映画『砂の城(2017)』の概要:「成し遂げたことは確かにあるはず。目には見えなくても」望まずして軍に入隊したオークルは、とある街の水道設備を復旧する任務につく。危険地帯の中で行う任務では次々と障害が現れ・・・。変わりゆく主人公の心境を巧みに描き出す繊細な戦争映画。
映画『砂の城』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:戦争
監督:フェルナンド・コインブラ
キャスト:ニコラス・ホルト、ローガン・マーシャル=グリーン、ヘンリー・カヴィル、グレン・パウエル etc
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映画『砂の城』の登場人物(キャスト)
- マット・オークル二等兵(ニコラス・ホルト)
- 大学の学費を稼ぐために軍に入隊したものの、部隊に馴染めず、いち早く帰国したいと思っている。部隊の中では階級が一番低いものの、礼儀正しくルールに従う。
- ハーパー軍曹(ローガン・マーシャル・グリーン)
- オークルの上司で部隊を率いるリーダー。他のメンバーに比べ、常識があるオークルに気をかけている。部隊の苦言を上層部に進言するなど、仲間思いな人物。アメリカにいる婚約者とはあまりうまくいっていない。
- エンゾ伍長(ニール・ブラウン・Jr)
- お調子者でムードメーカー。バートン軍曹とは幼なじみで親友。口は悪いが心根は優しく、味方が負傷したときにはいち早く救護に向かう。帰国したら女性にモテまくると豪語している。
- バートン軍曹(ボウ・ナップ)
- エンゾ伍長の幼なじみで親友。部隊内でもかなり好戦的な性格で、過酷な任務でも絶対に逃げ出さない強い精神の持ち主。
- ディラン・チャツキー軍曹(グレン・パウエル)
- 部隊のメンバーでオークルと行動を共にする。好戦的な性格ではあるものの、いい加減でルールに従わないためオークルとは反りが合わない。女性にモテるために筋トレをしている。
- サイバーソン大尉(ヘンリー・カヴィル)
- バクーバにあるアメリカ軍基地の責任者。百戦錬磨で部隊を指揮し、危険な銃撃戦な中でも冷静な判断を下せる。一方、現地人を快く思わない場面も。基地内で愛犬を飼っている。
- カディール(ナヴィド・ネガーバン)
- バクーバにある学校の校長。部隊がなかなか現地人の協力が得られない中、子供たちのために協力を申し出た進歩的で心優しい人物。教師として教養があるため英語が堪能。
映画『砂の城』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『砂の城』のあらすじ【起】
2003年、クウェート。大学の学費を稼ぐために軍に入隊したオークルは、軍での生活に嫌気が差している。部隊の仲間はお調子者や敵を殺すことに夢中な連中ばかりで、なかなか馴染めないでいた。
そのため彼は帰国するためにわざと自分の手を車に挟み、負傷しようとする。
しかし企みは失敗に終わり、手が軽傷だったため帰国は許可されなかった。そんな中、部隊にバグダット進攻命令が下る。
アメリカ軍優勢の中行われたバグダットでの任務は無事成功し、部隊は上機嫌のまま帰国できると考えていた。
しかしその後、部隊には危険地域のバクーバでの任務が下される。
葛藤するものの、オークルと部隊はバクーバで水道設備を整える任務に従事することを決める。バクーバでは、アメリカ軍の攻撃によって水道設備が壊されたため、住民たちに水を供給する必要があったのだ。
危険地帯の中、敵に狙われながら行う任務は困難なもので、バクーバの住民たちもアメリカ軍を歓迎していなかった。
映画『砂の城』のあらすじ【承】
部隊のリーダーであるハーパー伍長は、想定より配給設備を復旧させる作業に時間がかかると分かると、現地で作業員を募集するが、住民は誰も参加したがらない。
