociety”と手を組み、世界を揺るがすサイバー攻撃に関わっていく。

ここがおすすめ!

サイバー空間の描写、精神的なトラウマ、信頼できない語り手という共通要素が『ピエロがお前を嘲笑う』と完全に重なる。全体の構成力やどんでん返しの連続も見どころ満載です。

プレステージ

この映画を一言で表すと?

すべての謎が明かされたとき、観る者は“仕掛け”そのものに驚かされる。

どんな話?

19世紀末のロンドン。2人の天才マジシャンが互いを出し抜こうと執拗に競い合う中、次第にその競争は狂気へと変わり、予測不能の結末へと進んでいく。

ここがおすすめ!

緻密な伏線と編集によって構築された、超一級のどんでん返しミステリー。観客の認識を操作する構成が『ピエロがお前を嘲笑う』に酷似しており、再視聴で印象がガラリと変わる快作です。

ナイトクローラー

この映画を一言で表すと?

欲望とモラルがねじれる中、成功だけを追い求めた男の狂気。

どんな話?

職を求める青年が、事件現場の映像を撮って報道局に売る「ナイトクローラー」という職業にのめり込んでいく。やがて彼は、報道の“演出”すら厭わない男へと変貌していく。

ここがおすすめ!

“なりすまし”や“社会における透明な存在”といった要素が『ピエロがお前を嘲笑う』と強く重なります。主人公のモラルなき成長と演出による現実の操作は、観る者に不快なほど強烈な印象を残します。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    大どんでん返しや衝撃のラストとまではいかないが、2転3転していくラストは意外性があって面白い。
    冒頭で血が流れた室内に落ちている薬きょうを見せ、終盤ではベンヤミンが解離性同一性障害(多重人格)で、マックス、シュテファン、パウルがベンヤミンの中の人格だとするが、そう思わせる事も計画だったという、どれが本当なのかわからなくなりそうになる。

    しかし、ハンネ捜査官がベンヤミンが持っていた4つの角砂糖を見て、すべてを悟った表情を見せるのには違和感が残る。
    殺された“フレンズ”のひとりと、連邦情報局の関係の部分は速足過ぎてわかりにくい。

    だが、今を楽しみたい若者像と、ネット社会となった現代がうまくかみ合ったストーリーにはワクワクさせられる。

  2. 匿名 より:

    ハッキングに関してリアルに描かれている作品で、吹き替え版でも字幕版でも変わらない専門用語の多さに驚かされる。
    「トロイの木馬」、「フィッシングサイト」といった有名な言葉から、「悪魔の双子」という聞きなれないハッキング方法も出てくる。
    「DDoS」、「ゼロデイアタック」、「ソーシャル・エンジニアリング」といったIT専門用語も数多く登場し、何を言っているのかわからないシーンも多い。

    しかし、そういった専門用語を出すことで“ハッカーらしさ”を演出することに成功し、リアリティのある作品に仕上がっている。
    わかりにくい「悪魔の双子」の仕組みや、「ソーシャル・エンジニアリング」などは説明にあたるセリフがある。

    ハッカーを描いた作品ではCG技術が多く使って仮想空間を演出することが多いが、本作では電車の中の仮面をつけた人間と、CGを使った文字での会話で仮想空間を演出していて斬新。

  3. 匿名 より:

    ドイツ・アカデミー賞の6部門にノミネートされた話題作というだけあって、リアリティの高いハッカーの姿や、ネット社会に生きる現代っ子の様子も丁寧に描かれている作品。
    ハッカーといっても人間で、コンピューターから情報を引き出すだけでなく、人間同士のかかわりからも情報を引き出すという「ソーシャル・エンジニアリング」というハッキング方法を、そのまま利用したようなストーリーや演出には引き込まれる。

    すっきりしないラストではあるが、ベンヤミンの「見たいものだけ見ればいい」というセリフのように、ラストシーンがベンヤミンの妄想か現実なのかは自由に受け取れるようになっている。