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映画『午後8時の訪問者』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『午後8時の訪問者』の概要:夜間に診療所のベルが鳴ったのを無視したばかりに身元不明の女性が死亡してしまい、女医がその真相を突き止めようとするサスペンス。カンヌ国際映画祭のパルーム・ドールを2度受賞したダルデンヌ兄弟の監督作品。

映画『午後8時の訪問者』の作品情報

午後8時の訪問者

製作年:2016年
上映時間:106分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
キャスト:アデル・エネル、オリヴィエ・ボノー、ジェレミー・レニエ、ルカ・ミネラ etc

映画『午後8時の訪問者』の登場人物(キャスト)

ジェニー(アデル・エネル)
診療所で働く女性医師。夜間の診療に応じなかった相手が遺体で見付かったために、罪の呵責に悩まされることになる。
ジュリアン(オリヴィエ・ボノー)
ジェニーの元で研修をしている研修医。医者を目指していたのに途中でその道を諦めてしまう。

映画『午後8時の訪問者』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『午後8時の訪問者』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『午後8時の訪問者』のあらすじ【起】

ジェニーは小さな診療所で研修医のジュリアンを指導しながら、高齢者を診察していた。すると待合室で子供が突然発作を起こしてしまう。ジュリアンはその場で立ち尽くしてしまい、ジェニーが介抱する。幸いにして子供の意識は戻った。その夜、ジェニーはジュリアンに患者の痛みに反応せずに感情を抑えるように助言する。その時、診療所のベルが鳴るが、ジェニーはジュリアンにドアを開けないように言う。ジュリアンは突然感情を害し、自転車で出ていってしまう。

翌日、刑事が診療所を訪ねて来て防犯カメラの映像の提供を求めてくる。近くの工事現場で女性の遺体が見付かったのだ。ジェニーはジュリアンが出勤して来ないので心配になって電話するが、留守電になってしまう。普段通りに診察をしていたジェニーの元に再び刑事から連絡が入る。遺体で見付かった被害者が映像に映っていたのだ。それは前夜にジェニーがベルを無視した時間だった。映像には何かに追われて逃げている黒人女性がベルを押す様子が映っていた。黒人女性はジェニーの知らない人物だった。

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映画『午後8時の訪問者』のあらすじ【承】

ジェニーは遺体が見付かった工事現場にやって来る。そして第一発見者から発見場所を示してもらう。ジェニーはジュリアンの元を訪ねて黒人女性の写真を見せるが、ジュリアンも全く記憶にない人物だった。ジェニーは扉を開けなかったことへの後悔を口にする。一方、ジュリアンは荷造りをしているところで、医者の道を諦めて実家に帰ることを打ち明ける。

ジュリーは往診で患者の家を回る。ジェリーは行く先々で黒人女性の写真を見せて、知っている人がいないかを確認する。ジェニーは体調が悪くなった少年の家にも往診にやって来る。少年にも写真を見せてみるが、少年は知らないと答える。しかし写真をみた途端に少年の脈拍は異様に早くなっていた。ジェニーはそのことに気がつき怪訝に思う。往診を終えたジェニーは刑事に電話をし、黒人女性の葬儀が行われたことを知る。ジェニーは少年の家に戻ってもう一度事情を聞こうとするが、少年は拒む。

帰宅したジェニーは食材や布団を家から運び、診療所で寝泊まりするようになる。

映画『午後8時の訪問者』のあらすじ【転】

ジェニーは女性の遺体を埋葬するために墓地の区画を借りる。診療所に少年がやって来る。そして、少年はキャンピングカーで黒人女性が老人と淫らな行為をしていたところを目撃したことを打ち明ける。ジェニーはキャンピングカーを買う振りをして所有者に会う。所有者に黒人女性の話をすると、相手は気分を害してジェニーを追い出してしまう。ジェニーは高齢者施設まで所有者の父親に会いに行く。所有者の父親こそが目撃された老人だった。父親は所有者が娼婦を手配してくれていたことを打ち明ける。黒人女性が娼婦だと知ったジェニーは娼婦が多い郊外を目指す。

郊外のインターネットカフェまで来たジェニーは黒人の受付嬢に写真を見せて心当たりがないか聞くが、受付嬢は知らないと答える。ジェニーはジュリアンに会いに行き、医者の道を続けるように説得を試みる。ジュリアンは子供の頃に父親から暴力を振られていたが、医者はそれに気付いてくれなかったという。このため、自分と同じ目に遭っている人を助けたくて医者になろうとしたが、逆に父のことを思い出してしまうので嫌になったと話す。しかし、後日になってジュリアンから再び医者を志すことにしたとの連絡が入る。

映画『午後8時の訪問者』の結末・ラスト(ネタバレ)

夜中にジェニーの元に少年の父親から電話がある。腰を痛めて倒れてしまったのだ。ジェニーは往診に向かい、痛み止めを注射してあげる。そしてふと、少年の父親が黒人女性のことを知っていることを察知し、そのために呼んだのではないかと問い詰める。少年の父親は何も語らず、お金だけを払ってジェニーを追い返す。

ジェニーが夜に診療所に戻ると、少年の父親が会いに来る。少年の父親は事件の夜のことを話し始める。通りで黒人女性を見付けて娼婦だと気付き声を掛けたが、黒人女性は逃げ出したという。そのために追い掛けたが、女性は工事現場の方に逃げて転んでしまったという。話を聞いたジェニーは警察に自首するように促す。

ジェニーの診療所にインターネットカフェの受付嬢がやって来る。そして死亡した黒人女性が自分の妹だったことを打ち明ける。黒人女性の名前はフェリシだった。受付嬢はフェリシに男を取られそうになって嫉妬していたので、姿が消えても探さなかったという。ジェニーは受付嬢を抱きしめ慰める。

映画『午後8時の訪問者』の感想・評価・レビュー

女医が亡くなった黒人女性の正体を探ろうと情報を集める過程にぐいぐい引き込まれてしまう。しかし、事件の真相は意外性がないどころか、説得力にも欠けるもので期待外れだった。一方で、素晴らしく感じたのがジェニーと患者との距離感だ。医者としてのプロ意識を保ちつつも、患者に取って必要な存在となって親密なやり取りをする光景に胸を打たれた。罪の意識から診療所に泊まるようになるなど、女医の心理変化が丁寧に描かれている点も良かった。(MIHOシネマ編集部)


淡々と感情を抑えて仕事を行うジェニーは、一見すると冷たい女性のように思う。しかし、応対を拒んだ女性が亡くなったことを知り良心の呵責に悩まされているところを見ると、本当は心優しい女性なのだろうなと思った。感情を抑えて行わなければ耐えられない、医者という仕事は大変だと思う。冒頭は物語に引き込まれ、ジェニーと同じように時間外に来た女性が亡くなったことに驚いた。しかし、ラストがちょっと期待外れだった。冒頭のインパクトに負けてしまったような気がする。(女性 30代)


医者であるジェニーが謎を解き、犯人を探すストーリーですが、正直面白くありませんでした。まず、なぜジェニーが扉を開けなかったのかが理解できないし、この描き方だと気分で診療するかしないかを決める医者のように見えてしまいます。
そして、医者が警官のような捜査をしている点もリアリティが無く面白くないと感じてしまいました。
一度医者への夢を諦めた研修医が、やっぱりもう一度…と戻ってくる理由もよく分からないしモヤっとした気持ちになる作品です。(女性 30代)

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