住民からの理解を得るため、部隊のリーダーであるハーパー伍長は部族長と対話を試みる。部族長は、住民がアメリカ人を助けると命を狙われると伝える。必死に説得するハーパー伍長に対し、現地の責任者であるサイバーソン大尉は我慢の限界を迎え、説得は難航する。
いつも通り配給任務に従事していると、部隊にとある人物が話しかける。
彼はカディールと名乗り、彼が校長を務める学校に水を配給してほしいと伝えるのだった。
部隊は配給任務を終え、基地に戻る途中、敵から奇襲を受ける。銃撃によって水を運ぶポンプ車が故障し、敵のスナイパーの狙撃により、部隊のチャツキー軍曹が死亡してしまう。
配給設備の復旧作業が難航する中、給水車が故障し部隊のメンバーも1名死亡している。
任務遂行は絶望的に。
映画『砂の城』のあらすじ【転】
翌日、学校の校長であるカディールが基地に訪れる。彼は配給設備の手伝いを申し出る。彼を信頼したオークルは、彼を雇うようサイバーソン大尉に進言し、協力を受け入れることになる。
カディールの説得により彼とエンジニアでもある彼の弟、彼の知り合いなど多くの人々が作業を手伝うようになる。彼らの協力により復旧作業が軌道に乗り始める。
ある日、いつものように作業を始めようとするとカディールたちが作業に来ない。
不審に思った部隊は学校を訪ねると、そこには丸焼きにされたカディールの死体が吊るされていたのだった。
兄の仇を取るため、カディールの弟は部隊に敵の居場所を教える。信憑性を疑っていたものの、彼の情報をもとに部隊は奇襲作戦を行うことに。
作戦が開始されると、待ち伏せていた敵と激しい銃撃戦が始まる。カディールを丸焼きした敵を確保し、任務は成功するものの敵の砲撃により、部隊のメンバーであるバートン軍曹とエンゾ伍長が瀕死の重傷を負ってしまう。
映画『砂の城』の結末・ラスト(ネタバレ)
重症の二人は基地に運ばれ、部隊はオークルとハーパー伍長の二人のみになってしまった。
翌日、復旧作業に取り掛かかろうとすると、敵討ちの礼としてカディールの弟たちが手伝いにやってくる。
以前のように現地作業員と協力して作業に取り掛かる中、作業員の一人が不審な箱をポンプの近くに置く。次の瞬間、箱に入った爆弾が起爆し、ポンプは粉々になってしまうのだった。
怪我はなかったものの任務が失敗したため、オークルとハーパー伍長はバグダットのアメリカ軍基地に戻る。
基地に戻ると、ハーパー軍曹は継続して駐留するが、オークルだけは司令官から帰国命令を下される。何も成し遂げられていない中、自分だけ帰国するわけにはいかないと思ったオークルはこれに反発するが、ハーパー軍曹に説得され帰国することに。
帰りの輸送飛行機に乗るため空港に向かい、ハーパー軍曹と別れの言葉を交わす。
彼は少しだけ晴れやかな空を見つめ、飛行機に乗り込むのだった。
映画『砂の城』の感想・評価・レビュー
戦争映画は、戦争の悲惨さや戦争が人格に与える影響などに焦点を当てた映画が多い中、今作は自分が成し遂げたものが消え去っても前を向いて生きるしかないというメッセージが見て取れた。その意味で、他の作品に比べミニマムな視点で描かれた戦争映画である思う。
また、今作は死亡者が少ないことも印象的だった。血みどろの銃撃戦ではなく、水道設備を整える任務や現地人との触れ合いによって変化していく主人公の心境を映し出した、繊細な戦争映画だった。(MIHOシネマ編集部)
戦争映画はどうしても苦手なのですが、ニコラス・ホルトとヘンリー・カヴィルが出ているとあれば見ないわけにはいきません。
退役軍人の脚本家クリス・ロスナーの実体験を元に作られた作品ということで現地での行動やリアルな人間模様などとても興味深いものがありました。
戦争に正解や答えなどないのだと言うこと思い知らされるでしょう。見終わったあとのモヤモヤ感は戦争は無意味だと言うことを語っている気がしました。
大きな盛り上がりよりもリアルを追求している静かな作品でした。(女性 30代)
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